事故後、事の次第を経験豊富な山友に話したら
「自分や仲間が事故起こしたときの対応は想定してるけど
第三者の場合ってそういえば、考えてなかったね」
という感想をもらった。
つまり、こういうことだ。
1.自分の準備にかかわらず遭遇する。
自分が、思いつく限りどんなにリスク対策をしてようが
逆に「おれはトラブらんべ」と、平和ボケしてようが、
(当たり前だけど)第三者の事故は防げない。
遭遇した以上、あなたは自分の身と、有した装備でベストを尽くさなければならない。
2.経緯を知らない
目の前で人が倒れてても、どうしてそうなったかわからないから
どうしていいのかわからない。
意識があったり、脇に仲間がいれば言いと思うかもしれないが
当事者である彼らから、有用な情報を冷静に得られるかわからない。
3.リソースが足りない
仮にあなたが自分なりに準備をしていたとしても
その準備は、自分か仲間までのはずである。
救助隊のように、身内以外の装備や食料はもってるわけがない。
相手が1人ならまだしも複数だってありうる。
エイドキットは足りるか。食料は足りるか。果ては、担いでいけるパワーはあるか。
4.手離れがいつになるのかわからない。
実がこれが厄介だ(あえて厄介という言葉を使う)
簡単に言ってしまえば、
「被発見者にどこまで付き合うか」
だ。
一番簡単なのは、
・被発見者が自力で下山できることがわかったとき
・救助隊に引き渡すことができたとき
・すでに亡くなっていて、警察からその場を離れることが許可されたとき
である。当たり前だけど。
しかし、多くの場合はそうではない
下山を手伝うことになるかもしれない。救助隊が来るまで付き添って激励するのかもしれない。
瀕死の重傷を負っていて、息を引き取るのを見届けることになるかもしれない。
山の中では助け合うのだろうが、決して自分たちが二次遭難に会わないようにしなければならない。
私も、あのときの事故で、警察からの回答を得るまで30分くらい
小雨の中、気温10℃、風速10m以上の稜線で待たされたし(日没までに帰れるか心底心配した)。
当事者を救うことに注力するのは最もだが、自分たちが無事に帰れることも
同時に視野に入れておくことを忘れてはならない。
以上が、山岳事故で意外と見落としがちなケースでした。
これを読んだあなたは、きっと
「そんなことまで心配してたら山なんか登れないよぉ」
と思うと思う。そのとおりだとおもう。
結局のところは、
「できるとこまでベストを尽くす」
に尽きる。
ただ、悲しいかな、事故に遭遇してしまったものの使命たるは
「自業自得」ではなく「他業自得」なのである。
つまり、自分の立場がどうあれ、最善を尽くし、その末路を受け入れなけれならない。
ということ。
「お力になれてよかったです!」なのか「何の役にも立たなかった・・・」なのかもしれない。
最後まで読んでいただいたところで何ですが
あなたも、同じこと経験しますよ。これからきっと。

こんにちは、
考えさせる状況ではあるが、自分を守るですね。
悲しいけど、第3者であったら2次遭難を防ぎます。
街中では状況が違いますが、山ではそれだけのスキルがない。残念ながら。
富士山山頂でキャロラインにつかまったのを思い出しました。
彼女は初登山して横田基地の仲間とはぐれ、暮れかかったところを
僕ともう1人が通りかかり、助けを求めてきました。
ほっとけばどうなるか分からないから付き添って新5合目まで
送り届けましたけど、おかげで3時間のところ6時間かかったかな。
ヘトヘトで泣きたいのに深夜になっちゃって、天候次第では洒落にならん、と思いましたね。
夕暮れどきに大倉尾根を下っているとバテて往生している初心者を見かけます。
見てみぬふりして通り過ぎますが、どうなったかなと気にかかります。
自己責任だ、かまうな、と言い聞かせて無視します。めんどくさいから。
実際、程度の軽いのから重いのまで潜在的な遭難には遭遇してますね。
Mt_thetaさん こんばんは
第三者の遭難に遭遇した場合、その個人の能力によって対応が大きく異なるのではないかと思います。
シーズンオフで山行者が少なく私独りで判断しないといけない場合、携帯電話が通じず連絡手段がなく連絡に行かなければならない場合、一方、大勢で遭遇した場合であっても、誰がいつまで対応するか(できるか)等の具体的問題は沢山想定できると思います。
現場で、私が出来ること、やらなければならないことへの葛藤が始まり、多くの事を想定していない限り判断を誤る場合が多いと思います。
結果から避難されることなく、自分も確信を持てるような「最善を尽くす」をもっと具体的に知りたいと思います。
もし、宜しければ、Mt_thetaさんがハンドリングし、少し議論の場を作っていただければ、大変感謝と考えています。
2arakawaさん、はしったーさん、calliopeさん
コメントありがとうございました!
