ヤマレコMAPのApple Watch対応

2019年6月17日

こんにちは!ヤマレコ代表のmatoyanです。

本日、ヤマレコの登山地図アプリ「ヤマレコMAP」がApple Watchに対応しました!
今日はその経緯について簡単にまとめておこうと思います。

さかのぼって2019年3月、Appleの開発者イベント「WWDC19」の募集が開始されました。

WWDCはアメリカのサンノゼ(シリコンバレーエリア)で毎年行われているイベントで、世界中の開発者が集まって最新の開発に関する情報を学ぶイベントです。
Keynoteの講演では、毎年新製品や新しいソフトウェアの発表も行われます。
参加費は1599ドル(約18万円)と高額ですが、多くの申し込みがあり抽選で当選した人だけがイベントに参加できます。

当時は当たるかどうかもわからなかったので「当選したら色々考えよう」とのことで申込みだけをしてみました。すると・・・

もうこれは行くしかない、ということで、飛行機のチケットやら宿の手配をしました。
「せっかく行くことだし、ついでに山にも登りたい!」ということで、カリフォルニア最高峰 Mt. Whitney のPermitの手配やらを済ませて、5/29から6/7の10日間アメリカで過ごすことになりました。

そして仕事として行く良い機会だから「Apple Watch対応もしてみたい」と思い、Apple Watch Series4を購入しました。
iPhone版のアプリではGoogleやAppleが地図を表示できるライブラリを提供していて、比較的ラクに独自の地図を使った地図アプリを開発できるのですが、Apple Watchではそのライブラリが存在しません。ただ「ViewRanger」などの海外のアプリでは独自の地図に対応しているので「頑張れば作れないということはない」ということだろう(でも作り方はわからんけど)、と判断し、渡米の1週間前、5月23日ごろから開発を開始しました。

アメリカに到着して初日はレンタカーを借りて Mt. Whitney のお膝元、Lone Pineの街へ。ロサンゼルス国際空港から片道4時間程度のドライブです。
前日の17時までにVisitor Centerに立ち寄り、Hiking Permitを取得する必要があるので急いで車を走らせます。
途中から半分砂漠のような地帯に入ります。

なんとか時間前にVisitor Centerに到着。

山の上の方は雪が積もっていて、雲がかかっています。

受付のお姉さんから「上部は冬山だけど、アイゼンやピッケルは持っているか」、「クマが出るので車の中には食物や化粧品などを置かないこと」など諸注意を受けてPermitの書類にサイン。もしレンジャーにPermitの提出をするように聞かれたら紙のPermitを渡すようにと言われました。
山頂にアタックする人がいるかどうかを聞いてみましたが、Visitor Centerの人はよくわからないようでした。

5/30のMt. Whitneyの登山については山行記録を御覧ください。
雪の中、2000m以上の高低差を上り下りするのは流石に疲れました・・・。

翌日5/31は一日かけてSan Joseの街へ。
車で8時間ほどなのですが、時差ボケと疲労でもう眠くてしかたない。
途中でカリフォルニアでは有名なハンバーガー屋さん In-N-Out(イン・アンド・アウト)に立ち寄ってエネルギー補給をしました。
チェーン店なのですが、注文を受けて作る新鮮なハンバーガー、ポテトも店内でじゃがいもを剥いて揚げたり手作り感が楽しめます。カリフォルニアに行くことがあればぜひ立ち寄ってみてください!

その後も眠気と戦いながらなんとか宿にたどり着き、翌日6/1(土)はBerry Creek Falls Trail Runという25kmのトレランのレースに参加しました。
このトレランのレースは「Coastal Trail Runs」という団体が主催しているレースで、ベイエリアの森の中を走るレースを月に2〜3回ほど毎月開催されています。過去にアメリカにいたときにも何度か出場したのですが、全参加者を合わせても100人前後の小さい規模のレースを開催されています。

3時間30分、31人中17位という微妙な結果でしたが、筋肉痛や時差ボケからの疲労、靴ずれが残る中走った結果としてはまあ良かったのかなと。

6/2はWWDCの受付へ。
San Joseの町中にはLIMEやBirdという電動スクーターが何台も置かれており、気軽に移動できます。
パスポートとクレジットカードの登録をするだけで乗ることができました。

WWDCの受付はブルーのTシャツを着たスタッフが「Developer?」と聞いてきて、ハイタッチで出迎えてくれます。アップルっぽいですねー。

入場パスと記念品を受け取って受付は終了です。

せっかくなので車でApple新本社の近くにあるApple Storeにも行ってみました。新本社の模型が置いてあり、iPadをかざすと画面の中に映像が見えるコーナーがあったり、この場所でしか売っていない丸い新本社のロゴマークが入ったTシャツなどが売られていました。
ここのカフェでドヤ顔で開発をしようと思ったのですが、観光地なのであまり長居する雰囲気ではありませんでした。残念。

