東久留米の落合川(労山自然観察ウォーク)
- GPS
- 05:20
- 距離
- 8.0km
- 登り
- 13m
- 下り
- 13m
コースタイム
9:20東久留米駅出発
9:27美鳥橋
9:51氷川神社
10:00-10:10南沢緑地(南沢湧水群)
11:10落合川・黒目川合流点
11:34-13:10蕎麦庵「陶然」
13:35-14:25小山台遺跡公園
14:40東久留米駅
東京都労働者山岳連盟自然保護委員会協賛の生物多様性水と緑と里山シリーズ「湧水をめぐる自然観察ウォーク」に参加してまいりました。
場所でいうと東久留米の落合川周辺です。
東久留米は池袋から西武線準急で20分、そこから徒歩約10分で落合川に到着。
美鳥橋でいきなり豊富な湧水を必要とする水草である「ナガエミクリ」(環境庁の絶滅危惧種)がお出迎え。落合川左岸に沿って上流に向かう。
落合川は東京都内で唯一「平成の名水百選」に選定されている川で、途中の毘沙門橋の下流は遊歩道のフェンスを取り払い、水に入って遊べる「いこいの水辺」が設けられてる。
地元の子供が泳いでいたり、大人が日向ぼっこしていたりする。釣りも可能で、魚をすくう網を持った人もいて「今日はぜんぜん魚いないや」とかいっていた。
毘沙門橋からすぐの南沢緑地には湧水群がある。湧水地点は水道局の南沢浄水所の敷地内にあり見ることはできなかった。ここでは水がぼこぼこ湧き出していて、その7割を荒川水系の水とブレンドされて市内の水道水として利用している。残りの3割は川になって流れている。
荒川の源流のひとつには行ったことがあるが、湧き水というものは山の山頂近くの谷を上り詰めたところから出てくるものとばかり思っていた。こんな通勤圏内の街で毎日1万トンも湧いているとは意外なことであった。
今度は落合川右岸を戻る、カルガモが子ガモをたくさん連れて泳いでいた。マガモの夫婦もたくさんいた。今回見られなかったがカワセミやホトケドジョウ(絶滅危惧種)もいるらしい。あっ!あと河童もいるらしい(東久留米は映画「河童のクゥと夏休み」の舞台でもある)
途中桑の実をもいで食べながら、落合川と黒目川の合流点に向かう。ここから落合川と別れ、黒目川沿いを遡る。
神山大橋から黒目川としばし別れて北上し、東久留米団地の周辺にある、蕎麦庵「陶然」に入る。ここは労山の方が住宅を改装して開いたおそばやさんで手打ちの「せいろ」はかなりうまかったです。そば湯もうまかったです。
食後このおそばやさんの2階をお借りして、東久留米市作成?の落合川の自然に関するDVDを鑑賞。
その後、縄文時代の住居跡のある小山台遺跡公園の東屋で酒とつまみの昼間野外宴会。東久留米駅で解散し終了。
天候 | 晴れ・気温約30度 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
patadannaが行程箇所の編集をしてくれたので、hanepataの記録は感想に書かせて頂きました
【日にち】2010.6.12【天気】晴れ【人数】2名
【歩行時間】東久留米駅〜南沢緑地〜落合川・黒目川 合流地点〜蕎麦屋 陶然〜小山台遺跡公園〜東久留米駅 間
3時間5分(休憩・昼食・上映会・懇親会を除く)・休憩時間Total:2時間15分
【行 程】
8:10 池袋駅 出発(乗車券¥260)
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↓西武池袋線 準急飯能行 乗車
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9:10 全員集合 今回の自然観察の概要説明
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9:20 出発
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9:30 美鳥橋 通過
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9:50 南沢公園 キレイWC有
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9:55 氷川神社
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10:05 南沢緑地(南沢浄水場)
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11:10 落合川・黒目川 合流地点
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11:20 神山大橋 通過
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11:35 東久留米団地
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11:45 蕎麦屋 陶然 到着 / 昼食・上映会
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12:25 上映会 開始 (映画;湧水落合川)
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13:00 終了 ※後片づけ
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13:10 出発
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13:35 平和橋 通過
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13:40 小山台遺跡公園 / 懇親会
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14:25 出発
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14:40 東久留米駅
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14:48 東久留米駅 出発(乗車券¥260)
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↓西武池袋線 池袋行 出発
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15:12 池袋駅
≪各区間の感想≫
○東久留米駅
明るく広い構内
駅建物の窓より富士山が見える作りになっている
ここからの眺めは、『関東の富士見百景』に選ばれた
○美鳥橋〜南沢緑地
落合川の川沿いを歩く
東久留米の地下には、武蔵野一の水脈がありあちこちから湧水している
東久留米の地形は扇状地で、湧水しやすい地形
川辺に下りて遊べるように、柵が無い箇所が多く近隣住民の憩いの場となっている
この日も、川遊びをする大人や子供、堰堤がで少し水が深い所では子供が元気良く泳いでいた
子供に様子を伺うと『気持ちよいけど冷たい。』との事、湧水で水温が低いせいだと思う
水質も東京とは思えない程素晴らしく湧水地点は飲料も可能とのこと
川辺やその周の植物が元気に生い茂り、そこを住処とした鳥の数も多い
食物連鎖を支える水中生物の生息数も多い事が想像出来る
この周辺は、以前は畑や田んぼだったそうで現在も桑の木や柳が自然と生えてくるそう
○氷川神社
東北地方の獅子舞が踊られていて、市指定無形民俗文化財に指定されている
立派な境内で、富士山信仰の流れもあるらしい
○氷川神社〜南大沢緑地
2カ所ほど、野菜洗いに使われた洗い場がある。
ここも柵が少なく、川辺にすぐ下りられるようになっている
水は飲料可能な程、澄み切っていて、源氏蛍も飛び交う
(周辺で蛍鑑賞会が6月13日から開催されるそう)
○南沢緑地
1日の湧水量が約1万トン、都内最大の湧水量
浄水所があり、湧水の8割近くはここで取水され荒川水系の水とブレンドされ、市内の水道水になり、残りの2〜3割の湧水は落合川に流されるそう
浄水場の地は、江戸川乱歩の舞台になった場所でもある
緑地内の公園には、人のすぐ側でカルガモが楽しく遊んでいた
地元の方々のボランティアで、緑地の管理がされていて川の周辺や緑地にはゴミが殆どなかった
それだけ地元住民の方が、湧水を守って行こうと言う気持ちが強い民度の高さに感動
○南沢緑地〜落合川・黒目川 合流地点
来た道の対岸を歩く
西武池袋線のガード下周辺から、川の両岸は柵に囲まれ人が川辺に入りづらくなる
この区間、少しだが川中に投じられたゴミも見られた
個人的な解釈だが、人が川辺に降りられない=川が遠い存在に思える事で、川の事に無頓着なるんじゃないのか?
