こんにちは、スタッフHです。梅雨明けが待ち遠しいですね。
さて今回は読書感想文をお届けします。
というのも、社内で偶然見つけた本ですが、思いがけず感動してしまったからです。
その本は、沢登りのルートガイド集『丹沢の谷』。
山と渓谷社からの出版で、著者は後藤真一さんです。
初版は2017年で、”沢ヤ”の皆さんにはお馴染みかもしれません。
沢登りは初心者レベルの私ながら、皆さんにお伝えしたいと思いました!
シンプルだからこそ、大きなものを背負うタイトルですが、それに違わず厚みのある内容なのです。
かといって小難しいわけではなく、全ページがフルカラーでとても読みやすいです。
色鮮やかな写真は、沢の美しさや涼しさが如実に伝わりますよね。
そして、注目なのが掲載されている”遡行図”です。私が本当に、いいな!と感じたところです。

遡行図の例(※架空の地形、作・スタッフH)
沢登りをしない方へ少しだけ補足をすると、
「遡行図(そこうず)」とは、沢登りルートの概略と、目印や地形の特徴などの情報が示された図です。

オリジナルの地図の例
沢登りではよく、遡行図と併せて”オリジナルの地図”を持参します。
オリジナルの地図の作り方の一例ですが、遡行図などを活用して、地形図に沢のラインと滝の場所、地形の特徴や危険箇所などを書き込んでいきます。コースタイムの目安や、登る際のコツなど、自分達の計画に即した情報を入れたりもします。

「丹沢の谷」に記載の遡行図
それの参考とする遡行図が、「丹沢の谷」ではすでに地形図上に描かれているのです。
なので、滝や支沢などの位置が推測しやすく、自作する地図の信頼性をぐんと高めることができます。
さらに、書き込まれているアドバイスはとってもきめ細やかです。
脳内での”妄想沢登り”がラクにできそうで、地形好きの方なら、眺めるだけでも楽しいと思います。
紹介されているルート数も、丹沢エリアだけで200にのぼる大作です。
※遡行図の情報はあくまでも参考と認識してください。直近の降水量や気象、災害等により、地形やグレードが変化している可能性があります。

梅雨時のステイホームのお供にも
そして、遡行図が丁寧に清書された”手描き”であるところにも驚きました。
著者の丹沢への愛がひしひしと感じられて、なんだか心が温まります。
書籍そのものが上品な装丁で、本棚をお洒落にしてくれるところも、お気に入りです。

神ノ川水系金山谷
ぱらぱらと眺めているだけでも、沢に行きたいな(丹沢でもどこでも!)という気持ちがとても刺激されました。今シーズンは何本、沢に出かけられるでしょうか??がんばります。
また、著者の後藤さんが監修に携わった『ヤマケイ登山学校 沢登り』が、7月3日に発売されます。沢登りのための装備、遡行技術、生活技術などをわかりやすく紹介しています。
現在、予約を受付中です。
沢登りの世界に興味がある人、今年こそ始めたい人はこちらも要チェックです!