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息子が昨年9月末で6歳になってからは一緒に登山ができていない。
今度こそ完治して、4月には息子と一緒に春スキーも登山もしよう。
<今回入院中に読んだ書籍>
1.中国奥地にある未だ未踏峰の聖山「梅里雪山」(著小林尚礼)
2.ラクダのみでサハラ砂漠横断を試みる壮大なスケール「サハラに死す」(著上温湯隆)
3.残酷な魔の山から極限状態の生還の記録「ミニヤコンカ奇跡の生還」(著松田宏也)
「梅里雪山」は単なる山の話だけではなく、周囲の村に住む人々の生活が
いかにその山に係わっているのか。ただ登るためのだけの山の概念を通り越し
山とは何なのかを教えてくれる。文章が素晴らしく、表現が美しく、まるで
詩集を読んでいる気分であった。後半からの世界観は浪漫に駆り立てられる。
映画「セブンイヤーズチベット」を思い出した。
「サハラに死す」この本を読んで老いた自分を少し悔やんだ。中国かスイスの
どちらかを第二の母国にしようと本気で考えていた若かりし頃、何も怖いものが
なかった。たった一度の人生、あの時行動していれば今頃自分はどうなっていた
のか。帰国後の将来に一抹の不安を持ちながらそれでも前向きに力強く生きよう
とする冒険物語の主人公上温湯氏に敬意を払いたい。
「ミニヤコンカ奇跡の生還」凄惨としか言いようがない。遭難の本は何冊も
読んだがこれは凄まじい。こと細かい描写が理解しやすく、僅か5ページで
惹きつけられる表現。通常遭難書籍は美化されたり、人間の心底本音部分は
露呈されることが少ないと感じるが、著松田氏は素直に、また率直に気持ち
をぶつけてくる。なんとも人間味溢れる個性がそのまま文章に表れている。
映画「ヒマラヤ」「運命を分けたザイル」を思い出した。
山登りも暫くしていないし、前回の入院時に山岳系は相当読んだので
サハラ砂漠というちょっと異なるジャンルも選んだが、どの本も非常に
面白く読む手が止まらない。それぞれ文章スタイルが全く異なるのに
どれも引き込まれる文章表現かつ内容であった。
画像に「新編 単独行」が写っているが今回は時間がなく読めずにまた今度。