記録ID: 6291673
全員に公開
ハイキング
九州・沖縄
12月18日（月）浦添市・宜野湾市・北谷町・読谷村遺跡巡りと世界遺産座喜味グスク
2023年12月18日(月) [日帰り]
hirokok510
コースタイム
航空チケットの予約ミスで月曜日のフライトになり、最終日は、宜野湾市、浦添市など近場の遺跡と博物館のチャリ旅となる。六時過ぎ、ホテルで朝食をとらず、モノレールで旭橋に出る。帰りはユンタンザからバスで旭橋に出るので、駅ロッカーに大きい荷物を納め、軽身でシェアサイクルで出発ー充電、タイヤ空気圧、ブレーキの具合を確かめ、サドル位置を調整し、出発。最初に近くのすき家で卵かけご飯朝定食を食べる。朝早い旅行者にとりこれ程ありがたいものはない。感謝の写真をとり、最初の目的地
王の殿に向かう。
王の殿は、王農大親という16世紀の人を奉った祠で、湧田神社とも呼ばれる。石積みの技法や井戸の規模など当時の有力者の居住地の様子を残す貴重な遺跡と書いてあった。
沖縄の遺跡・文化財は、薩摩による併合、明治政府による琉球処分、さらに第二次大戦による大きな破壊、焼失、戦後の米軍基地建設などにより、大きな痛手を受けてきた。そんな遺跡の一つが雪の崎跡(ユーチヌサチアト)だ。実はこの遺跡ではなく「若狭土帝君址」という遺跡を見学に行ったが、それがうまく見つからず、唯一それらしき石灰岩の小丘の上にある祠に上ってみた。そこには雪の崎跡(ユーチヌサチアト)に関する解説があり、どうやら土帝はその前に立てかけてる石の祠のようだ。土帝は中国の神様のようで、いかにも琉球らしいが、このあたり一帯はかつては石灰岩に覆われた岩礁台地で、拝所や墓地が多くあったが、米軍による立ち入り禁止が解かれた後、様々な開発行為、ダイナマイト爆破などにより、大半が失われ、いま若狭公園内に残るのはごく一部の「上の毛」という拝所だけになった。隣にある若狭小学校もそうした破壊の上に建てられた学校だという。
若狭公園から少し走り、泊埠頭わきのの上を走る自動車道路のわきの歩道を走っていたが、悪い予感が当たり、泊埠頭を渡り終えると歩道が途切れ、階段になってしまった。已む無く階段を思い電動を引きづりながら地上に降り立った。そのせいか、その後チャリを見ると錆びたスタンドの部品が外れてスタンドが十分たたなくなってしまう。なんとかピンチを脱してペリー提督上陸記念碑を見学、ここは泊外人墓地の中にあり、鍵は開いていたので中に入り、石碑を見学する。アメリははペリー来日を契機に日本に関する情報を蓄積していったようだ。ペリー提督の那覇寄港はあまり知られていないので、これは貴重なものを見たと感じた。
参考＝雪の崎跡(ユーチヌサチアト＝那覇市歴史博物館HPより)
那覇市の北西部にあった岬の名称。中国からの冊封使節の記録には「雪崎山(せっきざん)」と見える(李鼎元(りていげん)「使琉球記(しりゅうきゅうき)」)。
「雪の崎」は、若狭町(わかさまち)の中央北側に広がっていた「上の毛(ウィーヌモー)」と呼ばれる高さ20m程の岩礁台地(がんしょうだいち)の突端。その下部が波の浸食により削られ、方言で「ユーチ」と呼ばれる斧(よき)(小型な斧(おの)、斧(おの)は方言で「ウーン」という)の形に似ていることから、「ユーチヌサチ」と呼ばれ、「ユーチ」の音から「雪」の字が充てられた。
「上の毛」は古くから拝所として利用され、崖下には大きな洞穴があったという。また「上の毛」の東側は墓地地帯で、さらに「アカチラ原(バル)」と呼ばれる海岸沙汀地(さていち)が広がっていた。西側には、「耳切坊主(ミミチリボーシ)」で有名な黒金座主(くろがねざす)の寺とされる護道院(ごどういん)があった。
沖縄戦後も、「上の毛」はその姿をとどめていたが、1951年(昭和26)3月に米軍の立入禁止区域から辻(つじ)・若狭町が開放されたことによる区画整理事業の実施、さらに泊港南岸地域の埋立(現前島3丁目、若狭3丁目一帯)により削り取られ、その岩石は、埋立工事に使用された。1959年(昭和34)9月に、残っていた「雪の崎」側の岩礁は、ダイナマイト爆破により取り除かれた。「上の毛」跡地には若狭小学校(1957年開校)が新設され、周辺に住宅地・公園用地が整備された。現在、爆破により残った岩の一部が、公園用地に取り込まれ、周辺住民の拝所として利用されている＝
参考2＝ペリー提督上陸記念碑＝（ニッポン旅マガジンHPより）
ペリーが浦賀来航前に、琉球にも立ち寄り、上陸した地
ペリーは首里城への訪問を打診しましたが、琉球王府はこれを拒否。
ペリーはこれを無視して、武装した兵員とともに上陸し、行進しながら首里城まで進軍、入城を迫ります。
琉球王府は、武具の持込み、兵の入城だけは拒否し、ペリーは武装解除した士官数名とともに首里城内に入り、北殿で茶と菓子でのもてなしを受けています。
このとき、ペリーは琉球王府に対し、開国を促すフィルモア大統領親書を手渡し、さらに返礼として王府の高官を旗艦「サスケハナ」に招待し、同行のフランス人シェフの料理を振る舞っています。
当時の琉球王国は、薩摩藩島津氏の統治下に置かれていましたが、清国との朝貢関係も維持するという「両属」の体制で存続を図っていました。
艦隊の一部は那覇にとどまり、6月9日に出航、6月14日〜6月18日にかけて、領有のはっきりしない小笠原諸島を探検、小笠原の領有を宣言しますが、イギリスの抗議を受け、領有に関してはあいまいになっています。
ペリーは6月23日に一度琉球へ帰還、その後、7月2日、浦賀を目指して出航しています。
浦賀に到着するのは、1853年7月8日（嘉永6年6月3日）夕刻のこと。
あまり知られていませんが、1854年3月31日（嘉永7年3月3日）、江戸幕府と日米和親条約（神奈川条約＝下田と箱館の2港の開港を約束）を締結した後、那覇に寄港し、1854年7月11日、琉球国中山府「総理大臣尚宏勲」および「布政大夫馬良才」との間にも琉米修好条約（正式名は「亜米利加合衆国琉球王国政府トノ定約」）を結び、琉球王府はアメリカに対し水、食料、燃料（薪）の補給、遭難船の救助、外国人墓地の保護などを約束しています。
当時のアメリカは捕鯨船の寄港、東アジアへの航路の確保が重要な課題で、琉球も重要な位置にあったのです。
アメリが軍政下の昭和25年5月26日、シーツ軍政長官は、ペリーが那覇に到来した5月26日を「琉米親善日」に指定しています。
ペリー提督上陸記念碑から 銘苅墓跡群に向かう。このお墓群は、グスク時代〜琉球王朝〜明治時代まで続く大規模な墓域で、その中の「伊是名殿内の墓」は特に県内最大級の亀甲墓として知られているようだ。この後、末吉公園に向かったが、ここからの琉球八社の「末吉宮」への行き方がわからず、またかなり石段の登下降があるようで、時間も心配になり、別のアクセスを探すが見つからなかった。已む無く王城朝薫記念碑に向かう。玉城朝薫の生誕三百年記念碑の玉城朝薫とは、17〜18世紀に活躍した琉球の組踊の創始者で、この組踊がその後も発展を続け、現在では国の重要無形文化財に指定されているそうだ。お墓の墓室内には細粒砂岩の石柱と梁が組まれ、大変珍しいもので沖縄に二例しかないという。
参考：銘苅墓跡群＝メカルハカアトグン＝（沖縄県観光資源データベースより）
沖縄戦当時、激戦区であったとされる天久地区。その中にあって今も自然のビオトープを形成する「天久湿地帯」を眼前に抱える「天久公園」の側に「銘苅墓跡群」はある。銘苅墓跡群は、沖縄における歴史・文化の独自性を示す葬・墓制の一端を見ることのできる、きわめて重要かつ貴重な史跡である。
