北ア・焼岳・下堀沢左岸尾根 またまた届かず
- GPS
- 02:52
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 405m
- 下り
- 675m
コースタイム
04:50 釜トン入口
05:10 釜トン出口 〜 05:20
05:40 からまつ橋 〜 05:50
07:35 1738m地点
09:55 1930m地点 〜 10:05
10:50 2000mJP 〜 11:00
12:20 2100m(引き返し地点)
12:40 2000mJP 〜 13:05
14:20 からまつ橋
14:45 釜トン入口 〜 15:00
15:15 釜トン出口(中ノ湯バス停)
15:45 坂巻温泉
【お断り】
ルート図は、スマホGPSアプリ=山旅ロガーのログで書かれていますが、
その時間は編集していますので全く出鱈目です。
上記コースタイムを参照下さい。
またAGPSデータが上手く取れていなかったようで往路は往路の前半は省略しています。
天候 | 文句なしの 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・下堀沢左岸尾根の取り付は意外と急ですが今回はアイゼンなので直答しました。 |
写真
感想
下部はスノーシュー、上部は雪岩稜が楽しめるのでは?と期待して2週間前にこの尾根に取り付いてみた。
その直前にこの冬一番の寒波がやってきて、恐れをなしてそのときは様子見で終わった。
一週間後の先週にも入ってみた。
記録的な寒波だったはずなのに、その数日後に雨が降ったらしく、クラストした雪の上に新雪が5cm程積もっただけだった。
クラストした雪は潜らない。
梓川の横からアイゼンで登れた。
これならラッセルがないので行ける、と期待したものの、体長イマイチで1時間程急登しただけで降りてきてしまった。
その後もほとんど雪は降っていないのを上高地周辺のライブカメラで確認していたので今度は行けるだろうと期待して行った。
普通、雪の焼岳に長野県側から登るとなったら、中ノ湯温泉に車を停めさせてもらって登ることになる。
中ノ湯温泉の標高は1530mぐらいで、釜トンの入口から3kmほど先になる。
中ノ湯温泉へ行く九十九折りの車道を歩く気は全くしない。
下堀沢左岸尾根の取り付点の標高は1501mで中ノ湯温泉とあまり変わらないし、距離も釜トンの入口から3kmほどで変わらない。
いかに釜トンの中は傾斜が急なのかよく分かる。
からまつ橋の先の林道でアイゼンを履き一歩雪の中に足を踏み入れたらヒザまで潜る。
エッ?降っていないと思った雪でも30cm以上積もったらしい。
高度差で100m程アイゼンで登って、少し傾斜が落ちてきたところで芦峅ワカンに履き替えた。
膝ラッセルで進めるが、標高1800mから1900mの急登がキツイ。
股下まで潜る。
股下まで潜ると次の一歩が出せない。
ヒザで押し込んで雪面を低くし、やっとワカンが乗せることが出来る。
ヒザとワカンと二重動作になり時間が掛かるし、一歩が短い。
ここは2週間前より大分時間が掛かってしまった。
すぐ先が前回到達点の1930m地点。
特別な目印がある訳ではないがすぐ下の1920mの暖傾斜が地形図からもよく分かる。
登り初めは過去2回より寒かったのに、今は暑いのでアウターを脱いでしまった。
2000mで森林限界。
見事に晴れ渡った穂高の山々が見える。
今日、上高地散策に入った人には最高のプレゼントになっただったろうし、ロープウェイで日帰りの西穂高を目指した人にこれ以上望めないような気持ちの良い雪稜歩きを提供したことだろう。
2000mのジャンクションピークでは、焼岳を目指すには一本左の浅いルンゼを越えなければならない。
一週間程前、上州武尊の前武尊で山スキーヤーが雪崩で一人亡くなった。
前武尊山頂からゲレンデに戻る沢筋はいかにも表層雪崩が起きそうなのでそこでかな?と思っていたら、そうではなく荒砥沢(アラスミ沢)だったとこのヤマレコで報告されていた。
