三浦アルプス(ジャングルの縦走)
zaoluck
- GPS
- 04:08
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 487m
- 下り
- 449m
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| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
仙元山を除きメジャーなコースとは言えないものの、急斜面にはロープがあるなど、整備はまずまず。どんぐり並木〜上山口小分岐間は一部ヤブっぽく、夏場は苦労しそう。 先人の記録に登場する京急ホームページの「三浦アルプストレッキングMAP」は削除され、入手できなくなっている。便利そうなのに大変残念。「分岐が多くて迷う」と言われる縦走路だけに地形図と磁石は必携だが、ハイカー手製の指導標が多いため、それに注意して歩けば大きくルートを外すことはない。迷っても里は近いので気は楽だが、かなりの急斜面とジャングルのようなヤブがあるので、無闇に登山道を外れない方が良い。 とか言いながら、当方は沼間隧道上の尾根伝いに鷹取山へ行こうとして果たせず、しばし山中をさ迷った。なお、指導標に「作業道」とあるのは送電線鉄塔の点検用の道で、行き止まりのケースが多いようだ。 |
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感想
JR逗子駅からバス10分で風早橋バス停に着いた。前方のトンネルを目指し、手前の信号を右に曲がれば間もなく左頭上に「葉山教会」の看板と急坂が見える。標高差40mほど登ると教会で、ここで舗装路は終わり。軽快に走り去るトレラン女性を見送って歩き始めると、ほどなく木々のない斜面に出て相模湾の視界が開けた。ひとアルバイトで仙元山。あいにくの曇天で富士山は見えないが、江ノ島と海に浮かぶヨットの群れが美しい。早くも弁当を使う男性2人を横目に最初の鞍部へ下る。右下の家並みが視界から離れ、葉山中学から部活動の少年たちの声が聞こえてきた。鮮やかさは今一つながら紅葉した木々が連なり、遠く湘南国際村の建物も望める。
人影多く整備の良い仙元山ハイキングコースの難所・200段を超す連続階段を登れば、189mピークに至る。厳密には頂上ではなさそうだが、休憩用にベンチが置いてあった。クリーンセンター分岐の道標が現れ、そこから1分余で仙元山ハイキングコースと三浦アルプス縦走路との分岐に至る。ネット上の山行記録で皆さんが「迷いやすい分岐」と注意を促している地点だ。実際は、エゴノキに掛けた親切な手書き指導標のおかげで迷うことなくルートを辿ることができた。間もなく二子山方面への道を左に分け、ひと登りで「観音塚」の167mピーク。16番の山火事通報用目標番号看板が立っている。
この観音塚などの地名は、京急ホームページの「三浦アルプストレッキングMAP」に載っていたらしい。「らしい」と言うのは、なぜか今はホームページ上から削除されているからだ。思い起こせば30年ほど昔、オリエンテーリング好きの友人と地形図片手にこの山域を歩き回ったことがある。当時、道はもっと細く指導標も少なかったと記憶しており、そもそも「三浦アルプス」という愛称も聞いたことがなかった。マップの効果でハイキングルートとして定着しつつあったろうに、残念なことだと思う。
観音塚から下ってすぐのT字路を左に取り、地図上で半島中央道の新沢トンネルの上を横切る辺りがどんぐり並木。南東の視界が開け、湘南国際村がよく見える。昼食中のご夫婦と言葉を交わしてから先へ向かうと、下り坂に立派な檜がそびえていた。照葉樹も多い暖帯の林相を歩いてきたので針葉樹はなんだか懐かしいが、逆に道はヤブが濃くなってきた。じきに3mもある篠竹を切り開いた細道となり、目標番号27の分岐から先は自生の棕櫚も目につくようになった。急にさまざまな鳥の鳴き声が周囲にこだまし始め、なんだか亜熱帯のジャングルを歩いているようだ。
杭に手書きで「葉山アルプス」と書いた指導標を過ぎると、目標番号29の看板が立つピーク。振り返ると相模湾が見え、「江ノ島遠望」と書いた札も下がっている。30、31番と看板の立つ分岐をやり過ごし、根元からいくつにも枝分かれした大桜の下で小休止。地形図にある159mピークの東隣のピークだろうか。
指導標のない分岐にたじろくも、50mほど先のピークの向こう、目標番号32番で合流。長さ10mほどのささやかな「桜並木」を過ぎると、送電鉄塔��34に出た。女性2人が地図を見ながらお食事中。こちらも腹が減ってきた。目標番号34番は上山口小方面への分岐点で、ここから俄然、道が良くなる。211mピーク付近でついに東京湾が見え、登り返した所が乳頭山だった。
気のせいかと思ったら、ポツリポツリと雨が降ってきた。予報は曇りで、高山でもないため雨具は持参していない。男子学生のグループと後から到着した老人グループで賑やかな頂上で、急ぎお握り2つの昼食を頬張った。おかずに買ったゆで卵が実は温泉卵だったのだが、構わず啜って平らげた。晴れたら素晴らしいであろう長浦港から東京湾の眺望を大急ぎで写真に収め、そそくさと出発する。もっとも、出発時には雨は上がってしまっていた。「まあ、そういうものさ」とつぶやいて頂上を去る。
直下にすぐ道標があって驚くが、これは中尾根へ向かう直進ではなく右折が本道。送電線の位置を頼りに尾根を北上する。できればこのまま尾根伝いに鷹取山に登ろうという魂胆だ。見晴らしの良いところで前方を確認しながら歩いたが、結局、作業道に迷い込んでしまった。鉄塔の下で道がなくなっている。同じミスをしたトレラン青年がヤブから出てきて、道を尋ねてきた。一緒に地図を検討し、道がない以上、一つ手前の分岐に戻るしかないと決する。
その分岐は東へ急に下る道に続いているので敬遠したのだが、実はすぐに向きを変えて山腹を巻く道であり、向こうからハイカーもやってきた。二子山へ向かう先ほどのトレラン青年が走り去り、こちらも後を追う。地形図上の二子山分岐路は私有地とかで木戸でふさがれ、新しい分岐は小ぶりな送電鉄塔の下だった。
白赤稲荷への道を右に分け、なおも進むと横横道路の騒音が大きくなって、「沼間坂上」の地名を記した小さな指導標の分岐に着いた。右の「展望台から16号」の道は、やがて住宅街に続くと聞いたので左を選択。桜山��4というやや小ぶりな鉄塔の下を通り、逗子インターの脇へ。また分岐があり、右は登山道からの「出口」とあるので左へ取ると、二つ目の送電鉄塔で道がなくなってしまった。テープを巻いた木も見えるが、どうも怪しい。諦めて折り返し、「出口」の道を辿ってみると、説明通り横須賀市水道局前の細道に出てしまった。
右は封鎖されたトンネル、左は水道施設を経て東逗子方面の集落へ続いている。諦めきれずに右に向かい、踏み跡を見つけて勇んで登り始めてみたが、杉の幼木が植わっている辺りで道が消えてしまった。尾根はまだはるか遠い。進退窮まり、残念ながら鷹取山はギブアップすることにした。
沼間トンネルを抜けて京急田浦駅へ出ようと思う。舗装路に戻り、水道施設前から人家の方へ降りた。未練がましく目でルートを探してみたが、山へ伸びる道はないようだった。
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