赤十字救急法 救急員養成講習
コースタイム
2015/01/25(日) 9:00〜17:00
天候 | 2015/01/24(土) 晴 2015/01/25(日) 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
赤十字救急法は、1.基礎講習 2.救急員養成講習 の2段階で学ぶことができます。 http://www.jrc.or.jp/activity/study/kind/emergency/ 【基礎講習】 手当の基本、人工呼吸や心臓マッサージの方法、AEDを用いた除細動などを習得できます。 講習時間:4時間 受講費:\1,500(人工呼吸用マスクが2個もらえます) 【救急員養成講習】 日常生活における事故防止や止血の仕方、包帯の使い方、骨折などの場合の固定、搬送、災害時の心得などについての知識と技術を習得できます。 講習時間:12時間 受講費:\1,700(三角巾2枚、保護ガーゼ2枚、携帯用ポーチがもらえます) 主に、各都道府県の日赤支部や赤十字施設で開催されています。基礎講習は1日、救急員養成講習は2日間を要します。それぞれ認定試験があり、8割以上で合格です。基礎講習で認定を受けなければ救急員養成講習を受講できません(認定後3年間有効)。 |
写真
感想
備忘録(受講内容の抜粋です)
【定義】
◆赤十字救急法とは
病気やけがや災害から自分自身を守り、けが人や急病人(=傷病者)を正しく救助し、医師または救急隊などに引き継ぐまでの救命手当及び応急手当を赤十字救急法といいます。
・救助者は、自分自身の安全を確保し、周囲の状況を観察して二次事故(災害)の防止に努めます。
・原則として医薬品は使用しません。あくまでの医師または救急隊などに引き継ぐまでの救命手当・応急手当にとどめます。
◆赤十字救急法救急員とは
赤十字の使命を理解し、[事故の防止]に努めるとともに、[傷病者]に対して赤十字救急法を実践する[知識と技術]を有していることを日本赤十字社が認定した人に与えられる資格です。
求められる能力
1.正しい観察と判断を行える能力(周囲の観察と二次事故(災害)防止のための判断,傷病者の観察と傷病にあわせた手当の判断)
2.[リーダーシップ]
◎日本赤十字社の主な事業(2)
社会福祉事業,血液事業,医療事業,
青少年赤十字活動の推進,国際活動,災害救護活動,
赤十字ボランティアの育成,看護師等の育成,救急法等の講習
【観察】
傷病者の手当を行うには、現場と傷病者の詳しい状況を観察する必要があります。
1.周囲の状況の観察
二次事故(災害)の危険があるときは、その危険を排除してから傷病者の手当を開始します。
2.傷病者の観察
直ちに手当・通報すべき傷病者であるかどうかを判断します。
<直ちに手当・通報すべき傷病>
意識障害,気道閉塞,呼吸停止,心停止,大出血,ひどい熱傷,中毒
※傷病者の全身を観察し、優先度の高い傷病から対処する。手を付けやすいところから、ではない。観察に時間をかけすぎない。
【急病】
◆心臓発作
○症状:痛みが、胸または胃の上の方から始まり、ときには頚の左側、左肩、左腕にかけて広がる。顔色が蒼白になり、唇、皮膚、爪の色も青黒くなり(チアノーゼ)、冷や汗をかく。
◎手当 以下抜粋
・直ちに119番通報します
・意識があるときには、座った姿勢をとらせて深呼吸をさせます
・全身を保温し観察を続けます
◆脳卒中
○症状:突然の痺れ、突然の混乱・会話不能、突然の歩行困難・めまい・平衡失調、突然の激しい頭痛、脈拍は強くゆっくりと打つ、瞳孔の大きさが左右で異なる場合がある
◎手当 以下抜粋
・直ちに119番通報します
・急激に意識障害を起こし倒れて体を強く打つことが多いので、全身、特に頭を打っていないかよく調べます
・ネクタイ、ベルトなどを緩め、楽に呼吸ができるようにします
・水平に寝かせ、毛布などで保温をします
◆熱中症
症状:「暑熱環境にさらされた」という条件が明らかで、熱痙攣、熱失神、または熱疲労の症状があれば熱中症の疑いがあります。[熱痙攣]は筋肉のこむらがえり、熱失神は立ちくらみ、[熱疲労]は、全身の倦怠感や脱力、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢などがみられる状態です。
