泣いて笑った初コンペ「シーハットカップ2019」動画あり
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
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その他周辺情報 | 【シーハットカップ2019】 実施要項 http://ur0.work/UUBC スタートリスト http://ur0.work/0PSc リザルト http://ur0.work/Ornw 長崎県山岳連盟 http://www.octp-net.ne.jp/~masaharu/ |
写真
感想
リードクライミングの競技会「シーハットカップ2019」に参加しました。で、参加の経緯やら心境までを綴ろうとしたら、えらく長文になってしまいました。動画も作ってみました。そしたら19分もの長尺になってしまいました。ま、しょうがないかww。お時間のある方だけお読みクダサイ。
【コンペ、出てみようかな】
2019年ボルダリングワールドカップ最終戦ベイル大会で緒方良行君が見事、優勝を飾った。息子と同級生の彼を高校時代から応援してきた僕としても、本当に嬉しかった。全身で喜びを表す緒方君の姿を見ながら、ふと思った。僕もコンペに出てみたい…かも。
「大村高校の壁で7月にコンペがあるって。樋口結花ちゃんと同じ大会で登れるチャンスかもよ?」ミスチルがそんな一文を送ってきたのは6月6日のこと。娘と同い年の結花ちゃんもずっと応援している選手だから観戦はしたいけど…いやいや、出場はありえないでしょ。
コンペ自体に興味はある。なんか楽しそうな感じはする。選手たちの歓喜や悔しそうな表情を観ていると、どんな気持ちなんだろうと思う。…でも、もし出るとしてももっと強くなってからだよな。大体コンペって若者が出るもんだろうし、そもそも僕には競技志向も無いし…と「出ない理由」は普通にある。それでも7月の「チャレンジカップ」の事を調べていると、10日後に「シーハットカップ」というローカルコンペがあることを知った。
そこで6月8日のW杯だ。緒方君の雄姿を観ながら、揺れ動く自分の心に耳を傾けてみた。本当はコンペに興味があるんだろ?観る立場じゃなくて、出てみたらどんな気持ちになるかを知りたいんだろう?彼らのあの笑顔、あの滲む悔しさが、本当は羨ましいんじゃないか?
【出る、と決めて気付いた】
半世紀余りを生きてきて、僕は自分の心の声に従う事の大切さを学んでいた。若い時に持っていた下らないプライドや羞恥心や葛藤など、良く言えば繊細さを失ったとも言えるが、それ以上に自分に素直になることを選べるようになった。人生は自分が思った以上に短い。そう理解できる年齢に、いつの間にかなっていた。
さてそこで僕は心の声に従い(シーハットカップに出てみよう)と決意した。してみた途端に、思考はパラダイムシフトを起こす。
・コンペを最大に楽しむにはどうしたらいい?
・やっぱ登れた方が楽しいはず!
・じゃ、あと1週間をどう過ごす?
出場しない理由をアレコレ並べていた時と大違いだ(笑)。
そう、僕らの日常でも同じようなことが沢山ある。金があったらコレを買えるのに。時間があればアレができるのに。人手がいたらこうしたのに。そんな「たら・れば・のに」思考で、多くの機会を失っている。「コレを買うにはどうする?アレをする時間をどう作る?足りない人員を活かした戦略は?」思考は逆転するだけで、目の前に幾つもの選択肢が生まれるんだな。そうしてコンペに出ると決めた僕にとって、濃密な1週間が始まった。
【いつもの一日が、変化する】
あなたが虚しく生きた今日は 昨日死んでいった者が あれほど生きたいと願った明日。韓国の小説「カシコギ」の一節だけれど、僕もやはり日常に慣れ過ごしていると思う。コンペに出る、と決めただけでそんな日常の質が変わる辺りが凡人なのだが、そんなもんだ(笑)。そう、人にとって時間は平等に訪れるけれど、その質を決めるのは他ならぬ自分自身なんだ、と今更ながら感じる1週間だった。
まず最初に考えたのは、わずか1週間でクライミング能力を高めるためには、その構成要素を知るべきだ。要素分解すれば、それぞれをどう高めるか?1週間でも出来ることがあるかもしれない。無ければナイで、日々のトレーニングの重みを知るだけだ(笑)。さて、手元にある「クライミング教本」によれば、その構成要素はフィジカル(パワー)とテクニック(ムーヴ)だという。安間佐千さんの著書によれば、フィジカル・テクニック・メンタル・ストラテジーの4つだという。
ではまずフィジカルとテクニックを高めるためには何をしたら良いかを考えた。これらは急激に高まるものではないだろうと思えたが、ひとまず易し目のルートを間断なく反復して登ることにした。狙いは、ムーブの精度を高め、持久力を高めること。具体的には、5.10a〜dまでのルートを2本登っては10分レストでサーキットする。1日4時間×4日間を取り組んでみた。コンペ前2日はレストとする。
メンタルとストラテジー(戦略)については、これらを高めるうまい方法が思いつかない。が、この間は様々な本を読み返したりして、それぞれについての知見を新たにしたことは良かった。さて、ここで「たった1週間で強くなろうって考えはどうなの?」というご批判もあろうが、それは横に置きましょうよ(笑)。この1週間は、その後の数年を地道にスキルアップするための礎かもしれないんだし。
【コンペ当日がやってきた】
コンペの内容がどうだったのかについては、時間がある方は動画( https://youtu.be/m4yjCrxB3Ys )を観て頂きたい。自分で見返すと本当に恥ずかしくもあるが、笑える構成にしたつもりだ。そして、出場して良かったと素直に思っている。応援に駆けつけてくれた仲間たちには心から感謝の意を捧げたい。
これは動画では伝わらないだろうが、それにしても自分があそこまで緊張するとは思っていなかった。予選1課題目は中盤まで息苦しくて、肺に空気が入っていかないんだもの。それどころか、シューズの紐を結び忘れたまま登っていたし(笑)。これはまさにメンタルの問題である。では、なぜ僕は緊張したのか?
