先日の日記をさいたまんさんが拾ってくれたみたいなので追い日記
最近、物事を考えるのが億劫になってきて、いよいよボケが始まったか、、、と達観していたのだけど、
久しぶりに考察系日記を書いてみたら、存外、何かを想像したり、いろいろ調べたり、思考を巡らすのが楽しかったので、今日も日記を書いてみる（週末から書いてたんだけど）。そして今回も長い。
前提として、
�〇笋亘［Р箸任發覆鵑任發覆ぁ�学生時代から登山を楽しんでいた一般の人。
職業登山家でもないし、コアなフリークライマーでも、競技者でもない。
�∈枷十蠅亘［Г鮑�拠に、社会通念上の一般論を基準として裁量する。
（上記のような一部の人たちの価値観で裁量しない）
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二子山のクライミング訴訟については、前の日記であれこれ私感を書いておいた。
で、改めて、この裁判の結果がでたとして、それが原告や被告、そして私を含む一般登山者にどのような影響があるのか考えてみた。かなりテキトーなので異論は歓迎です
●case1 原告が勝訴
⇒『被告は管理者責任を負い、原告へ損害賠償する』
この場合、当該岩場はスポーツ施設として認定されることが前提（としてみた。）
その上で、
・被告である協会には『管理・占有』が認められる。と同時に、将来に渡り安全管理義務を負う⇒これはこれで占有が認められるので協会にとって悪い話ではない。
・原告は賠償金を受取り、且つ、老後まで安心して当該岩場を利用できるようになる。
・私を含めて一般の利用者は、誰でも安心して当該岩場を利用できるようになる。
・将来的にも、全国にこのような岩場が増えて町興しにも使える。
・昔からのコアなクライマーにとっては、開拓の歴史や旧来の不文律が反故にされる可能性が増す。
●case2 原告が敗訴
⇒『被告に管理責任はない、原告への賠償の必要もない』
この場合、当該岩場はスポーツ施設ではなく、管理可能な物件でもないと認定される筈
その上で、
・当該岩場はクライマーが自由に振る舞える場所となり、旧来どおり個々のクライマーの自主管理やクライマー間の不文律が原則となる。将来に渡り、事故の全責任はクライミングをする当事者が負う。
・原告は、賠償金は受け取れないが、協会に制限されることなく旧来の価値観で、本人の意思により当該岩場を（新規開拓も含めて）自由に利用できる。⇒これはこれでクライミング歴30年の被告にとっては良いことだと思う。
・昔からの二子山クライマーも、当分は昔通りの価値観でクライミングを楽しめる。
・被告である協会は、定款から『岩場の管理』の文言を削除し、また、占有も認められないので会員専用エリアも破棄する⇒協会的にはおもしろく無いかもしれないが致し方ない
・一般の利用者にとっては、相変わらず、クライミングは危険な行為で安易に始められるものではない⇒管理する協会側にとっては、無謀で非常識な初心者が来なくなる効果は期待できる
・クライミングで町興しをするなら、岩場の管理はせずに周辺環境（トイレや駐車場）の整備や美化だけに努める。⇒これはこれで良いと思う。
●case3 示談で解決
⇒管理責任は有耶無耶に。
当該岩場はいままで通りグレーゾーン。係争はその都度裁量。
一般利用者にとっても、全国の岩場についても、将来のスポーツクライミングにとっても特に変化はない。損も得もない。現状維持。時代が解決。時期尚早。
・クライミングで町興しするにも、どこまでやって良いものか悩みつづける。とはいえ、case2と同じ方向でよろしいかと。
以上、なんとなくの素人の考え。
もうクライミングをする気のないボケ始めた私にとって、ますます、どーでもよい訴訟になってきた
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で、今回は『スポーツ施設での事故』について軽くググってみた。
私が思うに、裁判所の仕事は『自己責任』の範囲を決めることはない。
なぜなら『自己責任』という価値観は、分野によっても、状況によっても、時代によっても受け取り方も使い方も異なるものなので、社会通念上の一般論にするには、あまりに煩雑すぎるから。それに『自己責任』という考え方は、そもそも『当人の過失』の範疇だから、いまさら別の言葉で定義する必要もない筈。
それよりは、『クライミングが一般人も楽しむスポーツ/レジャーなのか』や『屋外の岩場においてどの部分が施設となり管理の対象となるのか』を社会通念に照らし合わせて判断する方が、賢明なんじゃないかと。
今回、訴状の詳細は知らないけど、損害賠償請求しているので、根拠は以下の法令と推察する。
『スポーツ施設で事故が発生した場合の責任について』より
https://realestate-law.jp/business/business-news/sports-facility-management02/
＊＊＊＊＊＊以下、抜粋＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（民法第709条 不法行為による損害賠償）