◎手当(3) 以下抜粋
・できるだけ早く風通しのよい日蔭や、冷房が効いている室内などに避難させます
・本人が楽な体位にしますが、顔面が蒼白で脈が弱い場合は、足を高くした体位にします
・衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます
・意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、水分補給(スポーツ飲料か薄い食塩水)させます。
【けが】
◆きずの危険性 [出血] [痛み] [細菌感染]
・傷口に当てるのは、理想は滅菌ガーゼ、清潔な布きれやハンカチ・タオル・シーツで代用OK、綿やちり紙は繊維が出るのでNG
・素手で傷病者の血液に触れない。ビニール手袋がなければコンビニ袋等で代用。
◆保護ガーゼの効果
・[圧迫による出血防止(止血)]
・[血液や分泌物の吸収]
・[感染防止]
・[きずの安静による苦痛の軽減]
◆包帯の目的
・[きずに当てた保護ガーゼの支持固定]
・[副子(ふくし)の固定]
・[手や腕を吊る]
・[強く巻くことによる止血など]
◆骨折の症状 [腫れ] [変形] [皮膚の変色] [その部分に触った場合の激痛]
◆熱傷
体の表面積の20〜30%以上にわたる広い範囲の熱傷を受けると重症で治療を急がねばなりません。1→3度の順に程度が強い
◎手当(3) 以下抜粋
・1度2度の熱傷で範囲が狭いときは、冷たい水や水道水(蛇口から勢いよく出る水を直接当てない)で痛みが取れるまで冷やします
・2度3度の場合、冷たい水や水道水で冷やし、その後濡れたタオルや氷水を入れたビニール袋で冷やしておきます
・軟膏、油、消毒薬などはぬりません
・意識がはっきりとしていて、吐き気がなく、医療機関まで時間がかかるようであれば、水分を与えます
★(個人的に驚き!諸説あるとは思いますが…)ヘビに噛まれたとき
かまれた傷口に口をつけて吸い出すことは、推奨されません。特殊な器具を用いた蛇毒の吸引を推奨している地域もありますが、その効果や有害性に関しては不明です。動物を用いたヘビ毒の研究では、吸引は無益であり、逆に組織損傷を引き起こす危険性が示唆されています。また、研究でも、吸引装置ではまったく回収できないとされています。
【きずの手当】
人間の全血液量は、体重1kg当たり約80mlで、一時にその1/3以上失うと生命に危険があります。
・直接圧迫止血
出血しているきず口をガーゼやハンカチなどで直接強く押さえて、しばらく圧迫します。こちらが基本です。
・間接圧迫止血
きず口より心臓に近い動脈(止血点)を手や指で圧迫して血液の流れを止めて止血する方法。直接圧迫止血がすぐに行えないときに応急的に行うもの。
【固定】
固定の効果:患部の痛みを和らげる,出血を防ぐ,患部の動揺で新たにきずがつくことを防ぐ
副子:骨折部の動揺を防ぐため、上肢、下肢及び体に当てる支持物のこと。骨折部の上下の間接を含めることのできる[十分な長さ、強さ、幅]を持つものが有効です。
【搬送】
搬送は、けがの手当てと同様に重要です。搬送の方法を誤って悪い結果にならないように、現場の状況や環境、傷病者の状態、負傷部位などを把握して正しい方法を選択することが必要です。
◆搬送のときの注意事項
・できるだけ動揺を与えないようにする
・搬送が終わるまで傷病者の観察を続ける
・二人以上で搬送する場合は、統一行動をとるため、必ず指揮者を決める
◎搬送の準備(2)
・傷病者に対する手当は完了したか
・傷病者をどんな体位で運ぶか
・保温は適切か
・担架は安全・適切に作られているか
・人数と役割はよいか
・搬送先と経路は決まったか、それは安全な経路か
【実技】
●直接圧迫止血(前腕部)
●間接圧迫止血(わきの下、上腕の中央)
手首の脈が止まることを確認する。ピンポイントに正しい位置を親指の腹で圧迫できれば、ギュウギュウ押さえなくてもピタリと脈が止まる。
○三角巾
名称(頂点と端)、たたみ三角巾、本結びと解き方、末端処理、しまい方
