岩宿の里・カタクリ桜まつり
hirokok510
体力度について
- GPS
- 02:49
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 20m
- 下り
- 34m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
自転車
|
写真
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こうした山々の姿を古代人も仰いでいたのだろうーーどんな暮らし、どんな気持ちで生きていたのだろう――？？バイソンやナウマンゾウを追いかけていたのだろうか？
感想
岩宿遺跡と稲荷山（191m）の北斜面のカタクリ自生地を見にでかけた。昨日電話したところ、カタクリは見ごろだが桜はまだ咲きはじめとのこと。また岩宿遺跡見学の跡、博物館のレンタサイクルで7�凖个辰燭箸海蹐砲△詒�見者の相澤忠洋記念館に行く予定だったが、記念館に電話したところ、午前中に来てほしいという。そこで赤城駅からタクシーを使い、帰りは岩宿まで車で送ってくださるというお願いすることにした。
東武伊勢崎線で赤城に向かうといつも広大な関東平野を感じる。太古から列島にやってきた人々は、いつごろからこの野山を走っていたのだろうか？2〜3万年前の旧石器時代、人々は野山のナウマンゾウやバイソン、ヘラジカ（ムース）、オオツノジカなどを追って駆け回っていたのだろうか？平野部はどうだったのか？隠れる場所がないので、使わなかったのか？−−遺跡の多くは河川沿いの台地の端、河岸段丘上に出てくることが多いーー。
関東平野も足利市駅を通過する頃から右手奥に日光連山が見え始める。右奥に恐らく巨大な男体山、少し左手前に白く光る日光白根、さらに左に皇海山、袈裟丸連山が見える。やがてぐるっと回って日光連山は見えなくなり、相老付近で今度は赤城山が見えてくる。
相老駅からは左側（西側）の岩宿方面を観察する。思ったよりも傾斜は緩いので、これならレンタサイクルでも問題なかろうと、赤城駅に向かう。ここでレンタサイクルやロッカーを確認し、タクシーで4�劼曚瀕イ譴神崗觧穫爾了海望�し入ったところに建てられた相澤忠洋記念館に向かう。ここは赤城山に向かって353号線を少し渋川方面に進み、ゴルフ場手前で山の方に入り、少し登ったところにある。「赤城人類文化研究所」「相澤忠洋記念館」がある。
タクシーも途中まで人を乗せたことはあっても入口まで入ったことはなかったという。岩宿遺跡・博物館からはやや離れているために、来る人も少なくなったのだろうか？記念館入口前には、岩宿発見の象徴である黒曜石の尖頭器（槍先）の大きなレプリカの石の彫刻が置かれている。中に入り、声をかけるが返事がない。並べられた石器や当時の新聞記事、岩宿発見記念切手、第一回吉川栄治賞を受けた時の写真などをしばらく見学し、備えてある相澤氏らの資料、本をめくって待つ。しばらくしても出てこないのでケータイで電話すると在宅されており、すぐに記念館に出てこられた。電話で話した時より少し早かったのかー何か用事もあったらしいー。すぐにNHKのビデオで、恩師の芹沢長介先生へのインタビューでなくなった相澤氏をしのぶ番組だった。その後、出てこられた相澤氏の最期をみとった後妻の千恵子氏が展示物の説明を始めた。千恵子氏は相澤氏より10以上年下で、まだお元気そうだった。元気というより、相澤氏が学歴のないアマチュア考古学者として、遺跡発見者の名誉は受けたものの、その後は日本考古学協会にも入会できず、学術記録が十分でないとして、発掘を主に担った明大考古学教室が記録を作った石器などが重要文化財に要録されたが、相澤氏発掘品は何の認定も受けなかったこと、夏井戸遺跡などで発見したという後期石器時代以前と思われる石器が明大など多くの学者から否定あるいは疑問が出されたこと（支持する学者もいた）、その他無念の日々が続いて病に倒れ、志半ばで亡くなったことへの妻としての、無念の思いが伝わってきた。相澤氏のことを軽く扱おうとした岩宿博物館や記念切手の説明などに激しくかみつき、文章を直させたり、−−すごい情熱を感じさせるーー相澤氏の執念が乗り移ったような迫力を感じた。そのため、岩宿博物館にはシンボルである相澤氏発見の黒曜石の鎗先の展示を拒否し、資料館所蔵品を一切出さなかったりしたが、やがて時が経過し、村長が詫びて和解し、遺跡発見50周年の展示会には所蔵品の貸し出しをしたという。博物館の入口にも相澤氏の写真が一番初めに飾ってあるのを見て、和解したのだなとほっとする。
記念館で、奥様の写真を撮らせていただき、相澤氏の著作やその他の資料を購入し、車で赤城駅まで送っていただいた。駅で、不要な荷物をロッカーに預け、レンタサイクルで遺跡に向かう。時々振り返って赤城山を撮影。少し白いものがある。駅から3キロくらい走ると、左手に小高い山が見えてくる。稲荷山だ。よく見ると山麓にカタクリ祭りの看板、そこに向かう。もう12時を回り、お腹が減ったが自転車を置いて先に撮影に行く。入口の少し先に斜面のローム層の中には人類の生活を立証した記念すべき土地があるので現状保存せよとの文化庁と群馬県・みどり市の警告板がある。カタクリはぐるっと山すそを回って歩いていくと次第にあらわれる。最初はまばらだったが、次第に開花株が増え、さらに回り込むと、満開とまではいかないが、7分咲きくらいにびっしり開花株があった。中々の壮観で、北側斜面に全面的にカタクリ群落がびっしりあった。時々、アズマイチゲ、アマナなどの小群落もある。じっくり楽しみ、多数撮影して、自転車まで戻る。その先、博物館を通り越して遺跡のA/B地点にある石碑と地層観察館に向かう。ここで石碑とA地点発見現場を見た後、B地点にある地層観察館に入る。ここでは剥ぎ取った地層が展示され、観察できるようになっており、解説のビデオもかかっている。それらを見てからさらに南西にある桜並木に出てそこで簡単な昼食。100円サンドイッチとおにぎりを食べ、持参のコーヒーを飲む。桜は気温が急に上がったのでかなり開花しており、五分咲き以上と思われる。桜のお花見をしてから最後に博物館に出る。赤城山がよく見える場所だ。石器時代の人々も赤城山を眺めて暮らしたに違いない。もっともこの時代は最終氷期で寒いのと火山活動が盛んで、厳しい生活、不安な日々を送っていたとも思われる。ナウマンゾウは年に何頭くらい仕留められたのだろうか？現代の民族誌からは、一生で一度像を取れればよいほうだという証言もあり、どれくらいの狩猟圧があったかは不明だ。あるいは気候変動、食性変化、火山噴火などの環境の変化の方が最終的な絶滅の契機になったのか？？
博物館内は撮影ができない（個人利用でどうしても撮影したい人は許可を取れるらしい）が中で説明員の説明を時々聞きながら一周する。手弁当で作った記念館とは異なり、自治体・文化庁・大学などが協力してできた立派な施設だ。火山噴火や当時の環境、出土した石器石器に詳しい解説など、至れり尽くせりの展示を見てから、受付で図録や資料を多数購入し、しかし複雑な思いで館を出る。考古学に寄せる人々の熱い思い、ぶつかり合い、その情熱と情熱のぶつかり合いを感じ、古代・先史時代の人々も様々なぶつかり合いの中で生き抜いてきたのだと、思いを新たに自転車で赤城駅まで戻った。やはり赤城山を見ながらの登りだった。
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