学術的詳細
文化財（国指定史跡） 指定年月日：平成19年7月26日
銘苅墓跡群は、グスク時代から琉球王府時代、明治時代に続く大規模な墓跡群である。銘苅川北岸の指定地内には、36体の風葬人骨が出土した「囲込岩陰墓」のほか、「掘込墓」・「亀甲墓」など合計29基の古墓が保存されている。また、西側の天久公園敷地内には、「伊是名殿内の墓」と呼ばれる、県内でも屈指の規模を誇る亀甲墓が保存されている。銘苅墓跡群は、沖縄における歴史・文化の独自性を示す葬・墓制の一端を見ることのできる、きわめて重要かつ貴重な場所となっている。銘苅墓跡群は、今後整備を行い公開する予定である。
「伊是名殿内の墓」は、小高い山を三面に切り取り、その切り取った土で敷地を造成してつくられた、面積約660平方メートルの県内最大級の亀甲墓。規模・建造技術は沖縄県内の墓の中でも傑出しており、道教（風水）の思想を基につくられている。この墓は、その外観より18世紀代の様式のものであることが伺える。亀甲墓は17世紀に中国南部から伝わり士族階級に広がり18世紀代に沖縄において独自の発達をして完成された墓で、この墓はその特徴をよく表している代表的な墓といえる。
情報引用元
那覇市教育委員会設置看板
浦添グスクに向おうと思っていたら、その中のようどれ館というガイダンス館がなぜか11時開館でまだ開いていないというgoogleのお達しなので、先に浦添市の歴史にふれる館に向かう。結局、ここで話を聞いたら、それは全くの間違えで実は月曜休館で今日は休みだった。さて、浦添市歴史にふれる館は、昨年一度訪問しているが、あわただしい訪問でここではまず、「嘉門(かじょう)貝塚」の企画展コーナーがあり、今はすでに消滅した貝塚の出土品から、この地域の暮らしを考えるヒントになる。この貝塚は3500年前ころ（縄文後期）から弥生時代を通じて様々な出土品、遺構が出ている。縄文後期に関しては弥生時代へと続く集落遺構が検出され、小さな竪穴住居の模型が展示されていた。さらに弥生時代には貝製品の原料、製作跡、未成品が出土し、貝交易が盛んな沖縄の海岸集落の特色が理解できる。それは展示されていた在地土器と九州などからやってきた弥生土器の両方が出土したことからもわかる。貝製品と九州などの何を交換したのかは不明だが本州からは新潟糸魚川のヒスイも来ている。当時沖縄では農耕を行っていないのでお米などは珍重された可能性がある。
浦添市立歴史にふれる館で学芸員の方に少し質問しながら、展示されている遺跡で現在も痕跡などが残っている場所を訪ねると、さすがに嘉門(かじょう)貝塚は開発で住宅地になり、消滅してしまったが、浦添貝塚と大山マヤーガマ洞穴遺跡を紹介していただいた。旭橋駅付近で借りた電動シェアサイクルの電源が残り30％を切ってきたので、途中で電源が切れると困るので、歴史館付近にあるシェアポートを探し、返却でき、かつ新規で借りられそうなポートを探し、チャリを走らせてポートで借りるチャリの充電を確認してチャリを借りる。少し錆がある古いタイプなので心配ではあったが、とりあえずチャリを交換して再出発、まず浦添貝塚に向かう。浦添グスクと同じ方向で坂道が続く。前の新しそうな別のタイプのチャリはあまり馬力がなく、今度の古そうなチャリのほうが馬力があった。浦添貝塚は、153号線を進み、浦添大公園の前を通過しつつあるときに貝塚の位置が示された。公園内に駐輪し、看板がないので、女子高生が一つで座っている東屋を通過する際、貝塚が上にあるかどうか尋ねようかと思ったが、気が引けてそのまま丘の上に上っていくと上部には遊歩道があり、貝塚の看板が見えた。その奥は藪になっていておそらく岩陰などがあったのではないかと想像した。近く委に別の「伊祖の高御墓」という中世（鎌倉時代くらい）の古いお墓の看板があるので、それらしき階段を上っていくとそれがある。崖の斜面に築かれた石積みのお墓の奥には洞窟というか岩陰があり、それを含めて墓域のようだが、もしかしたら浦添貝塚の縄文人も利用したかもしれない。チャリまで戻るとすでに女子高生の姿はなかった。そこから浦添グスクまでの坂道を何とか乗り切って、まずグスクのガイダンス館であるようどれ館に駐輪する。その手前にウナギ弁当を売る店があり、グスク付近で食べることにした。ガイダンス館は浦添市立歴史ふれあい館の言う通り、月曜休館だったが、浦添市歴史ふれあい館の展示で見て職員の方に確かめた仲間後原遺跡の石でできた解説板があった。先の職員のお話だと、出土するものは浦添グスクから出てくるものとほぼ同じで、どういう性格の遺跡かは不明という。浦添グスク一帯はカビの発生などを予防するために飲食を禁じているので、ここの東屋でウナギ弁当を食べて、少し英気を養った。
参考：伊祖の高御墓（おきなわ物語HP）＝浦添市の丘陵の中腹北側斜面にあって、自然の洞穴を利用し全面を琉球石灰岩の石垣で塞いだ古墓です。
地上から20m程の高所に位置することから高御墓（たかうふぁか）と呼ばれています。
地元では英祖王(えいそおう・1229〜1299)の父、恵祖世主（えそよのぬし）の遺骨が納められていると伝えられていて、墓内には、石厨子1基と甕棺2基が安置されています。
墓の形式は、崖の洞穴を利用した岩陰葬墓(いわかげそうばか)で、前面は琉球石灰岩を相型積み（亀甲乱れ積みともいう）で積み重ねて塞いでいます。墓口が広く古い形式に属する墓です。
現地の由緒書きには、次のとおり記されています。
県指定有形文化財(建造物)伊祖(いそ)の高御墓(たかうはか) 昭和47年2月25日指定
伊祖の高御墓は、伊祖部落の北東をほぼ東西に延びる浦添丘陵の石灰岩の中腹北側斜面にある。俗に「タカウファカ」と呼ばれ、英祖王(在位1260〜99)の父祖、恵祖世主(いそゆぬぬし)の墓として知られている。墓は岩の中腹にある洞穴を利用し、その前面を相方積(あいかたづ)み(亀甲乱れ積みともいう)で積み重ねて塞(ふさ)いだ崖葬(がいそう)墓である。墓口が広く、歴史的に古い形式に属するもので、沖縄における墓の変遷を知る上で極めて貴重な墓である。墓内には石厨子(いしずし)一基と甕棺(かめかん)2基が安置されている。なお、近くには浦添貝塚(うらそえかいづか)があり、貝塚期には岩陰住居(がいいんじゅうきょ)として利用されたと考えられている。昭和47年、国道330号（バイパス）建設工事によって存亡の危機にさらされたが、県民の保存運動、関係者の努力によって浦添貝塚とともに保存された。
昭和61年3月25日 沖縄県教育委員会 浦添市教育委員会
さて、仲間後原遺跡を確認して浦添グスクに向かう。チャリで遺跡公園の中に入り、チャリを置いて遊歩道の階段を下るとグスクの遺構が見えてくる。石灰岩のがけの途中に石積みの立派な石垣が見えてきた。しかし、このグスクは実は先の戦争で徹底的に破壊されてしまったらしい。その後の発掘調査で確認された遺構や出土遺物から在りし日のグスクを復元したのが今日の姿なのだという。ごく一部に在りし日の石材が積まれた箇所があるらしいが、その時はそこまでわからなかった。しばらく遺構を見学してから次の宜野湾市立博物館に向かった。
