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Yamareco

記録ID: 50067
全員に公開
アルパインクライミング
十和田湖・八甲田

下北半島 縫道石山西稜ルート

1999年05月02日(日) 〜 1999年05月04日(火)
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コースタイム

5/2青森08:00→10:50登山口11:30→取り付き12:45-16:00ピーク16:20→16:55登山口
5/3登山口07:55→08:50取り付き09:05→13:30ピーク13:45→14:50登山口
5/4テント場09:30頃→14:00頃青森

感想

4月29日の野内岩登りで、今年も連休は縫道石山へと決定。池さんの休みが4月30日に決定するとのことで日程は、翌日、5月2日ー4日と連絡が入る。今回は、宮君も来てくれるとのこと。心強い。今さんも登山道を登って初めての山へ行くと5人で出発。3時間程で登山口へ到着。昼食を摂った後、金物類とザイルとシュリンゲをザックに入れ出発。まだ葉の出ない樹林から目に映る岩峰は、この世のものと思われない。岩峰の裾を巻いて、西岩稜の取付へ。大きく割れた空間を背中と足と手で押さえながら少しずつ登る。奥さんは、左の割れから登ってしまう。宮君がトップでリードして行く。2メートル弱の壁は、奥さんがボルトを一本打つ。次は、このルートでイヤな所。宮君がトップでリードする。ハングの下を左から右へ巻いて上へ。ハングの下は手掛かりがなくしかも傾斜のある一枚岩である。下で待つのは、ハラハラするが突破を祈るばかり。奥さん、池さんとトップの経験者がアドバイスをする。下を見るとブナの若芽が萌え出しその中に山桜のウス桃色が目を引く津軽半島、北海道渡島が海をへだたて一望のもと。ザイルの張られた後は、ユマールで、最後の成田は末端をハーネスにつけて、確保されて登る。ゆるい岩稜を登るとアンギラスの奇怪な岩のそばの凹角に至る。ふたつ目の難しいところだ。ここも宮君がトップで垂直な壁を登ってヒノキの小木に確保。続く奥さん、次に池さん、ラストは成田。宮君、奥さんは既に山頂で待つ今さんの所へ。今さんは山頂で3時間余も風を避けて待っていてくれた。あまり遅いので下山するところだったらしい。早々に下山しテント場へ。今、登って来た岩峰を眺めて乾杯!。トップの宮君に乾杯!。ハリブキ、コゴミ、タラノメ、エビの天ぷらにビールもはかがゆく。"ガニ"も又美味。星空に明日もどうにか天気はもちそうだ。一日もってくれよ。

5月3日薄曇り。
白い太陽が見える。今さんは、釜臥山へ登って帰青するとのこと。我々4人は、大ハングの下を巻いて登る一般ルートヘ向かう。途中までブッシュ伝いに登り、靴を履き替える。クラックを登る。ブッシュのコメツツジは、折れやすく、心もとない。中央バンドヘ出ると高度感は、まるで空中にいる感じ。左の絶壁にボルトが点々と上へ延ぴている。よくもあんな所を登れるものだ。奥さんがトップになり、このルートの核心部へ挑む。クラックを上へ上へとザイルが延びて行く。30分、1時間と村からは、正午のメロディが風に乗って聞こえて来た。腹もすいて来た。風は東からで冷たい。時々強い風もあたり寒い。雨にならなければいいがと思いながら待つ。随分長く感じる。池さんとの会話も時々とぎれる。宮君は、少し上で奥さんを確保している。トップでボルトを打ちながらルートエ作しているのだ。ここを池さんと二人で去年登ったのに、夢中だったので記憶している所は、少しだけ。良くもこんな所を登ったものと、池さんの力に驚く。大ハングの下を巻いて奥さんが突破。OKがかかる。宮君が続く。池さん、成田も。クラックも狭くなり大ハングの下はフットジャムで。下を見ると真っ逆さまに落ちて行く感じ。ザイルに結ばれているものの怖さは最高。大ハングの下のトラバースは、本当にイヤな所だ。奥さん、宮君に励まされてどうにかクリア。あとは、池さんのあとを追って山頂へ。広めの段状のクラックを登り、三点確保で山頂へ。今年も良きメンバーに助けられて無事登頂。雨もこぼれて来てテント場で二晩目を迎える。毎年恒例にし、交流の場にしようとの声も出るほど、盛り上がる。

