杣添尾根ルートで横岳 / 深雪に敗退・・・


- GPS
- --:--
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 690m
- 下り
- 690m
コースタイム
08:35 北沢徒渉
08:45 林道東屋
(この間は地形図の登山道とは別の道を通る。)
09:00 沢の木橋
12:30 撤退決定。帰路に向かう。(標高約2440m) 標高差約690m。以上往路所要4時間30分
14:00 沢の木橋
14:20 林道東屋
14:50 駐車場帰着 以上帰路所要2時間20分
合計所要時間6時間50分
天候 | 天気/ 快晴〜薄曇り。 気温/ 約0℃〜5℃ 風 / 終日無風。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
交差点を左折し、国道を北上。野辺山駅前を過ぎ、約3km先で国道が緩やかに右に曲がる地点で左折。(信号なし交差点)。 約500m先でさらに左折し、以後は道なりに進むと「海ノ口自然郷」という別荘地に到着。 別荘地の最西端に「登山者用駐車場」(約7、8台収容)がある。 [ルート図(Mapion)] https://bit.ly/2G2vxx1 道路状況は、国道は完全に除雪され、ドライな状態。 国道から先は積雪および凍結箇所が多くあり(特に千ヶ滝前のヘアピンカーブ)、四駆必須と思われる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
[登山道] 別荘地内通路は積雪30cmほどあるが、圧雪またはトレースあり。 しかしトレースがあるのは林道東屋まで。その先は完全ノートレース。 林道東屋前では積雪約30cmほど。 その先樹林帯の中は約40cm(ヒザ下)。小さな沢を越えた先は50cm以上(ヒザ上)あり、標高2200mより上部では約60〜120cmほど(股下から腰上)ある。 赤テープが充実しているので道に迷う心配は一切ないが、道標、距離標の類はほとんどないので樹林帯の中で自分の位置が把握困難。 [最終コンビニ] 野辺山駅の北約1.2kmほどの国道西側にローソン。 [日帰り入浴] 海ノ口よりやや北の「海尻温泉 灯明の湯」 http://www.onsenkaihatsu.jp/ 山梨方面なら「大泉温泉 パノラマの湯」 http://panoramanoyu.sakura.ne.jp/ [写真] 下の写真はすべて地図上に撮影ポイントが落としてあります。写真番号と合わせてご覧下さい。 |
写真
感想
またまた敗退のレコをアップすることとなりました。
今回は八ヶ岳横岳杣添尾根(そまぞえおね)ルートです。
数日前に平地では大雨が降ったのでおそらく山はかなりの新雪が積もっただろうと思い、この冬最後の雪遊びだと八ヶ岳に向かいました。
横岳(三叉峰)を選んだのは出発地点の標高が高くて比較的楽に山頂を目指せるのではという安易な考え。
しかし、標高差約1000m、歩行距離往復約8km、登山道はほとんど樹林帯の中の一直線というルートは一月に登った西岳とほぼ同じ条件ですから、それほど無謀な計画ではないだろうと・・・。
出発地点は「海ノ口自然郷」という別荘地の中の登山者用駐車場です。
駐車場のすぐ先に西に向かう道がありますが、ここから先は地形図はじめ、どの地図にも記載ありません。
しかも別荘地の中はどこも同じような風景で同じような道が入り組んでおり、さながら迷路状態。
出かけられる方はGoogle Earthの写真をプリントして行くことをお勧めします。
道を進むと約150mほどで左に「管理用道路。一般車進入禁止」という道が現れます。車が通った跡はありませんが踏み跡がある。
ここに入り、さらに100mほど行くと林道のような道に突き当たりますが、これも別荘地内の道路。
ここを左折し、また100mほど行くと同じように左折道が。この先すぐが登山口でした。
登山口は一気に樹林の中に進入して進みます。このあたりは積雪30cmほどありますが、踏み跡が多数あり、歩くのに困難はありません。