浦添市で貝塚の展示が中心だったが、宜野湾市立博物館の企画展「縄文時のの宜野湾」では、かつて別府大学の賀川光夫助教授（当時）が1958年、琉球政府文化財保護委員会（現在の県教育委員会）の故多和田真淳氏との共同調査で層位学的な手法を取り入れて発掘調査を行った。その時の出土品は別府大学が収蔵保管していたが、宜野湾市がこのほど、この企画展を計画したときに、別府大学と出土品の返還も含めて企画展の相談をした際に別府大学が出土品返還に合意して、ついにそれが実現したという。大山貝塚出土土器は縄文後期の終わりごろの土器で、大山式土器のタイプ資料（基準資料）となっている。この変換された出土品は撮影禁止になっており、残念だった。他の展示品も撮影許可が必要で、許可を取った場合もそれをネットなどに乗せる場合は博物館に申請しなければならないという。
また縄文時代の後の時代になると、それまでは岩陰などでの死者の埋葬が見られた宜野湾でも九州南部の弥生時代〜古墳時代などにみられる「箱式石棺墓」などの新しい埋葬法が出現する九州など他地域との交流が特に貝交易を関連して盛んになったためであろうか？展示では出土人骨の複願や体格の比較などの展示もあった。
館を出て、展示されていた土器を出土した大山貝塚に向かう。実は宜野湾市の中心部に日本一危険といわれる普天間基地がある。周囲は住宅街が広がるが、基地は大地の高台にある。その周囲には住宅地のほか、様々な遺跡も眠っている。大山貝塚もそうした基地の境界の高台に存在する。google mapのナビに従って高台に上っていくと普天間基地の海兵隊宿舎の手前に出た。基地のフェンス沿いに歩けるので、少し進むと大山貝塚の石碑などが現れた。さらに奥に進むと貝塚の発掘現場に関する表示があり、周囲の石灰岩の岩場をぐるっと発掘した様子を思い浮かべることができる。またこの周辺は地元住民の祈りの場「御嶽＝うたき」となっており、大きな祠などを見ることができる神聖な場所で入口にこの場を荒らしてはならない旨の看板があった。チャリに戻ると米軍ジープが現れ、黒人兵らしき人が出てきて、こちらをちらっと見てから宿舎に入っていった。時刻はすでに13時半を回っていた。
参考＝大山貝塚（文化財データベースより）
大山貝塚 おおやまかいづか
史跡
沖縄県
宜野湾市大山
指定年月日:19720515
管理団体名:
史跡名勝天然記念物
S47-5-178大山貝塚.txt: 那覇市の北東約10キロ、沖縄本島西海岸にのぞむ丘陵上にある。海岸沿いの狭い平地からゆるやかに丘陵斜面を登りつめると、巨岩が立ちはだかるように連なっている。遺跡はこの巨岩下のテラス状の平地にある。
昭和32年に実施された発掘調査では、貝層は約50センチの堆積となっており、石器・土器・骨製品などが出土している。出土の土器は、荻堂・伊波貝塚出土品とくらべて、型式的に後のものが主体で、層位的にもほぼこのことは確認されており、それは現在南島先史土器のうち大山式土器として標式になるものとされている。
参考＝別府大学から返還された大山貝塚出土土器など（琉球新報より）
大山式土器が65年ぶりに大分県から宜野湾市に戻ってきたことを喜ぶ宜野湾市立博物館の平敷兼哉館長（左）と長濱健起学芸係長＝25日、宜野湾市真志喜の市立博物館
この記事を書いた人
琉球新報社
【宜野湾】宜野湾市大山の国指定史跡「大山貝塚」で65年前に出土した約3千年前の土器などがこのほど、大分県の別府大学から宜野湾市立博物館に譲渡された。貝塚からの出土品は沖縄県立博物館でも保管しているが、市立博物館では所蔵していなかった。同博物館の平敷兼哉館長は「国指定史跡だが知名度は低い。宜野湾にも立派な土器があることを知ってもらい、アピールする機会になればうれしい」と話す。市立博物館では25日から始まった秋の企画展「縄文時代の宜野湾」で一部展示を開始した。
別府大学から宜野湾市に戻ってきた出土品は復元された大山式土器3点や土器片、獣骨、石のまな板など約480点。3年前に市立博物館関係者からの情報で、別府大学で保管されていることが分かった。同大は市に無償で譲渡した。大山式土器は鍋などとして用いられていたと考えられ、縦長で上部の口部分に模様が刻まれているのが特徴だ。
土器などが出土した大山貝塚は米軍普天間飛行場のフェンス沿いにあり、地元では「ミスクムゥイ」と呼ばれる聖地。縄文時代後期に集落があったとみられる。
大山貝塚を見学し、次に大山マヤーガマ洞穴遺跡を訪問する予定だったが、この先、チャリを返却してタクシーに乗り換え、木綿原遺跡や読谷村の世界遺産座喜味グスクと博物館まで行く計画だったので、時間が切迫してきて、ここであきらめてこの洞窟遺跡と北谷（ちゃたん）町のグスクを今回はあきらめ、北谷町にある伊礼波遺跡を見学してから近くのローソンにあるポートまで走ってチャリを返却し、タクシーに乗り換えることにした。タクシー会社に電話してローソンの場所と予定時刻を告げて、チャリを走らせる。伊礼原遺跡までは7km近くあるので、普天間基地のエリアから58号線に入り、やや緩やかな上り坂を必死に漕いで北谷町に入り、米軍基地の町らしい多くの兵士向けの歓楽街や店などを目にしながら、遺跡を目指し、国道を右折すると伊礼原遺跡の看板らしきものが正面に見える。伊礼原遺跡は縄文時代早期から晩期までの長期にわたる島の暮らしの変遷がわかる重要な遺跡で国指定史跡となり、現在史跡整備が進められているようだ。近づくと工事中で、この国指定遺跡の整備と北谷町の新しい博物館の建設工事だった。中には入れないので外からその様子を撮影し、また博物館と遺跡整備が終わったら見学に訪れることを期待し、チャリを返却するローソンのポートへと急ぐ。約束の2時半を少し回ってしまい、ローソンの敷地に入るとタクシーが止まっているので、すぐに運転手に挨拶をして、チャリ返却手続きを行う。古いタイプなので返却方法を思い出すまでに時間がかかってしまう。ようやくタクシーに乗り込み、世界遺産に向かう前に読谷村渡具知にある木綿原遺跡に立ち寄ってもらう。
木綿原遺跡は読谷村渡具知（とぐち）にある海岸べりの遺跡で、弥生時代九州南部のにみられる箱式石棺墓が出土し、沖縄と九州や本州などとの交流の様子がわかる遺跡として極めて重要で、国史跡となり、整備が進んでいる。現地では解説板のほか、石棺墓の位置を示す跡があるなどの様子で、少し裏の藪をかき分けて進むと、そこは美しい海と浜辺が広がっていた。海の向こうから人がやってくるイメージが浮かび、種子島の広田遺跡で見たような光景に近かった。
参考：伊礼原遺跡（コトバンクより）＝伊礼原遺跡（読み）いれいばるいせき
国指定史跡ガイド 「伊礼原遺跡」の解説
いれいばるいせき【伊礼原遺跡】
沖縄県中頭(なかがみ)郡北谷(ちゃたん)町桑江にある集落跡。県南西部、東シナ海に面し、遺跡東側の丘陵を水源とするウーチヌカー（湧水）によって形成された標高2mの低湿地と、その南に広がる標高4mの砂丘地域からなる。米軍基地の返還にともなう区画整理事業に先立つ確認調査で発見され、1997年（平成9）からの発掘調査の結果、縄文時代前期から晩期にかけての集落遺跡であることがわかった。低湿地からは、最下層（前期）で奄美・沖縄地域最古の縄文土器とされる南島爪形文土器が出土し、その上の層（前期）でオキナワウラジロガシを貯蔵した遺構が確認され、さらに上の中期から晩期に及ぶ層で、長さ65cm、高さと幅が25cmの内部が刳(く)り抜かれた木製容器、木製の櫛、イノシシの牙やサメの歯の垂飾具などが出土した。砂丘地域からは、中期の炉3基と多数の柱穴、後期の1辺3mの石敷き住居跡や集石遺構、晩期の多量の土器などを含む竪穴(たてあな)住居跡が確認された。また、晩期に属する新潟県糸魚川産のヒスイ製の玉や九州産の黒曜石製の剝片や九州から搬入された土器も出土しており、縄文時代における奄美・沖縄地域と日本列島との交流を示している。2010年（平成22）に国の史跡に指定された。那覇空港から車で約38分＝（琉球新報、ほか）
