葛城二十八宿:その1(第一経塚〜第四経塚)


- GPS
- 25:27
- 距離
- 65.1km
- 登り
- 1,272m
- 下り
- 1,197m
コースタイム
2日目)5:15大福山登山口近辺→5:30大福山登山口→6:58大福山山頂・第三経塚譬喩品7:18→7:28懴法ヶ嶽→7:40井関峠→8:23地蔵山→8:45雲山峰8:55→11:25山中渓→11:48第四経塚信解品→12:15山中渓駅
天候 | 8月16日:快晴(猛暑) 8月17日:快晴(猛暑) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
船
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・葛城二十八宿は役行者小角が法華経全二十八品を埋納した経塚であり、修験道の霊場です。和歌山の友ヶ島から始まり二上山の先まで山脈沿いに広がっており、歴史は大峯よりも古い(大峯の道場を構える前に、役行者小角が修行したところ)。 ・葛城二十八宿は、経塚や修験者が修行をする行場、宿泊をする宿などが含まれていますが、今回は経塚をめぐります。 ・経塚は、明治時代の神仏分離令・修験道廃止令により極度に衰退し、近年までその位置は不明になっていました。そして、時代ごとに経塚が移動しているケースもあります。ですので、経塚の位置については諸説ある場所もあります。 ・経塚へははっきりした道標があるわけではありません。ですので、事前のリサーチはかなり重要です(近くに住んでいる人だって、知っているとは限らない)。 ・車道の多いコースでもあります。気をつけましょう、いろいろ。 ・友ヶ島の第一経塚のある虎島へは、干潮の時にしか渡れません。潮位を調べておきましょう。 ・ヤブこぎが最初から予想されている経塚あります。おそらく、第五経塚と第十六経塚はヤブこぎの上、さらに発見そのものが困難な可能性あり。 |
写真
感想
大峯奥駈をしたときから、考えていました葛城二十八宿。
やはりこれは、二つでセットな気がしますので……。
というわけで、いろいろ調べたうえ、6泊7日のテント縦走の計画で出発します。
ザック重量は18キロ。
《初日(第1経塚〜第二経塚)》
愛知の実家から、和歌山に向けて出発。
加太駅から加太港まで約1キロという駅の表示にビビる。歩いてすぐだと思ってた。
おまけに、電車が到着するのは10時48分。フェリーの出航は11時。どう考えても、間に合わない……。
しかし次のフェリーは13時とかなり時間が開いてしまうので、ダメもとで急ぎます。ザック背負って走る人……。
まだ水を入れていないのでその分ザックは軽いですが、それでも15キロはあります……。15キロのザックを背負って走る人……。
橋の上で私を発見したフェリーの人が、出航を数分まってくれ、無事乗船できました。ありがとう!!
島に着いてからは、第一経塚を目指します。なにせ潮が満ちると、渡れなくなってしまうので……。
虎島に渡り岩場を歩いて、序品窟到着。
ここは岩の隙間なのですが、反対側にも抜けられ、そこからさしてくる光が神々しかった。
序品窟を抜けて、観念窟を目指しましたが、潮が満ちはじめて急なスラブの表面をかなりトラバースしないと目的地の近くにも到達できないので、危険なのと時間もないのでやめて引き返します。
再び加太港に戻ってからは、車道のオンパレードです!
車道をずっとというのはかなりしんどいので、少しでも重量減らすために水を担いでいません。
自販機とかコンビニで手に入れられるから。
しかし、暑い! ものすごく暑い!
太陽とアスファルトの照り返しで、地獄のよう……。
その暑さの中、第二経塚が見つけられず、いきなりつまずきます。地元の人に聞いても、わからず。
最終的にはわかったのですが、すぐ近くまで来ても濃いヤブのため案内表示を見落とし先に進んでいたら、3mほど先のしげみががさっと揺れて唸り声が。
勢いで思わずもう一歩進んだら、さらに唸り声が。
います! 3メートル先の茂みに、クマが!!
