三重県松阪市 伊勢山上飯福田寺 行場コンプリート+松阪牛
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- GPS
- 01:58
- 距離
- 4.0km
- 登り
- 306m
- 下り
- 316m
コースタイム
- 山行
- 1:33
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 2:00
歩行距離4km、歩行時間1時間30分、歩行数?歩、消費カロリー540Kcal
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
飯福田寺(いぶたじ)の社務所<写真02>で行場のコースの概要と危険度や迂回路について説明を受けられますが、鎖場やボルダリングの未経験者は安易に挑戦しないほうがいいでしょう。最初に油こぼしという(傾斜約70度の)崖を登ることができなければ行場を一周することが難しいとのことです。ここ以外は迂回ルートがありますが、途中で立ち往生すると、この崖を下りなければならなくなるので、連れは諦めて下で待機していました。 表行場を終えたら、必ず社務所に報告します。勝手におかわりしたり、裏行場に向かったりしてはいけないと強調されました。 表行場の標準タイムは2時間程度なので、岩屋本堂に登った後に十分な体力を残していないと厳しいです。最初に油こぼしという(傾斜約70度の)崖を登ることができなければ行場を一周することが難しいです。岩屋本堂をはじめ油こぼし以外の岩場は難しいと感じたら、(安全な)迂回ルートがあります。 油こぼしは、岩質が礫岩(れきがん)だったので岩盤の強度が高く、足場(ホールド)が確実に確保できます。ここは右の直登が難しければ左の方が登りやすいです。 岩屋本堂<写真07>の右に鐘掛(かねかけ)<写真08>と呼ばれるこのコース最大の難所があります。よく見ると、人工ホールドがいくつも設置されており、ボルダリング感覚で垂直に近い壁を登ることができます。ただし、慣れていない人は、手足の位置を間違えるとツイスターのようにこんがらがって危険です。 岩屋本堂<写真07>への最後の登り<写真11>はホールドがほとんどないので、鎖をしっかりと掴んでほとんど腕力で登り切りました。 岩屋本堂の上からは時計回りに進みます。折り返し点となる大天井<写真20>までは難なく歩けました。尾根の向きが西北西に変わり、亀岩<写真21>が出てくる辺りから、鞍掛岩<写真23>、蟻の戸渡<写真25>、小尻返し<写真27>とまるでアスレチックフィールドのごとく、次々と岩場が出てきます。いずれも迂回ルートがあるので、下りる箇所は先に下りられるかどうかを判断して迂回するかどうか決められます。 表行場を時間内にクリアし、ご住職に勧められれば裏行場にチャレンジできます。標準タイムは30分〜1時間です。裏行場は油こぼし<写真37>から登り、獅子ヶ鼻<写真41>までくると、最後に約10mの垂直の崖下りが待っています。裏行場のほうが楽でした。 |
その他周辺情報 | 松阪駅周辺には飲食店がたくさんありますが、19時を過ぎると開いていない店が多いです。一升びん本店<写真48,49>の営業時間は、11〜21時30分(ラストオーダー21時)で松阪牛の焼肉が楽しめますが、16時台で3組待ちでした。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
日よけ帽子(フード付き)
登山靴(防水加工)
ザックカバー(防水用)
地形図
コンパス
マップケース
タオルハンカチ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
スマホ(地図アプリ使用)
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感想
【山全体が行場である伊勢山上】
今回、伊勢山上 飯福田寺(いぶたじ)を訪れたのは、今年の1月に某テレビ番組で紹介されたことがきっかけです。大殺界を迎えた某タレントが全国各地3つの願掛けに挑戦するという企画で、最初に訪れたのが、三重県松阪市の伊勢山上飯福田寺でした。
修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が開いた修行の場で、本堂を囲むおよそ4kmの道のりには数々の岩場があり、その一帯を総称し伊勢山上と呼んでいます。テレビで放映された映像があまりにも衝撃的でしたので、三重県を訪れる機会があればぜひ訪れたい山のひとつとなりました。
【何が起きても自己責任😥】
仁王門前<写真01>の駐車場に自動車を停めて、飯福田寺の社務所<写真02>に立ち寄りました。ここで入山手続きを行います。入山名簿に住所と氏名を記入し、入山料500円を払いました。ご住職より山行経験値を聞かれ、靴(登山靴)などチェックを受けた後、行場のコースの概要と危険度や迂回路について説明を受けました。最初に油こぼしという(傾斜約70度の)崖を登ることができなければ行場を一周することが難しいこと、行場を一周するのに2〜3時間かかるので、岩屋本堂に登った後に十分な体力を残していないと厳しいこと、油こぼしは右の直登が難しければ左の方が登りやすいこと、岩屋本堂をはじめ油こぼし以外の岩場は難しいと感じたら、(安全な)迂回ルートがあること・・・など、入山心得を説明をしてくださった後に、最後に事故が起きても自己責任であることを強調されました。
