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使い込まれたボロ板だとシール無しでも、
大抵の傾斜は登れるようになる。
そんなわけでウロコ板には期待するところ大なのだが、
ちゃんとしたウロコ板はヤフオクでもけっこう高値になるので、
なかなか手に入れる機会がなかった。
ここ２〜３年、子ども用のXCスキーを手に入れて、
これなら自作もできるんじゃないか？？？
ということで、自作に至った次第。
とりあえず、『ウロコ 板 自作』で検索をかけると、
幾人かの先人たちのHPがヒットする。
http://goo.gl/OMczxF
（※google画像検索結果）
大抵の人は、電動ポリッシャーやドリル型ヤスリを利用した
回転系ツールで凹み形状をつける感じ。
稀に、彫刻刀で削る強者の報告もありました。
ところが、自分でやるとなると、
ベッドタウンの狭小住宅住だと、納屋や作業場はもちろんないし、
屋外で樹脂粉をまき散らしながら大きな音を立てて作業するのも、
ちょっと気が引ける。
うーん、と悩んだ結果。
コンロであぶったマイナスドライバーを押し当てる案が浮かび、
やってみたけど、大量のウロコ加工するのは困難だった。
そんなわけで『はんだごて』でのウロコ作成に落ち着いた。
これは、まぁ、簡単至極で、削りかすもでない。
回転ヤスリや彫刻刀で削るとケバケバ面の後処理が大変だけど、
はんだの加工後は意外とつるんとしているし◎
問題になるのは、臭い煙がでるくらいで、
といってもモクモクでると言うほどではなく、
普通の電子工作のハンダ付けと同じくらい。
部屋の換気さえちゃんとしておけば、とりあえずは大丈夫な感じ。
（※ただし、けっこう匂いが残るので、衣服などは退避させておくと◎）
出来上がりは写真３
グリップはそこそこ効く。
●はんだウロコ加工時の注意点
・臭い対策
かなり身体に良くない臭いなので、屋外でやるのがベスト。しかしコテが冷えやすい。
私は窓を開けた部屋でやったが、それでも２〜３日部屋に臭いが残った。
・はんだごてのサイズ
当初３０W型でやったが、滑走面はほとんど変形しなかった。
１００W型を新規に購入したところ、十分加熱してあれば容易に加工できた。
しかし、連続して凹みをつくれるのは５〜６箇所が限度。
熱が奪われてコテが冷えるようで、熱の回復を待ちながら根気よく作業する。
・加工する深さ＜滑走面の厚さ
スキーの滑走面（ソール）の厚さはいいとこ１〜２mm。
あまり強くコテを当てると芯材に到達してしまうので要注意。
また、深くしたからといって効きが良くなる訳ではない。
・加工する形状
スキートップ側に雪が詰まって、テール側に抜けやすい形状が望ましい。
具体的にはトップ側を深め＆狭め、テール側が浅め＆広めにする。
コテをテール側に８５度くらい倒した状態で、
テール側からトップ側にやや押しぎみに軽く当てればOK。
こうすることでトップ側のみに凸ができる。
・滑走面（ソール）の種類
通常手に入る板の滑走面は黒or透明系のどちらかだが、
黒い方が透明系ソールより、低温での加工が容易で粘りもある。
透明系のソールはパリパリ・ポロポロな感があり、熱加工すると焦げも目立つ。
また、仕上げでカッター・彫刻刀を使用する場合も黒ソールの方が容易。
・加工する範囲
当初、ビンディングの設置部（足型の長さ程度）を加工したが、
市販されているクロカン用ウロコ板を確認したところ、
母指球を中心に前後３０cmくらい計６０cm程（大人用の場合）
加工されていたため、つま先より前の部分にもウロコ加工を追加した。
ただ、よくよく考えてみると、板のキャンバーをちゃんと確認して、
片足荷重した時に接地する部分（両足荷重で浮く部分）だけを
加工すれば良かったのかなぁって感じ。
・はんだ加工後の処理
はんだ加工の場合、ほぼ凹んだ体積分が周辺に盛り上がる。
これをあとでカッターナイフや彫刻刀で削ることで滑走性能は上がる。