やがて北沢という大きめの沢に到着。道の眼前に雪をかぶって真っ白な横岳が現れてテンション上がります。しかしあまりの高さに「あそこまで登れるのか?」と不安も。
砂防ダムの上、流れる沢水を踏んで徒渉し進むとすぐに林道に突き当たり、ここに東屋が建っていました。左手は林道なのか広場になっているのか広い場所があり、大きな案内板も立っています。登山道はその右に続いていました。
この林道にはすでに一人の足跡もありません。まして登山道はまったくのノートレースでした。しかも積雪は予想以上の約40〜50cmほどもあります。最初からラッセル開始でした。
歩き始めて40分。沢の水音がし始め、再び沢の渡河です。ここには小さな木橋がかかっていましたが、橋の上がワッフルみたいなデコボコになっている・・・。
おかしいと思い雪をのけてみると橋は「田の字型」に穴が開いていてそこにたっぷり雪が載っていたのです。うっかりすると穴に足を突っ込むところでした。
地図で見ると、ここまでで全行程(稜線まで)の1/3以上来ています。ラッセルしながらにしてはいいペースです。
この時には「楽勝」の予感だったのですが。
橋の先の急斜面を這いつくばって登ると、その先は事前に調べておいた通りの樹林帯の中の単調な道です。
雪の深さは想像以上で簡単にヒザ上まで埋まってしまいます。楽しいような苦しいような・・・。
登山道はほぼまっすぐで傾斜も一定。ひたすら樹林帯の中なので展望箇所もなく、ラッセルで進んでいくものの自分がどのくらい進んだのか全く解りません。
標高が上がり、いよいよ雪が深くなってくるとラッセルに体力が消耗してきました。こめかみのあたりが痛いような気がしたり、踏み抜いた足が攣ったような感じがしたりし始めました。
そこで考えて長さ130cmほどの木の枝を拾い、進む先々に差し込んで雪の深さを測り、浅そうな所を選んで歩くことにしました。
ズボッズボッと刺して地面に当たればそちらに進みます。しかしどこを刺しても130cmの枝がそのまま雪の中に消える場所もたくさんあります。
このころになるとこちらもラッセルの要領が掴めてきました。ズボッと差し込んだ片足に体重を掛けて前のめりになってヒザで雪を前に圧縮。次に全体重とともにもう片方の足を進めます。
それも無理なときは、もう体ごと前に倒れ込む。ほとんど「泳いでいる」状態です。
何度かそんな「飛び込み」を繰り返しているうちに思い出しました。これってチベットの仏教徒が聖地に巡礼に行くときにするという「五体投地」というやつです。(^^)
そんなんで時間はどんどん過ぎていき、「もう樹林帯を抜けるだろう」と何度も思いながら一向に樹林帯は終わらず。
木々の合間に見えた金峰山と同じ程度の高さだろうと思えたあたり、時刻でちょうど12:00でした。なんと「ここが中間地点」という立て札!!。
え〜!??、まさか??、信じられません。いったいどことどこの中間なのでしょう。
この標識にすっかり打ちのめされ、その先30分ほど進んでみたものの、どうにも先が見えず、やはり自分で思っているよりまだよっぽど低い地点にいるんだろうか・・・、という疑念が浮かび、ここで進むのを断念しました。
せめて標高2580mあたりにあるという「横岳展望地点」まで行きたかった。
また「敗退レコ」か・・・。
帰り道、ラッセル済みとはいえやはり猛烈に深い雪の中を足を取られながら下りて行くと我ながら、よくこんな所を登ったものだ、と感心。
今回は結果「敗退」ではあるけれど、こうしてみると「善戦」だったな、と自分を慰めながら帰還したことでした。
昨日は快晴でまさにラッキーTuesday
pasocomさんどこか行かれたかな〜と思ってました。
杣添でしたか、
八ッ岳の山梨側で一番雪が多いですよね。駐車場も1700以上で車で高いところまで行けるし。入山者少ないし。
私も昨年ここに何度も練習に行きました。
今年は、土曜日の降雪でいっぱいですね。
ノートレースで2440m。。。よく頑張られて。
