御在所岳

天候 | 西の風風力3/晴/23℃(9:00) |
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過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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感想
山行記録679-4 令和6年8月12日 (祝)
台風の余波 〜ございしょ自然学校赤とんぼマーキング山行
単独 地図:御在所山
登路:中道 下山:裏道
8月8日16:43、日向灘を震源とするM7.1の地震が発生した。震源が、南海トラフの想定震源域の西端のプレート境界であり、巨大地震を誘発させる可能性もあることから、気象庁の検討委員会が開かれ、19:15に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表された。
南海トラフの巨大地震は、元々30年以内に発生する確率が70〜80%だと言われている。いつ発生しても不思議ではないと想定されている南海トラフ巨大地震が今回の地震によって誘発される可能性に関して、過去の事例からの分析によれば、M7以上の地震が起きた後にM8以上の大地震が起きたケースは数百回に1回であり、これがこれまでの想定より数倍確率が大きいという検討結果だという。そして、発生のタイミングは、直後が最も高く、1週間程度かけて0に近づいていく。ただし、それ以降も確率が0になることはない、というものである。
個人個人へは、普段から実施している地震防災対策の再点検をしておいてほしい、という呼びかけもあった。その中で、家具の転倒防止が全然できていないことが、以前から引っかかっていた。
そして迎えた山の日の三連休。日曜日はオヤジ殿の法事で、御在所へ行くなら土曜日か月曜日であるが、家具の転倒防止という優先事項が降って湧いたので、1も2もなく12日に決定。まあ、いい機会だと思う。
折しも台風5号が東北地方へ太平洋側から上陸する予報が出ている。平成28年、観測史上初めて東北の太平洋側に台風が上陸したときは、岩泉が大変なことになって、緊急支援に駆けつけたことがあった。東北方面は、200〜300mmの雨でも大災害につながる。この台風も大したことがなければいいが…。そんなことを考えながら、発雷確率が低いことと、卓越天気が晴なのを確認した。
今日は中道を上がって裏道を下りる予定である。朝陽を浴び始めた御在所を見上げたら、入山届を投函して登り始める。空気はソコソコ冷たいが、登り始めるとすぐに汗が噴き出してくるが、極めて弱いが冷たい風が森を抜けているようで、暑さがあまり気にならない感じがする。
先週、調子が悪いときのソレナリの登り方が、鼻で息ができる程度のペースと変わらなかった。だったら、鼻で息を吸って、吐くときは磯笛のように口をすぼめてみようか。少し力が入る登り方に切り替えてみて、オバレ岩まで登ってみた。時間を見ると35分。7/21が36分、8/3も36分。結局、鼻息だけの時と変わっていない。少しぐらい登り方を変えたところで、ペースは変わらないのなら、力を入れるだけ無駄でしかない。それなら一番楽な鼻息だけの登り方にして、これを定着させるのがいいかもしれない。「登りはパワー、下りはテクニック」と思ってきたが、トシを考えると、登りもテクニックの要素を増やしていく必要があるのかな?。
小休止して出発。5号鉄塔の尾根に上がると涼しい西寄りの風が吹いている。まるで秋風である。昨日、東近江市(琵琶湖)に一時的に強風注意報が出ていた。おそらく台風の余波だと思う。山の上も一日中こんな風だったりすると、この風が吹き下ろす四日市界隈はまたまた猛暑である。
見晴台を過ぎて地蔵岩に登る岩場の途中、土が剥がれて陥没したところには、真新しいロープが張られた。確保に使うための物ではなく、おそらく応急的に注意を促すものだと思う。
地蔵岩の前で、岩の上のちょうど足を置きそうな所に、アブ。このところ、山の上の下界でも時々見かけるヤツで、観光客からも「ハチではないか」とスマホで撮った写真を見せられて、「眼と触角がアブですね」と応えたのがコイツだったと思う。ナニモノかまではわからないので調べてみた。オオハナアブ。この名前で検索して見るといくつかのサイトに「普通種の割に見かけることが少ない」と書かれている。
6:24、919m独標に到着。冷たいとも感じられる風が吹き抜けている。稜線には、秋から冬に発生するような山越えの気流に伴う雲がかかっている。もしかして、山の上の気温が下がっているとしたら、トンボは居るのか?。しかし、下界の予想最高気温は37℃とか抜かしているから、トンボが中腹に下がっているようなことにもならないだろう。それよりも、風の影響の方が大きいだろう。風が強いとトンボが落ち着かない。
