爺が岳東尾根より鹿島槍ヶ岳を目指す計画だったが、悪天の可能性もある天気予報だったため無理をしないで天気を見ながら判断することとした。鹿島山荘(狩野家)が登山口だ。立派な建物で昔が偲ばれる。雨の中、しばらくずるずるの斜面を登って、稜線に着くとそこから雪が出てきた。踏み跡が残っているが雪はモナカ状となっていて大きく踏み抜くところも。ジャンクションピークを超えたところに絶好のテン場を見つけて早いけれどここに泊まることにした。午後から雨が止んできた。雨が止むのを待っていたのか、後続のパーティが通過していった。風は穏やかだった。明日は鹿島槍ヶ岳へのアタックだがテントを持って上がって冷池山荘で泊まるか、テントを置いて爺ヶ岳東尾根経由で往復するか、まだ迷っていた。赤岩尾根上部の下降が心配だった。結局東尾根経由の往復を取ることにして、少しでも不安要素があったら爺ヶ岳までにすることにしようと決めた。今回は爺ヶ岳東尾根を登ることを楽しみにしていた。鹿島槍ヶ岳はおまけで良いと思った。翌日、3時に起床すると空に月、星が輝いていた。風はあるが行動に問題となるものではない。朝食を手早く済ますと、ヘッドランプをつけて行動を開始した。P3へは1時間ほどの登り、P3とP2のコルは広くてテントが何張りも設営してあった。P2の登りにかかって直ぐの台地状のところもテントが張れそうだった。P2とP1の間は痩せた尾根となっていてこの間が核心だった。特にP2に登るところが短いけれどかなり急になっていた(帰りはバックステップで降りた)多少の風はあるものの問題になるようなものではなかった。天気は晴れ、素晴らしい展望が広がっていた。P1に着くと稜線の素晴らしい風景が広がっていた。遠く槍ヶ岳をのぞむことができた。鹿島槍ヶ岳はまだ遠い。しかしP1を過ぎる頃から爺ヶ岳山頂にガスが出てきた。爺ヶ岳山頂に着いた時にはガスが掛かって展望は全くなくなっていた。冷池山荘の方角にはトレースはなく、ガスで暗く感じた。今回は単独ということで爺ヶ岳で引き返すことにした。P1まで戻って来るともうガスの下だった。しばらく休憩した後、痩せ尾根を慎重に下降した。P2のあたりでは無風となってポカポカだった。時間的余裕もあることからゆっくりと休憩を取ることにした。テルモスの白湯を飲み、行動食を取りながら風景を堪能した。30分ほどもいただろうか、名残惜しいが下降することにした。P3を超えてテントに戻るのにびっくりするほど遠く感じた。テントに帰ってきたのは正午頃だった。まだ麓に降りれる時間だったがテン場で翌日の天気予報を携帯で確認すると晴れだったのでもう1泊してのんびりすることにした。テントの中で昼寝をしていると、何組か下山してゆく足音がしていた。下山日、起きると曇り空だった。のんびりと朝食をとり、テントを撤収した。登山口まで2時間30分くらいと見積もったら、丁度その時間だった。まだまだ早いので大町温泉まで歩いて入浴してから帰宅した。
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