山行記録: マクラフリン山（Mount McLoughlin, 2894&#8575;）オレゴン州南部の秀峰

コースタイム

マクラフリン山はカスケード山脈に属し、オレゴン州南西部にあるきれいな形の成層火山です。カスケード山脈はアメリカの西部、ワシントン州からカリフォルニア北部にかけて南北に連なり、中にはレーニア山（4392ⅿ）やフッド山（3425ⅿ）のような氷河の山も多数ありますが、マクラフリン山は標高も低めで、特別な技術や装備なしで登れる山です。1997年の夏、サンフランシスコ近郊で大学院生をしていた私は一週間レンタカーを借りて、オレゴン州内のカスケード山脈の山々を回ることにしました。その最初の目的地に選んだのがこの山でした。

登山前日、カリフォルニアからインターステート5号線を一路北上してオレゴン州に入り、メッドフォードの町からオレゴン州道140号線に乗り、フィッシュ・レイクを過ぎて左に林道に入り、標高1700くらいの登山口まで登ってキャンプしました。カリフォルニアの夏はカラカラの晴天が続きますが、オレゴン、ワシントンと北に向かうにしたがって湿気が多くなります。オレゴン南部の山ではちょうど雪が解けて水が豊富な時期で、このときは蚊が大発生していて、林道脇に止めた車が、雲のような蚊の群れに囲まれてしまいました。テント設営の準備を車内で済ませ、ドアを開けるとあらかじめ見定めたテント設営地に突進。秒速で設営してテントに潜り込み、ジッパーを閉め、中に入り込んだ蚊を始末してようやく一息つきました。

その日の夕食をどうしたかは覚えていませんが、翌朝は日の出前、蚊の活動がまだ鈍い時間に朝食を済ませ、早々に出発しました。虫よけスプレーは持っていましたが、樹林帯では休むとすぐ蚊が寄ってくるので、休憩は荷物を置いて歩き回るだけ。しかし、標高が上がってくるとさすがに蚊もいなくなり、眺めも出てきて快適な登りとなりました。頂上下にはちょっとした雪渓があって、それを横切るとほどなく頂上。独立峰だけあって、全方向に素晴らしい眺めがありました。

下ってキャンプを畳み、アメリカ本土で最後まで白人たちに抵抗していたモドック族の地域を走り、摩周湖を巨大にしたようなクレーター・レークを見てから、ダイアモンド・レークの湖畔まで車を走らせ、湖畔のキャンプ場にテントを張って翌日のセルセン山に備えました。天気はいいし、何をするのも自由。金はなくとも贅沢な夏休みでした。

セルセン山の記録はこちらです。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-828996.html