手軽に新雪を楽しめるので何度か荒砥沢は滑りに行ったことがある。
雪崩は起こるだろうが、人を埋めてしまう程の雪崩が起こるとは考えにくい所だった。
でも、雪崩は起きてしまった。
今、左手の浅いルンゼ、とても雪崩の起こるような沢には見えない。
けれども、このままワカンを履いてチンタラ渡る気もしない。
もう時間的に焼岳山頂は無理とあきらめているが時間はまだある。
そのままワカンで尾根を登っていった。
今までと同じような雪面に見えるけれど新雪の下の氷結は固く、ワカンの木の爪では太刀打ち出来ないのでアイゼンに履き替え、手もピッケルに持ち替えた。
アイゼン+ピッケル、こうなるとこの程度の傾斜の雪山では恐いものはない。
渡りやすそうな所で左手のルンゼも越えていこうとした。
ルンゼの側面に入ると傾斜もある。
何度も蹴りこんでステップを掘って一歩一歩進む。
沢芯近づく程クラスト面の上の新雪が深くなり、ひどいモナカ雪で蹴りこみたくてもアイゼンに団子となってくっつくだけ。
やりにくいが手抜きは出来ない。
ヒザぐらいの深さのバケツを作って次の一歩を出したらズボズボっと腰まで潜ってしまった。
こんな所、渡るのはイヤっと元の尾根筋に素早く戻った。
わずかに5〜6m程の距離だった。
結局、この浅いルンゼを渡ることが出来ないまま引き返すことにした。
スキーを履いた人なら「そんなルンゼあったかな?」と記憶に残らない程度のルンゼだった。
でも、今日は、渡る気しなかった。
気が乗らなければいつでもどこでも止められる、それが単独行の気楽さ(?優位性?)だ。
雪山の下りは楽だし速い。
登りにつけたラッセルあと通りに下っていけばよい。
それにしても67歳の爺さんが単独でよくこんなにラッセル出来るもんだと我ながら感心しながら下っていった。
負け惜しみじゃないけれど・・・
(アーいえ、負け惜しみそのものです(笑))
3週続けて登れなかった。
正直、たかが焼岳で、と言う気持ちがある。
予定したコースが登り切れない、残念さ、悔しさはあります。
けれどこう言う登り方が私は好きだ。
失敗ばかりしているけれど満足してるし、何より楽しい。
普通、山登りはガイドブックか人の記録を見て、ここ楽しそう、と出かける。
勿論私もほぼ全部がそんな山の登り方。
でも今回のように、地図を見ていて「行けそう?どんな感じ?」とグーグルで検索してもすぐには記録が見当たらない。
地図を見る限り、きっと行けると思うものの、記録がヒットしないのはやっぱり行けないのかな?と不安やあきらめの気持ちが大きくなる。
前半はただの樹林帯、仲間を誘ってラッセル廻せば楽なのは分かっている。
けれどもその先、登れるのかどうかも分からないコースの山に人は誘えない。
そして結局最後は力不足・技量不足で登れないんだと思い知る山。
全く意味のない山、そんな山が好きなんだ。
コメント
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atosukoshi さん こんばんは
よく再々挑戦されましたね!
私は立ち直るのが遅いからすぐに再挑戦は出来ないのですが・・・
間髪をいれずの行動力と勇気に驚きます
しかし快晴の素晴らしい景色ですね
新雪の尾根を目の前にすると一歩足が出ちゃうんでしょうね
お疲れさまでした。
soratokaze さん、こんばんは
自分でも3週連続は行き過ぎだろうと思っています
松本の先なので遠いですけど、山自体は日帰りなので準備も気合いも丹沢の山と変わりないみたいです。
テント泊ではとてもとても行く気起こらないです。
> 新雪の尾根を目の前にすると一歩足が出ちゃう
あ〜すっかり見抜かれてますね。
この冬一番ぐらいの無風快晴、もっと戯れていたかったです。
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