ただし、グリップ性能の点ではポジ形状の方が有効なので、
トップ側がなだらかになるように凸状を残して削るのがベストと思われる。
私の場合、追加加工した部分（つま先より前）はキャンバーが高いこともあり、
そのまま凸形状（盛り上がり部）をのこした。
・その他
はんだごては非常に高温になるので、やけど・火災に注意。
作業する場所には余計なものを置かず、子どもも寄せ付けないようにする。
ちょっとした油断でその辺においてあるザックやウエアに穴が開き、
床に焦げが出来てしまいます。
なお、室内で作業するときは十分に換気すること。
●はんだうろこの結果。
・市販ウロコ板と比べて
写真３程度の間隔だと冬季（乾雪）のグリップ性能はやや劣る。
もう少し密にした方が良さげ。
市販板と比較してみると深さは１mmもあれば十分な感じで、
グリップ力は深さよりも幅や数が重要な感じ。
・登高性能
春めいた湿雪だとダンゴになるくらい良く効く。
山屋の傷だらけスキーよりも強力でどこでも登れる感じ。
逆に滑走開始時にちょっと苦労するかも。
・滑走性能
凸部分を削ってあれば問題なく滑れる。
凸形状を部分的に残した状態だと緩傾斜は厳しい。
林道トレース滑りするなら削った方が良い。
テールに向かって厚みを増す形状に磨けば究極ネガポジ板が作れる。
●考察
・ウロコの形状と数
あまり深く押し当てると、盛り上がりも大きくなるし、
深さよりも範囲（個数）の方がグリップ力に影響するっぽい。
何回かにわけて隙間無く作れば浅くても良く効く板になるんじゃないかと・・・。
また凹より凸の方が非圧雪では有利なことは市販板の動向からも明らか。
・はんだごて法の工夫
電工用のコテ先だと形状がふさわしいとは言い難い。
もう少しマシな、扇をひっくり返したような形状のコテ先を作ると良いかも。
鉛の五寸釘でも叩き延めせばコテ先自体はなんとか作れそう。
繰り返しでも高温を維持できるように熱伝導性の高い金属が良いのかな？
・はんだごて以外の方法
ガストーチがあれば、先に滑走面を十分加熱してから、
ヘラのようなもので列状にどんどん加工出来そうである。
そうなればポジグリップも思いのままではなかろうか。
２人で作業した方が効率的。
●参考サイト
・スキー工作その１（ヨウメイさんのブログ）
http://mixtureweb.exblog.jp/19810110/
事前研究が充実
・自作のステップソール板をテスト（キノコ山の会さんブログ）
http://kinoko-yama.blog.so-net.ne.jp/2006-12-09
BCくろかん一家 加工用ジグを作成してきれいな半月ウロコを作成。
・ウロコスキーは楽しいよ（ウロコ加工業今井さんのHP）
http://outdoor.geocities.jp/fusionimai/
ウロコ加工をやってくれる専門家。いろいろなパターンも紹介されています。
・歩けるスキー（sakusakuさんの日記：ヤマレコ）
http://www.yamareco.com/modules/diary/1242-detail-65911
まほろばYHの半月ウロコ板の紹介
・自衛隊官品スキー（チューンナップ工房TRAUMさんのHP）
http://yozefu.blog.ocn.ne.jp/blog/2010/10/post_e5ba.html
基本的にはまほろばYH同様の半月ウロコ
ウロコ以外のクロカンチューンに関する情報満載
●市販ウロコ板と写真の説明
競技やレクリエーション用のクロカン板は、いろいろなブランドから市販されている。
（※ただし、競技用のものはグリップワックスを使うのでウロコは限定的）
子供用の板だが、手元にあるウロコはすべて凹形状のダブルキャンバー。
・写真１ 左からフィッシャー、アルピナ、カルフ
一番よく効くのは左のフィッシャー板で、三段構えの凹み形状。
深さよりも幅や数が有効なことが分かる。
