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記録ID: 4346438
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沢登り
北陸

【若狭】南川・一ツ谷 探索

2022年05月29日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.9km
登り
1,040m
下り
1,041m

コースタイム

日帰り
山行
10:00
休憩
0:00
合計
10:00
5:30
50
駐車地
6:20
6:20
160
支谷Bに入渓
9:00
9:00
50
9:50
9:50
90
P689mから支谷Dに下降
11:20
11:20
150
305m二俣(支谷Cに入る)
13:50
13:50
50
稜線へ
14:40
14:40
50
P689mの北尾根から305m二俣に降り立つ
15:30
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
一ツ谷沿いの林道の路肩に駐車。国道162号線から入ってすぐの林道入り口にはゲートがあるが,カギはかかっておらず,随意に開閉可能(車止めというより獣害防止柵と思われる)。林道はダートでガタガタだが,一応普通の乗用車でも奥まで入れる。途中に倒木があり,その手前で駐車した(大体の駐車位置は概念図参照。駐車余地は一台分のみ)。
コース状況/
危険箇所等
※以下,「支谷A〜D」は写真欄1枚目の概念図に付したA〜Dに対応します。

・一ツ谷は,南川の一支流ながら,(少なくともこの近辺の谷の中では)流程も長く,いくつもの枝谷を有し,なかなか深い切れ込みを見せているため,もしかしたら良い渓相なのではと期待して入った谷。しかし実際には,地形図に描かれている以上に林道が延伸しており,植林も多く,沢登りの対象となる区間が思った以上に限られてしまうのが残念。
・一ツ谷の支谷のうち,最も楽しめるのは支谷C。20m斜滝を筆頭に,5m程度の小滝がほどよく配置されており,どの滝も容易に直登又は高巻きが可能。他の支谷と同じく,植林の影が終始付きまとうが,詰めは気持ちいい自然林の中をオバタケダン(△729.0m)へ上がれる。
・支谷Aはかなり奥まで林道が伸びており,遡行価値は見出しにくい状況(以前,下見に来た際に確認)。
・支谷Bは小滝やナメはいくつか出てくるものの,杣道跡がかなり奥までついており,植林も多く,あまり面白くない。むしろ律儀に石垣まで組んである杣道跡の丁寧な造作に関心が湧いた(もしかして昔の峠道?)
・支谷Dは,源頭の自然度は最も高く気持ちがいいものの,支谷Bと五十歩百歩。
支谷A〜Dの対応図
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支谷A〜Dの対応図
谷の切れ込みの深さからして,密度の高い自然が残されているのではないかと思っていた一ツ谷だが,実際は地形図以上に林道が延伸しており,ちょっと…いや,かなりがっかり。
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谷の切れ込みの深さからして,密度の高い自然が残されているのではないかと思っていた一ツ谷だが,実際は地形図以上に林道が延伸しており,ちょっと…いや,かなりがっかり。
こんな堰堤も結構奥まで作られている。よくもまあ,こんな谷の奥まで…
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こんな堰堤も結構奥まで作られている。よくもまあ,こんな谷の奥まで…
【支谷B】まずは支谷Bに入渓。こんな3m〜5m程度の小滝はぱらぱらと出てくるのだが,周囲は植林の割合が多く,思ったより雰囲気は良くない。
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【支谷B】まずは支谷Bに入渓。こんな3m〜5m程度の小滝はぱらぱらと出てくるのだが,周囲は植林の割合が多く,思ったより雰囲気は良くない。
びっくりしたのが,古い杣道?が谷のかなり奥まで続いていること。しかも,立派な石垣まで組んである。
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びっくりしたのが,古い杣道?が谷のかなり奥まで続いていること。しかも,立派な石垣まで組んである。
単なる杣道にしては,道幅も広すぎる気がする(ただし,車道と考えるには狭すぎる)。もしかして,堀越峠や棚野坂などと並ぶ,若狭越えの古い峠道なのでは,と沢登りとは別のところで興味津々。
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単なる杣道にしては,道幅も広すぎる気がする(ただし,車道と考えるには狭すぎる)。もしかして,堀越峠や棚野坂などと並ぶ,若狭越えの古い峠道なのでは,と沢登りとは別のところで興味津々。
周囲は植林が多いのだが,源頭に近づくと,このような感じの良い自然林に。
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周囲は植林が多いのだが,源頭に近づくと,このような感じの良い自然林に。
若丹国境稜線に詰め上げた。稜線上はほとんど自然林なのが救い。
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若丹国境稜線に詰め上げた。稜線上はほとんど自然林なのが救い。
気持ちのいい稜線歩き。
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気持ちのいい稜線歩き。
オバタケダンに到着。
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オバタケダンに到着。
こんな立派なブナも,時折ポンと生えている。
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こんな立派なブナも,時折ポンと生えている。
山頂からの眺め。
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山頂からの眺め。
【支谷D】P689を越えたあたりから,北側斜面を下って支谷Dへ。いい感じの自然林。この谷は期待できるか?
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【支谷D】P689を越えたあたりから,北側斜面を下って支谷Dへ。いい感じの自然林。この谷は期待できるか?
濃い緑が気持ちがいい。
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濃い緑が気持ちがいい。
立派なブナやトチノキ,サワグルミも。
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立派なブナやトチノキ,サワグルミも。
なかなか良い雰囲気の源頭。
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なかなか良い雰囲気の源頭。
次第に小さなナメ滝が連続。
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次第に小さなナメ滝が連続。
トチノキ大木。
小滝も現れるが…
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小滝も現れるが…
オウシット。植林出てきちゃった…
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オウシット。植林出てきちゃった…
小滝はいくつか出てくるが,もう一押し欲しいところ。
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小滝はいくつか出てくるが,もう一押し欲しいところ。
8m斜滝を巻き下りながら撮影
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8m斜滝を巻き下りながら撮影
炭焼き窯の跡。この支谷に限らず,一ツ谷流域では頻繁に目にする。やはり,昔から人との交渉が多かった谷のようだ。
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炭焼き窯の跡。この支谷に限らず,一ツ谷流域では頻繁に目にする。やはり,昔から人との交渉が多かった谷のようだ。
植林がつきまとうものの,ときおりこんなトチノキや,
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植林がつきまとうものの,ときおりこんなトチノキや,
こんなカツラの木も。
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こんなカツラの木も。
しかし,何となく盛り上がりに欠けたまま,標高点305mの二俣へ。ここで左俣の支谷Cに入る。
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しかし,何となく盛り上がりに欠けたまま,標高点305mの二俣へ。ここで左俣の支谷Cに入る。
【支谷C】支谷Cは,自然林から始まる。しばらくすると植林も混じるものの,他の支谷に比べれば,比較的自然林が多い印象。
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【支谷C】支谷Cは,自然林から始まる。しばらくすると植林も混じるものの,他の支谷に比べれば,比較的自然林が多い印象。
小滝もコンスタントに出てくる。
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小滝もコンスタントに出てくる。
3〜5mほどの小滝ばかりではあるが,直登したり巻いたり,楽しみながら登る。
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3〜5mほどの小滝ばかりではあるが,直登したり巻いたり,楽しみながら登る。
しばらく散発的な小滝を越えていくと,20mほどの美しい斜瀑が。
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しばらく散発的な小滝を越えていくと,20mほどの美しい斜瀑が。
やっと満足のいく滝が現れて,思わずにんまり。
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やっと満足のいく滝が現れて,思わずにんまり。
傾斜は緩く,気持ちよく直登可能。
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傾斜は緩く,気持ちよく直登可能。
20m斜滝の上には,途切れることなく10mほどの段瀑が連なっていた。こちらも直登。
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20m斜滝の上には,途切れることなく10mほどの段瀑が連なっていた。こちらも直登。
今日は今年初の猛暑日となったそうだが,ここは5月の爽やかな渓谷の冷気に満ちている。キビタキのさえずりがしきりに響いている。ジュウイチの声も久しぶりに耳にした。
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今日は今年初の猛暑日となったそうだが,ここは5月の爽やかな渓谷の冷気に満ちている。キビタキのさえずりがしきりに響いている。ジュウイチの声も久しぶりに耳にした。
ときどき植林も出てくるが,しっかり手入れされ片付いたような雰囲気で,悪い気はしない。
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ときどき植林も出てくるが,しっかり手入れされ片付いたような雰囲気で,悪い気はしない。
この後もいくつか小滝を越えて。
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この後もいくつか小滝を越えて。
源頭は植林も消え,美しい自然林に。
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源頭は植林も消え,美しい自然林に。
このまま谷を詰めればオバタケダンにじかに登れるが,さっき登ったばかりなので,ショートカットしてオバタケダンのやや西の稜線に登り上げる。
このまま谷を詰めればオバタケダンにじかに登れるが,さっき登ったばかりなので,ショートカットしてオバタケダンのやや西の稜線に登り上げる。
帰路はP689から北に延びる尾根を305m二俣へ下る。東側は植林で残念だが,西側は悪くない感じの森が広がっている。
帰路はP689から北に延びる尾根を305m二俣へ下る。東側は植林で残念だが,西側は悪くない感じの森が広がっている。
305m二俣に降り立ってからは,谷の右岸側に付けられた林道跡を下って下山。
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305m二俣に降り立ってからは,谷の右岸側に付けられた林道跡を下って下山。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用。ロープなど沢登りの基本装備は携行したが不使用。