参考＝琉球新報記事より＝【北谷】北谷町（野国昌春町長）は、縄文時代前期約7千年前の土器や石器、動物の骨や貝の製品が多数出土した国指定史跡「伊礼原遺跡」を活用して、縄文当時の自然環境や住居を再現した史跡公園を整備する。
隣接して遺物を展示、収蔵する北谷町立博物館（仮称）も建設する。総事業費は16億円前後、総敷地面積は約2万3千平方メートルで2019年度の開館を目指して作業を進める。
伊礼原遺跡は約7千年前から集落が形成された県内唯一、国内でも珍しい遺跡として10年に国指定史跡に認定された。
北谷町の史跡伊礼原遺跡整備基本計画では、約1万7千平方メートルある遺跡敷地を五つの地域に区分した。縄文時代の人々が暮らした竪穴式住居跡などを復元して体験学習の場を設ける。
縄文の森地区ではイタジイやガジュマルを植栽して当時の里山の環境を再現。低湿地環境地区は湧き水のウーチヌカーやザルで作った貯蔵穴を復元する。海岸をイメージした海進地区、砂丘や芝生の広場や住居跡地も設ける。
博物館の敷地面積は約6千平方メートル、建築面積は1800平方メートルになる。遺物の常設展示や収蔵のほか、体験学習の機能も備えた観光資源や町民交流の場としても活用する。計画では体験活動の例として、史跡公園と連動した宿泊縄文人体験や遺跡でのキャンプ、縄文時代の道具作りや食体験などを例示した。
事業費は博物館が10億円、史跡公園が6億円前後を想定する。本年度の基本設計、実施設計を経て17年度に工事着工、18年度の完成を目指す。
野国町長は「国内でも一級品の遺跡が残る。縄文当時の生活を学び、町の伝統・文化の掘り起こしに役立つ博物館と遺跡を整備したい」と話している。（宮城征彦）
参考＝木綿原遺跡（文化財データベースより）
もめんばるいせき 史跡 / 沖縄 / 沖縄県
沖縄県中頭郡読谷村 指定年月日:19781115
管理団体名:史跡名勝天然記念物
解説
S52-12-044木綿原遺跡.txt: 本遺跡は、沖縄本島の中部、東シナ海にのぞむ海岸線に並行し、幅40メートル以上の砂丘上に所在する。延長150メートルを越える大規模なものと考えられる。
遺跡は、沖縄貝塚時代中期を中心とし、前期包含層もみられる。遺跡南半部のやや内陸寄りには中期の貝塚が形成されており、中央部には同時期の墓域の存在が確認されている。この墓域内の小範囲の発掘で箱式石棺墓6基と特別な埋葬施設を伴わない人骨3体が発見されている。箱式石棺墓は、いずれもその上部を丸い石灰の岩塊や、板状のサンゴ石灰岩などで覆われていて、この集石群ををとりはずすと箱式石棺墓が姿を現わすのである。
たとえば、第1号箱式石棺墓には、1体ずつの計3体が重なり埋葬されていた。そのうち、中層の1体のみが長く保存されており、伏臥伸展葬を示していた。足もとを2個のシャコガイ、顔面額にはサラバテイラの頂部があてられていた。上層人骨には甕形土器が副葬されており、ほかに巻貝製玉がある。また、石棺外に接して弥生式土器の甕と磨製石斧がある。
これらの箱式石棺墓は、沖縄におけるはじめての発見であり、九州方面の弥生文化との交渉を具体的に示唆するものである。また、同時に招来されたと考えられる弥生式土器は、沖縄の先史文化の編年を弥生文化との関連についてより詳細に把握するための資料として重要である。
木綿原遺跡見学を終え、座喜味グスクのあるユンタンザミュージアムまでタクシーで送ってもらう。ミュージアムでは先ほどみた木綿原遺跡出土品やその他多くの重要遺跡の展示があった。木綿原からは貝塚時代の石棺墓のほか多くの貝塚時代の遺跡やグスク時代の遺跡の展示があり、ここの展示は世界遺産を控えてのミュージアムらしく展示は立派で見どころも多く、見ごたえがある。大山式土器その他多くの時期の土器展示もあり、海岸部の多いこのムラの遺跡から出土する多くの貝製品やジュゴンの骨などから作られる蝶型装飾品、貝符など、日本海を通じて新潟のヒスイや北海道の礼文島などまで行き渡った貝製品交易の姿を感じ取ることができる。
帰りの那覇までのバス時間ぎりぎりまでグスクの見学をして、バス停に向かったが、バス停の位置がよく確認できず、慌てて探すが、バス停についてもバス停の名称が少し違うような気がして一つ先のバス停を見てみようとしたら、バスが通過してしまう。慌てて次のバスをチェックするが一時間後、そのほかのバスなどを探すが、googleのナビを信じて2km先のやちむんの里の先のバス停まで急いで歩いたが、実際のバス停に到着すると、ナビが示すようなバスの時間ではなく、まだ30分ほど先になり、そのバスも那覇まで行くか時刻表でははっきりわからない。別のカナダの日系人らしい女性もバス停にやってきたがやはりグーグルナビできたらしい。那覇からバスで子のバス停の向かいのバス停まで来て目的を達して那覇の親戚のところに戻るらしいが、日本語が読めず困っていた。私はやむなくタクシーを呼んだが、女性はバスを待って自力で戻るという。那覇までは30kmあまりだが、沖縄はモノレールと路線バスなど以外に公共交通がなく、車が多すぎて混雑すると運転手は言う。30kmもないのにナビは1時間以上かかるとなっている。このままだと那覇にいつ戻れるか、いくらかかるかわからないので、最寄りのモノレールの駅を探して、浦添前田駅に向かうことにした。ここでも渋滞はひどかったが、なんとか6時半のモノレールに間に合い、料金も6千円強で済んでやれやれ。モノレールに乗り込み、旭橋駅で預けた荷物をロッカーからピックアップして、なんと那覇空港かのフライトに間に合った。今回食べるチャンスのなかった沖縄そばを乗り込む前に食べて三日間の忙しい旅を終了した。
参考：世界遺産座喜味グスク（グスクへの道標サイトHPより）
座喜味グスク
（ザキミグスク・読谷山グスク）
所在地：読谷村宇座喜味城原
★グスクの概要
史跡指定：国指定史跡
世界遺産：琉球のグスク及び関連遺産群
・築城者：護佐丸
・築城形式：連郭式（2つの郭）
・標高：約127m
・面積：6,800��
写真集を見る（21枚）
●読谷村座喜味集落の北側、小高い国頭マージの台地に築かれたグスクです。グスクは二つの郭からなる連郭式 で、一の郭とニノ郭に石造りの拱門（アーチ門）があります。この城門は、現存する沖縄のアーチ門でも最古のものと見 られており、棟石の中央のかみ合う部分にクサビ石がはめ込まれた特徴をもっています。
山田グスク等の積み石を運ばせて築いた座喜味グスクに護佐丸が居住したのは17〜8年程と言われており、1440年頃に中城村 に国替えになります。 戦後、米軍基地になり荒れ果てていた古城も大部分が復元されたうえ、世界遺産に登録されたことで一躍有名になり観光地 として賑わいを見せています。
王の殿に向かう。
王の殿は、王農大親という16世紀の人を奉った祠で、湧田神社とも呼ばれる。石積みの技法や井戸の規模など当時の有力者の居住地の様子を残す貴重な遺跡と書いてあった。
