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記録ID: 2518776
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ハイキング
ヨーロッパ

湖水地方・グラスミア湖とオレストヘッド(ロンドンより日帰り)

2010年06月14日(月) [日帰り]
 - 拍手
GPS
16:00
距離
13.9km
登り
999m
下り
994m

コースタイム

〇 ロンドンから湖水地方の玄関口ウインダミアへ
 湖水地方への列車の始発駅はユーストン駅。バーミンガム、グラスゴー方面の始発駅だ。グラスゴーへの路線は、西海岸を走る主要幹線で1時間毎に高速列車が走っている。ユーストン発の特急の始発は5時39分発。ブリットレイルパスの御蔭で、今日もゆったりとした1等車だ。この路線では、予約席は座席上の小さな電光掲示板に表示がされていた。 No Reserve、若しくはAvailableの表示がある席が、予約の入っていない座席だ。シートは2列と1列で、向かい合った座席設定が多かった。 この路線もビジネスマンが多く、ラップトップパソコンで仕事をしている人が多い。座席と座席の間には広いテーブルがあり、座席毎にティーカップが置かれている。 走り出して暫くすると、御茶のサービスが始まった。 そして朝食のオーダーを聞きに来るではないか。朝食がサービスされると言う。勿論Yes Pleaseで、どんなものが出てくるかと思ったら、スモークサーモン、スクランブルエッグ、ベイクドポテトに、温められたパンが出てきた。味も良い。電車は定刻の8:43にオキシフォンに到着。 ここで湖水地方へ向かう電車に乗り換え、ウインダミアには9:33に到着した。

〇 ウインダミアからバスでアンブルサイドへ
 ウインダミアは湖水地方への玄関口の駅で、駅前には立派な観光案内所がある。此処でトレッキングマップを購入し、駅前のバス停留所に並ぶ。 グラスミア方面への路線バスは525番で1時間に1本程度なのだが、599番を付けた二階がオープン座席になっているバスが直ぐやってきた。運転手に聞くと、夏の観光シーズンに増発される臨時ダイヤの路線バスだと言う。ケンダル、グラスミア間を20分に1本の割合で走っていた。 このバスに乗って、予定より早い時間に今日の出発地アンブルサイドに到着した。

〇 アンブルサイドからフットパスに入る
 フットパスは、アンブルサイドの街外れから始まっていた。 小さな石橋を渡り、其処からは花の多い奇麗な庭が次々現れる小道を進む。散歩を楽しんでいる人が沢山いて、皆楽しそうに歩いている。緑が眩しい。イギリスでは歩く事が楽しみになっていて、フットパスが全国に張り巡らされている国である事が、素直に理解出来る。すれ違う人、追い抜く人と自然に挨拶を交わしていると、自分も此処の風景に溶け込んでいるんだなと感じる。何だか嬉しくなってきた。

〇 丘を越えてライダル湖へ
 歩き始めて30分程度でライダルの街を通過。登山道の様な処を抜けると、目の前にライダル湖が現れた。湖面に対岸の山が見事に映っている。ライダル〜グラスミアのフットパスは、湖面の近くを歩きたいならば、南岸に沿ったフットパスを歩くと良い。眺めが良くて山の中腹を辿るルートが良ければ、北側のコフィンパスを使うと良いだろう。南周りだと2時間程度、北側のコフィンパスならば1時間30分程度見れば良いと思う。

〇 自然の中を歩く (ライダル湖・グラスミア湖間)
 フットパスは美しい田園風景の中を進むことが多いのだが、こと湖水地方ではまるで登山道の様に、自然の中を歩くことも多い。ライダル湖からグラスミア湖へと向かうフットパスもそんな道で、小さなアップダウンを繰り返していた。ただ景色は複雑で、刻々と眺めが変わる。次の風景を追いかけている内に自然と距離を稼いでいる、そんな時間を感じさせない道だった。