ゆっくり後退し、手を打ったりして引き返します。
この時点では、経塚はまだ先と思っていたので、撤退もやむなしかと思っていたら、引き返しのみちすがらに見つけました、第二経塚の案内板。
ほとんど見えないくらいのヤブに隠れていました。第二経塚にヤブこぎとは予想外! 夏はすごいね。
さて縦走再開しましたが、鬼のように暑い猛暑日に午後3時から5時くらいというむちゃくちゃ暑いタイミングで2時間以上さまよったのは、体力を相当奪ってしまいました。
しかしまだ今日の行程は終わりません。
今日は何としても、大福山のふもとまで行ってどこかでテントを張りたいのです。
そして結局、夜になっても歩き続け、9時に大福山の登山口近くで宿泊。
つかれました。
《2日目(第三経塚〜第四経塚)》
5時に起きて手早く準備し、大福山へ。
大福山へは整備された登山道があり、普段だったら楽しく行けるところなのですが、どうも疲労が濃い。
おまけに、太陽が出てきてからはもう、暑くてたまらない。暑いというか、痛い。
予想よりも早く大福山の第三経塚にたどり着くも、もうへろへろ。
山頂のベンチで寝転がって、しばし休憩。
しかし休憩してからも、疲労は回復せず、ちょっとした斜面がつらく感じる。
余りの暑さに全身水をかぶったような汗。
足は重くて歩みが遅くなる。ふらふらする。水分をものすごく体が欲している(いつもの倍くらい消費)、休憩で座ると眠くなる……。
もう、だめです。
山中渓に降りたところで、今回はここまでにして撤収することにします。
7日の行程の2日目、しかもまだ11時という時間帯でこれでは、とてもじゃないけれど縦走続行は不可能です。
残念だけれど、ここまで。
次は山中渓から、その2以降へ、つづく。
その2って、いつ?
暑くなくって、ヤブがなくなって、かたまって休暇がとれるときに、かな。
《今回、撤収の要因と反省》
1)暑い、暑すぎる。35度近い猛暑日に、車道ばっかりのルートを行くのは、おバカさん?
2)中2日あけたとはいえ、一月近いアメリカ滞在&連日ハイクの後では、疲労が抜けきっていなかった、か?(なんか、去年も同じようなことを書いた気が……。学ばない、人)
3)アメリカの気候に体が慣れて、湿度の多さに対応できなかった!?
4)時差ボケがおさまりきってなかった(休憩のたびに眠気が!)。
5)このところの軽量登山のせいで、もうテント装備を背負えない身体になってしまった……。
ま、いずれにしても、仕切りなおしです。
このところの、雷を伴う集中豪雨も頻発しているところなんで、今回はやめとけよよ、と山の神様が言っているのでしょう。
もうチョイ準備をしっかりして、次は山中渓から継続しよう!
コメント
この記録に関連する登山ルート
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seizanryoさん、こんばんわ。
猛暑の中、お疲れさまでした。。
猛烈な陽射しとアスファルトの照り返しがすごそうなルートでありますね(´ε`;)ウーン…
さすがに今の時期は標高低いルートはやばそうであります、
勇気ある撤退と言うことで(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン
葛城二十八宿、初聞な場所ですが歴史ある山岳信仰のルートなんですね。
南アでお会いした関西の方が、よく奈良の吉野方面の古道?を歩いてる、
と仰ってたのでそれと似たような感じなのかな?と無知ながらも
想像してしまいました。
やはり関西方面は歴史も古いので古道歩きなんて楽しみもあるんですね。
是非涼しくなったらリベンジを!楽しみにしております。
歴史浅い道産子のHorumonでした|彡サッ
Horumonさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
や〜〜、かえすがえすも、暑かったっス。
あんなにダメな状態になるなんて、想像もしていなかった。本当に、ふらふら。
次は、秋あたりに、重量減らしてリベンジです。
いや〜、ふがいない状態で、自信喪失です。
そうそう、関西の方が言う吉野の古道は、大峯奥駈道ですね。たぶん。
大峯七十五靡というやつです、きっと。
ここもなかなか、イカス場所です。
私は二年前にいってみました。よければこちらを。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-97692.html
ただこのルートは一部女人結界(信仰上の理由で、女性が立ち入りできない)を含むので、ご夫婦では難しい場所もありますが。
山から下りてしまうと苦しさを忘れてしまうので、撤退の悔しさだけが残りますが、今あらためて冷静に考えてみると、やっぱり縦走継続は難しかっただろうなと思います。
自分史上最悪のふらふら度合いでした。
秋になったら継続しようと思いますので、達成の折はまたレコに遊びに来てくださいませませ。
seizanryoさん
至近距離でのクマはやばかったですね!
