道迷いを検証してみた

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2008年09月30日 13:13未分類全体に公開

読図の技術を紹介する書籍に、「道に迷った人がどういう行動をとったか、その行動の背後にどんな判断があったかに関する資料は残念なことにあまり多くない」と書かれていた。
だったら提供しようじゃないか、道迷いの資料を。

2008年9月24日水曜日
雨ヶ岳から佛峠へ至る地図上には点線のない尾根伝いのルート通行時における道迷いの記録

西に１４０２、東に１２８０を見るほぼ真ん中の尾根が途中までは広く見通しがよく、しかし踏み跡や目印は皆無。ときおりカモシカと見られる足跡が散見される程度。読図に慣れない人に尾根を判別するのは難しそうな凹凸の少ない地形。

滑りやすい斜面をストックで身体を支えながら下り、ほぼ真北へ進んでいる。途中、尾根が分かれる辺りで樹木や岩を左へ迂回した際、間違えて最寄りの尾根（Ｂ）を進む。（①）
少し進んだ時点で、尾根がどんどん狭くなってゆくのに不安を感じながらそれでも立ち止まらず、ついにはようやく人1人が立っていられるほどの狭い場所に立ち尽くしてしまう。それほど狭い尾根がこの場所にあるとは、地図からイメージできなかった。

両方を谷に挟まれ前に進めなくなったので、元いた場所まで戻ろうと辺りを見ると、本来通るべき尾根が谷の向こうに見えたので、焦る気持ちから一刻も早くルートに復帰しようと思い、斜面のトラバースを試みる。当然踏み跡などどこにもない危険な斜面。（②）
それでも、滑り落ちたら戻って来られないいうことを冷静に考えてトラバースを中断、そこからストックを使って必死で登る。（③）

ようやく元の地点まで戻ったのにそれに気づかず、どんどん先へ進み、さらに本来の尾根（Ａ）を通り過ぎた地点でようやく気がつき、慌てて元に戻る。（④）
GPS画面で設定したルート上にいることを確認し、改めて進むべき尾根を１３９３へ目指す。

以上、GPSのログと当時の記憶を元に再現してみた。道に迷った人の行動や心理状態が少しでも参考になれば幸いに思う。

2008-09-30 晴登雨読

2008-10-01 富士山冠雪

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