沖縄の遺跡・文化財は、薩摩による併合、明治政府による琉球処分、さらに第二次大戦による大きな破壊、焼失、戦後の米軍基地建設などにより、大きな痛手を受けてきた。そんな遺跡の一つが雪の崎跡(ユーチヌサチアト)だ。実はこの遺跡ではなく「若狭土帝君址」という遺跡を見学に行ったが、それがうまく見つからず、唯一それらしき石灰岩の小丘の上にある祠に上ってみた。そこには雪の崎跡(ユーチヌサチアト)に関する解説があり、どうやら土帝はその前に立てかけてる石の祠のようだ。土帝は中国の神様のようで、いかにも琉球らしいが、このあたり一帯はかつては石灰岩に覆われた岩礁台地で、拝所や墓地が多くあったが、米軍による立ち入り禁止が解かれた後、様々な開発行為、ダイナマイト爆破などにより、大半が失われ、いま若狭公園内に残るのはごく一部の「上の毛」という拝所だけになった。隣にある若狭小学校もそうした破壊の上に建てられた学校だという。
若狭公園から少し走り、泊埠頭わきのの上を走る自動車道路のわきの歩道を走っていたが、悪い予感が当たり、泊埠頭を渡り終えると歩道が途切れ、階段になってしまった。已む無く階段を思い電動を引きづりながら地上に降り立った。そのせいか、その後チャリを見ると錆びたスタンドの部品が外れてスタンドが十分たたなくなってしまう。なんとかピンチを脱してペリー提督上陸記念碑を見学、ここは泊外人墓地の中にあり、鍵は開いていたので中に入り、石碑を見学する。アメリははペリー来日を契機に日本に関する情報を蓄積していったようだ。ペリー提督の那覇寄港はあまり知られていないので、これは貴重なものを見たと感じた。
参考＝雪の崎跡(ユーチヌサチアト＝那覇市歴史博物館HPより)
那覇市の北西部にあった岬の名称。中国からの冊封使節の記録には「雪崎山(せっきざん)」と見える(李鼎元(りていげん)「使琉球記(しりゅうきゅうき)」)。
「雪の崎」は、若狭町(わかさまち)の中央北側に広がっていた「上の毛(ウィーヌモー)」と呼ばれる高さ20m程の岩礁台地(がんしょうだいち)の突端。その下部が波の浸食により削られ、方言で「ユーチ」と呼ばれる斧(よき)(小型な斧(おの)、斧(おの)は方言で「ウーン」という)の形に似ていることから、「ユーチヌサチ」と呼ばれ、「ユーチ」の音から「雪」の字が充てられた。
「上の毛」は古くから拝所として利用され、崖下には大きな洞穴があったという。また「上の毛」の東側は墓地地帯で、さらに「アカチラ原(バル)」と呼ばれる海岸沙汀地(さていち)が広がっていた。西側には、「耳切坊主(ミミチリボーシ)」で有名な黒金座主(くろがねざす)の寺とされる護道院(ごどういん)があった。
沖縄戦後も、「上の毛」はその姿をとどめていたが、1951年(昭和26)3月に米軍の立入禁止区域から辻(つじ)・若狭町が開放されたことによる区画整理事業の実施、さらに泊港南岸地域の埋立(現前島3丁目、若狭3丁目一帯)により削り取られ、その岩石は、埋立工事に使用された。1959年(昭和34)9月に、残っていた「雪の崎」側の岩礁は、ダイナマイト爆破により取り除かれた。「上の毛」跡地には若狭小学校(1957年開校)が新設され、周辺に住宅地・公園用地が整備された。現在、爆破により残った岩の一部が、公園用地に取り込まれ、周辺住民の拝所として利用されている＝
参考2＝ペリー提督上陸記念碑＝（ニッポン旅マガジンHPより）
ペリーが浦賀来航前に、琉球にも立ち寄り、上陸した地
ペリーは首里城への訪問を打診しましたが、琉球王府はこれを拒否。
ペリーはこれを無視して、武装した兵員とともに上陸し、行進しながら首里城まで進軍、入城を迫ります。
琉球王府は、武具の持込み、兵の入城だけは拒否し、ペリーは武装解除した士官数名とともに首里城内に入り、北殿で茶と菓子でのもてなしを受けています。
このとき、ペリーは琉球王府に対し、開国を促すフィルモア大統領親書を手渡し、さらに返礼として王府の高官を旗艦「サスケハナ」に招待し、同行のフランス人シェフの料理を振る舞っています。
当時の琉球王国は、薩摩藩島津氏の統治下に置かれていましたが、清国との朝貢関係も維持するという「両属」の体制で存続を図っていました。
艦隊の一部は那覇にとどまり、6月9日に出航、6月14日〜6月18日にかけて、領有のはっきりしない小笠原諸島を探検、小笠原の領有を宣言しますが、イギリスの抗議を受け、領有に関してはあいまいになっています。
ペリーは6月23日に一度琉球へ帰還、その後、7月2日、浦賀を目指して出航しています。
浦賀に到着するのは、1853年7月8日（嘉永6年6月3日）夕刻のこと。
あまり知られていませんが、1854年3月31日（嘉永7年3月3日）、江戸幕府と日米和親条約（神奈川条約＝下田と箱館の2港の開港を約束）を締結した後、那覇に寄港し、1854年7月11日、琉球国中山府「総理大臣尚宏勲」および「布政大夫馬良才」との間にも琉米修好条約（正式名は「亜米利加合衆国琉球王国政府トノ定約」）を結び、琉球王府はアメリカに対し水、食料、燃料（薪）の補給、遭難船の救助、外国人墓地の保護などを約束しています。
当時のアメリカは捕鯨船の寄港、東アジアへの航路の確保が重要な課題で、琉球も重要な位置にあったのです。
アメリが軍政下の昭和25年5月26日、シーツ軍政長官は、ペリーが那覇に到来した5月26日を「琉米親善日」に指定しています。
ペリー提督上陸記念碑から 銘苅墓跡群に向かう。このお墓群は、グスク時代〜琉球王朝〜明治時代まで続く大規模な墓域で、その中の「伊是名殿内の墓」は特に県内最大級の亀甲墓として知られているようだ。この後、末吉公園に向かったが、ここからの琉球八社の「末吉宮」への行き方がわからず、またかなり石段の登下降があるようで、時間も心配になり、別のアクセスを探すが見つからなかった。已む無く王城朝薫記念碑に向かう。玉城朝薫の生誕三百年記念碑の玉城朝薫とは、17〜18世紀に活躍した琉球の組踊の創始者で、この組踊がその後も発展を続け、現在では国の重要無形文化財に指定されているそうだ。お墓の墓室内には細粒砂岩の石柱と梁が組まれ、大変珍しいもので沖縄に二例しかないという。
参考：銘苅墓跡群＝メカルハカアトグン＝（沖縄県観光資源データベースより）
沖縄戦当時、激戦区であったとされる天久地区。その中にあって今も自然のビオトープを形成する「天久湿地帯」を眼前に抱える「天久公園」の側に「銘苅墓跡群」はある。銘苅墓跡群は、沖縄における歴史・文化の独自性を示す葬・墓制の一端を見ることのできる、きわめて重要かつ貴重な史跡である。
学術的詳細
文化財（国指定史跡） 指定年月日：平成19年7月26日
銘苅墓跡群は、グスク時代から琉球王府時代、明治時代に続く大規模な墓跡群である。銘苅川北岸の指定地内には、36体の風葬人骨が出土した「囲込岩陰墓」のほか、「掘込墓」・「亀甲墓」など合計29基の古墓が保存されている。また、西側の天久公園敷地内には、「伊是名殿内の墓」と呼ばれる、県内でも屈指の規模を誇る亀甲墓が保存されている。銘苅墓跡群は、沖縄における歴史・文化の独自性を示す葬・墓制の一端を見ることのできる、きわめて重要かつ貴重な場所となっている。銘苅墓跡群は、今後整備を行い公開する予定である。
「伊是名殿内の墓」は、小高い山を三面に切り取り、その切り取った土で敷地を造成してつくられた、面積約660平方メートルの県内最大級の亀甲墓。規模・建造技術は沖縄県内の墓の中でも傑出しており、道教（風水）の思想を基につくられている。この墓は、その外観より18世紀代の様式のものであることが伺える。亀甲墓は17世紀に中国南部から伝わり士族階級に広がり18世紀代に沖縄において独自の発達をして完成された墓で、この墓はその特徴をよく表している代表的な墓といえる。