自問すれば、「カッコよく見られたい」と「より上位に入りたい」という自意識が働いていたと思う。どちらも他者や環境を意識したものだった。前夜に「コンペ初出場の伝兵衛君を励ます壮行会」なる飲み会が開催され、(仕方ねえなぁ〜こいつ等の肴になっちゃるか)なんて思いつつ当の自分が誰より飲んでいたが、「他者の視線」が僕の深層心理に刻まれた証として思い浮かばれる。メンタル以前に、コンペ前夜に泥酔するのはどうよ?との指摘は甘受しよう。
昭和生まれの出場者はどうみても僕独りの会場で、(平成生まれに負けるものか)と密かに思ってしまったのもイケナかった。これは、自分も若くありたいという願望の表れであり、自分はもう若くないというコンプレックスの裏返しではないか。痛い。イタイいぞ、伝兵衛。あるがままの己を受け入れ、むしろ重ねた人生経験に立つ落ち着きと寛容さを見せてこそのダンディズムのはず。飲み屋で米津玄師とか唄ってる時点でアウトじゃ。
あ、え〜と、クライミングの話に戻る。予選2課題目では神経伝達物質の過剰分泌(動悸息切れ…ん?二日酔い?)こそ収まったものの、ムーブの解決ができず早々に敗退した。これはテクニックの問題でもあるが、メンタルとも連動している。予選は「フラッシング方式」といい、事前にセッターによる試登を観る機会が与えられていたのだ。にも関わらず、ホールドを目前にしてそのムーブを忘れていた。というか頭の中、真っ白だったし。
予選終了後、応援席へ戻った僕にガチャピが一言。
「ワカさんはもっと試合慣れした方がいいっすね」
さらにミキが追い打ちをかける。
「大人と思ってたけど、意外とメンタル弱いんすね〜」
おまいら、来年は出場しろよな?
【コンペを終えて】
意外と言うべきか順当と言うべきか評価はともかくとして、僕にとってはとても楽しく、かつ悔しい大会だった。こういう純粋な悔しさを味わったのは久し振りで、矛盾しているようだが清々しく気持ちいい。しばらく錆びていた感受性を取り戻したようだ。また来年も「シーハットカップ」に参加しよう、そう思った。調子に乗って、7月の「チャレンジカップ」にも出てみようかと検討中(笑)。
最後に、壮行会を開いてくれたばかりか応援にまで駆けつけてくれた仲間に重ねて感謝を。父の日でもあり妻の誕生日でもあったこの日曜日に黙って家を空ける僕を何の関心も持たずに送り出してくれた家族にも感謝を。みんな、ありがとう!
おしまい
なぁ〜にやってるの!⚡⚡⚡
次のホールドに手足が進んで行く時はいいぞ!と、
しかし難所?停滞し始めると何やってんの!?
ほら、もう一つ掴め!もう一つ上へ!
って、こっちまでドキドキ。
あげくにいつの間にやら一緒になって踏ん張って💦
チカラ入れてたよ。(笑)
お疲れ様!
でさ、次は決勝はともかく、
1本くらいは完登するところを見せてよね!必ずね!
五十路のしなりで忍びのごとく。
ここに来て五十路の挑戦なんかいいね。
心身絞まるだろうな。ガンバ!!
yasu
おお〜、久々のコメント、あざっす!(笑)
それにしても、こんなにドキドキしたのは久し振りでしたよ 。いいもんですね、ドキドキって 。忘れてましたよ、こんな感じ。いつの間にか守りに入ってたかもな〜、って己を振り返っちゃいました。やっぱJOYに行ったら新曲にチャレンジしたり、隣のお嬢さんに声かけたりしないとイカンな
たまらんですよね 自分は風邪引いてたときが一番成績が良かったです
ちなみに大村高校の山岳部部長やらせてもらってました 母校です
大石英文さん、故白水高広さんは同時代にコンペ出てて面識あります
え〜‼️大石さんや白水さんとコンペ出たなんて、凄い‼️シーハットカップの歴代優勝者ですよね。大村高であるチャレンジカップも出てみようかなぁ。
リードのコンペって楽しそうですね!
動画全部見ちゃいましたよ・・・暇なんで(笑)
ジムのお遊びボルダーコンペには出たことあるんですが、それでもめっちゃ緊張しました。
でも参加するとモチベーション上がりますよね〜
手汗が出ると滑りますよ、ホールド(笑)。コンペに出てみてあった気づきは、中々に深いものでした。たまにはこんな経験も良いものです。
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