こんにちは!らくルートの中の人、スタッフ 小林です。
前々から計画していた海外登山で、ニュージーランドのトレイルを歩いてきました。天候にも恵まれ、トラブルなく山登りを楽しむことができました。
そこで、このブログでは登山の様子に加えてキャンプサイトの予約、といった旅行に必要な手続きをご紹介できればと思います。それではよろしくお願いします!
(旅行をした2025年1月時点の情報です)
どこを歩こう
海外で山歩きをしたい!と思い立ったのが2年前。長期で休みが取れるタイミングが1月で、生命力が感じられる夏山が好き、という2つの理由から南半球!ニュージーランド!!と行き先が決まりました。
行き先が決まったら次はルート選び。テント泊縦走ができて、海沿いを歩くよりも山をしっかり歩きたいなー、せっかくならグレートウォーク(※)行ってみたいなー。いろいろ調べてみるとグレートウォークでテント泊で歩けるルートはそんなに多くはなさそう。
※ニュージーランド自然保護局(DOC : Department of Conservation)が定めた、際立って素晴らしい景観や歴史を持つ10のトラック。「世界で最も美しい散歩道」と称されるミルフォード・トラックが有名。
中でも、ルートバーン・トラック(Routeburn Track)は前から気になっていたコースだったので決定。バスをうまく利用すれば、そのままケプラー・トラック(Kepler Track)を繋げて歩けそうです。それぞれ2泊3日の日程の下山と入山を同じ日にして、合計で4泊5日の登山計画としました。5日間で約100km、コースは難しくないですが体力はそこそこ必要なルートです。
クイーンズタウンを起点に2つのトラックを歩き、再びクイーンズタウンに戻る
半年前に予約だって?
グレートウォークを個人で歩くには小屋(ハット)かキャンプサイトの予約が必要です。今シーズンの予約開始日はルートバーン・トラックが2024年の6月5日、ケプラー・トラックが6月6日からでした。
半年後の状況は正直分かんないよなーと思いつつも休暇の日程は決まっていたため、予約のスタート時間にはパソコンの前でスタンバイし、キャンプサイトを無事に確保。観光での渡航はNZeTA(電子渡航認証)が必要なので、アプリから申請。その後は航空券などの手配を進めていきました。
装備とか
今回の登山の起点となるクイーンズタウン(Queenstown)の1月の平均気温は、最高22℃で最低9℃。登山ルート(一番高い地点で1515m)との標高差を考えると、普段の北アルプステント泊装備で問題なさそうです。新たに購入したのは、浄水器と変換プラグ(ホテルで使用)くらいでした。
また、ニュージーランドでは生態系を守るために厳しい検疫が実施されています。そのため、テント・ペグ・トレッキングポール・登山靴はキレイに洗い持っていきました。空港の担当者に洗浄してきた旨を伝えたら「登山靴のソールを見せて」と言われたくらいで、個別の装備のチェックはなく入国することができました。
いざ!ルートバーン・トラックへ
自宅を出て24時間。ニュージーランド南島の町、クイーンズタウンに到着!ドミトリーに荷物を置いてから町の中心地にあるアウトドアショップでガス缶を調達。それから、緑色のパッケージが特徴のバック・カントリー・キュイジーヌ(Back Country Cuisine)のドライフードを3つ購入。日没は21:30で明るい時間がとても長いため、パッキングを終えてのんびりと街を散歩しました。
なんでも揃う「Outside Sports Queenstown」
サマータイム期間で日本との時差は+4時間。この明るさで20時
いよいよ山歩きが始まります。上下左右に揺られるジェットコースターのようなバスでルートバーン・シェルター(Routeburn Shelter)まで移動。道中は羊が放牧されているニュージーランドらしい風景も見ることができました。初日は8kmの道のりを緩やかに登っていきます。ルートバーン・フラッツ(Routeburn Flats)のキャンプサイトは平原に広がる絶景のロケーション!