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
（民法第717条1項 土地の工作物等の占有者及び所有者の責任）
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
占有者
（工作物を事実上支配する者で、その瑕疵を修補し、損害発生を防止しうる者）
土地工作物
（一般的には「人工的作業によって土地に接着して設置された物」）
所有者
※地権者ではない。施設や設備を所有する者。残置物の場合所有者不在となる？？
『スポーツ施設の管理者の法的責任』
http://sports-law-seisaku.jp/cgi/upload/thesis/61/file.pdf
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ところで、どちらにせよ結審したあとで、
全国にある岩場や登山道については、どうなるのだろう。
多くの人にとっては、こっちの方が重要。
上記の法令を見るかぎり、
・占有者であっても必要な措置を講じていれば、責任は負わない。
その場合、所有者の責任が問われるがこれは『無過失責任』といって、逃れようのない責任らしい。
とはいえ、残置物や廃棄物のように、所有権が放棄されたものの場合はどうだろう。
誰が残したのかも分からない岩場の残置物や雪山のトレースに所有権はあるのか？
いやそもそも不動産とはみなされず、施設ともみなされないと考えるのが妥当ではないか？？
一方、登山道についてはどうか。
登山道に所有権はあるのかな？
柵とか階段とか橋にはありそうだけど。
登山道に設置された案内板に明らかな不備があって遭難した場合、ちゃんと読図しなかった登山者の過失となるのだろうか？自己責任なのだろうか？
先日の日記にコメントで絡んできた方がいたが、
『登山道の土留の丸太が傾いていて、そこで滑って転倒したから保証しろ』なんて人が出てきたら困る、とのこと。
ただ、これは通常『本人の過失』になるんじゃないかと思う。
そもそも、社会通念上、登山道は遊歩道ほどに平坦ではなく、起伏に富み、岩や樹木に覆われているものと考えるのが妥当だと思うし、そういう場所を歩くなら、足元をしっかり確認する注意義務が利用する登山者にも求められるのだから。
一方、崩壊した大雪渓を登山道として開放しつづけた場合や、似たような危険エリアに登山者を導くように登山道を設定した場合、事故があれば管理責任を問われても仕方がないと思う。『山は自己責任』で済む話ではない。だから管理者は閉鎖するのだろう。
結局のところ、一般的な登山道や所有者のいない残置物で構成される管理者のいない岩場については今となんら変わりないような気がする。
登山者は今までどおり、必要な注意を怠らずに山歩きをすればいいし、どう考えても不当だろうという状況があれば、泣き寝入りせずに訴訟を起こせば良いと思う。
登山者全体にとって危険な状況を改善できるのであれば、訴訟自体は悪いものではない。
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日頃から『マスコミは信用できん』とか『ヤフコメで騒ぐ奴はおかしい』だなんだと言ってる人間なら、報道記事なんぞに飛びついてよく調べもせずに『登山は自己責任』などと言うべきでは無い。
少なくとも『自己責任』という言葉は、会ったことも無い他人に責を負わせる為の『ツール』ではないし、
被告側に責任は無いと考えるなら『自然の岩場では管理責任は問えない』『被告は悪くない』と主張するだけで十分な筈だ。
そして、仮に原告側の責任だとしても、それは単なる『当人の過失』であって『自己責任論』の出番ではない。
スキー場でもキャンプ場でも、トンネルでも公園の遊具でも、使用者の過失によらない事故が起きれば、管理者の責任が問われる事例は多数ある。
肝心なのは、その施設の利用目的・使途において、社会通念上、想定される危険に対して損害の発生防止のために必要な注意が払らわれていたかどうかだ。
なので、今回の訴訟の焦点のひとつは『岩場に設置された支点』が『施設』となり得るのかどうかだと思う。
そこで『施設』と認定された場合は『必要な注意が払われていたか』や『占有者や所有者は誰か？』ということになる。
という訳で、被告側は『必要な注意を払っていた』と主張するか、
そもそも『岩場の管理/占有などしていない』『支点の所有権も主張してない』と立証してしまえば、賠償責任は生じないんじゃなかろうか。
そしてその証言によって、原告側は『訴訟には敗けるど、実質的には得をする』ことになるんじゃないかと、、、失われつつある自由や昔ながらの不文律を取り戻せるのだから。
※とはいえ『必要な注意を払っていた』と主張され、示談に持ち込まれる可能性が高い。『必要な注意』については次回の日記にでも書こうと思う。
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最後に
