前武尊
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
信州から上州へ転勤してきた私が山登りに赤城山の次に選んだのは今回の武尊山です。ぶそんと書いてほたかと読ませる謂れが有る事も勉強しながらの山登りでした。
関越自動車道を沼田で降り、道の駅で有名な川場村の古い大きな農家の家並みを見ながら(朝のしっとりとした空気の中、農家の間を走るのは気持ちが良い)
整備された道を花咲方面に向けて走ると、左側の山の中へ入る細道あり。
この道を暫く行くとバンガローが一つとトイレのある、川場野営場に到着。
私が着いた時には男2人組が既に出発の準備をしていました。
(トイレに入っている間に出発した)
(なめていました)
意気込んで登山道に入り、ちょっと道に迷うところがあったのですが、右方向に草の倒れている小道が見えたので、こちらへ歩いて行きました。
ところがこれが大間違い、草丈は長くなるし、傾斜はきつくなるで、10分ほど歩いて登山道ではないと気付く。
しかし戻ろうにも、既にこの時には来た道がわからなくなっていました。
(冷静さを欠いていたのでしょう)
それではとにかく峰に出ようと考えて、ひたすら急斜面を登りました。
(木の株の間をとおり、アザミの藪を抜けて)
しかし見晴らしはきかず。地図を照らし合わせるとどうやら天狗岩方面に向かっているようでした。
当初の予定とは逆ですし、このままでは余計に深みにはまると思い、コースを左にとってトラバースして川場谷の登山道へ出ようと考えました。
しかし歩くうちに、杉林の中へ入り丈の高い草藪やササ藪を漕いで歩く状態となり、思うように道を確保できず無理なアップダウンで気力もダウン(うまい!)
今度はとにかく下ってみようと決心。白樺林を這い、クマザサの林(背丈ほどもある)を踏み倒しながら滑る、転がるを繰り返し(頭の中を遭難の2文字がよぎる)
、登山道へ戻る努力をしたのでした。
自分の身長より高いクマザサの中を方向もわからず歩く恐怖を充分味わいました。
(これでは山菜取りで遭難する人も出る訳だわ)
もう駄目だ〜。
幸せは突然に現れました。ササ藪の中をのたうち回っていると、丁度前武尊登山道と不動岳コースの分岐に出たのです。
神様ありがとう!遭難しなくて済んだ、新聞に乗らなくて良かった。
本当にそう思いました。
分岐の表示板のところでとにかくほっと一服し、暫く無言で幸せをかみしめ、汗だらけの下着を脱いで暫く裸でぐったり。
そのあと下着を替え、ズボンも半ズボンに穿き替えました。 怖かった〜。
気を取り直して、再スタートしましたが時間は一時間のロスでした(この為に前武尊より先にはいけなくなりました)
分岐を右にとってひたすら前武尊へ向かいました、スキー場のゲレンデに出たときにはビックリ。杉の木立の中、暫く九十九折の急傾斜を登りますと左からの登山道と合流し、ひたすら歩くと前武尊に到着です。
大和タケルの像を1枚。この山の前方を見ますと頭が削れた平らの山が見えますが、今回は朝の時間ロスの関係でここで引き返しました。
山頂を下っていると不動岳方面から登ってくる人と行き会い、話を聞くと、不動岳は登りより下りが楽だとの事。
分岐を右にとって不動岳へ向かいました。
この頃より遠くの空が暗くなって、時間的にも正午に近く、これから雷雨に変ってもおかしくない様子となり、いくらか不安な気持ちでクサリを握り横這いに岩場に入りました。
岩場の間を縫って歩くと、クサリが上から垂れており、これに掴り岩塊(不動岩?)の上に出ると、目がくらみそうでした。
この後は裸の岩の瀬に乗って下るところも有り、ここで落ちてもだあれも助けてくれないだろうなどと考えながら、ひたすらしがみついて、とにかく岩場から無事降りました。道の途中に祠も有り、修験道の山という雰囲気はありました。
しかし私にとってはこんなの聞いてないよ〜状態でしたな!
この後は天気も持ち直し、下りは下界に降りるに従って暑くなる夏の杉林を黙々と、さっきの不動岳の恐さに時々ぶるっとしながら、野営場まで歩きました。
講評
出だしで躓いたのは信州の山より標高は低いと思って油断した結果でした。やはりどのような山でも登らせていただくという謙虚さが大事と痛感した次第。
(決して武尊山は舐めてよい山ではありませんでした、山の愛好家の皆様失礼しました)
しかし不動岳は恐かったな〜、若い時に登った八ヶ岳赤岳、穂高連峰縦走でもこんな恐さは無かったです。
賑わう山ではない所にあるリアルな恐さにおののいた一日でした。
帰れて良かった。
(この日は偶然に埼玉県で登山者が滝つぼに流され3人死亡、救助のヘリも機体のバランスを崩して落下したという多重事故があり、他人事ではないとしみじみ感じた次第でした)
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