南沢大滝&ジョウゴ沢滝巡り
天候 | 初日…曇りのち晴れ、二日目…晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
凍った滝をメパンナ姐さんと巡ってきましたよっと。
姐さんは前々日まで山、前夜は飲み会というハードスケジュール。
そしてもちろんワタクシは、先週末はジム程度に留め、前日は飲み会にも参加せず早寝して臨みました^^。
初日は南沢大滝へ。
数日前から寒気が下りて来ているので、かなりいい状態になっているのでは?と期待して行くと、おー、かなり隙間が小さくなって発達してます!(勘違い)
と喜んだのも束の間、近づいてみると水が流れていて、相変わらずかなりの部分がシャンデリア状態でした。
うーむ、先週とあまりかわらんな…。
ともあれ、まずはトップロープを張りましょうということで、南沢大滝経験1回(ついこの間)という相対的ベテランの不肖ワタクシがリードして登ることに。
今回は上まで一気に登ろうという考えもチラッと浮かびましたが、真ん中の難しいラインを登っている(本物の)ベテランらしきパーティを見ていると、ロープがかなり弛んでいる。
あれだけ高くまで登ると、必然的に弛みも多くなるわけで、ロープの伸びも考えると、万一墜ちたらランナウトしていなくても相当下まで行っちゃうなーと即考えを修正。中段でピッチを切ることにしました。
初心者ですから、無理はしませんヨ。
というわけで先週と同じ左端の易しいラインを登りましたが、割とスムーズだったように思います。
登ることそのものより、高度感がプレッシャーになるのですよね、大滝は。
メパ姐さんにフォローしてもらい、無事トップロープ設置完了。
ちょっと休憩して補給などすることにしたのですが、この時間が後にトラブルの原因になるとは…。
ベテランパーティの方がロープが凍ってしまいますよーと仰っていたのですが、その意味を理解していませんでした。
休憩ののち、いざトップロープで登ろうとしてみると、ロープが凍りついて全く引けないのです。
水浸しになりかつ気温が低かった上に、後から分かったことですが、ロープが交差して押さえてしまっていたようです。
交差したのはクライマー側とビレイヤー側の左右を逆にしてしまったことが原因で、ビレイ位置をよく考えて結び目を左右どちらに置くかを決めるべきでした(南沢大滝は60mロープ1本ではロアーダウンできないので、2本連結する必要があります)。
どう頑張っても引けそうにないので、仕方なく登り返すことに。
上段のバーティカルを登り返すのは嫌だなーと思っていましたが、途中で引いてみたらようやくロープが動いたのでほっと一安心。
その後は凍りつかないように、常にロープを動かし続けました。
そしてトップロープでお互いに1回ずつ登ったのですが、ロアーダウンでロープがルベルソを通ると、ガリガリとかき氷ができる始末でした。
60cmスリングなど固まってしまい、まるで棒のよう。
また凍りついて引けなくなるのが嫌だったので、早々に回収。
撤収して行者小屋に向かいました。
行者小屋に着く頃にはもう真っ暗で、遅い到着になってしまったにも関わらず、スタッフが親切に案内してくれてありがたかったです。
ご飯も美味しいし、行者小屋のスタッフはみな感じのいい方ばかりで、快適な夜を過ごすことができました。
そして、小屋では塾生のSKさんと遭遇。
聞けばテントでシュラフに水をこぼして凍らせてしまい、小屋に逃げ込んできたとのこと。
みんなで楽しく歓談してから就寝。
寝る前に外に出てみると、満点の星空が広がっていました。
翌日は小屋で朝食をいただいてから、ジョウゴ沢へ重役出勤。
空には雲一つなく、これ以上ない好天に、小屋前で準備する皆さんも嬉しそう。
ジョウゴ沢に行くのに行者小屋に泊まる人はあまりいないと思われ、赤岳鉱泉に向かう道すがら、もう登ったんですか?などと聞かれつつ、鉱泉経由でジョウゴ沢へ。
ジョウゴ沢はすぐにF1が現れるのがよいですね。
F1はミニ滝なので、フリーソロで越え(巻き道もあります)、F2へ。
F2は様々なラインをとれるほどは発達していませんでしたが、十分登れる様子。
メパ姐さんリードで越えて行きます。
F3のことは全く覚えていませんが、恐らくそこも過ぎてしばらく進むと、右奥に大きい滝が見えてきました。乙女の滝でしょうか?(いや、ジョウゴ沢大滝かも?)
