取材山行 1-2 南アの女王を極める

2017年8月18日

前回は北沢峠までのお話でしたが、今回はいよいよ仙丈ヶ岳への登山開始となります。

天気の確認
まずは最終的な天気の確認をします。
筆者がいつも見ているのは国際気象海洋(株)の気象情報のページ。
このサイトで卓越天気・天気図・高層天気図を見て最終的に判断しています。
今日はすっきりと晴れるまではいかないものの、雨に当たることなく歩けると判断。
予定通り、仙丈ヶ岳へ向かう決定をしました。

最新機器登場
ここで今回使用する機器を起動。
今回はこれでGPSログを取り、最終的にヤマレコと連動させて記録を残す予定です。

EPSON WristableGPS MZ-500L
とても軽くて扱いやすいGPS機能搭載の腕時計です。
そして何と言っても特筆すべき「電池」の驚異的な持ち時間!
この山行では両日で約16時間駆動、帰宅後もまだ充電していませんが動いてます。
GPSが搭載されている時計の中では圧倒的な電池性能でしょう。
また、簡単な操作で情報を瞬時に得ることができるのでとても便利。
久々に腕時計を使いましたが、これは「使いたい!」と思わせてくれる一品だと感じました。
さあ!これで準備は万端です。

登山開始!
午前6時40分に北沢峠を出発。
道標に従って下地の苔が美しいシラビの樹林帯を登っていきます。
道はよく整備されていますが、出だしはちょっとした急登なので、傾斜が緩まる二合目あたりまではややスローなペースで登ってみるといいと思います。

二合目からも同じような道が続き、展望の利かない樹林帯を登りながら三合目・四合目を通過すれば五合目となる藪沢大滝ノ頭に到着します。
ここには馬の背ヒュッテ方面への分岐があり、右手へやや下りぎみに道が続いていますが仙丈ヶ岳へは左手に見える尾根道をたどることになります。
少し休んで五合目を出発、ここから道は岩混じりとなり六合目へ向けて急な登りが続きます。

やがて背後に甲斐駒から鋸岳の稜線を望むようになると、森林限界を抜けて解放感いっぱいの六合目にたどり着きます。ここはちょっとした広場になっていて休憩に最適な場所なので、展望を楽しみながらゆっくりしたいところです。

ここからしばらくはハイマツ混じりの道を小仙丈ヶ岳へと登っていきます。
多少ザレているところもありますが、おおむね登りやすい道が続きます。

すると前方に何やら人集りが・・・!!

雌の雷鳥さんが砂浴びをしていました!
通常、この時期であればヒナが産まれています。
周囲にヒナの気配がないのでまだ抱卵中なのかな?
それともペアリングできなかった個体なのか・・・。
あるいはヒナが全滅してしまったのか・・・。
どちらにしても厳しい環境に住んでいることに間違いはないので、見ていて微笑ましくもあり健気さを感じる瞬間でもあります。
ちなみに抱卵が成功して孵化する確率は6割前後、若鳥として秋に独立できる個体は全体の2-3割程度という厳しさです。

小仙丈ヶ岳
ここからはわずかな登りで小仙丈ヶ岳に到着します。
Oさん、Uさんともにまだまだ元気!

しかし雲が湧き出して、展望はいまひとつな状態。
本来であれば背後に甲斐駒ヶ岳と鋸岳がそびえ、さらに左手には富士山が見える好展望地なのです。
うーん・・・少し残念だけど、雨に降られていないだけマシだと思わなきゃね。
気を取り直して気持ちのよい稜線を歩いていきます。

右手には馬の背から丹渓新道の稜線、左手には小仙丈沢カールを望みながらの登高です。
正面に見えるピークを登り詰めると道はやや下り基調となり、痩せた岩場の下りとなります。
ここはこのルート上で唯一の注意箇所、足元には気をつけて慎重に進みたいところです。

下りきったところが八合目。
ここからハイマツに覆われた小ピークに登り、仙丈小屋への道を分けてさらにもう一つのピークを越えると、ようやっと仙丈ヶ岳の山頂が見えてきます。
ん・・・まだまだ意外と遠いぞ。

虫対策
今年はどの山に行っても鬱陶しい虫が多くて困ります。
メマトイ・イヨシロオビアブ・ヌカカなどが代表格ですが、その中でも顔の回りをしつこく飛ぶあの虫!
それがメマトイです。
実はハエの一種で、なぜか人間の涙が大好物なのです。
目を目掛けて飛ぶ性質があり、場合によっては飛び込んでくることもあります。
ああああああっ!と叫びたくなるほどイライラMax状態になることもしばしば・・・。
そこで、今回はこれを使ってみました。

鉄腕アトムのアロマガードミスト
普段はハッカ油をアルコールで希釈したものを使っているのですが、6月に名古屋で行われた「第5回夏山フェスタ」で入手したのでザックの中に忍ばせておいたのです。
早速「シュッ」と軽くスプレーすると名前の通り、アロマの爽やかな香りが広がります。
あ・・・これって防臭芳香剤としても使えそう。
嫌なベタつきもなく、肌の表面はサラサラしています。
そして虫はというと・・・遠巻きに逃げた感じ!
汗をかけば流れてしまうので完璧ではないでしょうが、こまめにスプレーすれば一定の効果は得られると思います。なお、天然ハーブが主成分で科学物質を使っていないので、肌の弱い方や子どもでも安心して使うことができますね。

いい香り度★★★★★
虫避け度★★★★☆
お肌に優しい度★★★★★

高山植物の競演~山頂へ
登山道脇の斜面に目を向ければ・・・。

タカネツメクサ(高嶺爪草)が満開。
こちらはイワギキョウ(岩桔梗)とミヤマミミナグサ(深山耳菜草)の競演。

どの花も次の世代へ種を残すため、懸命に咲いています。
仙丈小屋の分岐から藪沢カールを時計回りに大きく弧を描いて進めば、やがて山頂直下の急登となります。
イワギキョウの群落が多いザレた斜面を登りきれば・・・待望の仙丈ヶ岳山頂(3,033m)に到着です。

到着は午前10時55分でした。
しかし・・・・・残念ながらガスで真っ白です。
もちろん展望はありません。
とりあえず、気を取り直して軽く腹ごしらえをすることに。
食べ終わったら下山しましょうね。

次回はこもれび山荘へ下山
無事に山頂へ登りましたが、登山はまだまだ続きます。
次回は山頂からこもれび山荘までの下山となります。

《今回の出費》
0円

《使用機材》
PENTAX K-3II
PENTAX DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR

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