【南岳北東尾根】海の日はハイマツの海へ♪ 幻の池と別天地で最高の尾根でした!
- GPS
- 10:08
- 距離
- 50.2km
- 登り
- 3,117m
- 下り
- 3,115m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 10:04
天候 | 快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
島田・川根方向から接阻峡経由で井川に行く道は現在通行止め! ・聖沢登山口までMTB。(頑張って約一時間) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・感想で書きますが、藪慣れしていない方では少し厳しいと思います。 |
写真
感想
今日は海の日!
今年も泳ぎに行きましょう!ハイマツの海へ…。
先日の黒戸尾根TTの疲れが少し残っているのでハードな山行は避けたかったのですが、聖平小屋へのご挨拶を兼ねて南岳北東尾根(仮)に行ってきました。
今回は珍しく自宅から静岡経由で井川に向かいましたが、何と運の良い事にいつも通っている接岨峡温泉経由の道が通行止めになっているではありませんか!
でも、時間にして30分以上違うし、静岡からの道はワインディングが激しく道が悪いので早く道を復旧して頂きたいです。
5時に沼平を自転車で出発し、赤石渡や上千枚山の取付点などを調べながら聖沢登山口に到着。
今日はタイムアタックではないなで、久しぶりにストックを使い、キノコでも見ながらゆっくりと登る事にします。
朝一で聖平から下山の方々とすれ違い、「昨日は天気が悪く最悪だった」と口を揃えて言っていたので、快晴の今日に来れた事は幸運だった。
地形図を見ると乗越から尾根に取り付くのですが、幼木が密生しており厳しそうなので少し聖平方向に進み水場の辺りから取り付けそうなので、長袖シャツに着替え強引に尾根に取り付きます。側面はやはり激急登で手を使いよじ登り、やっとの事で尾根に乗った。
末端からブッシュを漕いで登った方が楽だっただろうか…。
尾根に乗ると勾配は落ち着きますが藪は結構深く獣道を探しながら南西方向へと進んでいきます。
いったん急登を登り終え、後ろを振り返ると笊ケ岳の双耳峰がハッキリと見えた。
そこからしばらく獣道に沿ってトラバースしていくと、マルバダケブキの大群生地がありました!とても見事なお花畑で、写真を撮りながら腰を下ろしたら地面が濡れていおり、ズボンも濡れてしまいましたね。
この群生地を脇に見ながら更に登ると…そこは楽園でした。
幻の池があり、淡い緑の草地、南西を見れば南岳、少し二重山稜気味で強風は遮り心地よい風だけが吹いている。
このような場所は何と表現して良いのかわかりませんが、「別天地」とでも言うのでしょうか。
しばらくここでゆっくりしたら、ビーチに行きましょう!ハイマツの…。
まずは少し遠目から最短で行けるルートを探し突入! いきなり深い!
昨年もそうでしたが(上河内岳東尾根)漕ぐ度にハイマツの胞子らしき粉末が撒き散らされ吸わないように息を止めるので、強烈な有酸素運動で息が上がっているのに追い打ちをかける苦しさです。
普段の山行の10分の1以下のスピードでもがきながら遅々と登るのですが、これこそ森林限界を超えた藪山の醍醐味!
ハイマツから滑落して這い上がり、後ろを見れば聖岳〜赤石岳がハッキリと見える。本当に良い天気に良い景色だ。
その後もハイマツを避けナナカマドの方へ迂回したりしながら歩いていると、突然熊が走り出した! 一瞬の出来事でカメラも出せませんでしたが、この辺は熊の住処と先生に聞いていたので、やっと会えたという喜びがありました。
こんな素敵な場所で暮らしている熊なのですから、きっと悪い事はしません。
藪の急登を登り終えると風衝地帯になり、ハイマツの背丈も低く、岩屑、砂礫といった台地に変わります。
歩行も楽になり、360度の大展望を見ながらお散歩です。種類は少ないものの高山植物も咲いており、ここで少し休憩。
ここから少し歩くと一般ルートに合流しました。
藪尾根というお楽しみは終わりましたが、もう一つのお楽しみである聖平小屋にご挨拶!残っているので小走りで聖平へ向かう途中に見た事のある2人組が登ってきました。
トランスジャパンの阪田選手と石田選手でした!
今日は試走という事でしたが阪田選手は今年は出られないようで残念。
興味津々で長々と色々とお話をさせて頂き失礼しました。
今年のレース応援しています!