ここ上がる方はワカンを使われるようです。
敗退は自分の力を理解している証拠。引き返す判断力が大切ですよね。
今期ずいぶんスキル上がります。
又チャレンジレコ楽しみにしております。
最後から2行目
→今期ずいぶん雪山スキル上がっているようです。
nori3様、コメントありがとうございました。
八ヶ岳の中で横岳はあまり人気ないようで、この山単独で目指したレコはとても少ないですね。たいてい赤岳〜天狗岳などの縦走の途中で立ち寄るだけ。
でも私のような初心者には標高の高い駐車場と安全そうな尾根道ということで結構魅力的に映ったのでした。
ラッセルしながら確かに「こりゃワカンとか必要だな。」と痛感しました。
(エルクで見たら案外高いんでちょっと手が出なかったです。)
また一方、おっしゃるように自分のラッセル力の向上も実感。この冬の「前三ツ頭」「ツルネ」と比べても圧倒的に深い積雪でしたが、たいして休憩も取らずに機関車のようにラッセルしてしまいました。
それもこれも樹林帯を抜けた先の絶景を目指していたので残念ではありますが・・・・。
気が向いたら雪が減った春先にでもリベンジ計ろうかと企んでます。
こんばんは。
お疲れ様でした!ここ何度かの山行でじわりじわりと堅実に山頂に近付い
ている感じですね。
往路と復路の所要時間の差が登りの大変さを物語っています。
景色の変化もない黙々ひたすらラッセル登坂…。
こちらも勝手にその先の絶景が楽しみで楽しみで。
今度こそ見せてください!
無理はしないで。
mmg様、いつもありがとうございます。
レコに書いたように今回の登山は西岳とほぼ同等レベルと踏んでいたのでまさか敗退するとは思ってませんでした。
新雪がたっぷりありそうなことも承知の上で出かけたのですが、まさかあんなにあるとは・・。
いつも地図を手に、自分の位置を確認しながら進むのですが今回は全く地図が役に立ちませんでした。
登山道の形状も地形の形状も25000地形図とはちょっと違っているようで。また周囲はほとんど展望不能だったのも精神的にキツイですね。
帰宅してからGoogle Earthと地形図をじっくり見直しながらレコのコース(自分がどこまで到達したのか)を考えたのですが、展望が利きそうな森林限界線まであと200〜300mだったようです。
この見比べ作業を出発前にしておけば、現場で頑張ることができたかも知れないのに残念です。
こういう下準備は徹底的にすべきだというのが今回の教訓になりました。
次回以降は準備怠りなく、美しい山の写真を満載したようなレコをアップするぞ、と意気込むpasocomでした。
ワカンですが、
表面がクラストして中が柔らかい雪で踏みぬき防止で使用するそうです。
ですから3〜5月の雪。
新雪は、ひたすらラッセルしかないと。。。のこと。
杣添尾根・・・ちょうど自分も興味があったので調べてましたが、入山者が少ないようで詳しいルート情報も無く困ってました。
ですがpasocomさんの記録は本当に詳細まで記されており、とても参考になります!!!
ありがとうございます!
なにより、駐車場までの路面状況はノーマルタイヤ+チェーンの自分にとって、大変貴重な情報です。
ちょっと路面が不安になりましたが、近々行ってみます。
mooman様、はじめまして。
私のレコにご訪問ありがとうございます。
確かに「杣添尾根」は、西側の「美濃戸口」などからのルートに比べると圧倒的に登山者が少ないようですね。
私のような初心者には急斜面ではない穏やかそうな尾根道が魅力なのですが。
しかし一方、入山者が少ないせいか圧雪してない雪の量は西側以上のようで、春先になっても大量の雪が残っているようです。
もっとも富士山に登られるmooman様ならこの程度は何ほどでもないかも知れませんね。
このような記録ですがmooman様の山行に役立てば幸いです。
今度はぜひmooman様のレコをアップして下さい。楽しみにしております。
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