【失われた山村を訪ねて】飛騨・神岡町牧から笈破集落跡往復

- GPS
- 03:06
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 658m
- 下り
- 645m
コースタイム
- 山行
- 2:41
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 3:06
天候 | 曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
半袖シャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
スパッツ
|
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感想
かつて、飛騨神岡の山のなかに、笈破(おいわれ)と呼ばれた集落があった。
国道41号(と旧・神岡鉄道)が通る高原川、その右岸の東漆山集落・牧集落から標高差にして600 mほど山道を登って牧坂峠を越えた先にその集落はあり、今は神岡の中心部の船津のほうから車道も通っているけど、住む者は、居ない。
私が持っている国土地理院の1:25,000地形図「鹿間」の昭和58年修正版までは集落名の記載があったけど、次の平成4年修正版では削除されている。この笈破集落は、1:25,000地形図「鹿間」の図のド真ん中に位置しており、修正によって集落ごと抹消されたインパクトは大きく、この修正版が発行された1993年頃から「いつか笈破に行ってみたい」と思うようになっていた。しかしながら、笈破への道がどうなっているか情報が全くないまま時は流れ、今まで訪れることはなかった。
時は流れ、ネット全盛の今の時代、笈破を訪問した記録がネットで確認できるようになった。ヤブはうるさそうだけど、道じたいは今も存在するよう。ヤブが濃くなる前の5月に、長年の懸案を果たしに行って来た。
5月15日は目覚ましの設定に失敗し(苦笑)、予定より10分遅い4:10に『キャラメルハウス』(自宅)を出発。国道41号の漆山パーキングには、5時前に到着。今回はここにクルマを置いて、笈破まで往復。漆山パーキングを5:03に出発。
登山口の牧は、空き家が目立つ。国道を進んで発電所の送水管を越えて、斜めに上がる車道に入るとすぐに未舗装になり、雑草だらけの広い空き地に出た。今回は山のピークを目指すわけではないので、登山道はこっち…といった親切な案内があるワケもなく、自分でコースを見つけなきゃイケナイ。意味ありげなピンクリボンに招かれ、倒木が通行障害となってる鉄階段を登って一段上がると墓場があった。墓場の上部にもテープサインがあったけど、とてもじゃないけど行けないようなヤブ。墓場の逆側の雑草だらけの斜面を送水管のほうに向けて進んでいくと、テープサインがいくつか現れ、それに従って登っていくと、ようやく林のなかにたどり着き、ルートが明確になって来た。すぐに牧発電所のヘッドタンクに到着。池を廻り込むように道が付いている。
牧発電所のヘッドタンクからは、ピンクリボンを目印に山道を登ってく。つい50年ほど前まで、笈破の住人が使ってた生活道路だからルートじたいはしっかりしてるハズだけど、幾多の倒木がそれを不明瞭にしてる…(汗)。道が分からなくなった時には踏み跡らしき貧弱なところを歩こうとしがちになるけど「笈破の住人が使ってた生活道路」と考えて見直してみると、しっかりしたルートが見つかった…そんなことが何度かあった。事前に「ふるさと神岡を語る会」さんの「牧坂峠探検行」の動画を見てたので、ヤブだらけなのは覚悟してたけど、想像してたほど酷くはなかった(苦笑)。
地形図には谷沿いに徒歩道の記載があり、どこでも水が取れそうに見えるけどこれは誤りで、水が取れるような水場は途中1ヶ所のみ。この水場で折り返した先の大木でまだ折り返すんだけど、その先は緩い斜面で一面草が生い茂ってる。牧発電所のヘッドタンクから笈破までの間で一番ルートが不明瞭なのがこのあたり。花が咲いてるのを踏むのは気が引けるけど、斜面を谷に沿って登りながら、右側にサインを探してるとそのうちサインのリボンが見つかるハズ。ルートに復帰し、少し登ると「尾根に乗った」としか思えない地点に到達する。地形図のルートはデタラメのため尾根に乗ることは全く示されていないが、720 mの等高線が舌状に飛び出てる小尾根上に6:10に到達。ここで休憩。
尾根に乗る区間はごく僅かで、すぐに尾根を外れてシダの生い茂る原っぱを横断。いろいろな山を歩いてるけど、ここまでシダだらけの原っぱは記憶にない。シダの原っぱを通過するとまた林のなかをジグザグに登るようになる。やがて、木々の間の向こう側に愛らしい「神様」が鎮座してるのが見えると峠は近い。「神様」を見送るとすぐに牧坂峠に出て、峠を越える。道が下りになると、すぐに視界に小屋が1つ入ってくる。そこが目的地の笈破集落跡。下って行くと車道に出て、小屋に6:47に到着。
小屋の横のベンチで『ディスカウントドラッグ コスモス』の365ブランドのシーフードヌードルを食す。小屋は手入れがされているらしく、収納されてる薪木も新しい。15分間、小屋の周りで休憩してから、下山。
帰りは、牧発電所のヘッドタンクを経て雑草だらけの広場までは往路を忠実に戻った。雑草だらけの広場のフェンスの特徴から廃校跡と察し、一段下りてみると、漆山地域公民館と漆山小中学校跡の碑が建ってた。公民館から国道41号に出て、鍋谷バス停前を経由し、元の漆山パーキングに8:09に戻った。
かつて存在した集落の生活道路だったため、意外に道はしっかりしており、事前に恐れてたほど雑草も酷くない(苦笑)。1989年の夏に黒部五郎岳から折立に下りるか、神岡新道を下りるか迷って、確実なほうの折立に下りて交通費がかさみ所持金が60円になったことがあった(苦笑…https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1511718.html)。山之村からの神岡町営バスの本数が少ないことが不安で断念したけど、神岡新道下りて山之村から伊西峠を越えて笈破経由で神岡鉄道の漆山駅に出ることも可能だったワケだ。もっとも、このコースを歩き通す体力があの時に残ってたかは疑問だケド…(苦笑)。
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