キナバル山
zelvia
その他1人 | 天候 | 曇り一時雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年09月の天気図 |
| アクセス | コタキナバルから旅行会社のワゴン |
| コース状況／ 危険箇所等 |
特に危険箇所はありませんが、花崗岩がぬれて滑りやすい場所があります。 |
写真
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公園事務所に到着し、登山手続きをします。キナバル山は完全入山規制です。外国人は、ガイドを必ず同伴しなければなりません。ここで、ガイド兼ポーターと合流します。
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
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|---|
感想
9月の終わりに遅い夏休みを取得し、マレーシアのキナバル山＠ボルネオ島に行ってきました。
キナバル山は、標高4095．2メートルで、東南アジア最高峰。世界遺産にもなっています。危険個所もなく、技術的には難しい場所がないそうですが、今まで、富士山山頂も果たせていない私が、高山病に耐えて登り切れるかが心配です。
9月25日（木）15：20成田発のマレーシア航空MH81便で20：20コタキナバルに到着。時差は1時間ですので、6時間のフライトです。
到着口に現地ツアー会社のマレーシア人が迎えに来てくれていました。すぐにホテルまで送ってもらいました。
26日（金）
朝7時半、時間通りにワゴンが迎えに来てくれました。お客は私のみ。約1時間半、私一人を乗せたワゴンは、コタキナバルからキナバル山に向かってひた走ります。
車から見るキナバル山は、上の方が雲に覆われていました。アジアらしく、運転は乱暴で豪快。山道でもガンガン他の車を追い抜いていきます。途中で2件の交通事故を見かけました。どちらも、車同士。強引な運転によるものでしょう。こんなところで事故に遭ったらたまったものではないので少し緊張しましたが、キナバル公園事務所に無事到着。
事務所はかなり美しく、清潔でした。旅行会社の指示では荷物を自分で持つ荷物、ポーターに運んでもらう荷物、事務所に預ける荷物、の3つに分けるとのことでしたが、現地ではなぜか2つに分けるよう言われました。そのため、自分のザック以外の8キロの荷物をポーターが持ってくれることになりました。
キナバル山は、世界遺産であり、入場者を制限しています。マレーシア人以外の外国人が入山する場合は、ガイドを同伴させなければなりません。
私についてくれるガイドは、ポーターも兼ねるようです。しかも、私専属！何から何までついています。しかし、彼は、マレー語以外英語しかしゃべれないので、英語が不得意な私にとっては、不安もあります。
ガイドは、私の荷物を軽々と背負うと、すたすたと歩き始めます。 無駄なしゃべりはしませんし、足の運びがとてもしなやかなのには驚きました。まるで忍者のような足さばきで、ほとんど音がしません。ガイドといっても、自然について教えてくれるわけではありません。しかし、後ろをいく私のペースを細かに観察して、それに合わせて歩いてくれます。休憩も、私が要求しなければ、特に止まることもありません。ガイドがしゃしゃり出るのではなく、あくまでも主体は客。日本のガイドのように至れり尽くせりではないのですが、非常に気持ちがよいのです。
私は、野鳥に興味があることを伝え、野鳥を見かけたら止まるようにお願いしました。私の要求に忠実で、野鳥の声が聞こえても、姿を見ることがなければ特に教えてくれません(^^;。でも、こちらから、あれは鳥の声か？虫の声か？と聞けば、きちんと答えてくれました。
ガイドの靴は、登山靴ではなく、ゴム製のローカットのガーデニングシューズみたいなものです。ソールには、本体と一体成型の丸いスパイク状の凸凹がついています。質素ですが、雨の多いキナバル山には適しているようです。他のガイドも、同じような靴を履いている人もいましたし、登山靴や長靴をはいている人もいました。