これを登るには実力不足な上に、落ち口辺りの氷が細そうで、登るつもりはありませんでしたが、もっと近くで見てみましょうということに。
ただその前に2mほどの小さい滝を越えなければならず、下から見る限り下りるための支点になりそうなものが見当たらない。
灌木もないし、使えそうなピナクルもない様子。
クライムダウンすることもできそうでしたが、乙女の滝(実際はジョウゴ沢大滝?)を近くで見るためだけにそこまでしなくてもよいのでは?ということで勘弁してやりました。
というわけで、F2に戻って何本か練習しましょうということになり踵を返したのですが、後からトポをよく見たところ、本流をもう少し先に進めば左俣にナイアガラの滝があったようで、ちょっぴり後悔。
4級を超えるグレードなので、実力範囲外だったとは思いますけれど。
戻る途中でふと左岸を見ると、支沢に何やら滝が見えます。
中々よさそうなのでは?と、ふらふらと誘い込まれてそちらへ寄り道。
到着してみると、F2よりずっと登り応えがありそうな、中々立派な滝じゃありませんか。
ではこれを登りましょ、てなことに。
まずはワタクシがリードさせていただきます。
ところが登りはじめてみると、これが見た目以上に脆い氷で、水が流れているのが透けて見えるところも多かったんですよねー。
下部の緩傾斜を越えて唯一ラインを取れそうなバーティカル部分に辿り着くと、まともにスクリューが効きそうなところが見当たらない。
ブロック状の氷が積み重なり、隙間だらけの状態で、スクリューをセットしても、万一墜ちたら氷ごと剥がれそう。
アックスを打つにしても、ブロック状の氷はすぐに壊れてしまうし、隙間にフッキングして登る勇気はありません。
そこで右にトラバースして別のラインを探ると、2〜3歩ほど緩傾斜を上がれば落ち口に辿り着くことができそうだったのですが、あまりにも氷が薄く、水流が透けて見える。
自分が基準とする一線を越えてヒリヒリした思いを味わうか、ちょっぴり苦い思いを味わうか暫し考えたのち、後者を選択して敗退しました。
本当は大丈夫だったのかもしれませんが、何せ氷の状態を見極める目を持っておらず、判断できないのに突っ込むことはできませんでした。
右側の固そうな氷にスクリューを2本セットして敗退し、後をメパ姐さんに託します。
託しはしたものの、無理しないでねーと祈りつつビレイ。
ワタクシは防寒テムレスでも全く指が冷たくならないのですが、姐さんはダメみたいで、痛い痛い!血が回らないーてなことを言いつつ、同じところで下りて来ました。
ということで、ダメだったらこっちから登って回収しましょ、と話していたすぐ左のナメ滝へ。
ここで各種失敗を経験させていただきました。
まず当初フリーソロで登ろうと思っていたという勘違い。
ワタクシがリードしたのですが、登ることそのものは簡単でも高さがあるし、岩や草つきが露出した部分があったので、ロープ出してよかったーと途中で思いました。
次にスクリューだけ持って行き、ヌンチャクを忘れるという失敗。
途中で気づいて、アルパインQDを使ったり、120cmスリングで簡易ヌンチャクを作って凌ごうとしましたが、それでも足りないのでクライムダウンして下のアルパインQDを回収したりと、とんだ手間をかけてしまいました。
おまけにアルパインQDをクランポンの爪で引っかけてしまい、また下りたりして、さらに時間をかけてしまう始末でして。
立木でピッチを切り、次の立木まで雪の斜面を姐さんにリードしていただき、さらにそこから懸垂下降して、ようやく滝の落ち口に到着。
ロープをもう一本引いてくれば、懸垂下降一発で下まで下りられたので、その点も失敗でした。
落ち口のもう少し下にペツルの残置支点があったのですが、下りる前にはそれに気づかず、ピナクルにスリングを捨てて、滝下までさらに懸垂下降。
何はともあれスクリューを無事回収し、安全地帯まで下りてほっと一安心。
とんだドタバタ劇を繰り広げてしまいましたが、プチ冒険のようでワタクシは面白かったです。
