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私は木段で滑って転倒し、3mほど下まで滑落しました。
鎖場が健在だった頃は、木段から鎖場に取り付いて降るようになっていましたが、2019年の台風19号による被害で鎖場が斜面ごと崩壊したので、写真にあるように、木段の先がすっぱり切れ落ちた崖になってしまっています。
木段の終端より手前、3段目か4段目から、下にある土の登山道に降りるのですが、飛び降りる訳にはいかないし、木段は濡れていて滑るし、ケガはしたくないので、3段目まで進んでから…と思い、左足を慎重に3段目に乗せ、体重をかけ始めた瞬間でした。
『ツルッ』
左足がグリップを失い、すっ、と前に滑りました。そこで私は歩を進め、右足を2段目へと載せましたが、右足もグリップせず、伸ばした左手は木段の最下段をかすめただけ…。
空が見えた瞬間、背中がザックを押し潰す感覚だけが伝わってきました。
身体が左側に回転したので、巻き込んだ左手と伸ばした右手で岩の斜面をホールド。そこで初めて『落ちたんだ…』と実感しました。
その時です。
「大丈夫ですか!」
見上げると、登山道から見下ろしている、少し先を歩いていた先行者の姿がありました。
私の滑落に気づき、呼びかけてくれたようです。
意図的にその方まで聞こえるような声を出して、私は身体の負傷部位をチェックしていきます。
頭や胸を打った訳ではない事、左足大腿部外側を打ったが出血はない事、両脚とも屈伸には問題ない事…。
私が登山道まで登り返すまで、その方は待っていてくれただけでなく、私がトレッキングポールを回収する際のサポートまでしていただきました。
この場をお借りして、再度お礼を申し上げます。
今回の滑落での負傷は
・左足大腿部外側の挫傷
・右足大腿部内側の軽い挫傷
・左肘の軽い擦過傷と左手首の軽い挫傷
ぐらいで済みました。
これだけで済んだ理由は
1.背面に頑丈な強化樹脂製のフレームが入ったザックを使用していた
2.長袖のインナー、ロングパンツ、トレッキンググローブを装備していて、肌の露出が最低限だった
3.トレッキングポールのリストストラップを手首にかけておらず、滑落時に身体から離れた
なども考えられますが、1番の理由は、
『幸運にもザックを下にして落下したため、衝撃をザックが全て受け止めてくれた』だと思います。
身体が先にどこかに叩きつけられていれば、こんなケガでは済まなかったでしょう。
この経験を忘れる事なく、さらに真摯に山と向き合っていくことにします。
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