台湾 玉山登山の準備について(行き方・アクセス・申請・抽選・個人手配)

2023年12月8日

こんにちは!ヤマレコ代表のまとやんです。

先日、台湾最高峰の玉山に登ってきました。
手配についても自分で全部やってみたので、ご自身で手配をしたい方へ記事をまとめてみます。
2023年12月現在の情報ですので、最新の情報はご自身で必ず確認するように注意してください。

1. 台湾における登山のハードルについて

台湾の国立公園内の山や高山については、様々な制約があります。
詳しくはご自身で調べていただきたいですが、基本的には「入園」の手続きと「入山」の手続きが必要になります。

玉山を含む、玉山国家公園内に入園する人数は厳格に決められており、各宿泊施設ごとに予約を取らないと入園ができません。
日帰り登山も人数の上限が決まっていて、入園許可が得られないと登山できません。
入園の許可が得られれば、入山申請は手続きを行うだけなので、まずは入園許可を得ることから始めます。

玉山に登る場合は、登山道の途中にある排雲山荘で一泊するルートが一般的になります。
この排雲山荘は1日あたりの宿泊人数が116人に制限されています。
この116人の枠に当たるように抽選に参加することになります。
ただし、24人分は先着順で開放される外国人向けの優先予約枠になっています。できればこれを狙っていきましょう。

2. 中国語の翻訳について

台湾の中国語(台湾華語)のホームページについては、ブラウザの翻訳機能を使います。
Google Chromeの場合は右クリックして「日本語に翻訳」を選ぶと日本語に翻訳できます。

また、現地で中国語の看板を見かけたときは「Google」アプリの翻訳機能が便利です。
「Google アプリ」をダウンロードしておきましょう。
検索窓の右側にあるカメラアイコンをタップすると、Googleレンズ機能が立ち上がります。
「翻訳」を選ぶとカメラを向けたものを自動で翻訳してくれます。撮影した写真を選んで翻訳することもできます。

会話については私は英語を使いましたが、中国語しか使えない人との会話で苦労しました。会話に時間はかかりますが、Google翻訳などのアプリを使う方法もあると思います。

フォームやメールで問い合わせをする場合は、基本的に英語でやり取りをしていました。
英語が苦手な方はDeepLなどの翻訳サービスを使うのがおすすめです。

3. 排雲山荘の宿泊付き入園予約

まず、現在の申請状況を確認しましょう。
台湾国立公園入園オンライン申請ホームページの「ルート及び宿泊キャンプ地/空き状況検索」→「玉山宿泊地について」→「排雲山荘」をクリックしましょう。


「いっぱい」となっている日付はもう空いていません。
「余剰分」が書かれている日付は、キャンセルなどで空きが出たものです。人数・日程が合えばここを狙って予約してもいいと思います。

余剰分が(116,0)になっているものは、まだ抽選が行われていません。
外国人枠の24人枠は「先行申請」という欄です。ここが自分の人数を足しても24にならない日付であれば、確実に予約できます。
日付の部分をクリックすると、申込みをしている人の一覧も確認できます。

外国人枠の予約は4ヶ月前〜35日前までです。
35日前になると外国人枠(最大24人)が確定します。
1ヶ月前になると外国人枠に入れなかった人と台湾人の申し込み全体で残りの枠の抽選が行われます。

申込みは別のページから行うので注意してください。
ホームページのメニューの入園申請のタブをクリックし、オンライン入園申請のページから申請を行います。
内容を読んで、全部にチェックをいれて「同意します」ボタンをクリックしましょう。

外国人枠の場合は「排雲山荘の先行申請」を選んだ状態で「次へ」を選びます。

ここからは画面の指示に従って入力していってください。

チーム名は適当な名前をつけて、日付までを選ぶとルートの入力画面になります。
ルートMapを見ながら自分の行くルートの計画を入れてください。
基本的にはこのルートのとおりに歩く(ここで選んでない場所には行けない)ことになりますので、一番長い予定ルートを入れるのがいいと思います。
排雲登山サービスセンターを起点に、排雲山荘で1泊、2日目は排雲登山サービスセンターで登山を終了するようにルートを入れます。

「申請人は用事があるため、代理人に隊員資料のまとめを依頼し、国立公園管理処へ入園の申請を依頼しました。」
のチェックを入れると申請人の入力ができるようになります。
自分の情報を入れましょう。
電話番号は自分の日本の携帯電話番号でOKです。
国番号をいれて080-xxxx-yyyyの場合は+8180xxxxyyyyと入れればいいです。
誕生日は年を一発で選べないので、古い年を選び続けてたどっていくと入れられました。
記入したメールアドレス宛にメッセージが届きますので、メールアドレスを誤りなく記入しましょう。

