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実は、私にとって葛城山は、昔からちょっと気になる山です。
高校生の時に読んだ、小松左京のＳＦ小説「果てしなき流れの果てに」の舞台が葛城山だからです。この小説、私が持ってる文庫版（また読んでみたくなって最近買いなおしました）の帯には「永遠の名作」とあります。たしかに、小松左京の代表作と言っていい強烈な印象の作品ですが、強烈すぎてついていけない・・・。何回読んでも、途中でわけがわからなくなる。時空のかなたに放り出されて、そのまま置いてけぼりにされてしまう、そんな小説です。しかし、葛城山を舞台にするはじめの１００ページ余りはとても魅力的で、何回読んでもぞくぞくする導入部です。葛城山の古墳から発掘された砂時計、それは、永遠に砂を落とし続ける砂時計だった・・・
私は、この導入部を読み、その後の本編は「なんか、時空のあちこちに飛び回ってえらいことになってるなあ」と読み飛ばし、最後の「エピローグ（その１）」（（その2）は、ずっと前の導入部にあります。）を読んでしみじみする、という読み方をしています。かなり邪道ですね。
ところで、大阪府南部に、葛城山は、大和葛城山と、和泉葛城山の２つがあります。
この小説、どちらの葛城山なのか、よくわかりません。「国道２６号線を南に」「和泉山脈」みたいな描写は和泉葛城山だけど、古墳群や山にまつわる伝承は大和葛城山のもの。大阪人である小松左京氏が間違えるはずはないし・・・と、ずっと謎でした。
で、検索すると、やはり同じように思ってる人がいるようで、この小説、地学的には和泉葛城山（6000万年前の白亜紀の地層）、歴史的には大和葛城山（古墳、役行者の伝承）でなければならない、その必然性ゆえ、作者はわざと混同してるのだろうとのこと。さすが、時空をとびまわる小説ですね。
金剛山の次は、葛城山に行ってみようかな？（とりあえず、どっちの葛城山？）
crybabycryさん、こんばんわ。
かつては両葛城山の真ん中あたりに住んでたし、
小松左京の本も何冊かは読んでるんですが、
「果てしなき・・」は知りませんでした。
読んでみないと。。。。汗
地元の人間はあえて大和とか和泉なんて
つけて呼びませんから、たぶんわざとごちゃまぜに
している。という推理が正解なのだと思います。
今日は少しだけ雨の葛城古道を歩いてきました。
k-yamane さん、ありがとうございます。
私は、小松左京の熱烈なファンと言うわけでもなく（日本沈没も読んでません）、葛城山にまつわる歴史に詳しいわけでもなく、ちょっと疑問に感じたことをネットで調べたりしてただけなので、間違ってるかもしれません。
この小説は、1965年のもの。日本も作者も若かった時代です。時代と作者の若いエネルギーがぶつかってできた、すばらしい作品ですが、そのぶん、粗削りだと思います。エネルギーが空回りしてるようにも感じる。いや、私の読解力のなさかな？
私は、ヒロインの女性が老婆になるまで、恋人である主人公の帰りを待ちながら静かに暮らす、葛城山山麓の集落の描写が好きです。主人公は果てしなき流れの果てから帰ってきたのか？
なお、この小説、白亜紀から26世紀までが舞台ですが、最後のエンディングは２０１８年です。来年ですね。
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