ロックウォールトレイル
- GPS
- 128:00
- 距離
- 38.1km
- 登り
- 802m
- 下り
- 912m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス | ツアー会社の車。 |
写真
感想
2015年 ロックウォールトレイル縦走記録
Aug.17 Monday
天気は前日までと同じくいまいち。キャンモアのシンボル、スリーシスターズがすこーし見えるかどうか。今日は夕方からヤムナスカでオリエンテーションを行う。同行してくれるスタッフは山田俊行さん。通称トシさんは30歳で私たちの間の年齢、大学の山岳部出身で話も盛り上がりそうだ。持ってきたトレッキングシューズが防水でなくローカットだったため宜しくないと言われたが、靴は濡れる前提で考えてきた私たちとしては何とも思っていなかった。ということで持ってきた靴で歩くことに決定。あとは問題なくオリエンテーション終了。帰りはキャンモアの街まで送ってもらい、中華料理を食べた。しかし送ってもらった車の中に財布を忘れてしまい、ホテルまで持ってきてもらうという失態をしてしまった、すみません。パッキングをして就寝。
Aug.18 Tuesday Day1 (17km、275m↑、6.5h)
8:00 Holliday Inn Canmore 出発 車移動
9:00 Paint Pots 出発
10:50 1470m分岐 Ochre Creek
15:30 Helmet Fallsキャンプ場
昨日までの天気と違って晴れ。ヤムナスカのアヤカさんの運転で片道1時間の登山口へ向かう。登山口で食糧、テント、ガス等の団体装備を配られたが、6日分はさすがに久しぶりの重さでこの日は膝腰に痛みを感じた。(一真さんは余裕の表情)クマ鈴を持ってきたが、ロッキーでは鈴は小熊の泣き声に似ているため付けないというのが常識らしい。熊スプレーを1本ずつ渡され噴射の仕方を教わったが、使わない事を祈るばかりである。
始めは森の中を歩く。こういうところにクマがいるらしいので3人で話をしながらクマが近付かないようにする。ロッキーは小動物が少ないためグリズリーも肉食ではなく草食がほとんどで、そんなに心配する必要はないと言われた。むしろクーガ(ライオンのようなもの)に会ったらその時はあきらめろと言われているらしい。森の中は針葉樹林が多く、ライケンという微生物が各木々から垂れ下がっている。土壌が弱いらしく、根っこから倒れている気がたくさんあった。これがカナダの森か。
4時間ほど歩くとようやくロッキーらしい岩山が見えてきた。そこかしこにピンク色のインディアンペイントブラシや赤い実を付けたヤナギラン、ポプラ(アスペン)など低い木やお花畑が広がっている。氷河から流れる青い水の川もとてもきれい。来て良かったー!
ヘルメットフォールズキャンプ場に着くとたくさん人がいるが、国立公園は全て予約制のため泊まれない事はない。日が当たると暑いので、日陰でトイレに近いテン場を選んで、クマよけ用のロッカーのようなものに食べ物や湿布など匂いのするものはすべて入れておく。食事をするところもテーブルとイスが用意されていて場所が決まっていて、さすがロッキーは国立公園として成り立っていると思った。
キャンプ場から良く見えるヘルメットフォールズに向けて散策開始。ナキウサギ(ピカ)や地リスがたくさんいる岩場を歩いて滝に近付いてみる。なんという景色。まさにロッキーに来たという感じだ!夜ごはんを食べてお茶をたくさん飲んで就寝。
Aug.19 Wednesday Day2 (10km、430m↑↓、5h)
9:20 Helmet Fallsキャンプ場出発
12:15 Goodsir Pass 到着点 昼食
15:00 Helmet Falls キャンプ場着
今日も朝から快晴。ヘルメットフォールズに朝日が当たって岩場が赤く染まり、そこから流れ出る滝がまさに大陸の朝という雰囲気。昔ディズニーで見た「ビアンカの大冒険」のゴールデンイーグルが今にも出てきそうだ。ところで朝ご飯はスクランブルエッグとマッシュポテトだが、これが全てヤムナスカオリジナルで粉末にされているとのことで素晴らしい。日本もこういうのがあればもっと楽しく縦走が出来るのに。昼食のトルティーヤを作ってグッドサーパス散策に出発。
高度が上がるにつれて針葉樹林の植生も変わってくる。「square,sharp」のSpruss、「friendly,flat」のFin、そしてLarch、またヤナギランや梅鉢草などロッキー特有の植物を今日も教わる。上に行くにつれて地リスの巣がたくさんあり、かわいいリスが顔を出している。登山道を外れてサイドトリップを行うと広い草原に出た。イーグルがピーっと鳴いて飛び回り、岩場にはマーモットもいる。Helmet Mountainを始め、氷河の残る3000m級の山々を見ながら昼食開始。なんという贅沢な時間だろうか。こんな景色が世界にはあるものだなあと、しっかりと目に焼き付けてキャンプ場に戻った。
Aug.20 Thursday Day3 (11.6km、975m↑、580m↓、6.5h)
7:50 Helmet Fallsキャンプ場出発
10:03 Limestone Summit 2170m〜Rockwall Pass trail
14:30 Tumbling Creek キャンプ場着