情報引用元
那覇市教育委員会設置看板
浦添グスクに向おうと思っていたら、その中のようどれ館というガイダンス館がなぜか11時開館でまだ開いていないというgoogleのお達しなので、先に浦添市の歴史にふれる館に向かう。結局、ここで話を聞いたら、それは全くの間違えで実は月曜休館で今日は休みだった。さて、浦添市歴史にふれる館は、昨年一度訪問しているが、あわただしい訪問でここではまず、「嘉門(かじょう)貝塚」の企画展コーナーがあり、今はすでに消滅した貝塚の出土品から、この地域の暮らしを考えるヒントになる。この貝塚は3500年前ころ（縄文後期）から弥生時代を通じて様々な出土品、遺構が出ている。縄文後期に関しては弥生時代へと続く集落遺構が検出され、小さな竪穴住居の模型が展示されていた。さらに弥生時代には貝製品の原料、製作跡、未成品が出土し、貝交易が盛んな沖縄の海岸集落の特色が理解できる。それは展示されていた在地土器と九州などからやってきた弥生土器の両方が出土したことからもわかる。貝製品と九州などの何を交換したのかは不明だが本州からは新潟糸魚川のヒスイも来ている。当時沖縄では農耕を行っていないのでお米などは珍重された可能性がある。
浦添市立歴史にふれる館で学芸員の方に少し質問しながら、展示されている遺跡で現在も痕跡などが残っている場所を訪ねると、さすがに嘉門(かじょう)貝塚は開発で住宅地になり、消滅してしまったが、浦添貝塚と大山マヤーガマ洞穴遺跡を紹介していただいた。旭橋駅付近で借りた電動シェアサイクルの電源が残り30％を切ってきたので、途中で電源が切れると困るので、歴史館付近にあるシェアポートを探し、返却でき、かつ新規で借りられそうなポートを探し、チャリを走らせてポートで借りるチャリの充電を確認してチャリを借りる。少し錆がある古いタイプなので心配ではあったが、とりあえずチャリを交換して再出発、まず浦添貝塚に向かう。浦添グスクと同じ方向で坂道が続く。前の新しそうな別のタイプのチャリはあまり馬力がなく、今度の古そうなチャリのほうが馬力があった。浦添貝塚は、153号線を進み、浦添大公園の前を通過しつつあるときに貝塚の位置が示された。公園内に駐輪し、看板がないので、女子高生が一つで座っている東屋を通過する際、貝塚が上にあるかどうか尋ねようかと思ったが、気が引けてそのまま丘の上に上っていくと上部には遊歩道があり、貝塚の看板が見えた。その奥は藪になっていておそらく岩陰などがあったのではないかと想像した。近く委に別の「伊祖の高御墓」という中世（鎌倉時代くらい）の古いお墓の看板があるので、それらしき階段を上っていくとそれがある。崖の斜面に築かれた石積みのお墓の奥には洞窟というか岩陰があり、それを含めて墓域のようだが、もしかしたら浦添貝塚の縄文人も利用したかもしれない。チャリまで戻るとすでに女子高生の姿はなかった。そこから浦添グスクまでの坂道を何とか乗り切って、まずグスクのガイダンス館であるようどれ館に駐輪する。その手前にウナギ弁当を売る店があり、グスク付近で食べることにした。ガイダンス館は浦添市立歴史ふれあい館の言う通り、月曜休館だったが、浦添市歴史ふれあい館の展示で見て職員の方に確かめた仲間後原遺跡の石でできた解説板があった。先の職員のお話だと、出土するものは浦添グスクから出てくるものとほぼ同じで、どういう性格の遺跡かは不明という。浦添グスク一帯はカビの発生などを予防するために飲食を禁じているので、ここの東屋でウナギ弁当を食べて、少し英気を養った。
参考：伊祖の高御墓（おきなわ物語HP）＝浦添市の丘陵の中腹北側斜面にあって、自然の洞穴を利用し全面を琉球石灰岩の石垣で塞いだ古墓です。
地上から20m程の高所に位置することから高御墓（たかうふぁか）と呼ばれています。
地元では英祖王(えいそおう・1229〜1299)の父、恵祖世主（えそよのぬし）の遺骨が納められていると伝えられていて、墓内には、石厨子1基と甕棺2基が安置されています。
墓の形式は、崖の洞穴を利用した岩陰葬墓(いわかげそうばか)で、前面は琉球石灰岩を相型積み（亀甲乱れ積みともいう）で積み重ねて塞いでいます。墓口が広く古い形式に属する墓です。
現地の由緒書きには、次のとおり記されています。
県指定有形文化財(建造物)伊祖(いそ)の高御墓(たかうはか) 昭和47年2月25日指定
伊祖の高御墓は、伊祖部落の北東をほぼ東西に延びる浦添丘陵の石灰岩の中腹北側斜面にある。俗に「タカウファカ」と呼ばれ、英祖王(在位1260〜99)の父祖、恵祖世主(いそゆぬぬし)の墓として知られている。墓は岩の中腹にある洞穴を利用し、その前面を相方積(あいかたづ)み(亀甲乱れ積みともいう)で積み重ねて塞(ふさ)いだ崖葬(がいそう)墓である。墓口が広く、歴史的に古い形式に属するもので、沖縄における墓の変遷を知る上で極めて貴重な墓である。墓内には石厨子(いしずし)一基と甕棺(かめかん)2基が安置されている。なお、近くには浦添貝塚(うらそえかいづか)があり、貝塚期には岩陰住居(がいいんじゅうきょ)として利用されたと考えられている。昭和47年、国道330号（バイパス）建設工事によって存亡の危機にさらされたが、県民の保存運動、関係者の努力によって浦添貝塚とともに保存された。
昭和61年3月25日 沖縄県教育委員会 浦添市教育委員会
さて、仲間後原遺跡を確認して浦添グスクに向かう。チャリで遺跡公園の中に入り、チャリを置いて遊歩道の階段を下るとグスクの遺構が見えてくる。石灰岩のがけの途中に石積みの立派な石垣が見えてきた。しかし、このグスクは実は先の戦争で徹底的に破壊されてしまったらしい。その後の発掘調査で確認された遺構や出土遺物から在りし日のグスクを復元したのが今日の姿なのだという。ごく一部に在りし日の石材が積まれた箇所があるらしいが、その時はそこまでわからなかった。しばらく遺構を見学してから次の宜野湾市立博物館に向かった。
浦添市で貝塚の展示が中心だったが、宜野湾市立博物館の企画展「縄文時のの宜野湾」では、かつて別府大学の賀川光夫助教授（当時）が1958年、琉球政府文化財保護委員会（現在の県教育委員会）の故多和田真淳氏との共同調査で層位学的な手法を取り入れて発掘調査を行った。その時の出土品は別府大学が収蔵保管していたが、宜野湾市がこのほど、この企画展を計画したときに、別府大学と出土品の返還も含めて企画展の相談をした際に別府大学が出土品返還に合意して、ついにそれが実現したという。大山貝塚出土土器は縄文後期の終わりごろの土器で、大山式土器のタイプ資料（基準資料）となっている。この変換された出土品は撮影禁止になっており、残念だった。他の展示品も撮影許可が必要で、許可を取った場合もそれをネットなどに乗せる場合は博物館に申請しなければならないという。
また縄文時代の後の時代になると、それまでは岩陰などでの死者の埋葬が見られた宜野湾でも九州南部の弥生時代〜古墳時代などにみられる「箱式石棺墓」などの新しい埋葬法が出現する九州など他地域との交流が特に貝交易を関連して盛んになったためであろうか？展示では出土人骨の複願や体格の比較などの展示もあった。