聖平小屋に着くと、新しく女性の小屋番さんがいて「原田さんいますか?」と聞くと奥から出てきてくれ、久しぶりに先生との再会です。
早速名物のフルーツポンチを頂き、カレーを食べながら、いつものように山の話で盛り上がり、掛川さんも整備のお仕事から帰ってきたので3人で楽しい時間を過ごさせて頂きました。
やっぱ僕にとって聖平小屋は落ち着く場所で、小屋から眺める直接尾根はいつ見ても最高だと改めて思いました。
1時間半ほどゆっくりして、泊まりたくなってしまいましたが、本日は帰宅後にご近所さんとたこ焼きパーティーがあるので帰らなければなりません。
また来月遊びに来ます!
後ろ髪を引かれる思いですが、聖沢登山口に向けて出発です!
途中で奥聖岳南東尾根の下見をして2時間で登山口に到着、その後は自転車で45分で沼平へ到着。
帰りも静岡経由で疲れました。
・感想
例えば北鎌尾根。
この尾根は日本を代表するクラシックルートの岩尾根ですが最後のピークが槍ヶ岳!という北アルプスを代表する名峰という事が北鎌尾根を憧れの尾根にしている要因の一つだと思います。
すぐ近くの「硫黄尾根」は危険度が数段違いますが、とても地味な存在です。
そして、南アルプスの南岳…。知らない方も多いと思いますし、山頂標もルートの途中のチェックポイントみたいな感じのピークらしからぬピークです。
このようなピークの藪尾根は誰にも見向きもされません。
実際僕も歩くまでは、藪山の鬱蒼とした雰囲気のみを期待していましたが、実際に登ってみると文章では表現出来ない素晴らしい尾根でした!
鬱蒼として幻の池があり、ハイマツ漕ぎもあり、お花の群生地まであり、熊さんまでいる…。
山は尾根と谷から構成されていますので、未知の尾根はたくさんあります。ピークはその頂点なので重要なのですが、こうした尾根に主眼を置いた登山も非常に面白いもので、今回の南岳北東尾根(仮)は藪尾根の素晴らしさを凝縮したようなルートでした。
この先もこんな素晴らしい尾根に出会う事がきっと有ると思います。
その日を楽しみに藪尾根に負けぬ体力と地形図から変な尾根を探す眼力を養いたいと思います。
今回は久しぶりのマイナールートのレコで、とてもマニアックな記録だと思います。
トレランばかりやっていたので、トレラン系の記録でなくガッカリ!という方もいるかもしれませんが、僕は自称「走れる藪屋」で、こういった山行がトレランと同じくらい…いや、それ以上に大好きです!
今年は夏限定になりますが、出来る限りマイナールートを歩こうと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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kaiさん、こんばんは(^o^)
何と!聖沢登山口に僕が到着したのが5時55分!僅か4分違いだったとは(^_^;)
もしかしたら、叫んだら声が届く範囲じゃないですかぁ(^ω^)何とも、勿体無い(>_<)また、聖平小屋の人達の写真、身近に感じちゃいました(^o^)
この日は最高の天気でしたね。
そう言えば、僕が下山して畑薙ダムの横を車を運転していた時、どう見てもTAJRの練習ぽい人が走ってました(^_^;) だって普通は沼平、或いは東海フォレストのバス乗り場で、登山終えますよね。でも走ってました。いよいよ、そんな時期なのかなぁと思いましたよ(^o^)
shinさん、こんばんは 返信遅くなり申し訳ないです
えっ?4分差だったんですか? 少し追いかけてくれたらお会いでしましたね
あの日はTJARの方が何人か試走に来ていたらしいのでshinさんが見たのも、TJARの選手だったかもしれませんね
今週も聖近辺に行こうと思っていますが、天気がイマイチっぽいですね
晴れてくれたら良いのですけど...。
自分は、こっち側のkaiさんの方が身近なので
この手のレコには目がありません。タイトルにもすぐ惹かれました。
昔聞いた東海フォレストのバスの中のアナウンスで「南岳は登山対象ではありません。」と言われてずっと気になっていました。
先日のチロル訪問や聖平小屋の師匠方との交流といい、うらやましいかぎりです。トレランも良いですが、これからも冒険系のレコどうぞよろしくお願いします。
これからゆっくり拝見させてもらいますね。
子供のことがひと段落したら再び活動再開したいと思います
metaさん、お久しぶりです! 娘さんにメロメロでしょうか? 僕はクソ小僧二人しかいませんので娘には憧れますね〜。 離れたくなくて山に行けなくなってしまいそうですが
先日の沢登り拝見しました やっぱmetaさんは沢が良く似合いますね!