6:31残り半分を登り始める。鼻で息ができるぐらいのペースで黙々と登って行く。ソレナリに登り慣れて距離感もつかんでいるから、いつの間にか鎖場に辿り着く。急登にかかってからずっと風が吹いているので、今日はそれほど消耗もしていない気がする。休憩を挟まないで最後の詰めにかかることにする。鎖場を抜けた見晴らしの上のルートは、いつも水が流れているが、日照り続きでとうとう湧水が涸れてしまったらしい。足元が滑りにくくなるのはいいが、他の水場も同じ状況なのは想像できるので、適度の雨は欲しいところである。
7:20富士見岩到着。所要時間2:03。キレットからの登りで10分も短縮してしまったか?…たぶん違うと思う。今日は鎖場で水分補給の小休止をしなかった分である。つまり、涼しかったら2時間で登れる足になってきているということらしい。
山の上の下界の園路をアキアカネの様子をうかがいながら歩く。パット見、ほとんど姿が見えない。居ないことはないと思うが、風の裏側とか茂みの奥に潜んでしまっているかもしれない。そう思って園路を覆うように茂る樹々を見上げると、葉っぱの上に姿があった。
自然学校の前のベンチで一休み。オニギリを一つついばんだらマーキングを開始。思った通り、風がある所はトンボの姿はまばらで、居ても落ち着きがない。先週のような調子には程遠く、集まる数は少ない。まあ、今日は500かな…、ぐらいの感じでギナギナ始める。
最初のひと網は低調なスタートである。その後、国定公園の記念碑前から長者池の四阿に回って、自然学校へ戻っていく。時刻はちょうど9時。今日の担当さんたちがロープウェイからの坂を下りてきた。「おはようございま〜す」。
2巡目は朝陽台へ上がってみる。先週はウジャウジャ飛んでいたアキアカネであるが、今日はほとんど見当たらない。やはり風の影響だろう。次はいつものように三角点へ向かう。そろそろリフトに乗ってきた観光客も居て、座り込んでマーキングしていると子供が寄ってきた。例によってなんやかんやウンチクを垂れながらマーキング。
その次は国定公園の記念碑。広場の周囲を見渡すと、ヒカゲノカズラの穂が開いて胞子を放出し始めている。面白いのでタモで突っついたりしながらトンボを集めて回る。10時半。タモを持った観光客がボチボチ歩き始める頃、自然学校に戻る。ひと網マーキングして数を確かめる。まだ250そこそこ。「やっぱり今日は500かな」。
たぶん午前の最後の一回りに出る。今日はタモの空振りが多い気がする。風があるからトンボが落ち着かないからかもしれないが、盆に入ってきて夏を生き抜いたツワモノばかりになりつつあるというのもあるだろう。日に日にすばしっこくなっていくのは毎年のツネである。
昼になった。マーキング数は…♂181、♀187、合計368。やっぱり今日は500かな。それにしても、♂♀ほとんど同数。つまり、ほとんど舞い上がっていないことが想像できる。それほど強い台風ではないとは言っても、風はシッカリ吹き込んでいるわけで、トンボのエサとなる小さな虫が舞い上がれない強さの風が止まらないのである。
午後の部を開始する。今日はネキトンボとミヤマアカネをよく見る。先週頑張りすぎたので、タモを置いて写真を撮ったりして、今日はボチボチやっていると、リョウブの花にアサギマダラが戯れている。近づいても逃げないので、翅の透過光を撮れないか、しばらくカメラを向けて見たり…。そんなことなどお構いなしに、アサギマダラは口を器用に伸ばしては花に突っ込んで蜜を吸っている。
3時になった。自然学校に戻って最後のひと網をマーキング。今日の結果は、♂288、♀282、合計570。あれま〜、ほとんど同じ数ではあるが、♂の方が多い。やはり午後になると茂みに下りてくるトンボが多くなるから、午後になって♂の数が♀を追い越したのかもしれない。まあ誤差範囲で同数だと思うが。
4時。下山を開始する。少し遅いかなと思うぐらいのペースでも、やっぱり国見峠までの所要時間はいつもと同じ。これでええんや、ということで北谷に下りていく。7合目の水場はほとんど干上がり、水をついばむのは難しくなってしまった。少しぐらい雨がほしいところである。
ウサギの耳の上の水場にさしかかると、4人パーティーが水をついばんでいる。道をゆずられたが「ああええです。頭の日焼け冷やしますから」。頭から水をかぶって人心地。
17:01藤内小屋到着。先週と同じメンバーがしゃべっている所へ加わる。例によって駄弁り大会。先週は、藤内小屋へ来る大将にかかる保険は山岳保険か労災か、で盛り上がったが、今日はヤマビルファイターの話。なんでも藤内小屋がヤマビルファイターの代理店になっているらしい。「無くなったらここへ買いに来たらええんやね」。
そんな感じであかとんぼ四週目も終了。帰り道に山を振り返ると、あんなに晴れていた山頂付近にガスがかかり始めている。山はシルエットになっているが、高い雲はまだ夕陽に染まっている。
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