館を出て、展示されていた土器を出土した大山貝塚に向かう。実は宜野湾市の中心部に日本一危険といわれる普天間基地がある。周囲は住宅街が広がるが、基地は大地の高台にある。その周囲には住宅地のほか、様々な遺跡も眠っている。大山貝塚もそうした基地の境界の高台に存在する。google mapのナビに従って高台に上っていくと普天間基地の海兵隊宿舎の手前に出た。基地のフェンス沿いに歩けるので、少し進むと大山貝塚の石碑などが現れた。さらに奥に進むと貝塚の発掘現場に関する表示があり、周囲の石灰岩の岩場をぐるっと発掘した様子を思い浮かべることができる。またこの周辺は地元住民の祈りの場「御嶽＝うたき」となっており、大きな祠などを見ることができる神聖な場所で入口にこの場を荒らしてはならない旨の看板があった。チャリに戻ると米軍ジープが現れ、黒人兵らしき人が出てきて、こちらをちらっと見てから宿舎に入っていった。時刻はすでに13時半を回っていた。
参考＝大山貝塚（文化財データベースより）
大山貝塚 おおやまかいづか
史跡
沖縄県
宜野湾市大山
指定年月日:19720515
管理団体名:
史跡名勝天然記念物
S47-5-178大山貝塚.txt: 那覇市の北東約10キロ、沖縄本島西海岸にのぞむ丘陵上にある。海岸沿いの狭い平地からゆるやかに丘陵斜面を登りつめると、巨岩が立ちはだかるように連なっている。遺跡はこの巨岩下のテラス状の平地にある。
昭和32年に実施された発掘調査では、貝層は約50センチの堆積となっており、石器・土器・骨製品などが出土している。出土の土器は、荻堂・伊波貝塚出土品とくらべて、型式的に後のものが主体で、層位的にもほぼこのことは確認されており、それは現在南島先史土器のうち大山式土器として標式になるものとされている。
参考＝別府大学から返還された大山貝塚出土土器など（琉球新報より）
大山式土器が65年ぶりに大分県から宜野湾市に戻ってきたことを喜ぶ宜野湾市立博物館の平敷兼哉館長（左）と長濱健起学芸係長＝25日、宜野湾市真志喜の市立博物館
この記事を書いた人
琉球新報社
【宜野湾】宜野湾市大山の国指定史跡「大山貝塚」で65年前に出土した約3千年前の土器などがこのほど、大分県の別府大学から宜野湾市立博物館に譲渡された。貝塚からの出土品は沖縄県立博物館でも保管しているが、市立博物館では所蔵していなかった。同博物館の平敷兼哉館長は「国指定史跡だが知名度は低い。宜野湾にも立派な土器があることを知ってもらい、アピールする機会になればうれしい」と話す。市立博物館では25日から始まった秋の企画展「縄文時代の宜野湾」で一部展示を開始した。
別府大学から宜野湾市に戻ってきた出土品は復元された大山式土器3点や土器片、獣骨、石のまな板など約480点。3年前に市立博物館関係者からの情報で、別府大学で保管されていることが分かった。同大は市に無償で譲渡した。大山式土器は鍋などとして用いられていたと考えられ、縦長で上部の口部分に模様が刻まれているのが特徴だ。
土器などが出土した大山貝塚は米軍普天間飛行場のフェンス沿いにあり、地元では「ミスクムゥイ」と呼ばれる聖地。縄文時代後期に集落があったとみられる。
大山貝塚を見学し、次に大山マヤーガマ洞穴遺跡を訪問する予定だったが、この先、チャリを返却してタクシーに乗り換え、木綿原遺跡や読谷村の世界遺産座喜味グスクと博物館まで行く計画だったので、時間が切迫してきて、ここであきらめてこの洞窟遺跡と北谷（ちゃたん）町のグスクを今回はあきらめ、北谷町にある伊礼波遺跡を見学してから近くのローソンにあるポートまで走ってチャリを返却し、タクシーに乗り換えることにした。タクシー会社に電話してローソンの場所と予定時刻を告げて、チャリを走らせる。伊礼原遺跡までは7km近くあるので、普天間基地のエリアから58号線に入り、やや緩やかな上り坂を必死に漕いで北谷町に入り、米軍基地の町らしい多くの兵士向けの歓楽街や店などを目にしながら、遺跡を目指し、国道を右折すると伊礼原遺跡の看板らしきものが正面に見える。伊礼原遺跡は縄文時代早期から晩期までの長期にわたる島の暮らしの変遷がわかる重要な遺跡で国指定史跡となり、現在史跡整備が進められているようだ。近づくと工事中で、この国指定遺跡の整備と北谷町の新しい博物館の建設工事だった。中には入れないので外からその様子を撮影し、また博物館と遺跡整備が終わったら見学に訪れることを期待し、チャリを返却するローソンのポートへと急ぐ。約束の2時半を少し回ってしまい、ローソンの敷地に入るとタクシーが止まっているので、すぐに運転手に挨拶をして、チャリ返却手続きを行う。古いタイプなので返却方法を思い出すまでに時間がかかってしまう。ようやくタクシーに乗り込み、世界遺産に向かう前に読谷村渡具知にある木綿原遺跡に立ち寄ってもらう。
木綿原遺跡は読谷村渡具知（とぐち）にある海岸べりの遺跡で、弥生時代九州南部のにみられる箱式石棺墓が出土し、沖縄と九州や本州などとの交流の様子がわかる遺跡として極めて重要で、国史跡となり、整備が進んでいる。現地では解説板のほか、石棺墓の位置を示す跡があるなどの様子で、少し裏の藪をかき分けて進むと、そこは美しい海と浜辺が広がっていた。海の向こうから人がやってくるイメージが浮かび、種子島の広田遺跡で見たような光景に近かった。
参考：伊礼原遺跡（コトバンクより）＝伊礼原遺跡（読み）いれいばるいせき
国指定史跡ガイド 「伊礼原遺跡」の解説
いれいばるいせき【伊礼原遺跡】
沖縄県中頭(なかがみ)郡北谷(ちゃたん)町桑江にある集落跡。県南西部、東シナ海に面し、遺跡東側の丘陵を水源とするウーチヌカー（湧水）によって形成された標高2mの低湿地と、その南に広がる標高4mの砂丘地域からなる。米軍基地の返還にともなう区画整理事業に先立つ確認調査で発見され、1997年（平成9）からの発掘調査の結果、縄文時代前期から晩期にかけての集落遺跡であることがわかった。低湿地からは、最下層（前期）で奄美・沖縄地域最古の縄文土器とされる南島爪形文土器が出土し、その上の層（前期）でオキナワウラジロガシを貯蔵した遺構が確認され、さらに上の中期から晩期に及ぶ層で、長さ65cm、高さと幅が25cmの内部が刳(く)り抜かれた木製容器、木製の櫛、イノシシの牙やサメの歯の垂飾具などが出土した。砂丘地域からは、中期の炉3基と多数の柱穴、後期の1辺3mの石敷き住居跡や集石遺構、晩期の多量の土器などを含む竪穴(たてあな)住居跡が確認された。また、晩期に属する新潟県糸魚川産のヒスイ製の玉や九州産の黒曜石製の剝片や九州から搬入された土器も出土しており、縄文時代における奄美・沖縄地域と日本列島との交流を示している。2010年（平成22）に国の史跡に指定された。那覇空港から車で約38分＝（琉球新報、ほか）
参考＝琉球新報記事より＝【北谷】北谷町（野国昌春町長）は、縄文時代前期約7千年前の土器や石器、動物の骨や貝の製品が多数出土した国指定史跡「伊礼原遺跡」を活用して、縄文当時の自然環境や住居を再現した史跡公園を整備する。
隣接して遺物を展示、収蔵する北谷町立博物館（仮称）も建設する。総事業費は16億円前後、総敷地面積は約2万3千平方メートルで2019年度の開館を目指して作業を進める。
伊礼原遺跡は約7千年前から集落が形成された県内唯一、国内でも珍しい遺跡として10年に国指定史跡に認定された。
北谷町の史跡伊礼原遺跡整備基本計画では、約1万7千平方メートルある遺跡敷地を五つの地域に区分した。縄文時代の人々が暮らした竪穴式住居跡などを復元して体験学習の場を設ける。