僕は沢と言っても沢歩き程度なので、難易度の高い沢はこの先も縁がないと思いますのでmetaさんの記録を拝見して興奮したいと思います
僕は南アルプスの藪のプロのような方と運良く知り合えて、その方々を身近で勉強させてもらう事が出来た幸せ者です!
技術では全然足元にも及びませんので、せめて体力だけでも特化させて、この先もマイナールートを歩き続けようと思っています!
metaさんのように藪山に理解のある方が知り合いに居る事も僕にとっては幸運な事だと思います
お子さんが一段落着きましたら、こちらにも是非遊びに来てください!!!
コメントありがとうございました
kaiさん、こんばんは!
いやいや、kaiさんのこっち系の山行&レコ、
自分はホントに楽しみにしているファンの一人なんですよ
今年も海の日にハイマツ海で泳ぐ、イイですね!
何だか見ているうちに引き込まれて、
これこそ”本当の山登り”のような気がしてきて …
また、赤リボンやマーカー、そして誰の踏み跡もないところを登り、
誰もいない&来ないエリアで幻の池に遭遇だなんて、
こんなに素晴らしい山登りってもう、羨ましすぎですよ〜
でも、現実は相当厳しいこともわかります。
お写真(22)なんてアレまさに弘法小屋尾根の
高度2600mから先の画、そのまんまですよ
完全に身の丈越えのハイマツ、その密生度も、でもそこを突破!
kaiさん、お一人でこんな状況を突き進むなんてやはりただ者では
ありませんネ
あのしぶといハイマツ、掻き分けても凄い反力で跳ね返され
kaiさんの大好きなハイマツ海に放り出される
藪シロウトの私なんて、何度跳ね返されて放り出されたことか…
それに元々足元が浮いてますしネ…
てな訳で、この”ハイマツ海突破”(泳ぐ)を楽しまれている
kaiさんの凄さを改めて実感させられた私でした
一ファンとして、この手の山行&レコまた楽しみにしています
(あ、それと、昨年の今日の”坊主…”も楽しみにしてますヨ)
lifterさん、こんばんは lifterさんは、こちら側の方ですもんね
コメント頂けて嬉しいです!
今回の南岳の尾根はガイドブックなどに特に記録などは無いので「北東尾根」という名前さえ勝手につけたので、正式な尾根の名前が有るのかもわかりません...。
歩くのも多分、年に一人か二人程度の尾根だと思うので人の手が入っておらず、とても居心地の良い尾根で、今まで歩いたルートの中でトップ3に入るほど素晴らしい尾根でしたよ!
有名なピークに繋がる尾根の方が人気はあると思うのですが、無名の尾根でもそれに勝る尾根があるという良い例だったと思います。
ハイマツ漕ぎは何と言いますか...お祭りみたいなものでしょうか
森林限界を超えいい景色が見られた!と思ったら地獄の有酸素運動 遅々として進まないハイマツ漕ぎは僕にとって夏山のハイライトなのだと思います。
きっと嫌いな行為ではないのでしょうね
弘法小屋尾根を歩かれたlifterさんも同じ人種だとおもいますよ
坊主ですが、6月から晴天続きの二日間を毎週狙っています。
昨年はガスに覆われ視界を失う所でしたの、今年は晴天確実な時に行こうと思っています。
今年に限っては「梅雨明け10日」も当てはまりませんでしたね...有休を取っていたのに...
八月に入るとレースで週末も制限されるので、運が悪ければ今年も行けないかもしれませんが、必ず行きたいと思います。
いや〜、行けばよかった。。。
でも、さすがに体力的にも2時起き富士登山の翌日は無理でしたわW
しかし素晴らしい海ですね。
泳ぎに行きたくなっちゃった
単独でもおぼれずに泳げるのは、さすがでございます。
勾配のヤバさ。わかりますよ
ん〜嫌いじゃない でも、こりゃ壁みたいですな
今年はTJARですね。
色々と楽しみです。
時間があったら観戦なんてのも良いですね
yamayoさん、こんばんは 返信遅くなり申し訳ないです
いやいや、体力は無尽蔵のyamayoさんなら可能だったと思いますよ
このルートは上河内岳東尾根よりも比較的ハイマツ漕ぎ区間が短かったので助かりましたが、海が深く長かったら溺死していたかもしれません でも海難事故だから救助費用は無料だよね?
yamayoさんもお好きな方ですので、また泳ぎに行きましょう!!!
結局明日は伊那山域の南アルプスに行く事にしました。
少し難しい山なので十分注意しつつ楽しんできます
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