記録ID: 40740
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ハイキング
中国
トホレコ(日本縦断徒歩旅行の記録)46・日本海、おわり(関門海峡を越える。)
2006年11月18日(土) 〜
2006年11月21日(火)
- GPS
- 80:00
- 距離
- 79.0km
- 登り
- 438m
- 下り
- 431m
コースタイム
11/18 阿川ー特牛ー津波敷ー湯玉ー小串
11/19 小串ー川棚温泉ー涌田
11/20 涌田ー吉母ー下関
11/21 下関ー小倉
11/19 小串ー川棚温泉ー涌田
11/20 涌田ー吉母ー下関
11/21 下関ー小倉
過去天気図(気象庁) | 2006年11月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
11/18 今日は午後から雨の予報である。「過剰な準備は空振りに終わる」という、あのジンクスを思い出して、ザックにカバーを掛けて、雨具着込んで出発。雲はどんよりと低く肌寒い。途中、津波敷の温泉にでも浸かって、湯玉あたりまで行けば良かろう、などとアバウトなプランを立ててみる。 緩い峠を越えていくと特牛に出る。これで「こっとい」と読むらしい。なんか納得いかんよなぁ。どう考えても「とくぎゅう」でせう。などと異議を申し立ててみてもせんないことで。それにしても特牛はなーんもなくてのほほんとした風情のところである。一応記念にバス停とか婆さんを激写してみる。 ここから海岸線は南北方向に向きを変える。長かった山陰の海岸もいよいよどん詰まりだ。目の前の海もそろそろ響灘と呼んだ方がいいのかも知れない。北の方へ向かえば「角島」という小島があって、橋で渡ることが出来るようだ。大きい橋ってのは案外好きだったりするのだが、敢えて行ってみようという気は起きない。気持ちが九州の方へ向いてしまって、なんとなくフワついた気分だ。 津波敷温泉にて入浴を試みるも、日帰り入浴はやっていないとのこと。週末だからだろうか、昼間っから結構な数のお客さんがやってくる。ひょっとしたら案外料理が美味いとかって、地元では有名な宿なのかもしれない。いけすにエビだの魚だのが沢山泳いでいた。 津波敷を過ぎる頃よりぼちぼち降り始める。嫌な野郎が来やがった。お前なんかに負けるかよ。などと嘯きつつ先を急ぐ。今夜の寝床として期待していた湯玉の海岸線は、大きな食品加工工場があるだけの殺伐としたところ。もう少し先に進んでみる。しかしこの辺の海岸線は案外磯が多く、野営適地が仲々見つからない。雨足はさして強くもないが、時間が経つにつれ体がしっとりと湿って来る。雨具がボロボロなせいもある。雨具は札幌を出る際に新調したものであるが、すでに殆ど水を弾いている様子もなく、物悲しくドドメ色に濡れている。 後浜海水浴場とやらがあったので覗いてみるも、がっちり柵で囲われている上に、ゲートには施錠されている。何故?海岸はみんなのものだろ?塀を乗り越えて無理やり侵入してみる。海の家などあり雨は凌げる。水道もトイレもある。しかしこんな所で野営してるとすぐにお巡りが飛んで来そうだな。タバコを吹かしつつ思案してみたが、結局諦めて別の場所を探すことにする。 小串の海岸線には幾つか海水浴場マークが並んでいるので、そちらに期待してみたのだが、行ってみると海岸線を大々的に工事中。護岸工事かなんかだろうか。ちょっと野営する感じではない。なんだよ、こんな時に。寒さで鼻水が止まらねえんだよ、こっちは。漁港の方も見に行ってみたが、こんな雨降りでコンクリートの上には泊まりたくないよなあ。漁協の前を通りかかったら、道端のマイクロバスに何故か笑福亭笑瓶の姿が。なんでこんなところに・・・。探偵ナイトスクープかなんかのロケか?一瞬目が合って、向こうも 「うわっ、なんやコイツ?」 