〇 小川沿いにグラスミア湖へ
 小川のせせらぎを聞きながら下っていくと、静かなグラスミア湖が現れた。雲が出てきて青空が隠れてしまったのが残念だが、静謐で何か神秘的な静かさがある。かつて「知られざる天国」とも呼ばれたグラスミア湖。その佇まいの中を歩いていると、何か穏やかな気分になる。グラスミアは、かつて「自然詩人」とも呼ばれたワーズワースの住んだ街だが、こんな景色に囲まれているからこそ、英国人が理想とする田園生活を思い浮かべられる詩を生み出すことが出来たのだろう。

〇 グラスミアとダウコテージ
 グラスミアは小さな街だが、観光客が多く、カフェテラスやレストランも多い集落だ。街外れには大型バスの駐車場もあり、ここでトイレをお借りした。グラスミアの街外れには、ワーズワースが暮したダウコテージがある。よく手入されたコテージと庭を見学してから、タウンエンドの小集落(写真)を抜け、コフィンパスへと向かった。タウンエンドの集落は何軒もない小さな集落だが、この地方独特のスレートを積み上げた家が良く残っていた。

〇コフィンパスを歩く (ダウコテージからライダルマウントへ)
 コフィンパスは、グラスミアのダウコテージからライダルマウントを結ぶフットパスで、通称「ワーズワースの小道」と呼ばれているクラッシックルートだ。距離は2.5キロ位いで、景色を楽しみながらゆっくり歩いても1時間30分程度。「湖水地方を手軽に歩いてみたい」と思う人には、お薦めのルートだ。 この道は昔、棺桶を運ぶルートだったので「コフィン(棺桶)パス」と呼ばれているが、結構起伏の多い道で、このルートで棺桶を運ぶのは大変な仕事であった事だろう。ルートの途中には所処にベンチが置かれていて、休むのに丁度良い。足場も比較的しっかりしているが、何しろ雨の多い湖水地方だ。濡れるとけっこう滑りそう。もし此処を歩くのなら、トレッキングシューズは必要だろう。ライダルマウントのバス停に着くと、丁度バスが来た。お陰で予定より随分早く、ウインダミアまで戻る事が出来た。