さて、翌日6/3からはWWDCのイベントです。
初日はティム・クックが出てくるKeynoteが午前中にあり、午後にはKenoteで発表された新しい技術などをより詳しく説明する「Platforms State of the Union」というプレゼンテーションがあります。

2日目以降は、今回発表されたSwiftUIやXcodeなどの開発環境、あとはAppleが提供している技術を使ってどうアプリをつくるのか、毎日プレゼンテーションが開催されています。
また、ラボと呼ばれるコーナーがあり、PaymentやwatchOS、○○Kitという各種ライブラリなどテーマに合わせてAppleの技術者に相談できます。

プレゼンテーションについては今年秋に公開されるiOS13の新機能の発表の意味合いもあって、いま講義を受けても「ああそうなんだ、でもまだ使えないよね」という感想しか出てきません。あとはWWDCのアプリやWebサイトで翌日以降は動画を見れるということもあって、あんまり参加する意味はないんじゃないかなーと思います。
なので今回のWWDCではラボに焦点を絞ることにしました。

現場ではひたすらApple Watchの機能開発をして、

気が向いたら講義を聞きに行って、

聞いてみたいことをまとめておいてラボの時間になったらAppleの社員に相談しに行く、

ということをしていました。

おかげで日本に帰る時点で「地図を表示する」「地図をダウンロードして保存する」という機能については一通り実現できるようになっていました。

日本に帰ってからは、予定ルートの表示や、GPSログの表示などの機能実装を進めました。
進めていくにあたり「Apple Watch4しか持ってないけど、古いApple Watchではどうなんだろう」と思い、Apple Watch Series2を中古で買ってみました。
この段階でできていたアプリで地図表示をしたところ、「もっさり」というより「固まっている」ぐらいに遅い。遅いので更に操作をすると更に反応が遅くなるという悪循環で、操作をして反応が帰ってくるまで何十秒も待たされるような状態でした。

watchOSの最新版は初代のApple Watch以外はすべて対応しているのでサポートをしないわけにも行かず、そこからは開発と並行して高速化のチューニングを開始しました。
表示の滑らかさを犠牲にして、軽量に動作をする「軽量モード」を準備してなんとかSeries2では動くことが確認できるようになりました。

この段階になって、「そういえばSeries3だと、どっちのモードで動かせばいいかわからない」と不安になり、今度はApple Watch Series3を発注しました。
水曜日に届いて急いでテストをしてみたところ、Series4と比べるとやはり性能差が大きく、「軽量モード」での動作が必要なことがわかりました。

その後も細かい機能実装を進め、6/14にAppleの審査も無事通過し、本日のリリースを迎えることができました。
週末に行った確認テストで若干の不具合も確認できているので、ちょっと動作がおかしい事があるかもしれませんが、今後もアップデートを進めるので随時良くなっていくと思います。

電力消費量が多いGPSのログはアプリ側で行うので、地図を常時見続けたりしない限りバッテリーの浪費もそこまで大きくはないです。なにより、「気軽に地図が見れる」というのはやはりいいですね。より安心して登山を楽しめる様になると思います。

Apple Watchをお持ちの方は、最新版をインストールして地図を確認しながら登山をしてみてください!
Android Wareも対応できるように頑張りたいです!(時期は未定ですが・・・)

4 Comments

  1. ryuseigo より:

    リリースおめでとうございます!
    早速文字盤に常駐させることにしました。
    今週末早速使わせていただきます。

  2. アイポン非利用者 より:

    Android Wearのスマートウォッチ(プロトレックなど)にヤマレコが使えたとしたら、まじで登山最強アイテムの完成ですよ。早く対応してくれないかなぁ、、、期待

  3. hide0612 より:

    この記事が気になり、思い悩み、ついにApple Watch買っちゃいました!
    今年の梅雨は例年通りなのか?もっと長引くのか?でいつ山に行って、
    Apple Watchでヤマレコ体験できることを待ち遠しく感じています。
    山で使用するのでぶつけて壊れない様に保護ケースも準備OK!

    ヤマレコユーザーのApple Watchレビューを特集していただけると参考になります。

  4. smalltalk80 より:

    Apple Watchで使える登山用アプリがないなぁ・・・
    と思っていたのですが、ついに対応したのですね!

    これを機に、Apple Watch買っちゃおうかな!?

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