初日は、ジャングルの中をひたすら歩きます。標高1866メートルの登山口から3272メートルのラバンラタ小屋を目指します。10時過ぎに出発して15時過ぎに到着。約5時間の歩きでした。途中で、雨が降ったりやんだりしましたが、レインスーツと折たたみ傘で快適でした。
しかし、登山道には常に水が流れている中を歩き続けることになりました。
そして、3000メートルを過ぎた辺りから、早くも若干の高山病の症状が出始めました。頭はスースーしますし、呼吸が浅くなってきます。意識して水分を多目に摂ったり、深呼吸を何度もしたりして対応しました。
そして、なんとか今日の目的地ラバンラタ小屋に到着。
ラバンラタ小屋は清潔で、気持ちよく利用できる山小屋でした16時20分からの夕食。私は、17時過ぎにレストランに行きましたが、大変な賑わい。バイキング方式なので、空いている席を探し、相席で食べました。3200メートルの山小屋とは思えない夕食。なかなかおいしかったです。
翌日は、午前1時半起床ですから、さっさと寝たいところですが、なかなか寝付けません18時過ぎには床についたのですが、とにかく眠くないのです。しかも、呼吸が浅く、胸の痛みも出てきました。そこで、日本から持ち込んだワインを飲んだのですが、眠くなるどころか、逆にさらに呼吸が浅くなり、余計に眠れなくなってしまいました。ペットボトルの水を飲んだら具合は良くなり、やっと眠ることができましたが、その時点で睡眠時間は2時間半しかありませんし、外は激しく雨が降っています。明日の山頂アタックが中止になってしまわないか、実施されても、こんな睡眠時間で大丈夫なのか不安を抱えながら眠りにつきました。
27日(土)
午前1時半起床。荷物を軽くまとめて2時10分に食堂に向かうと、ご来光登山のための軽食を食べる人で、すでに長蛇の列になっていました。ガイドとの待ち合わせは2時半。10分で軽食を胃袋に突っ込み、2時40分出発です。
幸いに、昨夜の大雨はやみ、空には満天の星です。山小屋ので入り口は人でごった返しています。
ヘッドランプをつけて歩き出しますが、渋滞でなかなか進みません。
これは、私にとっては大変ラッキー！とにかくちょっと歩くとすぐに息が切れる始末ですから、数歩歩いてすぐ止まるというこの渋滞は、本当に助かりました。
このままのらりくらり山頂まで続いているとよいのになあ、と正直思いましたが、しばらくすると、途中で立ち止まる脱落者が現れ始め、渋滞が解消に向かってしまうのでありました。そうなると、私も脱落者の仲間入りとなります。ガイドに休憩を要求すると、もう少し先によい場所があると教えてくれ、座りやすい平らな岩を勧めてくれるのでした。
昨日もそうでしたが、ガイドは、決して客と同じ場所には座りません。屋根付きの場所があればそこを勧め、自らは雨の中傘をさして休憩をしていました。また、「そろそろ出発ですよ〜」なんてことも一言も言いません。あくまでも、客の主体性に任せます。こちらが荷物を背負って立ち上がると、「OK？」と言って歩き始めます。
こちらは、もう苦しくて苦しくて辛くて辛くて、数歩歩いては立ち止まりといった感じに突入していくのですが、「頑張ってください！」とか「もう少しペースを落としましょうか？」なんてことも言わず、あくまでも私の歩きを見ながら、数歩先を歩くのみです。これには本当に助かりました。
途中、真っ暗闇の中、水が流れ滑りやすい花崗岩の急な岩盤では、私がロープをつかみながらも足を滑らせると、ガイドは、ヒュッと後ろを振り向くのですが、本人は、ポケットに手を突っ込み、ロープもつかまずに、質素なゴム靴で足音もさせずに、歩いていました。
もう、こちらは、いつ敗退してもよい雰囲気で、苦しさのあまり、岩壁に頭をくっつけて立ち止まったり、岩盤に寝転がってもがいていたりするのですが、クールなガイドは何も言わずに私が再起するのを静かに待っているだけです。
その繰り返しを続けていると、高度計が3670メートルを示します。ついに富士山を突破！しかし、こちらはもう生きた屍状態。ただ単に下をうつむき、歩いているのか、ただ単に足を動かしているだけなのかわからないような状況です。