〇 オレストヘッドで湖水地方を一望する
 ウインダミア駅で時間を確かめると、まだ1時間程度の余裕がある。駅前の食品スーパーbootで冷たいビールを買って、オレストヘッドに登る事にした。住宅地の裏手から始まるフットパスは、次第に傾斜を増して道も細くなる。高度を上げていくと樹林が終り、突然視界が開けた。駅から徒歩約20分でオレストヘッドに到着。丘の頂上は、今日一番のビューポイントだった。展望の良い丘の上には小さなベンチが置かれ、湖水地方の景色を一望する事が出来た。緑に囲まれたウインダミア湖が眩しい。ふと「埴生の宿」のメロディーが浮かんで来た。
  Home Home Sweet sweet home...  何故か涙が浮かんで来る。景色と旅情に素直に感動したオレストヘッドだった。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 飛行機
ロンドンからオキシフォン経由でウインダミアヘ。此処からグラスミアヘ。湖水地方をトレッキングしてから、帰路オレストヘッドに立ち寄る。
ユーストン駅より列車に乗り込む。
2010年06月15日 13:22撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 13:22
ユーストン駅より列車に乗り込む。
ゆったりとした一等車。
2010年06月15日 16:46撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 16:46
ゆったりとした一等車。
無料で朝食がサービスされた。
2010年06月15日 14:16撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 14:16
無料で朝食がサービスされた。
オキシフォンで乗り換える。
2010年06月15日 17:00撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 17:00
オキシフォンで乗り換える。
ウインダミア到着。
2010年06月15日 17:46撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 17:46
ウインダミア到着。
二階建てのバスでアンブルサイドへ。
2010年06月15日 18:05撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 18:05
二階建てのバスでアンブルサイドへ。
アンブルサイドでバスを降りる。
2010年06月15日 18:09撮影 by  COOLPIX S600, NIKON
6/15 18:09
アンブルサイドでバスを降りる。
アンブルサイドの街並。
2010年06月15日 18:23撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:23
アンブルサイドの街並。
街からフットパスへ続く街路へ。
2010年06月15日 18:32撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:32
街からフットパスへ続く街路へ。
フットパスへと向かう。
2010年06月15日 18:33撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:33
フットパスへと向かう。
此処がフットパスの入口。
2010年06月15日 18:33撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:33
此処がフットパスの入口。
小さな石橋を渡る。
2010年06月15日 18:38撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:38
小さな石橋を渡る。
花咲く民家の脇を進む。
2010年06月15日 18:50撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:50
花咲く民家の脇を進む。
潺を渡る飛び石。
2010年06月15日 18:57撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 18:57
潺を渡る飛び石。
キッシングゲート。
2010年06月15日 19:09撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:09
キッシングゲート。
湖の脇を進む。
2010年06月15日 19:13撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:13
湖の脇を進む。
グラスミア湖西岸。
2010年06月15日 19:25撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:25
グラスミア湖西岸。
ライダル湖へと向かう。
2010年06月15日 19:35撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:35
ライダル湖へと向かう。
小さな丘を越える。
2010年06月15日 19:45撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:45
小さな丘を越える。
小川沿いの道を進む。
2010年06月15日 19:50撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:50
小川沿いの道を進む。
ライダル湖ヘ出た。
2010年06月15日 19:53撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 19:53
ライダル湖ヘ出た。
ベンチで一休み。
2010年06月15日 20:33撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 20:33
ベンチで一休み。
羊の放牧された民家の脇を進む。
2010年06月15日 20:55撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 20:55
羊の放牧された民家の脇を進む。
グラスミアの街。
2010年06月15日 21:04撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 21:04
グラスミアの街。
ワーズワースのダウコテージ。
2010年06月15日 21:20撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 21:20
ワーズワースのダウコテージ。
田園風景の中を歩く。
2010年06月15日 21:32撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 21:32
田園風景の中を歩く。
石の壁が印象的だった。
2010年06月15日 21:37撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 21:37
石の壁が印象的だった。
この先から再びフットパスヘ。
2010年06月15日 21:32撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 21:32
この先から再びフットパスヘ。
コフィンパスへと入る。
2010年06月15日 21:48撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 21:48
コフィンパスへと入る。
キッシングゲートを越えて進む。
2010年06月15日 22:00撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 22:00
キッシングゲートを越えて進む。
小石の敷つめられたコフィンパス。
2010年06月15日 22:01撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 22:01
小石の敷つめられたコフィンパス。
2010年06月15日 22:08撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 22:08
グラスミア湖を見ながら歩く。
2010年06月15日 22:17撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 22:17
グラスミア湖を見ながら歩く。
写真をとってもらったが、逆光だった。
2010年06月15日 22:12撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 22:12
写真をとってもらったが、逆光だった。
ライダルマウントの村に出た。
2010年06月15日 22:25撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 22:25
ライダルマウントの村に出た。
此処でバスに乗りウインダミアヘ。
2010年06月15日 23:05撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 23:05
此処でバスに乗りウインダミアヘ。
ウインダミアからオレストヘッドへ向かう。
2010年06月15日 23:11撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 23:11
ウインダミアからオレストヘッドへ向かう。
道はフットパスに。
2010年06月15日 23:18撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 23:18
道はフットパスに。
オレストヘッドからの風景。
2010年06月15日 23:19撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 23:19
オレストヘッドからの風景。
緑に囲まれたウインダミア湖が眩しい。ふと「埴生の宿」のメロディーが浮かんで来た。Home Home Sweet sweet home..  何故か涙が浮かんで来る。景色と旅情に素直に感動したオレストヘッドだった。
2010年06月15日 23:26撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
6/15 23:26
緑に囲まれたウインダミア湖が眩しい。ふと「埴生の宿」のメロディーが浮かんで来た。Home Home Sweet sweet home..  何故か涙が浮かんで来る。景色と旅情に素直に感動したオレストヘッドだった。

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 着替え ザック ザックカバー 昼ご飯 行動食 地図(地形図) コンパス 計画書 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー タオル カメラ パスポート
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