(以下、宮の感想)
5/2
奥さんの車と今さんの車で縫道石山へ向かう。天気はよい。一昨年一度撤退しているだけに、今回は少なくとも1ルートは登りたいと思っていた。青森に住んでいながら縫道石山に登ったことがない、というのは自分的には嘘だと思うので、また青森に戻ってきたからには必ずまた来ようと心に決めていた。そして岩登りが嫌いだという奥さんにお願いして今回の山行を計画してもらった。今日は…昨年敗退した西陵だ。登山口で登はん具等必要最小限の物だけをザックに詰めて取り付きに向かう。空は青く、今回はいけるぞと思いニヤニヤしてくる。登山道の途中木々が伐り払ってあるところからは、これから登る西陵のスカイラインが見える。登山道から岩壁基部へ向かう踏み跡への分岐でザックを一つデポして東壁基部から南東稜を回り込んで西陵基部へ。1ピッチ目はチムニー。バックアンドフットで西陵末端の岩にあがる。ロープをといて緩傾斜の岩稜を歩いて浅い凹角を10m登るとテラスだ。ここから上が僕にとっては未知の領域だ。フェースを右上へのバンド、左上へのバンド、さらに凹魚を直上すると緩傾斜のリッジとなり5mほど登ったところの岩でビレイをとる。緩傾斜のリッジを快適に登る。途中一カ所2mほどの垂直な段差があり少し緊張する。リッジが突き当たった凹角を10m登り、さらにブッシュ混じりの岩稜を30mくらい登ると山頂だ。最後の凹角は出だしが少しかぶり気味で緊張するが、落ち着いて手を伸ばせば結構ホールドがある。山頂では今さんが待ちくたぴれていた。

このルートではピトンとナッツを使った。上部リッジの段差ではボルトを1本。平均的な傾斜は緩いが、高度感がバッチリ味わえ、変化に富んだいいルートだと思う。また来たい。

3日
今日は午前1ルート、午後1ルートの2ルートを登りたいと話すが雲行きがよくない。まずは去年池さんと徹さんが登ったという一般ルート-HCCルートだ。今さんは釜臥山へいくといって別れる。昨日と同じように途中ザックをデポして一般ルートの取り付きへ。東壁なのでたいした歩きもない。しかしブッシュあり。1ピッチ目はブッシュ混じりの凹角を5m登る。次はチムニー。岩にくっつきすぎると頭がつかえて登れない。体をはなして上がろうと試みるが、登れる気がせず池さんにトップを代わってもらう。体を逆の向きにしてするすると登っていってしまった。同じようにすれば同じように登れた。岩登りはメンタルな部分も大きい。

バンドを左に5m。チムニーを登る(途中バンドを右ヘトラバース)。大チムニーが左にあるが、中央バンドを右にトラバース。PETZL(?)のボルトがずらっと打ってあるフェースをさらに右に3mほどのクラックを直上するが、ここは奥さんがトップで行く。上には大ハングが見えている。奥さんはロープを2本引いていき、まず空身で上がって次に電動ドリルの入ったザックを引き上げる。「うわ」とかぶつぶつ言う言葉とかドリルの音などが聞こえてくるが、いっこうにOKの声はない。風は吹いてくるし、雨はパラッとくるしで、体は冷えきってくる。ようやくOKがかかりちょうど拳のサイズのクラックで気持ちよく登っていく。高度感は抜群。ハング下まで来て時間がかかったことを納得する。高度感と頭上の圧迫感と滑りそうな岩がいやらしくびぴる。意を決してそろそろとトラバースするが足が震える。ハングの抜け口でヘルメットがひっかかるが無理矢理抜ける。ほっとする。最後傾斜の緩い凹角を登るとあとはガレ場を登って頂上だ。登山道を下っている間に雨が降ってくる。一般ルートはブッシュが多くすっきりしないがHCCルートは高度感がすぱらしくクラックもおもしろい。
4日雨。朝飯を食って湯の川温泉に入って帰青。充実した山行だった。ハンマーの使い方とトラバースを練習しようと心に誓う。
ところでこれを打っている今、うるしにかぶれて体中がかゆく、大変な事になっている。あーかいー。

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