個人的に、この訴訟についてどちらかに肩入れするつもりもない。
当事者の方には失礼な話だけど、頭の体操的に利用させてもらっている。
なので、いろいろな視点の話が出てくるのは歓迎です。
へーとか、なるほどとか、ごめんなさい浅慮でした。となるのもやぶさかではない。
あくまで個人の日記
https://www5a.biglobe.ne.jp/~mizote/2023.html
引用すると：
法的には、「ゲレンデの支点が抜けないこと」は工作物責任でいう「通常有するべき安全性」ではない。もし、岩場の土地所有者に工作物責任が生じるとすれば、全国の岩場の所有者（自治体、国、個人、企業）が一斉にクライミングを禁止するだろう。登山道についても、土地所有者に工作物責任や営造物責任が生じることになれば、土地所有者は登山道の通行も禁止するだろう。
人工壁と違って、ゲレンデは安全なものではない。しかし、〇〇協会などが、「整備しました」などと宣伝すると、協会が安全管理していると勘違いするクライマーが出てくる。
ゲレンデの整備は目立つ形で行うべきではない。
また、自治体は、ゲレンデを、遊歩道のように観光資源として町おこしや経済効果のために利用すべきではない。自然の中のクライミングはもともと危険なものである
おー、貴重なリンク、ありがとうございます。
ざっと読んでみましたが、多岐にわたっていろいろなことが書いてあり勉強になりました。件の裁判の結果によらず、登山者もクライマーも今まで通りで支障はなさそうですね。
とはいえ、トラッドスタイルの場合、支点の所有者はどう考えても岩場の土地所有者ではない気がします。一斉にクライミングを禁止する必要は元々ないんじゃないかと。
岩場そのものや土地そのものは、工作物でも造営物でもないですし。土地所有者を上物の所有者と判断するのは何故なんだろう。他の法律家の見解もみてみたいところです。
そう考えると固定支点の所有者が誰になるのか、今後の裁判の行方に注目したほうが良さそうです。
このことに関して評論する人がいますが、訴訟のメリットデメリットなんて言われなくても百も承知、そのうえで訴訟になるということは、訴訟以外の選択肢が破断になったからでしょう。リスクなど弁護士から普通説明があります
ですね。
今の時代、実力行使の暴挙にでるよりずっと賢明です。時間はかかるかもしれませんが、既に破談してるなら判決がでても複雑ですね。
傍観者としては、双方の意見書の記事がみれただけでも勉強になりました。
追記
日記のタイトル、少し変えました。
前回のコメントを受けて考えてみたタイトルでしたが、真剣に訴訟を起こした方の気持ちもなんとなく分かってきたので。
一般的にはその土地に不法投棄されて残置された物は設置・廃棄者が不明の場合には地権者自身の物で無くても産廃所有者として地権者が責任を負う事になります。
しかし他者が設置したクライミング支点にまで地権者に責任を負わせるのは異なります。なんとなれば地権者はクライミングという特殊な危険行為に対して未必の殺意が存在しないからです。「私有地への立ち入り禁止」が全国各地で誘発されるような事態はクライミング界にとっては致命傷となりかねません。
一般登山道は散歩の延長としての歩行場所でありクライミング技術は職業として行うためには講習義務が発生する特殊な危険行為なので山屋のクライミングを同一に扱うのは難があります。
今回の訴訟は特殊な事象の累積から全国へ飛び火や余殃となることは考えにくい上に、集客行為によるクライミング初心者の滑落リスクが抜け落ちている気がします。場合によっては設置した直後のアンカー脱落もあり得るため余りいい気はしません。
それぞれの立場での過失相殺がどのように判断されるかだけとはいえ「クライミング保険加入者のみ利用可能」と表示・告知があったなら結審にどう影響するか考えてしまいます。
全然違いますが、パラシュート降下部隊やマニアは確実にパラシュートが開くための安心確保のために他人にパラシュートを畳ませないと伺ったことがあります。
不法投棄の産廃は、土地所有者の所有物になってしまうのですね
確かに、他人のモノのままだと勝手に処分する訳にもいかないし困りますものね
とはいえ、産廃の責任も負うとなると土地を所有するってことが、かなりのリスクにもなるのですね
>初心者の滑落リスクが抜け落ちている
確かに報道記事やコメントみて、それは思いました。だから『自己責任』に飛躍してしまうんだろうと思います
単にクライマーだけの問題であれば、本人の過失で済むのかもしれませんが、管理の目的や施設の使途が、大衆スポーツとしてのクライミングを前提としてるのであれば『必要な注意』の程度も変わってきますよね。
原告側にとっても、その前提について被告側がどういうつもりなのか？をハッキリさせるために訴訟したと考えると辻褄が合う気もします。お金の為でも無いようだし、示談はナシになるのかな。
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