ご無事でなによりです。
この猛暑の中、大きなザック背負っての下界のアスファルト歩きは酷ですよ〜
私、巡礼の路には疎いですが、なかなかやりがいがありそうですね。
お疲れ様でした 。
houraikenさん、こんにちは。
まー、暑さにやられてさんざんでしたが、しゃあないっス。
ルート掲載してみたら、25キロ以上車道歩いてるし……。
やれやれ。
巡礼の道は、なかなかいいですよ。
大峯や熊野もそうですが、人々の思いが歴史になって今につながっているような場所は、大好きです。
さて、クマはヤバかった!!
姿は笹ヤブの中で見えていないのですが、山道のすぐ横の笹ががさがさ揺れているし、唸り声はかなり太く低く威嚇しているし。
一瞬犬かとも思いましたが(犬も怖いですが)、あの唸りの感じは犬じゃないんですよね……。
気をつけないといけませんね。
ま、ヤブが枯れて暑さが落ち着くまで、ちょっと目先を変えます。
何だか日焼けをしすぎたのか、今も体温調節がうまくいっていない感じがするんですよね〜。
公約通り
葛城28宿に来られたんですね。
第2で苦労されたgpsの航跡が
個人的に経塚周辺の草刈りとか
標識つけて歩いているひとのhpです
ttp://yochanh.blog.ocn.ne.jp/kyozukasaihou/
先頭にh 付けてくださいね
inoinoさん、こんばんは。
そうなんです、公約通り、葛城二十八宿に挑戦しました!
第2の軌跡は、GPSじゃないんですよ。
自分への反省も込めて、丹念に入力しました!!(アホ)
西高校の奥ってのを、頭の中で西中学の奥に完全に入れ替わっていたのが、大失敗の要因ですね。
高校じゃないと思っていたから、第二経塚を探す方向も東へ東へとそれ、結局は目的地から遠ざかってしまい……。
甘かったですね。
出発前に迷いそうな経塚は全部調べたんですが、第二はわかったつもりになってました。
出発前のリサーチには、足しげくinoinoさんのレコを参考にさせていただきました!
本当はちゃんと葛城二十八宿を結願してから、inoinoさんにお礼をと思っていたのですが……。
そして、HPのご紹介もありがとうございました。
実はこのHPも分かりにくい経塚の検索によく見に行っていました。
次は、ヤブが消えてからを計画します。
現在、調べまくっても不安が残るのは、第5、第16ですね。たどり着くんだろうか……。
あとは、朝原寺跡からおたわ地蔵に抜けられるかというのと(倒木があるようですね)、二上方面から明神山経由で亀瀬岩に大回りしなくても抜けられる道はないかしら? といったところですね。
いい情報あったら、くださいませ〜。
そして次は、うまいこと成功させて(その3くらいまで分かれるかもですが)、その折には一番にご報告にあがります!
inoinoさんは、山禁止(おからだですよね)はいかがですか?
大峯七十五靡が進んでいくといいですね。
昨日はじっくり読めなかったので
本日こちらのレコと大峯奥駈道を拝見したしました。
山上ヶ岳は女人禁制で以前調べたことがあったので
そちらへ行かれてたのかと再度びっくりしました。
35ℓで6日間とこれまたびっくりしましたが(゚д゚)!
