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Yamareco

記録ID: 6528822
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

錫ヶ岳(事故報告)

2024年01月23日(火) 〜 2024年01月26日(金)
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
54:04
距離
15.5km
登り
1,638m
下り
1,363m

コースタイム

1日目
山行
0:424
休憩
0:21
合計
0:00
10:14
15
10:29
10:35
185
13:40
13:40
64
14:44
14:45
30
15:15
15:17
22
15:39
15:40
9
15:49
15:50
16
16:06
16:07
30
16:37
16:38
39
17:17
17:25
14
17:39
宿泊地(36°46'59
2日目
山行
0:623
休憩
0:56
合計
0:00
4:55
99
宿泊地
6:34
6:50
97
8:27
8:34
216
12:10
12:43
211
16:14
宿泊地(36°45'58
3日目
山行
0:554
休憩
0:00
合計
0:00
16:14
0
宿泊地(36°45'58
7:00
7:00
296
宿泊地
11:56
11:56
258
2270mピーク
16:14
宿泊地(36°45'26
4日目
山行
0:00
休憩
0:00
合計
0:00
14:00
宿泊地
天候 23日晴れ、24日風雪、25日風雪、26日晴れ風強し
過去天気図(気象庁) 2024年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
コース状況/
危険箇所等
日光隠山は、アップダウンも大きく急斜面、一部狭いところは小さなキノコ雪。
白桧山より先は膝上で部分的に股下のきついラッセルでルートも判りづらい。
東武日光駅待合室が模様替えしていた
1
東武日光駅待合室が模様替えしていた
やっと、外山鞍部
2
やっと、外山鞍部
振り返ると良い感じです
1
振り返ると良い感じです
先行者のトレースをありがたく使わせてもらって
1
先行者のトレースをありがたく使わせてもらって
前白根山からは自らトレースを付ける
2
前白根山からは自らトレースを付ける
日光白根山
男体山方向の眺めが良い
3
男体山方向の眺めが良い

装備

個人装備
アイゼン スノーシュー ヘッドライト 地図 コンパス GPS 筆記用具 保険証 時計 ナイフ トランシーバー カメラ 食器 コンロ カートリッジ(2) コッフェル 食料(6食分) 非常食 水筒 ライター(2) スプーン サーモス ゴミ袋 行動食(3日分) ロールペーパー 軍手 薬品セット 現金 ザック サングラス アンダーウエア ズボン 山シャツ フリース オーバーヤッケ オーバーズボン スパッツ ウール手袋(2) オーバー手袋 換え靴下 タオル テント 外張り テントシューズ シュラフ シュラフカバー マット 目出帽子 防寒着 登山靴
備考 オーバー手袋の性能が不足していた。あらかじめ判っていたのでミスと考える。
ガスカートリッジに計量ミスが有った。

感想

日光足尾エリアの究極の目標は厳冬期の白錫尾根と庚申山からの皇海山と思う。今回はあえて冬型の強まった日に入山した。結果は実力不足で事故になってしまった。
白錫尾根の2018年06月02日(土) 〜 2018年06月03日(日)の記録(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2273418.html)も投稿しているのでラッセルの厳しさやコースタイムの予想、装備の検討に使用できると思う。

1月23日(火曜日) 晴れ
湯元バス停(10:09)→リフト終点(10:29)→前白根山(15:14)→白根隠山(16:37)→白桧山(17:18)→宿泊地(17:40)
前白根山まで先行者のトレースを使わせてもらった。白根隠山の通過は登り下り共に傾斜があり、距離は短いもののキノコ雪が乗った岩稜もあって5月に比べて非常に悪かった。吹きさらしになる前白根山から白桧山を好天で越えることができた。 

1月24日(水曜日) 風雪
宿泊地(6:00)→2296ピーク(6:37)→錫ヶ岳(12:10)→宿泊地(15:53)
日が変わる頃より風雪となリ、朝には30〜40cmの積雪となったようである。薄暗いうちにスタートしたかったがGPSとコンパスではルートが掴めず、明るくなるのを待った。右手にスマートフォーン左手にコンパスでも2296ピーク付近はかなり徘徊してしまった。何もない錫ヶ岳を超えることができたがラッセルはきつくスピードが上がらない。右手人差し指と薬指が白くなっているのに気づき意識的に動かすようにした。ザックもバリバリに凍り付いていたので相当な低温になっていたと思う。オーバー手袋の性能不足とスマートフォーン操作の問題を感じた。夜は1L程度の水を作るとともに手袋を乾かした。

