【猪子山】故郷の里山歩き【繖山】
- GPS
- 03:00
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 510m
- 下り
- 505m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
公共交通機関を利用する場合、JR能登川駅より徒歩10分程度 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道標、階段などよく整備されている。 ■地獄越〜繖山山頂間は眺望よし |
写真
感想
私は滋賀県東近江市(旧・神崎郡能登川町)で、生まれてから大学進学のため上京するまでの18年間を過ごした。
実家の裏手には「猪子山」と呼ばれる山があり、地元の里山として親しまれている。
猪子山からは南西に向けて尾根沿いに山道が延びており、
聖徳太子ゆかりの観音正寺、織田信長の夢の跡として全国的に有名な安土城へと歩いていくことができる。
幼稚園や小学校の遠足、中学校の体育の授業や犬の散歩、花見などで幾度となく登った猪子山であるが、
それより先の繖山、観音正寺に至るルートは今まで歩いたことがなかった。
いつかちゃんと登っておきたいとは思っていたものの、近場になるほど足が遠のくという世の習いに漏れず、
結局のところ実行しないまま時が過ぎていった。
今回、法事で帰省する事となり、かねてからのモヤモヤを解消する良い機会と思い立ち、
猪子山−繖山にかけての山歩きを実行することとした。
実家でゆっくりと朝食を摂り、9時に登山道に着き、
数え切れないほど歩いた登山道をゆっくりと登りだす。
ものの30分ほどで、猪子山山頂に到着。
頂上の巨石の真下には十一面観音菩薩を安置した祠がある。
坂上田村麻呂が鈴鹿山脈の山賊を討伐した際、願をかけたとの伝説が残る地である。
眼下には故郷の街並み、琵琶湖、そして雪化粧した比良山脈の山々の姿を望むことができる。
山頂を後にし、尾根沿いに繖山に向けて歩く。
多少のアップダウンはあるものの、概ねなだらかで歩きやすい登山道だ。
途中で神社に立ち寄ったり、写真を撮ったりしながらのんびりと歩く。
地獄越えをすぎると、それまで木々に遮られていた眺望が一気に開ける一帯に出る。
およそ15年前に、山火事で丸裸になった一帯である。
ところどころに焼け焦げた倒木の姿が認められる。
人の背丈を雄に越すような、背の高い木は流石に生えてはいないものの、
潅木の姿はあちこちに認められ、植生が徐々に回復していることが見て取れる。
繖山のピークを越え、さらに西に向かって安土城に向かうか、それとも南東に向かい観音正寺に降りるか迷ったが、
まだ訪れた事のない観音正寺方面に向かうこととした。
中世から戦国時代に至るまで、この地域一帯を統治していた佐々木六角氏は、
繖山一帯の山域のあちこちに石垣や城砦を築き、「観音寺城」として当時としては最大規模の山城としていた。
その観音寺城も、織田信長の攻撃によりあっけなく落城し、
六角氏に代わりこの地域を統治した安土城も、紅蓮の炎の中に消えてしまう運命にあった。
かつて織田信長やその家臣、遠くヨーロッパからやってきた宣教師たちが見たであろう繖山の姿と、
自分が眺めてきた繖山の姿はさほど変わらないだろうと考えると不思議な気持ちがする。
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