道はよく整備されていて、ラクにすれ違いができるくらい幅が広い
2日目はレイク・マッケンジー・キャンプサイト(Lake Mackenzie Campsite)まで。距離15kmで、1100m登って900m下ります。ニュージーランドの山歩きは、谷沿いを歩き峠を越えていくコースが多い印象。マッケンジー湖で泳いでいる方もいたが、冷たすぎて足だけにしといた。
日本との植生の違いがおもしろい。マウンテン・デイジー(Mountain daisy)というらしい
3日目。ディバイド(The divide)まで15kmほど歩き、ルートバーン・トラックはおしまい。バスの時刻に間に合うよう暗いうちに出発しました。ドライバーさんはとても親切な方でテ・アナウ(Te Anau)のことをいろいろ教えてくれた。今日このままケプラー・トラックを歩くよ、というと笑っていた。
バスでテ・アナウへ。食料を補給し、その足でケプラー・トラックに入る
続いて、ケプラー・トラック
スーパーで食料を購入し、ビジターセンターでケプラー・トラックの説明を受けます。ケア(Kea)というイタズラ好きな鳥に気を付けてね!というのが大体の内容。テントをくちばしで破って、食料を持っていってしまうこともあるらしい。この日はブロッド・ベイ(Brod Bay)まで湖に沿って歩く。ビーチに隣接した気持ちのいいテントサイトでした。
4日目、レインウェアを着てスタート。アイリス・バーン・ハット(Iris Burn Hut)まで距離22km、登り1600m下り1350mと今回の登山ではハード目な1日。コース序盤で一気に標高を稼ぐ。小雨になり暑いので雨具は早々に脱いだ。樹林帯を抜けたら一面の雲海、近くの山はよく見えていた。キャンプ地はサンドフライ(小さい虻のような羽虫)が多く、虫除けを買ってこなかったことを後悔した。
5日目、最終日です。緩やかに下りながらテ・アナウまで35kmほど歩く、今回一番のロングコース。草原、熱帯雨林、苔の森と風景が入れ替わっていくのが楽しい。20km超えると足の裏が痛みだす。ペースダウンしつつも無事にゴール。テ・アナウ到着後はシャワーを浴び、コインランドリーを回してスッキリ。夕方のバスでクイーンズタウンに戻りました。
クライストチャーチに寄り道
山歩きを終えてクイーンズタウンで1泊し、翌朝の飛行機でクライストチャーチ(Christchurch)へ。NZ発のアウトドアブランド「マックパック(macpac)」や「カトマンズ(Kathmandu)」に立ち寄ったり、美術館を巡ったり。その後はまた24時間かけて松本に戻りました。
おわりに
海外での本格的な山登りは初めてでした。1年を通して降水量の多いニュージーランド。半分晴れてくれたら上出来だなーと思っていましたが、わずかに雨に降られたくらいで景色も楽しむことができました。今回の山旅が良い成功体験になったので、また機会を作って海外の山へ出かけたいと思います。
グレートウォークを個人で歩くには事前の予約が必要です。ちょっと面倒ですがその分、登山者の人数が制限されているため小屋やキャンプ場がキャパオーバーにならず、快適に過ごすことができ満足度はとても高いです。DOCのサイトに情報がまとまっているのも、僕のような海外からの登山者には分かりやすくていいな、と思いました。
今回歩いた2つのトラックは、らくルートでも山行計画を作成できます。ルートバーン・トラックはこちら、ケプラー・トラックはこちらから。よろしければお試しください。
それでは、楽しく安全な山登りを!
ちょっとしたメモ
・現金は1万円を両替したが、使ったのは4000円ほど。他は全てクレジットカード。
・キャンプ場の受付は特になし。ホワイトボードに名前と予約番号を記入するパターンと、スタッフの方が点呼にくるパターンがあり。
・キャンプ場の水は要煮沸の注意書き。とはいえ、毎回は難しいので浄水器を使用。
・スマホはahamo(ドコモ)で海外データ通信。山の稜線でも電波が入る場所がありました。
・モバイルバッテリーは10000mAh×2個で80%ほど消費した(iPhone、Apple Watchに使用)
・クマは生息していないので熊鈴は不要。クマの心配をしなくていいのは気持ち的に楽。
・ルートの情報や注意点、必要な装備を調べることのできるPlanMyWalk
・現地の天気予報はMetServiceが精度高めだった。
・利用したバス
info&track クイーンズタウン→ルートバーン・シェルター
Tracknet ディバイド→テ・アナウ
InterCity テ・アナウ→クイーンズタウン
・とても良くまとめられていて、これだけを読んでいれば、NZのトレイルに行けそうな感じですね。
・私がNZのトレイルを歩いた頃が懐かしく思い出されました。私はグレートウォークス5つのコース(ミルフォード、ルートバーン、ケプラー、ラキウラ、トンガリロ・ノーザン・サーキット)を歩きました。最初の2つは、ハットの予約が取れなかったので、ガイドウォークにしました。後の3つは個人で歩きました。個人の場合は、記載の通り、6か月前の予約開始日に予約を入れないと希望通りにいかない場合があると思います。ガイドウォークも結構予約が混んでいました。
・予約が面倒ですが、実際に歩いてみると、混雑がなく、ゆったりとした気分で歩けるのは良いと思いました。
・グレートウォークス以外のトレイルは、空いていて、宿泊料金も安く、予約も不要(但し、ビジターセンターでチケット購入が必要)なので良い感じがしました。私はタラナキ山山麓を一周するアラウンド・ザ・マウンテンのトレイルを歩きました。また、各都市に短いトレイルがあることもNZの魅力だと思います。
・昨年、アイルランドとイギリスでテント泊のトレイル歩きも経験しましたので、来年の年初あたりにNZに行きたいと思います(テント泊で、ヒーフィー、アベルタスマンあたりか?)
・また、サンドフライ対策の虫よけは必須です。日本製は効果がなかったので、現地で調達するのが良いと思います。
makotochanさん
詳しい補足情報ありがとうございます!
アイルランドとイギリスでのトレイル歩きも素敵ですね〜