という顔をしていた。まあ、こんな雨降りに傘もささずにデカいザック背負った男が鼻水垂らして歩いていたらビックリするのも無理はないだろうな。 そぼ降る雨の中あてもなく小串の町を通り抜けて行くと、道行く婆様が不憫がって傘を差し出してくれる。有難いことだ。しかしデカい荷物を背負ってる時に傘など捧げ持って歩けるものではない。丁重にお断りする。この先に地蔵堂があって、中に入れるとのこと。 「あの、お地蔵さまのとこで寝たらええよ。」 などと勧めてくれたのだが、その、お地蔵さまの姿が何処にも見当たらない。おかしいな、通りすぎてしまったのだらうか?いい加減体が冷えて辛くなってきた。指先が動かないのね。小串の市街を抜けて海岸に出てみると、河口のそばに小さな砂浜を発見。迷わず野営地とする。西向だし、冬型になったら風でやられそうな所だけど、そんなこと言ってられんな。濡れた服を速攻で着替えて一安心。 11/19 雨降りなら停滞にするところだが、どうにもはっきりしない天気。とりあえず川棚温泉にでも浸かって様子をみることに。デイリー・ヤマザキで昼食用のパンなど買っていると、激しい雨。近くにあった道の駅風の施設に逃げ込む。缶コーヒーなど啜りつつ、休憩室にあった「今日の猫村さん」とかいう漫画を読んでみる。ネコの“猫村ねこ”さんが家政婦として犬神家へ勤めに出る様子を綴った顛末記だ。なんでもインターネットで評判だったらしく、紙媒体としても出版されるに至ったとのこと。コマ割り、絵柄のテキトーさなど、MIYAZAKI-9先生を彷彿とさせるところがある。 雨は仲々止みそうにもない。「猫村さん」も読み終わってしまったことだし、ここで何時までもボケっとしててもラチがあきそうもないので、雨に濡れつつ温泉に行く。川棚温泉の共同浴場は「青龍泉」というところ。日曜ということもあり沢山の家族連れが入浴を楽しんでいる。しかしまあ、あれだな、ちょっとカルキくさい。雨宿りも兼ねて、しばらくぼんやりする。今日はもう休養日ってことでいいだろう。川棚には瓦そばという名物があるようだ。読んで字のごとく、瓦の上にそばが乗っているらしい。こういっちゃなんだが、あまり美味そうじゃないよね。 昼過ぎ、小止みをついて温泉をあとにする。海岸に向かって歩いていると再び雨。ジャスコ風のスーパーに逃げ込んで、ついでに晩飯の買出しなど。 昨日とは別の砂浜で野営。多分、涌田漁港という所の脇の小さい砂浜だったと思うが記憶が定かではない。夕方には雨も止んで風の無い静かな夜である。どぶんづらづらと夜通し続く波音がやけにはっきりしてきた事に気付き、テントからもっそり顔を出してみると、海は夕方見た時よりは9歩も陸へ上がって来たようで、僕のテントまであと4歩といったあたりを行ったり来たりしている。小便がてら外に出て防波堤のあたりまでぶらぶらしてみる。濡れた靴を素足に履いたとき、胸の中が変にヒヤァとしたものだ。遠くに見えるのは博多の街の灯だろうか。墨汁のやうに粘る暗い夜の海が足元で飽きもせずどぶんづらづらとやっているのを聞いていると、なんだか、愚痴でも言い合っているような気がしてくる。 「お月さんだっていないのに、僕等がこうして波音を数えているのに、一体何の意味があるのだらうか?」 「ちょっと静かにしてくれないか。また数が分からなくなってしまった・・・。」 「でも、明日も雨だっていうよ?」 「ああ、また分からなくなった。もう一度やり直しだ。」 頭上には大きな古い街灯があって、波打ち際からは余程離れた砂浜を照らし出している。 「まったく近頃の波音ときたら。」 「まったくだめだねえ、近頃のは。」 「なってない波音だよ。」 漁村へと何本も連なる街灯の列が口々に嘆いているやうだ。波音はまだまだ数を数えたり、明日を憂えたりすることを止めそうにもない。僕は防波堤の上でぼんやりしながら、テントが波打ち際から近過ぎたかな?