蛭ヶ岳


- GPS
- 10:50
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 2,195m
- 下り
- 2,257m
コースタイム
- 山行
- 9:39
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 10:36
過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
【魂を削ったバカ尾根蛭ヶ岳ピストン挑戦記】
朝4時起床。眠い目をこすりながら、登山ウェアを身にまとい、リュックを背負って大倉へ向かう。
駐車場近くのコインパーキングに着いたのは朝5時前。それなのに、もう残り数台。登山者たちの気合を感じる。みんな今日に賭けてるんだな。俺も負けてられない。
朝5時、ヘッドライトなしで歩けるくらいの明るさの中、クライムオン!!
目指すは、バカ尾根を登り、塔ノ岳を越え、丹沢山、蛭ヶ岳まで日帰りピストン。普通なら一泊二日が推奨される超ハードコース。無謀かもしれない。でも行く。行きたかったんだ。
バカ尾根。何度来てもバカな尾根だ。
永遠に続くんじゃないかって錯覚するくらい、だらだらとした上りが延々と続く。
前に進んでも、進んでも、ゴールが見えない。
途中、心を折りにかかってくる「先が見えない階段」。何段あるんだこれ…。何度も心がくじけそうになる。
でも、下を向かず、一歩一歩前へ。
バカ尾根に負けてたまるかと、歯を食いしばって踏ん張った。
そして、何とか塔ノ岳に登頂。天気はあまりよくない。
でも、登れたことが何よりも嬉しかった。
「よっしゃーーー!!」って叫びたかったけど、周りに人がいたから、心の中で叫んだ。
…が、ここで終わりじゃない。ここはまだ通過点。
本当の地獄は、ここからだった。
塔ノ岳から丹沢山へ向かう。
一旦下って、また上る。
このアップダウンが、マジでエグい。
下ったら必ず上る。それも、結構な斜度。
経験上、ずっと登りっぱなしより、この細かいアップダウンの方がダメージでかいんだよな…。
特に、下りきった後に急に上りに切り替わると、脚がうまく動かない。まるで鉛のように重たい。
それでも、汗だくになりながら、足を引きずるようにして、なんとか丹沢山に到着。
曇りで霧が濃く、展望は一切なし。
でも、3年ぶりくらいに来た丹沢山。何だか感慨深かった。
小休止を挟んで、いよいよ未知の領域、蛭ヶ岳へ。
初めて行くこの道のりは、やっぱり甘くなかった。
またもや下りからスタート。
「また下るのかよ…」「また上り返すのかよ…」って、心の中で100回くらい思った。
でも、ここまで来たら、引き返す選択肢はない。
途中、ふくらはぎに異変。
ピキッと攣った!!
「うわっ!!」と声が出た。
痛い。めちゃくちゃ痛い。
でも、アキレス腱を伸ばすようにふくらはぎをストレッチして、なんとか誤魔化す。
これ以上酷くなったら動けなくなる。それだけは避けたい。
霧の中に突然現れた、不動ノ峰休憩所。
霧の中に浮かぶ小屋は、まるで幻みたいだった。
モンベルのジャケットを着たお兄さんが、黙々と掃除をしている。
本当にありがとうございます、と心の中で手を合わせた。
こういう場所があるから、俺たちは無事に山を歩けるんだよな。
そこからさらに、鬼ガ岩。
ギリギリ鎖場じゃないけど、まあまあハードな岩場を下り、また上り返し。
脚、プルプル。
でももうここまで来たら、意地。プライド。魂。
全部削ってでも、辿り着きたかった。
そして、ついに蛭ヶ岳到着!
山荘の近くに古びた標識が立っていて、「あ、ここが山頂か!」と思ったら、違った。
ちょっと先にちゃんとした山頂があった。
紛らわしいけど、それもまた思い出。
結局、最後まで霧が晴れることはなかったけど、雨具を着るほどの雨には降られなかった。
あの天気の中では、かなり運が良かった方だと思う。
でもやっぱり、晴れた日の景色、見たかったな。
次こそは、青空の下で蛭ヶ岳に立ちたい。
そして、地獄の帰り道へ。
疲れ切った体に追い打ちをかけるように、丹沢山への登り返しが待っていた。
ここが、今日一番しんどかった。
脚が言うことを聞かない。
そして、内股が攣った。
普段攣らないような筋肉が、ピキピキと悲鳴を上げる。
笑うしかなかった。いや、笑ったら痛いけど。
なんとか、騙し騙し、ゴールの大倉まで戻ってきた。
時計を見ると、歩行時間は10時間超え。
足はボロボロ、体力は限界。
でも、心はめちゃくちゃ満たされてた。
挑戦してよかった。
登りきれてよかった。
魂削った一日だったけど、それ以上の何かをもらえた気がする。
また来るぞ、バカ尾根。
次は快晴の蛭ヶ岳で、絶景リベンジだ!!!
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