ただ、人が入りづらいメリットとして、動物が子育てや生息がしやすいらしく、カルガモが親子でくつろぐ姿が見られた
鯉も多くいて、色が鮮やかな錦鯉も交じって泳いでいた
○落合川・黒目川 合流地点〜蕎麦屋 陶然
黒目川の川辺を歩く、ここも川辺の周囲は柵に囲まれていてゴミが少し目立った
神山大橋からから、北上し東久留米団地方面に歩く
軽い坂道、昔はここら辺も田んぼや雑木林だった
○蕎麦屋 陶然(昼食・上映会)
東久留米団地を過ぎた所にある、一般住宅を改築した隠れ家的な蕎麦屋さん。
蕎麦は腰があって、とても美味しかった
昼食方々、湧水の話に花が咲く
Q.東久留米市の地下水脈はどこからのものか?
A.地下水脈の水源はいまだに解明されていないそうだが、恐らく富士山からの水脈ではないだろうか?
中央線の調布も湧水が多く、崖から流れたり、台地から湧き出たりしている
調布〜東久留までの湧水地帯を線で繋げると南北でラインが引け巨大な地下水脈がある事が予想される
この水脈は、湧水される場所により
北;荒川浄水
東;多摩川浄水、神田浄水
に使用され、東京の水を支えている貴重な水脈
食後、2階にて『湧水落合川』の上映会
静かな音楽と、落合川の美しい四季の自然の様子が撮影されている
この映画は川の環境保護の一環として、周囲のお祭りなどの際に上映されるそう
環境保護は継続的に行う事が大切で、お祭りなどでの上映会を通じて、地元の方達の理解を深めていく
○蕎麦屋 陶然〜小山台遺跡公園
再び黒目川まで戻り、西武新宿線のガード下をくぐり右折
少し高台になった公園が見え、そこが小山台遺跡公園
縄文時代中期の住居跡
縄文時代には、この高台下まで黒目川が流れていて水の確保に非常に便利だったので、ここに村を構えたらしい
東久留米には、同じ理由で建てられたと覚しき住居跡が多くあり、一番古いものは縄文時代より古い時代になるそう
昔から水が豊富な場所だった証拠
縄文時代は狩りが主流だったので、生活用水が手に入る場所が適所だった
弥生時代からは、農耕文化になり多くの水が必要になってくる為、下流に移り住むようになる
○小山台遺跡公園(懇親会)
大きな建物が造成されると、基礎工事などで地面を掘り起こしてしまう為、小さな水脈が途切れてしまう
造成前は、あちらこちら湧水が見られたが、宅地造成と浄水場が地下の大きな水脈より水を取ってしまう為、ずいぶん湧水量が減ったそう
それでも、地元の方達が湧水を守ろうと、自分達で出来る事をしている姿勢は素晴らしいと思う
全ての開拓を拒否し続ける事は難しい
開拓と自然保護との折り合いをどう付けて行くか
それが、今後の自然保護をする重要なテーマ
里山について
里山は、生物の多様性レベルが高く、海外では『田んぼ』と『里山』は国際語となっている程認知度が高い
今年は生物多様年の年で、世界各国で生物多様性の調査が行われた
そして、その中で日本の里山が世界一になった!
里山や田んぼが生物多様性の世界一になった理由は、アマゾンやサバンナなど自然が厳しい場所は、弱肉強食で弱い生物は生き残れない
しかし、里山や田んぼは人が介入している分、弱肉強食があいまいとなり、弱い生物でも生き残る事が出来た
これは、人と自然が共存して行く上での、素晴らしいケースである
個人的な解釈だが、里山文化は今後の人類と自然が共存出来うる可能性のケースとなるんではないのだろうか・・・。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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なかなか味のある記録ですね!
コッチだと体験できない内容です
川沿いと言えば、コンクリートか「山」ですからね
shunさん、コメントありがとうございます。
落合川でも黒目川でもコンクリートで護岸はされています。水深は浅く、流れは速く、澱んでいないので、水はきれいです。住宅街で水源が近い川なんて東京じゃなくてもあまりないと思うので、大事にせねばと思います。
しかし昔は全国にたくさんあったのかも知れません。
素敵なレポですね
東京の川は、ホントに綺麗になりましたねぇ
私の実家のすぐ近くには石神井川が流れています。
昔は臭く汚い川だった印象しか残っていませんが、今は見違えるほど綺麗です。
石神井川散策したいです
itochanさん。コメントありがとうございます。
川は汚くするのは簡単ですが、きれいにするにはかなりの努力が必要なようです。隅田川でさえ私の子供のころよりは明らかに浄化されてます。
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