アイスクライミングの練習にあまりならず、メパンナさんには申し訳ないことをしましたが、よい経験ができて自分的にはけっこう満足。
のちにトポで確認したところ、この滝は右俣大滝(5級-〜5級)だったようです(たぶん)。
登りかけてやめた上部も難しいようには感じませんでしたが、何せ氷が発達途上で脆く、初心者向きではないと思いました。
経験を積めばこのぐらい普通なのかもしれませんけど、自分レベルにはちょっと判断つきかねました。
本当は4級ぐらいのしっかりした氷でもっと練習したいところなのですが、今シーズンは氷の発達がよろしくないようで困ったものです。
この日はこれにて終了。
一日でたったこれだけ?と、びっくりされるかもしれませんが、いい時間になってしまったので。
雪が少なくて滑りやすい北沢をダダーと下って、駐車場に到着。
もみの湯で冷えたからだを暖め、甲府のステーキ宮でタンパク質を補給して、ガラガラの中央高速を快適にドライブして帰途に着きました。
素晴らしい好天に恵まれて、美しい山の景色を堪能できてよかったなー。
アイスクライミングの練習をするだけならアイスキャンディなどの方が効率的なのでしょうけれど、自然の中で様々な状態の氷を登る(登らない?)というのは、とても貴重な登山経験になったと思います。
ワタクシのような初心者と一緒だと色々なことが起こりますけれど、これに懲りずにまたよろしくお願いします〜。
ハプニングもまた楽しかったですねー(*^^*)
また行きましょう〜。ワタシはまずは手袋とハーネスを何とかせねば…。
今年もよろしくです\(^o^)/
氷瀑が雪で埋まる前に、ジョウゴ沢から硫黄岳まで行ってみたいです。
手袋は悩ましいですね〜。
防寒じゃないテムレス+ちょい厚めのインナーウールというのは、いかがでしょうか?
今年もよろしくお願いいたします‼
geraさん、あけおめ〜
30日ワタシは御小屋尾根から阿弥陀に登って赤岳から地蔵尾根、南沢を下って、16時前に美濃戸に着いたころにはヘロヘロだったもんですから、赤岳山荘の駐車場でgera号を探してたんですけど、もう下山後だったんでしょうか?
舌打ちして林道をとぼとぼ美濃戸口まで歩きましたよ
この日はいいお天気でしたね〜。
雪が少ないし穏やかな気候であまり冬山って感じがしませんでしたが、景色は最高でした。
阿弥陀山頂で行者小屋に泊まった方にお会いしましたけど、小屋は空いてたとおっしゃってましたから快適な小屋泊まりだったんじゃないでしょうか?
アイスもだんだん手慣れた感じになってきたようですね。
ちょっとやってみたくなってきました。
それにしてもいつもながら記述が詳しいですね。
よく覚えているなあと感心してしまいます、中高年なのに。
今年もよろしくお願いします。
あ、これ年賀状の代わりです。
そう言えば、30日に行くとか行かないとか仰ってましたね。
16時には、まだ美濃戸に着いていませんでしたね〜。
着いたときには、もう真っ暗でしたから。
美濃戸口までの間に登山者を追い越した記憶もないので、kanosukeさんの方がだいぶ先に下山したのだと思います。
1時間(もっと?)の残業お疲れさまでした。
帰りもたいへんになると分かっているのに、御小屋尾根から登るなんて酔狂…いや流石です!
稜線も雪は少なかったのですね。
八ヶ岳は真っ白という感じではありませんでしたが、北アルプスが綺麗に見えましたよね。
長距離の縦走、お疲れさまでしたー。
行者小屋は赤岳鉱泉みたいに人で溢れていないので、快適でしたよ。
氷瀑を越えていくアイスクライミングは、冬の沢登りみたいなものですから、kanosukeさんは気に入ると思いますよ。
ぜひお試しあれ。
あっ、そうそう、うっかりしてました。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
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