海金剛 左岩壁直上ルート(スーパートリトン)
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 516m
- 下り
- 514m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
スーパートリトンはここ数年の登攀の記録が見つからなかったので、覚えている限りで記録を残しておこうと思います。ピッチの切り方、ルートは「マルチピッチルート スーパーガイド」に収録されている左岩壁直上ルートの通りでしたが、下部は一部が自然に還っているようでした。
dokushogirai(以下d), 相方(以下M)
■取り付きまで
前回(昨年末)の登攀時は、取り付きを目指してザレた岩場をほぼまっすぐ上がって行きました。ここは浮き石が多く支点が取りづらいのですが、ロープを出すこともなくアプローチシューズで取り付きに達することができました。今回は中央稜から回り込んで、岩壁沿いに左側へ降りていくアプローチを試しました。岩壁沿いは薮と浮き石だらけで歩きづらいです。また、ちょっとしたクライムダウン、あるいはいやらしいトラバースを強いられる箇所が一部あります。私たちはトラバースするところでロープを出しました。ザレた岩場を直上するアプローチより、30分以上余計に時間がかかってしまったと思います。
■1P目(リード・d)
大フレーク沿いに登るのでわかりやすいですが、フレーク下部は少し岩が脆いようで、ホールドが欠けたり表面が小さく剥がれることがありました。弓状クラックを左へトラバースした後は、優しいハンドクラックが上に続いています。ルート沿いにリングボルトがいくつか打ってありましたが、かなり劣化していて強度が不安だったため支点には使いませんでした。グレードはトポの通り(5.9)に感じました。終了点は灌木で取りました。
■2P目(リード・d)
灌木帯を10m程度右側へトラバースし、崩壊跡の露出部にある大岩を右側から回りこんで行きました。支点・終了点ともに灌木を使いました。
■3P目(リード・d)
最初はMがリードでトライしましたが、岩場の状態の悪さに心が折れ気味の様子で、途中でdリードに交代しました。ハンドサイズのクラックが2本斜めに走ったところを登りました。このピッチは灌木が多めで、クラックは土と草付きに埋もれておりジャミングがうまくできなかったので、カムを決めつつゴボウで無理やり登りました。傾斜が少し緩んで灌木帯に出たところで、灌木を終了点に取りました。
■4P目(リード・M)
このピッチはずっと灌木帯で、傾斜が次第に緩んでいくので難しいところはありませんでした。逆S字クラック下部の低木で終了点を取りました。
■5P目(リード・d)
逆S字クラックは土に埋もれておらず安定しており、状態は良好でした。トポにはグレード5.10aとありますが、5.10bか5.10cくらいあるように感じられました。逆S字クラックを越えてすぐにボルトが打ってあり、ここで終了点を取りました。
■6P目(リード・M)
バンドを右へトラバースして、直上するフィストサイズのクラックを越えた後、テラスが積み重なったような階段状の岩場を右上していきます。フィストサイズのクラックは傾斜が見た目よりもきつく、トポ通りのグレード(5.8)に感じました。階段状の岩場のつきあたりのコーナーが終了点で、ここにボルトが打ってありましたが、腐食が激しく金属が白変してひびが入っていたため、カムで終了点を取りました。
■7P目(リード・d)
直上するコーナークラックを越えたあと、バンドを右側へ少し進む短いピッチです。バンドつきあたりにある灌木で終了点を取りました。
■8P目(リード・M)
コーナー部左側のフェース状を直上した後、右上して上部城塞の基部に出ます。フェース状上部にややかぶった大岩がありますが、この周囲に大きな浮き石がいくつかありました。登攀中に落石が起きるとビレイヤーに直撃するおそれがあるため、かなりひやひやしました。また、傾斜が少し緩んで右上していくところも浮き石がいくつかありました。終了点はスーパーレイン6P目終了点と共通です。私たちは前日にスーパーレインを登攀済みのため、ここで登攀終了とし、最終ピッチは割愛して懸垂下降しました。
スーパーレインは快適なフリーのマルチピッチルートでしたが、現状のスーパートリトンはまさにアルパインという感じで、スーパーレインよりも全体的にワングレード上のルートに感じました。
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