Leader Infoについては、パーティリーダーの情報を入れてください。
パスポートの画像アップロードと、緊急連絡先が必須になっているので注意してください。
緊急連絡先は日本にいる家族などの情報でOKです。

自分がリーダーであれば「申請者と同じ」のチェックを入れると自動で情報がコピーされます。
他のメンバーもいる場合は「Team Information」で隊員を追加していってください。

「Emergency Coordinator/留守人資料」をクリックして、登山者の見守りをする人の情報を記入します。
緊急連絡先と同じ人を入力しました。

以上を入力して送信すれば、申込み完了です。
申込みをすると記入したメールアドレス宛にメールが届きます。

私の場合は12月4日の枠を狙いました。
10月27日に申込み
→ 10月31日に外国人枠には入れなかったとメールで連絡
→ 11月6日に宿泊資格が得られたメールが届き、排雲山荘の支払い依頼が来る
支払い依頼のメールには支払い方法がいくつか書かれていますが、480元を現地で支払う旨をWebサイトの「メールボックス」から連絡しました。

自分の予約のステータスはカレンダーのページから確認できます。
料金の納付待ちになっているはずです。

排雲山荘の食事・寝袋予約

排雲山荘では食事や寝袋の提供を受けることができます。排雲山荘公式ホームページから情報を取得します。
申込みは入園申請とは別なので、注意しましょう。

中国語のホームページなので、何が書いてあるかわからないときはブラウザの翻訳機能を使うか、ホームページ内にある「言語を選択」というボタンから日本語を選ぶと日本語翻訳をしてくれます。

排雲訂餐 Mealのメニューをクリックし、Q&Aを読んだあとに「Order detailed form download(English)」からWordの注文票を取得します。

Dinner
Breakfast
Brunch
Lunchi
の4種類があります。自分の行動予定を考えて、必要なものを申し込みましょう。
Y/M/Dと書かれている欄は、次の行に年月日を記入します。
寝袋は自分で持っていくか、レンタルするかを選べます。

私はDinner, Breakfast, Brunchの3つを選びました。(350+150+150=650元)
寝袋をレンタルする場合は「Special Offer」という割引セットメニューもあります。
チェックアウトは10時なので、2時の朝食を食べて、10時までに戻ってきてブランチを食べて帰る予定です。

入園手続き

塔塔加にある排雲登山サービスセンター(ビジターセンター)で手続きを行います。
前日でも当日でもどちらでもOKです。

必要なもの
・入園申請番号
・パスポート
・入園料(480元)

入口にいるスタッフの人に入園手続きをしたい旨を伝えると、上記のものを提示・提供するように言われます。
支払いをすると入園許可証が発行されます。

サービスセンターのパソコンに表示されるだけなので、自分のスマホをスタッフの人に渡すと
カメラで撮影してくれます。

入山手続き

排雲登山サービスセンターのひとつ下にある警察署に行きます。

撮影した入園許可証を見せると、入園申請番号を確認して用紙に記入してくれました。
残りの名前などの情報を自分で書くと、入山手続きは完了です。

登山口までのバス

排雲登山サービスセンターから登山口までは歩いて1時間〜1時間半ぐらいかかります。
排雲登山サービスセンター前から送迎バスが出ていますので、必要な方は利用しましょう。
片道100元の現金払いです。

排雲山荘のチェックイン

排雲山荘について受付でチェックインをしたいことを伝えると、入園許可証を見せるように言われます。
内容を確認して、ベッドの位置や注意事項を教えてくれます。

14時30分以降になると、寝袋や食事の受付が始まります。
自分の名前を伝えると、予約をしていた寝袋や食事券をもらえます。
食事代と寝袋代はこのタイミングで支払います。

下山連絡

登山が終わったらすみやかに下山連絡を行う必要があります。
入園後にOnline Checkout-Riminderのメールが届くので、リンク先をクリックして届け出を出します。
最初は中国語のホームページが表示されますが、画面上部の日本語をクリックすると日本語で確認できます。

4. 電車・新幹線(桃園⇔嘉義)

桃園国際空港からは台湾鉄路(台鉄)と、台湾高速鉄道(高鉄)を乗り継いで移動します。
台鉄や地下鉄(MRT)では、悠々カード(Easy Card)などの交通系ICカードがあると便利です。

電車の駅で購入・チャージができますが、駅によっては取り扱っているカードが限定されるので注意してください。
私が買った場所ではiPASSというカードしか購入できませんでした。他にもicashというカードもあります。
悠々カードやiPASSは基本的に電車やバスを乗り継げますが、場所によっては使えないカードがあるようです。

