双六谷本谷
天候 | 1日目 曇りのち晴れ 2日目 曇りのち雨 3日目 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・双六谷の難易度は水量に大きく左右される。天候の見極めが重要。 ・平水時は、ザイル等を使用する場所や困難な高巻き等はなく極めて容易。 ・金木戸林道は手前のゲート(双六ダムよりやや奥)までしか車は入れない。ゲートから広河原までは徒歩2時間半。※ただし年によって異なるらしい。奥のゲートまで車が入れれば歩きを1時間ほど短縮できる。 ・金木戸ダムより上流は全て禁漁区域。 ・下山は双六小屋から新穂高温泉まで4時間。 ・マイカーを回収する場合、新穂高温泉から金木戸林道ゲートまでタクシー約10000円。 |
写真
感想
登山道を歩いていてもどこの山も同じに思えてしまうが、沢を登っているとその山のすごさが分かると思う。沢の幅、長さ、深さ、水量、美しさ。今回北アの沢に初めて登って、北アはやはり山の中でも別格だと感じた。
土曜日の夜に金木戸川に到着する。蚊の猛襲を受けて、なぜか今回に限って防虫ネットを持ってこなかったことを後悔した。夜中蚊の音を耳元に聞き続けて頭がおかしくなりそうだった。
朝6時半に出発。林道をひたすら歩く。トンネルをいくつも抜ける。こんな山奥にダムを造り発電所を造った先人の努力はすごいと思う。しかし、わざわざこんな山奥まで開発して小さな発電所を造る必要が本当にあったのかよくわからない。見下ろすと谷は白くまぶしい。八百万の神々や龍が住んでいそうな神々しい雰囲気。
一番奥のダムより上は釣り禁止になっている。日本にわずかしか残らない手つかずの貴重な生態系を守るためだ。取水ダムの下では私のような初心者がわずかな時間釣り糸を垂らしただけで、たくさんの当たりがあった。小さい岩魚が一匹だけ釣れたが逃がした。
10時に広河原から入渓する。水が驚くほど冷たい。壊れた吊橋は最初、鳥居としめ縄に見えた。そしてゴルジュ帯が始まる。早速泳ぎポイント。流されながら必死でバタ足して対岸に渡る。流れに対して45度に身体を向ける。リバースポーツ用語で言うところのフェリーアングルというやつだ。
渡渉が続く。腰や胸ぐらいまで浸かるところもあるが、泳ぎはなかった。水量が多く流れが強いが、緊張するような場所はない。しかし、基本的にゴルジュなので水量の多い時はそうはいかないだろう。ゴルジュの壁にハーケンが打ってあったりするところも今回は簡単に水の中から通ることができた。3メートル以下の小さい滝がたくさん現れるが、流芯を登れるものは一つもない。大きな石を登ったり降りたり迷路のようだ。遠くを見渡してルートを選び渡渉ポイントを見極めながら、できるだけ直線的に歩くのがポイント。
16時前に下抜戸の広河原に到着した。ここが最初の幕場。焚き火の隣で星を見ながら寝た。流れ星を発見。これ以上はないほどの完璧な沢泊まりだった。これほどのものを与えてくれた自然や周りの人に感謝したくなった。
朝6時に出発。ここから蓮華谷出合までの間が、この沢中で一番美しく最も本質を表していると感じた。ほのかにピンク色がかかった花崗岩のゴルジュとエメラルドグリーンの淵。大きく深い釜を持つ小滝。そして枝沢にかかる豪快な滝。難しい部分はなかったものの、この山全体のすごさを感じたように思った。
8時に蓮華谷を分けると源流に近い印象に変わった。しかし依然として水量は多い。岩も大きい。決してひたすら河原歩きという感じではなかった。美しい針葉樹林の間を登っていく。3メートルほどの滝が多く現れるが、チョックストーンを持つものが多いように感じた。やはり流芯を登れる滝はない。雪渓が両岸にわずかに残り空気がひんやりしている。かすかに硫黄のにおいがした。いよいよ稜線が近づいてくる。
双六岳のピークにつめる沢との出合を過ぎると、そこまで豊富だった水が突然消える。そしてつめは高山植物の花の間を歩く。少し季節は過ぎ秋に近いようだった。沢筋がまるで登山道のようになっており、藪こぎはなかった。右上のほうから人の声が聞こえ、見ると登山道がだんだん近づいてくる。そして13時半に双六池のキャンプ場に到着した。
6:30 車止めゲート−9:20-10:00 林道終点−16:00 下抜戸広河原
6:00 下抜戸広河原−7:50 蓮華谷出合−13:30 双六池
6:30 双六池−10:30 新穂高温泉
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