と心配になってくる。 この日の日記の最後には、そんな物語風の感想が綴られている。実物はもっとファンタジックな文章だが、大雑把な気分としては大体こんなところ。 11/20 いよいよ本州走破目前である。今夜は下関郊外、安浦あたりの海岸で焚き火でもしながら本州最後の夜の名残りを惜しむってのも悪くないな。朝のうち、やや風があり、時折雨もパラつく。しかし雲は切れ切れで、薄日も射して来る。気温もだいぶ上がって歩くのに不都合はない。むしろ明日以降の天気が心配だ。どうもはっきりしない天気が続くらしい。グズグズしてないでさっさと下関へ行ってしまった方が良さそうだ。そうと決まれば、ボヤボヤしてても意味が無い。いつもより2%ほど早い足取りで出発。 191号線には出ずに、裏道を通って吉母の漁港に向かう。途中通り雨に降られるが、天気は回復に向かっているようだ。吉母は別になんということもない漁港。強いて言えば野良犬と野良猫が多いかな。ずいぶんいっぱいうろうろしている。鄙びた商店の前で三毛猫が草を噛んで遊んでいたので、写真を撮らんと試みるも、レンズを向けると「にゃー」とか言ってじゃれついて来る。ピ、ピントが合わん。やはり猫ってレンズを向けると寄ってくるような習性があるのかもしれない。仲々にめんこい猫だったので、しばしナゼナゼして遊ぶ。しかる後に商店でカールを購入して、朝食代わりにポリポリやりながら出発。最近朝食を作るのが面倒臭くなってしまった。しかし、カールが朝食ってのもどんなものかね。 吉母を後にしてしばらくしてから気付いたのだが、あと2kmも北へ海岸線を辿っていれば本州最西端を踏むことが出来たようだ。別にそんな所を踏破したいとも思わないのだが、いざって時に役に立ちそうな気もする。例えば誰かに旅行の概要を掻い摘んで説明しなきゃならないときなどに、東西南北の端っこを踏んでおくと、「いやぁ、お陰様で日本の端っこは制覇しましたよ。」などと言えて便利なような気もする。何となく達成感がありそうだし、“端っこマニア”としての箔も付こうというもの。端っこマニアではないけど。 191号線に復帰してしばらく歩いていると、「福江」に通りかかる。気象通報でお馴染みのあの福江である。気象庁の観測所のあるところって何となく立派な町のやうなイメージがあったのだが、福江ってとこはホントに容赦なく特徴のないところであった。ちょっと寂しい気がした。鉄道の駅などもあったが、記念撮影をしてみようという気にもならない。村上春樹の写真を始めて見た時のガッカリ感に近いものがある。 安岡を過ぎるともうすっかり下関の圏内って雰囲気になってくる。都市に近付きつつあるっていうこの感じ。山陰ではお目にかからなかったものだ。都市へ突入する時ってのはここからがダルいってのがお約束。路傍には、様々な量販店が立ち並ぶ。何処へ行っても似たような没個性な風景が続く。“自由空間”の看板なども見かけ、「今夜はネットカフェ難民かな?」などと思う。 下関駅の近くで銭湯を発見。誘われるままに暖簾を潜る。意外にも、今回の旅行で銭湯に入るのは、初めてだったりする。何しろ温泉ばっかり入ってたからなぁ。「えびす湯」だったかな?屋号は失念した。何でも銭湯のお手本みたやうな湯である。とっても湯が熱くて美味。360円也。 番台のおばちゃんにコインランドリィの所在を尋ねてみるも、この辺には無いとのこと。そ、ンなバカな・・・と思って、付近をうろつきながら独自に調査を進めてみるも、やはり無いものは無いようで。買いもの帰りのおばちゃんたちも口を揃えて、「さぁ、この辺にはちょっと・・・」と困ったやうな顔を持て余している。洗濯は諦めて駅に行ってみる。駅前は案外閑散としちゃっている。最近の都市機能の中心ってのは駅じゃないのかもしれない。荷物を置いて周辺を物色してみるもネットカフェなどは郊外にいかねば無いようである。