新幹線は窓口で購入してもOKです。
klook(クルック)というサービスで片道20%OFFのチケットを事前購入することもできます。

登録初回5%割引があり、桃園から嘉義まで片道2,865円、往復で5,730円でした。
このチケットは使うのが少し面倒で、購入をするだけではなく、予約が必要です。
バウチャーに記載されているURLから、Redeem Codeを入力して予約をします。予約は出発30分前まで変更可能。
台湾高速鉄道の駅でパスポートと予約番号を提示してチケットを受け取ります。
予約変更できる30分前を超えるとなぜか予約番号が見えなくなりました。必ずスクショを取っておきましょう。

5. レンタカー

私は高鉄嘉義駅からレンタカーで塔塔加駐車場まで移動しました。
移動手段はいくつかありますので、他の方法は後述したいと思います。

格上租車という大手のレンタカー会社に予約をしました。

ネットからは予約できなかった(台湾のIDが必要)ので、問い合わせフォームから英語で問い合わせて予約してもらいました。

まずホームページ上で予約したい日時と車種を選んで、値段の確認までしておきます。
その予約をしたい日時と車の車種をホームページ上のフォームで英語で送りました。
すると翌日に予約したよという連絡が来ました。
12/3〜5の3日間 5720元、ガソリン代と高速代は別でした。

レンタカーの会社は違う会社になりますが、klookやkkdayという予約代行サイト/アプリを使うと日本語でも予約できそうです。

運転免許

台湾では国際免許証が利用できません。代わりに日本の免許証の翻訳版と、日本の免許証を提示する必要があります。
翻訳については、JAFが4400円で作成してくれます。
こちらのホームページから申し込みができます。

発行まで2週間ほどかかり、コンビニで印刷して出力します。
早めに準備をしておきましょう。

6. 他のアクセス手段

塔塔加の駐車場までの他のアクセス方法としては、高鉄嘉義からバス(7329)もしくは台鉄嘉義からバス(7322)で阿里山に行き、そこから以下のいずれかの方法ではアクセスできるようです。
・阿里山から1日1本だけ出るバス(6739)で上東埔下車
・阿里山発の現地ツアーに参加
・貸切チャーター(貸切車)で移動

貸切車はホテルで手配してもらったり、ツアー会社にお願いすることになるようです。

ツアーの場合は帰りを考える必要はないですが、
・6739のバスで阿里山または日月潭に行く
・事前に時刻を決めて帰りの貸切チャーターも予約しておく
などの方法になります。

7. 前泊の宿について

アクセスによって宿泊に適した場所が変わりますが、阿里山のホテル、または登山口付近にある東埔山荘に宿泊することになると思います。

東埔山荘は公式ホームページからオンラインで予約できます。
1泊食事無しで400元です。
現地で現金払いになります。

英語でフォームに入力すると、当日の夜には予約を取った旨のメールが届きました。

8. 最後に

今回かかった費用をまとめておきます。カード払いはカード会社のレートで、現金払いは1元=5円で計算しています。
・前前泊(羽田空港): 8,000円
・飛行機(Tigerair):往復60,977円
・新幹線(桃園⇔嘉義):往復5,730円
・レンタカー: 27,634円(5,720元)
・ガソリン代: 2,863円(597元)
・排雲山荘宿泊: 2,400円(480元)
・排雲山荘食事: 3,250円(650元)
・東埔山荘: 2,000円(400元)
・嘉義市のホテル: 8,545円(1,782元)
・塔塔加駐車場から登山口までのバス: 1,000円(片道100元、往復200元)
合計: 122,399円

松本からの往復代金やその他諸費用を考えると、15万円弱ぐらいで旅行できたのではないかと思います。
面倒だと思った方は、日本発のガイド付きツアーなどもありますので検討してみてください。
もしチャレンジしてみたい、というかたはこのページの情報を活用してみてください。

アクセスについては一通り記載したつもりですが、まだ追加の情報があれば随時更新していこうと思います。
これから玉山は雪山のシーズンになりますので、春以降の登山でぜひご活用ください!

登山の内容は山行記録の方にまとめてありますので、こちらもよろしければどうぞ。

2 Comments

  1. 無頼庵 より:

    こんにちは
    2023-2024の年末年始で玉山国家公園に入山した者です。
    文中の言語の表記についてですが”台湾語”とあるところですが”中国語”(正確には中国語普通話の繁体字表記)の間違いです。
    台湾の公的機関や公共のもの全てにおいて中国語が第一言語となります。
    台湾語と中国語は全く別といってよいほど違う言語です。
    勘違いされているようですので一言申し上げておきます。

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