感想

 福井の山々の中でも,嶺南,つまり若狭地方は嶺北や奥越に比べ,沢登りの対象とされている谷は少ない気がする。若狭で沢登りの記録をコンスタントに見るのは,今古川や耳川うつろ谷くらいだろうか(他にもあったらすみません)。それでも,地形図を見ていると,何となく興味を惹かれる沢はいくつかあり,そのうちの一つである名田庄の南川・一ツ谷を訪れてみた。この周辺の沢の中では大きい部類に入る流域を持ち,等高線も混んでいてなかなか目を引く切れ込みを見せているので,もしかしたら結構楽しめる谷なのかもしれない,と期待していた。
 しかし,実際に現地に入ってみると,地形図に記されている以上に林道が延伸されており,植林も多く,残念ながら期待通りとはいかなかった。炭焼き窯の跡も数多く見受けられ,予想以上にかなり人が入り込んでいる谷のようだ。まあ,記録がほとんどない谷に入る以上,よくあることなのだが…。
 しかし,支谷Cは,ほどよく小滝が配され,この谷では最大級と思われる20m・10m斜滝の2連瀑もあり,それなりに楽しい沢歩きができた。苔むして崩れかけた炭焼き窯跡を覆うように,御神木のようなトチノキの巨木が聳えている箇所もあり,古くから地元の人々に利用されながらも,大事にされてきた谷なのだろうと想像した。
 野鳥の声も繁く,ホトトギスやジュウイチの声を一年ぶりに聞いた。あとはカッコウの初音を,今年はどの山で聞くことになるのか,楽しみだ。

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