入山前から恐怖心を抱えていた連れは予定通り入山を諦め、下で待機することになりました。ちなみに、テレビ番組では何かあってはいけないので、某タレントに命綱などを取り付け、なかなか大変だったそうです。行場を知る近所の方々には、あれを見たら来る人が減るだろうと言われましたが、テレビの影響はほとんどなく、訪れる人は少ないままだったとのことでした。
【表行場はアスレチックフィールド】
伊勢山上飯福田寺の行場は表行場と裏行場に分かれます。表行場を無事終えると、ご住職に報告します。表行場での様子を確認し、その上で裏行場への入山許可が出ます。表行場の標準タイムは2時間程度です。
薬師堂<写真03>向かって左に鳥居があり、そこが登山口です。5分ほど登ると、前もって聞いていた油こぼしが出てきました。岩質が礫岩(れきがん)だったので岩盤の強度が高く、足場(ホールド)が確実に確保できるために、ほとんど鎖を使わずに難しいほうの右ルートを登ることができました。
程なく、本命の岩屋本堂<写真07>が出てきました。右に鐘掛(かねかけ)と呼ばれるこのコース最大の難所があります。一瞬、ここは登れないのでないかと思いましたが、よく見ると、人工ホールドがいくつも設置されており、ボルダリング感覚で垂直に近い壁を登ることができます。慣れていない人は、手足の位置を間違えるとツイスターのようにこんがらがって危険です。
鐘掛を登ると、お堂越しに行場にふさわしい景観<写真10>が広がります。一息ついたところで、いよいよ最後の登り<写真11>です。ここはホールドがほとんどないので、鎖をしっかりと掴んでほとんど腕力で登り切りました。
岩屋本堂のてっぺんに立つ<写真13>と、下の舗装道路に連れの姿が見えました。出発から30分程したら、薬師堂<写真03>の前の道を右に進み、舗装道路に出て振り返ると岩屋本堂が見えるので撮影してあげてくださいとご住職に言われていたので、待っていてくれたようです。10分程でご住職にせかされ、走って向かったらギリギリ間に合ったとのことでした。とりあえず手を振り、てっぺんまで登り切った後の目の前に広がる絶景<写真15,16>を独り占めして楽しみました。この感動的なシーンが見られなかった連れは残念がっていました。
岩屋本堂からは時計回りに進みます。折り返し点となる大天井<写真20>までは難なく歩けました。
尾根の向きが西北西に変わり、亀岩<写真21>が出てくる辺りから、鞍掛岩<写真23>、蟻の戸渡<写真25>、小尻返し<写真27>とまるでアスレチックフィールドのごとく、次々と岩場が出てきます。いずれも迂回ルートがあるようなのですが、業を完遂するために、敢えて岩の上を歩き続けました。それぞれの岩のてっぺんに立つ度に絶景が広がりました。
そして、終盤の飛石<写真32>のてっぺんに立った時は、言いようのない達成感を感じました。まさに行場にふさわしい山でした。
表行場完遂にかかった時間は70分余りでした。
【裏行場もクリアーし、すべての行場コンプリート😃】
表行場からいったん社務所に戻り、ご住職に報告をしました。想定時間より早く、しかも迂回コースを使うことなく、表行場を完遂したため、裏行場を勧められました。ご住職は薬師堂<写真03>への石段を上る様子などから所要時間を推測し、これはなかなかいいペースで戻ってくるだろうと予想しておられたそうです。裏行場は説明を受けた後、大丈夫そうだから報告はいらないと言われました。
裏行場は油こぼし<写真37>から登り、獅子ヶ鼻<写真41>までくると、最後に約10mの垂直の崖下りが待っています。過去に懸垂下降を経験している自分としては、この下りは楽勝でした。崖の下に降り立った瞬間、これで伊勢山上飯福田寺での行を、無事に終えたことを確信できました。
結局、裏行場はご住職から言われた30分想定を20分程で終えました。今までにいろいろな行場(山)を経験しましたが、達成した後の充実感においては三本指に入るでしょう。
コメント
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岩屋本堂の写真、お連れ様ナイスアシスト!ご住職優しい。
今の様な登山道具が無い時代に修験場にした役行者はすごい方ですね。
コメントありがとうございました。
連れが下で待つことになった時に、
ご住職がアドバイスをしてくださり、
今回の貴重な写真を撮ることができました。
鎖無くしては今回の行場を敢行することは不可能でした。
役行者が辿った軌跡は人間業とは思えませんでした。
補助器具があるにせよ、同じ景色を見れたのは感激でした。
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