本日も晴れ。毎日晴れていて本当にありがたい。5:30起床でまだ暗かったが、トシさんがお湯を沸かしていてくれた。暗いと夜行性動物が出てきそうで怖い。ちなみに夜は暖かくて良く眠れた。快適だ。今日はこのトレイルの核心部である「ロックウォールトレイル」を行く。ヘルメットフォールズをわき目に見ながらひたすら高度を上げて行くと、Larchの森に出てSubalpineエリアに来た事がわかる。Limestone Summitを超えるとmedow(草原地帯)の広がる景色に出て、Rockwallが目の前に現れた。全てが1枚岩で、モレーンという氷河の削れによって盛り上がった地形を進む。氷河の量は昨日より多く、太古の歴史に思いを馳せた。足元には今日も地リスがたくさんいた。何回見てもかわいいなあ。
キャンプ場に着くと天気が悪くなって少し雨が降ってきたが、トシさんがタ―プを張ってくれて全く問題なく過ごせた。夕食はなんとパンケーキ。バターとメープルシロップまでついてとってもおいしかった。縦走ではやはり食事は大切ですね。トシさんとは年が近い事もあって毎晩話が盛り上がった。
Aug.21 Friday Day4(8km、400m↑、670m↓、4h)
8:30 Tumbling Creek キャンプ場出発
12:30 Numa Creek キャンプ場着
4日目にして初の雨。6日間で唯一の雨だった。ということで雨具を着用して出発。ロッキーは岩場がほとんどで土壌も豊かでないため、小川がすぐに増水するようだ。トレイル上にある川を渡渉しながら休憩もせずに黙々と進む。川だけでなくもはやトレイル上も川になっていたためびしょぬれになった。ひたすら歩いた事によって思いもよらぬ速さでキャンプ場に着いた。錬成合宿っぽくて無駄にテンションの上がった山行で、これはこれで楽しかった。
キャンプ場に着いてからはテントを張って少し休憩。3年生の時に買った雨具はまだまだイケると思っていたのが大間違いで、服は全て濡れてしまった。新しいものを買わなくては。しばらくすると雨が弱まったので、お湯を沸かして暖かい飲み物を飲みながら昼食を食べた。切り株にかわいいネズミがいてひたすらその写真を取る事を頑張っていた。
雨がやんだので今度はたき火にチャレンジ。このキャンプ場は今回のトレイルで唯一たき火OKなのだ。小枝とライケンを集めて着火!ロッキーの気候は日本のように数日雨が続く事がない上、基本的に乾燥しているので服や靴は割とすぐに乾いた。夜にはすっかり雲がなくなり、ものすごい星空が広がっている。こんな星空も見た事がない。何を見てもカナディアンロッキーは素晴らしい。本当に来て良かったなあ。
Aug.22 Saturday Day5(9.5km、825m↑、430m↓、6h)
8:30 Numa Creek キャンプ場出発
13:00 Numa Pass 2355m
14:30 Floe Lake キャンプ場着
昨日の天気と変わって本日も晴れ。しかしテントには霜が降り、寒くて眠るのが困難だった。昨日の雨は高所では雪だったようで山々は雪化粧をしている。最後のキャンプ場に向かって出発。高度を上げて行くと、滝の流れる山を背景にしたヤナギランのお花畑が出現。もはや絵本の世界だ。今日のトレイルは長めだったが、終盤のヌマパスの丘に着くと真っ青なフローレイクが見えた。なんという美しい景色だろうか。3人で記念撮影をした後、靴を脱いで昼食を取りながらしばし休憩。あとはキャンプ場までひたすら下るだけ。青い湖がぐんぐん近付いてきて足取りも軽い。
キャンプ場はテントサイトが1つ1つ段差になっており、プライベート空間のようだ。昨日濡れたものを全部出して乾かし、しばし昼寝をした。湖を見ながら風に当たって気持ち良い!昼寝の後はお茶やコーヒーで乾杯し、談笑して最後の夜を惜しみつつも楽しんだ。
Aug.23 Sunday Day6(10.5km、716m↓、4h)
10:00 Floe Lake キャンプ場出発
14:00 駐車場着
この日は少し早起きをしてフローレイクのミラーリングを体験。日が昇りきる前の静かな湖に目の前の山と氷河がきれいに映っている。昨日の真っ青な湖が朝はこんな風になるのか。なんとも美しい。本日の行程は短めなので朝はゆっくり朝食をとってお茶を飲む。ああ名残惜しい!そして出発。
ロッキーを背に歩いて行くと、2003年に起こったという大規模な山火事の後に出た。山火事は風で木がこすれる事によって起こるのが主な原因だというから驚きだ。昔は火を消していたが、それも今は自然破壊の一つと考えて消す事はしないそうだ。すっかり燃えてしまい、白くなってたたずんでいる木々の下にはヤナギランがたくさん咲いて真っ赤なお花畑となっている。こうしてまた森がゆっくりと再生されていくようだ。
歌などを歌いながらひたすらトレイルを下っていくと、道路が見えて車の音が聞こえてきた。旅の終了が近付き、なんとも悲しい。青い川を渡ると駐車場に着き、アヤカさんが待っていた。60km近くを歩いた山行も終わり、踏破した事を喜んだ。
天候にも恵まれ、カナディアンロッキーは毎日様々な姿を見せてくれた。トシさんを始め、ヤムナスカのスタッフの皆さんもとても親切で大変思い出に残る旅となった。目を閉じると今でもあの景色が浮かんでくる。素晴らしい新婚旅行だった。
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