困ったな?また郊外に戻るってのもダルいし。などと思っているとカプセルホテルを発見。一泊2500円也。ここで手を打つことにする。カプセルホテルも使うの初めてかな。コインランドリィもホテル内にちゃんと設置されていたので、早速洗濯。しかる後に町に繰り出して本州島最後の夜の余韻に浸ろうと思っていたのだが、洗濯物が仕上がるのを待つうちについうたた寝してしまう。目覚めたのは夜も11時を回った頃。空腹だ。おもむろに町へ繰り出してみる。早くも駅前は寝静まらんとする勢いだ。一応寂れた繁華街などある。 「お兄さん、ハッスルだよ。ハッスルどう?」 などとポン引きの兄貴が声をかけてくる。どうって言われても、“ハッスル”って何だよ?分からんな。何となくしやわせな雰囲気を醸し出してるけど。こちとら生憎腹が減っていて、風俗って気分でもない。チャーハンにビールって感じだ。適当なラーメン屋に入ってみるも、チャーハンやってない。餃子とビールで手を打つも、なんか気分が盛り上がらんなあ。というわけでもう一軒入ってみる。やはりチャーハンない。チャーハンないのか、下関には?仕方なくラーメンをオーダー。ついでにコップ酒一杯。本州島走破の記念すべき一夜が妙なことになってしまった。養老乃瀧かなんかで焼き鳥でも食ってた方が良かったかも。などと思いつつ、コップのお酒を啜っていると、ラーメンが出来てくる。これが実に美味い。厨房では丁度スープを漉している最中。見たところ、どうやらゲンコツではなくて、アバラかなんかを砕いた骨を使っているようだった。そうか、豚骨の本場、博多が近いんだもんなぁ。 11/21 半日ゆっくり下関をくゎんこうしてから, 九州島に渡ることにする。10時頃カプセルホテルをチェックアウト。駅に行って九州に渡る船の時間と料金を確認しておく。門司港行きは390円、小倉行きは200円。どちらも20分おきくらいに出ている。小倉行きに乗ってみようかしら。周知の通り、本州島〜九州島はトンネルで歩いて渡ることが可能。“徒歩で”というところにこだわるのであれば、ここは当然トンネルを利用すべきだろう。しかし僕はあまりトンネルってものが好きではない。あんな狭くて暗いところを歩くのは出来れば避けたいものだ。景色は見えないし、空気も悪い。もしも関門トンネルが全面ガラス張りになっている、というのであれば話は別だが、なんかあまり気が進まない。船で渡った方が余っ程情緒的だろう。僕はわりとロマンチストなのである。 駅に荷物を置いて、唐戸市場に行ってみる。下関のくゎんこう市場みたやうなものである。シーモール下関とかいう駅前ビルを裏手へ抜けて、フェリーターミナルに出る。国際航路などある様子。韓国あたりに渡れるんだろうか。そのまま海沿いの道を辿って市場へ向かう。今日はよく晴れていて気温も高い。関門海峡を隔てて対岸に見えるのは門司港であろうか。様々な船が行き交い、活気のある景色だ。すこぶる気分が良い。日本一の御機嫌にて候。 下関は言わずと知れたフグの産地である。市場にはとち狂ったフグのオブジェなどもある。市場二階のお寿司屋さんは安くて美味しいんだとか。行ってみたが、昼時ということもあり、店の前には長蛇の列が出来ている。僕は飯屋の前に並ぶってことがどうも苦手な質である。くいものに群がってる感じがしてなんかいぢましいよね。食欲失くしそうだ。という訳で寿司は諦める。市場から札幌のアフターダークにフグと明太子を送る。ベタで申し訳ないが。 帰りは山側を辿っていく。古くさい商店街を抜けて小学校の裏手をぐるりと回る。下関は結構坂が多くて楽しい地形である。上々の気分で駅に戻ってくると、何としたことか、ザックが無い。あんなデカくて汚いもの、滅多に盗まれるようなものではない。それが、今回は無い。うそだろ?血の気が引いていくのが分かる。駅の案内所に訊いてみるも、知らないという。