縄文の森地区ではイタジイやガジュマルを植栽して当時の里山の環境を再現。低湿地環境地区は湧き水のウーチヌカーやザルで作った貯蔵穴を復元する。海岸をイメージした海進地区、砂丘や芝生の広場や住居跡地も設ける。
博物館の敷地面積は約6千平方メートル、建築面積は1800平方メートルになる。遺物の常設展示や収蔵のほか、体験学習の機能も備えた観光資源や町民交流の場としても活用する。計画では体験活動の例として、史跡公園と連動した宿泊縄文人体験や遺跡でのキャンプ、縄文時代の道具作りや食体験などを例示した。
事業費は博物館が10億円、史跡公園が6億円前後を想定する。本年度の基本設計、実施設計を経て17年度に工事着工、18年度の完成を目指す。
野国町長は「国内でも一級品の遺跡が残る。縄文当時の生活を学び、町の伝統・文化の掘り起こしに役立つ博物館と遺跡を整備したい」と話している。（宮城征彦）
参考＝木綿原遺跡（文化財データベースより）
もめんばるいせき 史跡 / 沖縄 / 沖縄県
沖縄県中頭郡読谷村 指定年月日:19781115
管理団体名:史跡名勝天然記念物
解説
S52-12-044木綿原遺跡.txt: 本遺跡は、沖縄本島の中部、東シナ海にのぞむ海岸線に並行し、幅40メートル以上の砂丘上に所在する。延長150メートルを越える大規模なものと考えられる。
遺跡は、沖縄貝塚時代中期を中心とし、前期包含層もみられる。遺跡南半部のやや内陸寄りには中期の貝塚が形成されており、中央部には同時期の墓域の存在が確認されている。この墓域内の小範囲の発掘で箱式石棺墓6基と特別な埋葬施設を伴わない人骨3体が発見されている。箱式石棺墓は、いずれもその上部を丸い石灰の岩塊や、板状のサンゴ石灰岩などで覆われていて、この集石群ををとりはずすと箱式石棺墓が姿を現わすのである。
たとえば、第1号箱式石棺墓には、1体ずつの計3体が重なり埋葬されていた。そのうち、中層の1体のみが長く保存されており、伏臥伸展葬を示していた。足もとを2個のシャコガイ、顔面額にはサラバテイラの頂部があてられていた。上層人骨には甕形土器が副葬されており、ほかに巻貝製玉がある。また、石棺外に接して弥生式土器の甕と磨製石斧がある。
これらの箱式石棺墓は、沖縄におけるはじめての発見であり、九州方面の弥生文化との交渉を具体的に示唆するものである。また、同時に招来されたと考えられる弥生式土器は、沖縄の先史文化の編年を弥生文化との関連についてより詳細に把握するための資料として重要である。
木綿原遺跡見学を終え、座喜味グスクのあるユンタンザミュージアムまでタクシーで送ってもらう。ミュージアムでは先ほどみた木綿原遺跡出土品やその他多くの重要遺跡の展示があった。木綿原からは貝塚時代の石棺墓のほか多くの貝塚時代の遺跡やグスク時代の遺跡の展示があり、ここの展示は世界遺産を控えてのミュージアムらしく展示は立派で見どころも多く、見ごたえがある。大山式土器その他多くの時期の土器展示もあり、海岸部の多いこのムラの遺跡から出土する多くの貝製品やジュゴンの骨などから作られる蝶型装飾品、貝符など、日本海を通じて新潟のヒスイや北海道の礼文島などまで行き渡った貝製品交易の姿を感じ取ることができる。
帰りの那覇までのバス時間ぎりぎりまでグスクの見学をして、バス停に向かったが、バス停の位置がよく確認できず、慌てて探すが、バス停についてもバス停の名称が少し違うような気がして一つ先のバス停を見てみようとしたら、バスが通過してしまう。慌てて次のバスをチェックするが一時間後、そのほかのバスなどを探すが、googleのナビを信じて2km先のやちむんの里の先のバス停まで急いで歩いたが、実際のバス停に到着すると、ナビが示すようなバスの時間ではなく、まだ30分ほど先になり、そのバスも那覇まで行くか時刻表でははっきりわからない。別のカナダの日系人らしい女性もバス停にやってきたがやはりグーグルナビできたらしい。那覇からバスで子のバス停の向かいのバス停まで来て目的を達して那覇の親戚のところに戻るらしいが、日本語が読めず困っていた。私はやむなくタクシーを呼んだが、女性はバスを待って自力で戻るという。那覇までは30kmあまりだが、沖縄はモノレールと路線バスなど以外に公共交通がなく、車が多すぎて混雑すると運転手は言う。30kmもないのにナビは1時間以上かかるとなっている。このままだと那覇にいつ戻れるか、いくらかかるかわからないので、最寄りのモノレールの駅を探して、浦添前田駅に向かうことにした。ここでも渋滞はひどかったが、なんとか6時半のモノレールに間に合い、料金も6千円強で済んでやれやれ。モノレールに乗り込み、旭橋駅で預けた荷物をロッカーからピックアップして、なんと那覇空港かのフライトに間に合った。今回食べるチャンスのなかった沖縄そばを乗り込む前に食べて三日間の忙しい旅を終了した。
参考：世界遺産座喜味グスク（グスクへの道標サイトHPより）
座喜味グスク
（ザキミグスク・読谷山グスク）
所在地：読谷村宇座喜味城原
★グスクの概要
史跡指定：国指定史跡
世界遺産：琉球のグスク及び関連遺産群
・築城者：護佐丸
・築城形式：連郭式（2つの郭）
・標高：約127m
・面積：6,800��
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●読谷村座喜味集落の北側、小高い国頭マージの台地に築かれたグスクです。グスクは二つの郭からなる連郭式 で、一の郭とニノ郭に石造りの拱門（アーチ門）があります。この城門は、現存する沖縄のアーチ門でも最古のものと見 られており、棟石の中央のかみ合う部分にクサビ石がはめ込まれた特徴をもっています。
山田グスク等の積み石を運ばせて築いた座喜味グスクに護佐丸が居住したのは17〜8年程と言われており、1440年頃に中城村 に国替えになります。 戦後、米軍基地になり荒れ果てていた古城も大部分が復元されたうえ、世界遺産に登録されたことで一躍有名になり観光地 として賑わいを見せています。
| 天候 | 曇り時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス タクシー
自転車
|
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波の上橋から那覇泊港を見下ろす―この後歩道が続かず、チャリを抱えて階段を下る羽目にーー！！
貝交易で弥生から古墳時代にかけて沖縄は潤ったに違いない―北海道礼文島まで海はいっている
城跡内では飲食禁止なので手前のガイダンス館前の東屋でウナギ弁当を食べる
北谷町初の遺跡公園＋博物館ー北谷（ちゃたん）町には2013年に米軍キャンプが変換された北谷グスクが国指定史跡となっているが、博物館は初めての建ー12/18 14:25
北谷町初の遺跡公園＋博物館ー北谷（ちゃたん）町には2013年に米軍キャンプが変換された北谷グスクが国指定史跡となっているが、博物館は初めての建ー
このあとチャリを北谷町のローソンにあるポートに返却し、タクシーに乗り換えて読谷村に移動
字が読めないが、ここには弥生時代の石棺墓が出土して国史跡となっている
石棺墓は九州弥生時代のお墓の一形式、果たして海の外からやってきた人々が眠っているのか？
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killiya731 さん
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