山上ヶ岳は行けないからHorumon( `・∀・´)ノヨロシクとか話したことがありましたがHorumonは忘れてるでしょうねぇ〜
猛暑の中ほんとにお疲れ様でした。
熊の唸り声も怖いですね・・・
御在所に立ち寄ったのですねっ
ちょっと懐かしく感じました。
人が気になりましたが・・・
遠征おつかれさまでしたっ
達成するのを楽しみに待ってます。
pentarouさん、こんにちは。
猛暑のアスファルト、道迷い、熊、なんとも気持ちがなえる要因がいっぱいです。
また、何度も人里に下りて山に登り返すようなルートでは、心が一回折れるとも〜ダメですね。
まだ、身体全体がほかほかする……。
大峯はなかなか、やりがいのあるルートですよ。
山上ヶ岳は女人禁制ですので、Horumonさんに!
でも、女性はとなりの稲村ヶ岳から遙拝するようなんで、そっちはpentarouさんに!!
で、弥山で合流する、と!
ま、葛城二十八宿は仕切りなおしです。
少しテント装備の重さに慣れないと……。最近荷物軽すぎた……。
第十六は近くを通ったので
写真を山ほど載せておきました
葛城二十八宿はほんとに上ったり降りたり
大変ですよね
第五は粉河寺や犬鳴山方面からの方が楽かと・・
又
十九のあとは、先に金剛山の二十一に行ってから
二十にくだってそのまま下って
葛城のみち
http://www.wstv.jp/1ch_katuragi.html
を使うと
二十二も二十三も楽かも???
では。失礼しました
inoinoさん、こんばんは。
レコ見てきました。
懇切丁寧なレコで、私が調べたどの記録よりも情報が丁寧でわかりやすかったです。
まるで、自分がその場に行ったような気がしました。
不安が一つ消えました。
ありがとうございます。
二十番はそういう行き方もあるんですね。なるほど。
伏見峠とか伏見道との分岐にザックをデポして、空身で往復とか考えていました。
ですが、下だと車道が多くなりますよね。
車道はものすごく消耗するので、その時の足の具合で検討しようと思います。
五番は、なるほどです。
今の計画では、今畑集落から直登を試み、無理ならば林道経由に切り替えようなんて考えています。
いろいろ情報ありがとうございました。
何とか次は、成功させたいです。
inoinoさんも、大峯七十五靡、頑張ってくださいね!
私の持っている情報で良ければ、いくらでもお知らせします!!
ひじょーにクソ暑い中、お疲れさまでした。
seizanryoさんは一月もアメリカに行かれていたのですね?
京都の時も学生のガイド?みたいな事をやられてたので、
seizanryoさんって何者?と思っちゃいました(失礼
葛城二十八宿っていうのがあるんですね。
そっち方面はからっきし疎いので...
地図を見てたのですが、ずっとあの山伝いに歩き、
山が続くトコまで行くようなイメージなのですかね
クマ!
唸り声は怖いですな。
人里近そうな感じなのに、ビビります。
ukkysuzさん、こんばんは。
少し風に秋が感じられるようになって、あの暑さを忘れてしまいそうですが、うむ、暑かった!!
葛城は何年も前から温めていたテーマだったので、一気にやり遂げたかったのですが、ま、撤退する勇気を覚えたということで……。
恐ろしく暑かった!!
葛城は稜線伝いと思いきや、里に下り、また登り、の繰り返しです。
本当は経塚は山にあったのでしょうが、それが市街地にうつされているものもあるので……。
加えて少なくない箇所で、稜線上も車道が通っているようなので、普通の登山とは少し違うのかもしれません。
仕事はねぇ。
普段は基本、デスクワーク! しかしてその実体はっ!! 野外教育的な仕事も時々ね、って感じでしょうか。
けっして怪しいものではありません。
いろんなことするので、飽きない仕事でもあります(ルーティーンにはまりにくいというか)。
熊は怖いっす。
ヒグマに接近遭遇しているukkysuzさんのリアリティにはかないませんが、君子危うきに近寄らず。
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