マズいことになった。ここまで来て、荷物紛失でリタイアか?いやいや、テントやザックなどの装備は買えば済む話だ。しかし今まで撮り貯めた写真や日記は?お金で買えるものでは無い。軽い眩暈を覚えつつ駅周辺を何度もグルグルと回ってみる。無い。どこにも無い。わー、なんてこった。そう言えばホームレスのおっちゃんとかうろついてたし、持ってっちゃったのかなぁ。あんな薄汚れた荷物だが、僕にとっては大切なものであったことを、今更のやうに思い知らされる。失くしてしまったアレ等の品物はもう絶対に取り戻すことが出来ないのだ。何度も同じところを回ったあとでようやく納得する。荷物を放置していた僕の落ち度だ。誰を責める訳にもいかない。 取り敢えず警察に盗難届を出しておくことにする。先程行った駅の案内所のすぐ隣が交番である。 「あのう、荷物を失くしてしまったんですけど。こん位の結構デカいザックなんすけど。」 「ああ、なんだ、あんたンか。コレやろ?」 と、早速合点して、巡査が奥から引っ張り出して来たのは、はたして僕の愛しのザックちゃんである。可哀想に、“不審物”の汚名を着せられて、交番に拘留されていたのだ。 「今のご時世、テロとか色々あってさ、こういうモノが放置されていると、アレなんだよねぇ。」 などと言われた。お・ま・わ・りぃ〜。危うく悶死するところだったろうが。ま、何にしても無事で良かった。 という訳で荷物を背負って颯爽と駅を後にする。「荷物を背負って」ってところがミソ。荷物を背負えるってことの有難さを、両肩の辺りにヒシヒシと感じる。いつもは端に邪魔としか思えないモノが、実はとっても大切だったりするのが世の中って奴の理なので。橋を渡って彦島へ。下関の南西端は、地図で見ても分かりにくいが島になっている。僕も行くまで気が付かなかった。福浦港に着いたのは夕暮れ間近。小倉行きの船はここから出る。30分ほど待つと果たしてちっこいフェリーが入港してくる。前からも後ろからも車が乗り降り出来て、どっちが前って区別もないやうなアレである。別に狙った訳ではないが、出港時間が丁度日没と重なった。正面に真っ赤な夕陽が落ちてゆく。感無量とはこのこと。以下はその時のくゎんどうを伝える為、友人に送ったメールより抜粋。今更あの気分は表現出来そうもないので。 拝啓○▲□様、いかがおすごしでせうか。 去る11月21日、私こと不肖ねづろう、たうたう本州島を後にしました。 憧れの九州島に上陸したのであります。ねづろう、感無量なのであります。 徒歩旅行ともうしますれば、関門海峡はとんねるでと考え勝ちですが それは野暮というものであります。関門海峡は美しいところであります。 ちゅらうみのごときガラス張りの回廊に海底世界を見晴るかすというならまだしも、 何ゆえにとんねるなどといういぢましいところをくぐらねばならんのか、 ねづにはわからんのであります。 ねづ奴はもちろん船で渡りました。折りしも沈み始めた気の早い秋の夕日を ぎんぎらとまっせうめんに浴びながらボロっちいフェリーに揺られていく時の 気持ちというのは、ねづろうがごとき稚拙な筆では到底言い尽くせぬほどの 無限のさうだぁじとろまんちっくを含むのであります。 しかしこんな景色も見慣れた地元のドライバーたちは、車から出てこようともしません。 わずか3分かそこいらの旅なのれす。ありふれた日常なのれす。 そんな何気ない横顔にふと、生活のにおいを嗅ぐとき、 そこはかとないうれしさやたのしさがふつふつとこみ上げてくるのは、 一体なぜなんでせうか・・・? フェリー乗り場のすぐ脇が“釣り公園”なる施設になっていたので、適当なところでテントを張って野営。夜通し釣り師がウロウロしていて、今ひとつ熟睡出来無い。まあ、釣り公園だから仕方ないけど。 |
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