○額、頭
○耳
●頭(耳は出す、頭頂部のたるみを取る)
○胸
●肩(2枚)(上腕は指2本入る程度のゆるみ)
○手
○前腕
●下腿(しわにならないように巻き上げる)
●膝(膝裏でクロスさせる)
○腕の吊り
●鎖骨骨折の固定(2枚)(前腕部にゆるみがないように)
○足首捻挫の固定
○手首・前腕の骨折の固定(副子使用)
○下腿の骨折の固定(副子使用)
○膝の骨折の固定(副子使用)
○搬送
○一人で運ぶ(後ろから引っ張る、肩を貸す、背負う)
○担架による搬送
○応用担架(毛布)
○シミュレーション
受講者全体を10名/10名に分ける。片方が傷病者+野次馬、片方が救助者。大地震が発生し、講習会場に5名の傷病者(前腕・頭部・下腿のけが、鎖骨骨折、意識不明)。講習会場(日赤支部)が周辺の救護所にもなっている。の仮定で、救助活動を行う。
【試験】
学科:
穴埋め(語群から選択):10問
○×問題:10問
症状と病名を一致させる:5問
記述:4問題10記述(2,2,3,3)
実技:
直接圧迫止血
間接圧迫止血
きずの手当(三角巾、4種類)
固定(三角巾、1種類)
※三角巾は1枚使用は1.5min、2枚使用は2.5min以内の時間制限有
【感想】
・もともとは、登山で切り傷や骨折などを起こした・遭遇したときに手当ができるといいなぁ〜という動機で受講を希望。
・基礎〜救急員の3日間講習は平日を含むため、基礎講習後、土日開催の救急員養成講習を受講。当初はキャンセル待ちだったが、当日は定員30名に対し受講者20名。指導員計4名(各日3名)。
・バディ(1対1で三角巾や搬送の実技を行う相手)は救急員を長くやっておられ更新忘れで再受講の方だったので、大変助けられた。
・受講者20名のうち男性14名、女性6名。見た目20代〜50代で若い人が多い。
・1日目の2時間と2日目の1時間は座学。指導員が(試験に出るかもしれない)大事な箇所を指摘しながら進行する。
・実技は、テキストやyoutube動画と若干異なっている部分もある。要はキーポイントを外さなければよいのだろうと思ったが、試験対策としては丸覚えしたほうがよい。
・シミュレーションがいちばん印象深く勉強になった。手技を覚えただけではダメで、状況を視野広くとらえ、優先順位づけしながら、個人単位でなくチームとして臨機応変に動けることが大事。傷病者役をやって、こまめな声掛け(大丈夫ですよ、少しだけ待っててくださいね、等)が精神的に物凄く救われることを実感。
・シミュレーション後に受講者ひとりひとりが感想を述べ、これまた自分の気付かなかった観点に気付きを与えられ、本当に得るものが大きかった。
・シミュレーション後の指導員講評で、ご自身の吾妻山での救助活動経験をきかせていただいた。傍観者ではダメなことはもちろん、協力者として正しい手技ができることも大事。自分が救助者になったとき、周囲の人を動かし、どのように助けてもらうか、ということもなかなか難しい問題なのだそうだ。
・試験は学科、実技とも8割できなければ合格できない。今回は、到達できなかった人が呼び止められ補習と再試験的なものを受けていたようだった。
・ただ手技を覚えたいという動機での受講であったが、講習を終えていちばん感じるのは、一般人が効果的に応急手当を行うには、理念、知識、技術、人の心、広い視野、冷静な判断、多くのものが必要である、ということ。
・wikipediaを見ると、試験を行う日赤の講習方法には批判的な意見もあるようだが、実際問題として、試験があるから必死になって勉強するし実技も練習する。足りない人には残業(?)してまで補習をやるし、決してふるいにかけるための試験ではない。他人の命にかかわる行為を行う以上、正しい知識や技術を身に着けることは必須ではないだろうか。ゆえに試験は必要と思う。
・奉仕の精神で多くをご教示くださった指導員の皆様に心より感謝いたします。何か小さなことでもよいので、教えてもらったことを活かすようにしたい。また、さらに多くのことを学び身に着けていきたい。
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