1月25日(火曜日) 風雪
宿泊地(7:00)→2077ピーク(11:57)→宿泊地(16:14)
さらに30〜40cmの降雪があったようだ。サーモスに暖かい紅茶を入れて、宿堂坊山を経由して滝上バス停までのつもりで出発。2077ピークへの登りは最適なルートが解らず低木を描き分けたり四つん這いになったりで消耗が大きかった。距離的にも短く登りもほとんどない2077ピークまでで時間がかかったのでエスケープルートに設定していた東側の尾根を下ることにした。下りだけになるのでこの時点では滝上バス停までたどり着けると考えていた。しかし、スピードが上がらず、柳沢川の水流のあるところまでと急ぐが林道手前150m地点で歩けなくなってしまった。手袋はバックアップのウール手袋も使用した。何とかテントを張ったが外張りまで張る元気が無かった。コッフェル一杯の雪で140mLの水を作ったところでガス欠になってしまった。下り主体の行程にもかかわらず前日よりも距離が短くなっている。体調不良がすでに表れていたと考える。

1月26日(火曜日)
シュラフに入るも1分間50回以上の呼吸となりかなり苦しい状態になってしまった。ビニール袋で口を覆うとかその他思いつくことを全て試すが改善が無い。御前1時30分に110番で救助要請した。
午前7時には警察消防で30人程度の救助隊を組織して行動を開始してくれた。しかし、自分自身が弱っていくのを強く感じた。声が出なくなり、見る見る指先が黒くなった。防災ヘリも2度飛んでもらえたが強風でホバリングが出来ず帰っていった。14時頃に地上からの救助隊が到着し、即座にソリーに乗せての搬出が始まった。交代を繰り返し真っ暗になる頃に警察車両に到着、さらに救急車に乗せ換えられ壬生獨協医大救急に運び込まれた。
各種検査と点滴と凍傷の基本であるぬるま湯による温めを実施してもらえた。血液検査結果はかなり悪く特に腎臓には障害が残る可能背も有ったようである。翌日の血液検査でかなりの改善があったが引き続き注意が必用と指摘された。

考えられる事故の要因
ガス欠と手袋選択ミスに尽きると考える。山中で1L程度の水しか作っていないので3日間で4L程度の水分補給になっている。1日2.3Lは必須なので明らかに少ない。これが25日の行動打ち切りにつながり、さらに、呼吸困難となった。
24日に右手中指と薬指が白くなった。この時点で手袋の性能不足は感じられた。甲斐駒ヶ岳の経験を活かして少し出費になるが高性能の手袋を購入すべきだった。

私はどん底の貧乏を経験したことがある。父は3年継続して勤務したことが無かった。自営も試したが1年も持たなかった。DVもひどく中学生までは毎日のように殴られた。しかし、両親は見栄っ張りだったので私は大学に入学した。父は出費に耐えられず2年で住宅担保の借入金を持って蒸発してしまった。小中学校ではしばしば教員にも殴られた。小中高校では授業に無関係と様々なモノを教師に取られた。いまだに何も戻ってこない。このような生い立ちは独特な価値観や基準が刷り込まれる。それは登山において極めて危険であると認識していたが今回はその辺の考慮が足らなかったと考える。

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コメント

Kijo-Ashさん おはようございます
しっかり読ませていただきました。まずは帰還できよかったと思います。
これも上級者の豊富なスキルによる的確な判断があったからこそで並みの方なら命を落としていたかもですね。雪山の怖さを改めて勉強させて頂きました。
レコありがとうございました。
PS:凍傷の具合はいかがですか?
2024/3/9 9:12
Baraさん,コメントをありがとうございます。
見っともない結果なので投稿するか迷いましたが、積雪期錫ヶ岳は1月上旬に丸沼高原からスキーで谷沿いに日帰りの記録があるだけでなので投稿に踏み切りました。2012年5月下旬(前白根山から1991mピークまで残雪有り)と2018年6月上旬にそれぞれ錫ヶ岳をトレースしてますが厳冬期はさすがに厳しいです。今回のコースを無雪期なら日帰りもある様ですが積雪期は4日間は必要です。カートリッジの高騰を含めて装備の値上がりによる心理的リスクは要注意です。
凍傷はデブリ手術が終わったところで、左右中指薬指第一関節切断、左人差指少し大きくけずる、左親指小指小さくけずる、残りは処置無しです。自分に由る結果なので受け入れて今後も継続していきたいと思います。
2024/3/10 5:36
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