共通の内容があるので、まずはまとめて
calliopeさんのおっしゃるように
場合によっては、発見者の能力次第で対応が大きくことなることがあります。
たとえば、血だらけの人だったり、心肺蘇生が必要なときとか。
そんなとき「ボクにはちょっと・・・」と割り切っていいものかと
恐らくは責められることはありませんが、
後で「俺にはあそこまで精一杯!」と胸を張って言える自信がありません。
答えがひとつではない状況で最適解を考えることになります。
2arakawaさん
そうなんです。
どっかで割り切るんです。
ただ、「はい、こっからはおれムリ」という決断を
どこでやるのか、果たしてできるのかは、個人差があります。
そこが問題なのです・・。
はしったーさん
この場合、どちらの場合も「おら!ささと歩いて下山せい!」と
ケツ叩いてあげるくらいが親切かもですね
calliopeさん
事故に遭遇すると大なり小なり後悔するのは仕方ないかもです。
あ、ボク1回の経験だけですから
救助隊の方は、全てが第三者を相手にしてますから
そういう方から指南してもらうといいかもしれません!
Mt_thetaさん。今日は。
山で遭難した人と出会うことは、ありえますので確かに問題となりますね。
昔に聞いた話ですが、道に迷ってビバークした遭難パーティと一般登山路で出会ったパーティが、遭難パーティに水を与えた後に、遭難パーティをそのままにして自分達の計画通りに山行したために、非難されました。なぜ、遭難パーティと同行して一緒に下山しなかったのかと。非難されたパーティは、遭難パーティが一般登山路に既に戻ったのだからそのまま迷うことなく自力で下山できるものと思ったので自分達の計画通り進んだのでしょう。しかし、遭難パーティは消耗が激しくて、自力での下山が困難だったようで、後で出会った別のパーティにも救助を求めて、最初に出会ったパーティは水だけを分けて去ってしまったと非難したようです。
私も昔、丹沢の表尾根で女子高生らしいパーティの一人が生気のない顔色で登山路に倒れていて、周りで女の子達がオロオロしているのに出会いました。単独行の私一人ではどうすることもできず、付近で出会った沢登りをしてきたような数人の屈強な男性のバーティに事情を伝えて女の子の救助を依頼して、自分はそのまま山行を続けました。
いずれの例も携帯電話のなかった時代の話で、携帯電話があれば、救助依頼の電話を警察にすると思います。
遭難者の救助は、法律的には「事務管理」の問題で、一旦、かかわりを持った以上、きちんとした処理を最後まで必要とされるわけです。もっとも、二重遭難は避けるべきです。自分の生命にも危険があるならば危険は避けるべきでしょうね。
すみません
いま風邪ひいて寝込んでますので週末お返事かきます
回答遅くなりすみません。
具体的な事例を2つもあげていただきありがとうございます。
まさに、どちらも私が望んでいたケースです。
どちらも是非に意見が割れそうですものね。
現場では、双方の同意があってもあとで文句言われることもありそうです。
じゃあ、発見者の責務はどこまでかというと消去法な気がします。
つまり未必の故意だけはやってはいけないという意味です。
そういう意味では、先程の2件はどちらも許される、ということか。
取りあえず水上げたし、他の人に通報してあげたし。
その上で、自分がさらにどこまでしてあげられるかですね。
Mt_thetaさん
今日は。山の遭難事故は立場が逆転して、自分がいつ救助される方になるかもしれないので、持ちつ持たれつ、お互い様の例ですね。
最初の話は、約40年前のことでした。後の話は約30年前のことで、その時、私が表尾根から塔の岳を経て大倉尾根を下山し、大倉尾根の下山中に緊急車両のサイレンを聞き、救急車が女の子を運んでいるのだと私は想像しました。
また、約20年前に私の山仲間が春の北アで雪崩で谷に落とされて、3人パーティの内、1人はほぼ即死、1人は骨折の重傷、残りの1人は軽傷で、生存した2人で雪洞で過ごした後、軽傷の人が救助を求めて下山し途中で他のパーティに会い、出会ったパーティが持っていたアマチュア無線機で警察に連絡して、重傷の1人は警察のヘリで救助されました。
これから見て、緊急時の警察への連絡手段が大切ですね。私は今までアマチュア無線機VX-8Gを山に携帯していましたが、さらにドコモのGPS付き防水携帯電話も買い山に持って行くようにしました。二台を持ってもどちらも軽量小型だから負担にはなりません。
ひどい事態の方がやることは少ないのでプロセスはシンプルですよね。
心中はパニックですけれど。
確かに、ケータイとかアマチュア無線とか通信機器があれば
自分より冷静にベターな判断ができる権威の意見を仰げるのがGoodだとおもいます。
僕も、一アマもってるので無線機買おうかな。
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