塩地窪・善六山稜〜焼山南尾根
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 650m
- 下り
- 637m
天候 | 晴れ(下界は暑いが山中は心地よい風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・今日は先月(ツツジのシーズン)より若干駐車台数減っていました。 ・登山計画書は西丹沢自然教室へ提出(下山したら口頭報告)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■塩地窪・善六山稜 西丹沢自然教室から東海自然歩道を登って善六ノタワへ。 そこから登山道を離れ北東方向の善六山(1119m)。 さらに南東方向の塩地窪沢(ショチクボ沢)ノ頭(1033m)、 焼山(849m)を辿って、標高730mの小ピークから西南西に下りて 焼山沢出合(590m)で東海自然歩道に戻るルート取り。 一般登山道ではないので、カスタマイズした地形図と確実なコンパスワーク は必須です。 もし間違うとこの周辺の尾根と沢はかなり険しいので、読図力と悪場を下降 できる力が乏しい方はご遠慮した方がよいでしょう。 |
写真
感想
今日は夏空のもと読図(ナビゲーション)講習でした。
たとえハイキングでも必ず地形図を自分でカスタマイズして予備含め
2部コピーして携行しています。
普段私が行っている計画段階での地形図の作成と、現場での地図読みのコツを
受講者さんに(すべてではないですが)伝授いたしました。
カーナビ的(アプリやGPS)なナビゲーションは決して否定するわけでは
ありませんが、細かい尾根や沢を読むことにはやはり限界がありますし
実際に道迷いを起こす箇所はそのような細かい地形におけるルートファインディング
ミスです。
また地形図から登山計画を行う(たとえば危険箇所の把握と、そういった情報の
メンバーへの共有化など)には上述したカーナビ的ツールでは無理があります。
沢線を細かく記入し、ピークはコル、危険と思われる箇所、有事の際にエスケープ
目標である人工物の記入。
さらに現在位置が確認できそうなポイントの表記。
そしてしっかりカスタマイズした地形図をメンバー全員同じものを携行することの
意義。
現場でそれらの事前情報とコンパスを使ったコツ。
今日一日ですべてお教えできたとは言えませんが、受講者さんもかなり納得して
いただいたようなのでよかったです。
道迷い遭難は丹沢でも増加傾向です。
万が一迷ってしまい携帯で家族や所属山岳会、警察等に連絡が取れるのなら
どのような所にいるのか、たとえば尾根上、沢の中、山腹、最後に確認した山や
標識(○○まで何kmとか)、今いる尾根や沢はどの方向(南東とか北とか)に
落ちているのか、暗くなってしまったらどの方向に街灯りが見えるとか、
落ち着いてわかる範囲で伝え、日没なら絶対動かず、その場でビバークし
とにかく体の保温に努め、体力を温存することが重要です。
丹沢における道迷いからの死亡事故のほとんどは焦って動いてしまい、滝などで
発見されるパターンです。
逆に道迷い通報をしたのち、動かずに救助を待つ場合の多くは軽傷程度で
生き残っています。
いち早く救助隊に発見されるためにも、上述した現在位置の説明を簡潔に(携帯
電源切れもあるので)行いましょう。
また登山計画書が提出されていないと捜索救助は厳しくなります。
携帯連絡が取れないエリアは多数ありますので、そんなところで遭難したら
計画書未提出だと発見は困難をきたすでしょう。
山は自己責任とよく言われますが
・登山計画書の提出
・山岳保険の加入
・自分の力に見合ったルートの選択 etc
これらをしっかり行うことが自己責任の第一歩だと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
kamogさん、初めまして
読図の説明、ありがとうございます。私も偶然同じ日に塩地窪沢ノ頭に登りました。先週も小山沢右岸から登り、焼山経由で下山しています。私はまさにGPSをナビ代わりに使ってしまっていて今回権現山北東尾根で、樹木でGPS受信が不正確になり必死に読図しながら下降したので、Kamogさんの感想欄のコメントが大変しっくりしました。読図に関してはKamogさんのカスタマイズ地図の凹凸判断は十分読み取っているつもりですが、実際の尾根分岐では地形図では読み取れない地形もあったりして、少し進んでみて判断することも多いです。たまたま、自分のレコで道迷いに関するコメントがあり、kamogさんのレコの説明が的確だったので、勝手ながらコメント返信内にリンクを貼らせて頂きました。すみません。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-894528.html
どうぞどうぞリンクお貼りください。
私もGPSは以前使っていましたが、細かい現場対応は自分でカスタマイズした地形図と
コンパスには遠く叶いませんね。
970mの尾根は細かい沢線を引いていれば判断可能ですよ。
他にも例えば尾根の向きが「南南東」から「南東」に微妙に変わるポイントも
非常に重要で、それも地形図をよぉく見ればわかることです。
何より大事なのが沢(水があろうがなかろうが)の下っていく向きで
どちらの尾根にするかを見極めるのがコツですね。
あと、読図はマネジメントサイクル(PDCAサイクル)です。
一般的な地図読み講習会ではそこまで教えませんけど
本番では最低上述したことが実践できませんと道迷いは防げませんね。
がんばってくださーい。
アドバイスありがとうございます。「沢の下っていく向き」とはなるほどです。
注意して現地で活かしたいと思います。GPSは、大きな地形では有効なものの、
細かな地形で、しかも樹木で受信環境が悪いと表示精度がばらつき、
余計に惑わされることがありました。
これからは現場の地形状況と読図を優先して判断したいと思います。がんばりまーす。
沢の落ちていく方向はとても大事な根拠ですね。
山は尾根と沢でしか構成されていませんから。
kamogさま
読図講習ありがとうございました。凄く解り易い説明をしていただき大変勉強になりました。知識と経験だけでなく如何に事前の準備をちゃんと行い、PDCAサイクルで常に疑いながら、確認しながら進む事、それ無しでVRに入り込むのは無謀と言う事肝に銘じました。とは言えそうやって苦労して入り込んだ先にはいつもの丹沢なのに非常に新鮮且つ五感が研ぎ澄まされるような素晴らしい世界が広がっており大変有意義な講習でした。これからもコツコツと技量を積見上げていこうと思います。
重ねまして本当にありがとうございました。 yamasemi
PDCAサイクルの有効性ご理解いただきましたか。
PDSの方がわかりやすいでしょうね。
Plan おそらく現在位置は680mだろう。
もしそうならば次は*****になっているはず。
Do 実行してみる。
See 振返って、やはりあそこは680mだったんだ。
そして推測⇒確証に変わる。
大切なのはメンバー全員にその状況を共有化することですね。
一人では間違うかもしれないけれど、皆が意見を出し合えば
もっと正確性もアップです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する