DolomiteトレッキングVol.6 Cascata di Fanesの巻
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 331m
- 下り
- 316m
コースタイム
18:25Cascata di Fanes18:40
19:30Information Booth
合計距離: 7.69km
累積標高(上り): 332m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
滝の水しぶきがハンパないので、カッパを持っていった方が良いです。 |
写真
感想
ここからは、ドロミテトレッキング4日目の後半戦。
最終日の今日は、山と滝のダブルヘッダーだ。
前半戦のPiz Boèの登頂後、車で約1時間半かけて後半戦の最終目的地Cascata di Fanesへとやってきた。イタリア語が分からないながらも無理矢理訳してみると、ファーネスの滝といった所だろうか。
この滝は旅行前に取り寄せたガイドブックには載っていたが、トレッキングコースの一部という扱いで紹介されているのみで、自分で改めてググってみて初めて滝の様子を知ることができた。
画像を一つ一つ見てみると、水量がとても多く中には滝の裏を歩く人が写っている写真もちらほらと出てきたりして、ここには絶対に行ってみたいと思っていた。滝の裏に回れるなんて、面白すぎる!
ここの全行程は往復で1時間半〜2時間ほどなので、最低限のごく簡素な荷物をザックに詰め込んで出発した。
下山直後だったこともあり若干疲れていたが、ラストスパートをかける。
正直に告白すると、実は前日にオーストリアから戻って来る途中、ここがちょうど通過点だったということもあり、スタート地点から少し歩いた辺りまで足を踏み入れていた。日没直前の19時頃だったため、すぐに引き返してきたのだが。
その時、川を流れる白っぽい水に驚き、無性に吸い寄せられる力に逆らえず、どんな味がするのだろうと興味半分で2口ほど飲んでみた。
翌日の今日、朝から何故か倦怠感や食欲不振が出てきた事に気がついてはいたが、後から考えると、原因はあの石灰質の混じった白い水だったことは間違いないと思う。
結果的に、体調不良で予定を変更することはなかったものの、帰国してから3,4日くらいはその症状は続いていた。
さて、話を戻し、Cascata di Fanesへ歩き始める。
スタートが17時半だったが、自分と一緒に滝へ向かう人はこの時点ではおらず、滝の方から戻って来る人とすれ違いながら進んで行った。
途中、水の音が大きくなり始めた辺りでベンチとテーブルがいくつか並ぶ休憩ポイントのような場所に出た。
その奥から人が戻ってきていたので、自分も彼らの出てきた狭い道を進む。
ロープを伝いながら奥を見ると、物凄い爆音と共に大量の水が落ちるのが見える。水の勢い故からか放物線を描く水流。凄い!!旅行前に見た写真の通り、確かに裏を抜けられそうだ。
しばし滝に見入った後、意を決して突き進む。
滝を通り抜ける前、滝の裏、通り抜けた先の3ヵ所で写真を撮ったので目的は達成。本当は、滝の大きさを表現するために、誰かが滝の裏を通り抜けるショットを撮りたかったのだが、自分が本当に最後のトレッカーだったようで、それは諦めて戻ることにした。
これで、Dolomiteトレッキング全行程は終了。20時頃になるとシャッターを閉めるレストランもあるので、急いでCortina D'Ampezzoへ向かい、食事をしてホテルに戻った。
ここで、4日間のドロミテ滞在を終え、感じたことを綴ってみたいと思う。
日本に帰ってから聞いた話だが、欧米の人は縦走という山岳文化はないらしい。
旅行中に撮った写真を見返してみると、確かにそう思わせる山ばかりである。険しく、岩が天に向かって突き出たような山容をした山が数多く目についた記憶があり、ロープやカラビナなどの装備とクライミングの技術なしでは登れない山の方が圧倒的に多く感じられた。
そのせいか、欧米ではハイキングやトレッキングといった山歩きよりもロッククライミングの方が盛んだそうだ。
稜線歩きという気持ち良い体験は日本ならではの登山スタイルらしく、日本人である自分にとっても確かにそっちの方が向いている気がするので、日本に生まれて良かったと実感することが出来たのが今回の旅行で得た収穫と言える。
そして、山を歩いていて一番印象に残ったのが、イタリア人の自然に対する環境美化の意識の低さ。
Piz Boèの登山道には犬の糞があちこちにあり、飼い主が糞を持ち帰らないことは犬を連れた人の姿を見るまでもなくわかる。ヒュッテのスタッフでさえ、買っている豚の糞を山に捨てるという有様であるため、糞の処理以外についても彼らの環境美化に対する意識の低さは推して知るべしと言えよう。
またTre Cimeのトレッキングコースを歩いていた時には、小石を並べて書かれた人の名前や、「●●LOVE○○」のように、小石で書かれた落書きは数えきれないほどあった。
どこかで聞いた話だが、欧米人は自分が来たことの証をその場に残しておくという考えがあるらしい。
自転車やバイクで来た人たち(たぶん)が峠の道路標識にステッカーを貼ったりマジックでサインを書いたりという跡は複数見たし、山頂や巡礼地の終着点といった記念となる場所では自分の名前の入った手袋や帽子、靴などをその場に置いてくる習慣があるそうだ。また、教会の壁にまで落書きをしたりする人は結構な人数でいるらしい。
当然だが、その“証”とやらを回収し清掃する人がいるわけで、その人たちのお陰で綺麗な自然環境が維持できるわけなのだが、これは欧米全土にわたる国民性のようなものであるから対策は困難だろうと思ったし、こういったことについては、改めて日本の山の綺麗さや登山者の環境保全に対する意識の高さをを実感した。
よく、海外から帰って日本の素晴らしさを改めて実感した、という事を言っている人がいるが、まさか自分がそういう事を感じることになるとは旅行前には考えもつかなかった。
山については、日本の山の良さを再認識することが出来たが、他にも周辺を取り巻く環境、例えば、登山口には自販機があってドリンクが買え、少し走れば24時間営業のコンビニがあるため行動食の補充には事欠かないし、温泉施設も必ずといっていいほどある。入浴後にはビールまで飲めるときた。
更には、高速のSAの店舗の充実ぶりは世界でも類を見ないほどだろう。
ご当地グルメが堪能できるし、地元の農作物が売られていてまるで市場のような賑わいを呈している・・・日本の環境はあらゆる点において本当に素晴らしいと実感したDolomiteトレッキングであった。
おしまい
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