山歩き用のウロコ板では、カルフのXCDシリーズ（オムニトラック）の評価が高い。
ただ残念なことにカルフは数年前にBCクロカンから撤退し、
現在は親会社？のマジャス（MADSHUS）がオムニトラックを引き継いでいる。
オムニトラックは、ポジティブスケール（凸状）のウロコで、
特徴として非圧雪の場所（クロカンコース外）でも良好なグリップ力が得られる。
現在では、カルフ（マジャス）以外のロシニョール・サロモン・アルピナ等でも
BC板やオフトラック板の殆どはポジ形状になっている。
圧雪コース板との違いは、幅太め、シングルキャンバーなこと。
またウエスト細めで回転性を重視した板も結構あるので、
もはやXCではなく、BC山板と変わらない領域。
・写真２ （左からカルフのキッズ用、アルピナオフトラック用）
カルフのキッズ用はこれでもか！って程のポジ形状で、
もはや後ろに滑ることすら出来ない。キャンバーなし。
アルピナのオフトラックは標準的なポジ形状。
中央部に溝が切ってあるのは直進性を高めるためで、
この板はダブルキャンバーで距離を移動する人向け。
一方、滑走重視なポジ板の場合、溝ナシ、スチールエッジアリ、
トップ＆テール太め、ウエスト細めになる。
・写真３ 自作はんだウロコ板 左：ノムラXCツアー 右：フォルクルSLゲレ板
クリア系の板より、ブラックソールの方が加工しやすい。
焦げも目立たたないし、多少凹凸があっても違和感が少ない。
フォルクルSLは評判の良い競技板だったらしく違和感ありまくり。
どちらも手前の７〜８列については盛り上がった部分をそのまま残してある。
カッターで簡単に削り落とせる（８列目以降）がグリップ力は凸形状の方が上なので、
キャンバーで一番浮くとこだけ残すのがいいかも。
ヤフオクでさがせば、１００円+送料くらいで中古板は手に入る。
問題はビンディングだが、アルパイントレッカーとか持ってる人なら、
遊びでウロコ板作ってみるのもいいんじゃなかろか
うわっ！ 仕事早いですねっ！
それにしてもウロコの世界も広そうで驚きです。
魑魅魍魎が出てきそうな感じですが、
無駄ゼニかけずにやってるのは立派ですね〜。
>山屋の傷だらけスキー
笑っちゃいますが、木や石の上を平気で歩いちゃったり、崖上から投げ落としたりしますからね。
昨今のカッコ良いＢＣスキーヤーは絶対しないだろうなぁ。
やはは！今朝のニュースに刺激を受けて頑張ってみました
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「走れメロス」は走っていなかった!? 中学生が「メロスの全力を検証」した結果が見事に徒歩（yahoo headline）
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140206-00000042-it_nlab-sci
理数教育研究所のHP
☆３番目の塩野直道賞受賞だそうです☆
http://www.rimse.or.jp/project/research/winner.html
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いやー昨今のカッコ良いBCスキーヤーにもきっとぶっ飛んだ奴はいますよ！
うむ、居るはず。いや居てほしい。きっと居る
ウロコを自彫りするとは目からウロコです
地道にハンダゴテで型押しする作業は
草間彌生の世界みたい。
小学校の頃は長靴で木のスキーだったので
あれなら彫刻刀でイケる
え？はかまみつお？
調べてみたら彫刻家ですね。
僕は棟方志功が好きです。
ストーブつけた部屋で裸電球を手元までぶら下げて作業してました
ブラックソールの板も彫刻刀でいけると思いますよ。削るとカスが出るので、刺し傷つける程度でも十分効いてくれるんじゃないかと思います。そのうちやってみようかな
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