しかし、そうこうするうちに、空が徐々に明るくなってきました。苦し紛れに足を進めてきましたが、周りに巨岩や様々なピークがぼんやり見えるようになってきました。前方に尖った岩山が見えました。ついに山頂です。でも、ここからがまたキツい。あと数十メートル登ればよいのですが、それがキツい。何度も立ち止まり、岩に寄りかかり…。すると、これまで何もしゃべらなかったガイドが突然、「You can do it!」と繰り返し声をあげたのでした。やる時はやるんだなぁ！と思いましたね(^-^;
そんな最後の最後での励ましもあって、ついに4095．2mのローズピークに登頂！しかし、畳一畳ほどの山頂は、記念写真を撮る登山者でごった返していました。記念写真待ちの時間を使って、私は、急にきびきびと準備を開始します。町田ゼルビアのユニフォームを着て、タオマフと小旗を出して準備完了！
すると、ガイドも豹変します。「カメラ、カメラ」と私のカメラを要求すると、頼みもしないのに、どんどん周りの風景を撮ったり、「ここに立て」「ここに座れ」と指示を出したりして、いきなり観光プロカメラマンに変貌したのでした。私は私で、先程までの屍が変貌し、東南アジア最高峰からFC町田ゼルビアへの愛を叫ぶのでした。
下山は、登りの牛歩が嘘のように軽い足取り。とはいっても、花崗岩で足を滑らせ、ガイドを振り返らせること何度か。どうも、歩く技術が基本的になっていないのではないかと思うんですよね。
下山中に、いろいろと高山植物を見つけたのですが、立ち止まったり、シャッターを押すために息を止めると、それだけで苦しくなるので、途中であきらめました(笑)
8時頃、山小屋に無事帰還。朝御飯を食べ、部屋で休憩していると、突然の豪雨。今日は、午前中から大雨です。そんな中での隙をついてのアタックは恵まれていたようです。
ほとんどの人は、山小屋で荷物をまとめて、朝食を食べたあと、そのまま下山です。深夜から歩いて山頂アタックをした後、さらに下山とはハードにもほどがあります。
しかし、ラバンラタの山小屋で当日下山をしないのは、なんと私一人のみ！私だけが、登頂当日下山しないで山小屋泊まりです。
山小屋に一人取り残された私が、ミールクーポンにあるランチを注文したら・・・
なんと、ラーメン丼大のトムヤンクンスープに、ラーメン丼大の雑炊と、バカデカスープカップ大の紅茶が出てきた〜！こんなの食い切れるわけありません〜。
高山にも少しは慣れたのか、この日は熟睡できましたzzzzzzzzzzzzzzzz
28日（日）
今日は、いよいよ下山です。6時に食堂に下りていくと、あのにぎやかな食堂は、もちろんもぬけの殻です。皆さん、ご来光登山に出発してしまった後ですから。
下山を開始すると、登った時より、登山道の水量が増えています。昨日は午前中から夜遅くまで雨が降っていましたのです。今日山頂アタックをしている人たちが出発する頃は、まだ雨が降っていました。幸いに、私が下山する頃にはやんでいました。
そのまま来た時の登山口へ向かって下りてもよいのですが、より自然色の強いというマシラウルートを選択します。この選択は正解！明るいうえに、植物や野鳥も多いように感じました。
突然現れるトレイルランナーには驚かされます。それにしても、彼らの軽装、速さにはびっくり。5名ほどのランナーに出会いました。超人としか思えません。
マシラウルートは、川もあって変化に富んでいます。川まで下り、そこから再び標高200mほど登り、ひと山越えると、ゴールのマシラウリゾートです。
11：38 ついに下山。5時間30分かかりました。
マシラウリゾートに下山をすると、ドライバーが迎えに来てくれていました。そこから車で20分ほど走り、スタート地点に戻り、昼食です。
おいしい昼食でした〜！でも、マレーシアは、とにかくビールが高い。ホテルとはいえ、ハイネケンの缶ビールが、800円はいくらなんでも高い！
下山後、キナバル山登頂証明書をいただきました。と言っても、お金を払って買っているんですけどね(^^;
とにかく、4000m級というのは、自分にとっては高山病がかなりきつかったです。富士山でも苦労して敗退しているような50歳の私にとっては、無理があったと思います。でも、あまり登山経験のないような若者たちがたくさん登っていたのも事実。私の体力と経験とやる気のなさがこのような失態となったのでしょうか。反省！
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