八海山(屏風道〜新開道)
コースタイム
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 11:30
小休憩含む
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
岩峰で鎖場が多いので慎重に行きたい 今回軌跡情報は有りません |
写真
感想
昨年の八海山山行は、一回目は途中から雨で撤退。二回目は急に思い立って出かけて、時間切れ撤退、と散々であった。次回は、天気予報と照らし合わせて行かなければ、と強く思った。だからと言ってそれだけで山に行けるわけではない。それを狙っていたわけでもないが、ようやく山行実行となった。私が、八海山にこだわるのは迂回路を通ったことが無いからだ。ヤマレコの記録もそうだが、迂回路の方が“厳しい”という報告を良く見る。だから一度通ってみてこの目で確かめたいのである。その他にもう一つあるのだが、これは誰にも話したことは無く、しばらくは内緒。
暑さが予想されたので、出来るだけ早朝に出発することとして前夜発とした。道の駅で車中泊して夜明けとともに登る算段である。こういう時は道の駅は便利である。何か大きな行事でもない限り、駐車出来ないということはまず無い。トイレは完備されているしレストラン併設も珍しくは無い。同じような考えの人はいるもので、道の駅“ゆのたに”にはキャンピングカー数台を含む多くの車が停まっていた。
登山口の2合目には暗いうちに着いた。すでに2台ほど駐車していた。その後も数台到着。明るくなった4時35分出発。最短距離で千本檜小屋に出て迂回路経由で新開道を下る周回コースである。鎖場までは暗いうちの歩行も有りだとは思うが、自重して明るくなってからの出発である。
直ぐに沢を渡る。前に登った時は、野猿の施設が有り“増水時の使用”と断り書きが有った。いまは両岸に野猿を吊る鉄塔が残っているだけだ。もっと広い沢だと記憶していたが、沢幅は狭く徒渉というより普通に歩いて渡る。前は清滝小屋の脇を通ったが、今は小屋には寄らずに道は続いた。小屋は無くなっているかもしれない。前回、屏風道を歩いてから13年経っているので、記憶は曖昧だ。しかし、核心部のルートは替えようが無いはずだ。屏風道はそういう道である。
先行する中年男性に追いつく。ちょっと言葉を交わして先行するが、直ぐに追い抜いて行った。やがて、鎖場が始まる。鎖場は半端じゃない。文字通り連続する。岩は角礫凝灰岩で、手掛かり、足がかりは沢山あるので鎖が無くても登ることは出来る。気温はうなぎ登り。すでに汗まみれ。今日は長丁場だ。作戦決定。名付けて“亀の歩み”作戦。父娘ペアや数人のグループが登って来て先行していった。“亀の歩み”作戦のネーミングは見事にはまった。
七合目、ノゾキの松まで上がる。ここから沢源頭を登るが、ここが今日の核心部。初めは沢の側壁を行き、ヒド中心を登り右手へ絡むように登ってゆく。日が当たらないためかジメジメして心気くさいルートだ。岩も濡れていて滑りやすい。前に登った時は6月だった。この辺は雪で埋まっていた。その時ベテランらしい3人組は、危険と判断して引き返した。私はピッケルは置いて行ったが、ストックは一本持って登っていた。地元の方で何回も登っているという人が後から登ってきて先行し、そのルートを見たことが幸いし、無事登ることが出来た。雪がない今は、滑落して断崖絶壁から転落ということは無いとは思うが、このルートを下ることは禁止になっている。
無事に核心部を抜け、やれやれと思ったら膝の筋肉が攣ってしまった。最初片方だけだったが、すぐに両ひざが攣った。昨年、初冬の粟ヶ岳一本岳を登った時と同じ現象だ。これがまた痛くて足を動かすことが出来ないのだ。痛みはすぐに治まるが、それまでは、ただただ痛みに耐える。痛みが治まってその場で大休止。今日の正念場は越えたので、のんびりした気分で休む。周りには誰も居ないし魚沼の盆地や八ツ峰を眺めながら“じょんのび”である。
千本檜小屋への道は、鎖場も有るがこれまでと比べると穏やかなものである。オオカメノキやアカモノの赤い実が鮮やかだ。ツルリンドウが一輪。すでにお山の花は秋の様相だ。小屋前の広場は閑散としていた。薬師岳の方を見ると大勢の人が登ってくるのが見えた。ちょうどそのような時間帯なのであろう。
予定では歩いたことのない迂回路を進む予定であったが、ここまでくると、やっぱり八ツ峰を歩いてみたくなる。八ツ峰は岩峰で鎖場の連続だが開放的で私の好みである。そこで一挙両得を思いつく。最初八ツ峰を行き釈迦岳から迂回路に降りて、そこから新開道へ進む策である。迂回路は感触だけつかめればそれで十分。歩き始めると初めて見る小さな蝶々が舞い始めた。これは吉兆に違いない。
雲が湧き出して遠望は望めなくなった。雲は絶え間なく沸き上がり、それがまた深山岩峰の雰囲気を盛り上げる。気温はうなぎ登り。鎖頼りの上り下りは楽ではない。途中無名の岩峰で大休止。石碑も何もないが、寄る人が積んでいくと思われる石が重なっている。八ツ峰を歩いている人はいるのだがポツポツと姿が見えるだけだ。静かな岩稜である。
釈迦岳と摩利支岳の鞍部から迂回路に降りる。迂回路に降りるにもいきなり2段の鎖だ。日の池は直径1m位の小さな池。「日ノ池御神水」と刻まれた石柱が建っている。月の池はそれらしいものは見当たらず、三日月形に見える草地のことをいうようだ。池は草本類に取って代わられたようだ。周囲は笹と菅草に覆われている。ここだけは岩稜とは趣を異にする。
ここから新道分岐まで迂回路の一部を進む。確かに切り立った岩稜の基部をトラバースするので気の抜けない道である。雨は岩に浸透せずもろに流れ下るわけだから降雨の時は危険である。しかし、迂回路の方が“危険”というのは、岩稜の道も迂回路も気を抜いてはダメだ、という戒めであろう。
五龍岳への道を分けると新開道である。ここからは数回通っているので楽勝と思ったら、やっぱり鎖が連続する。笹藪を掴んで降りたところもある。こんなに厳しかったかなと思う。まったくそのような記憶は残っていない。くどいようだが人間の記憶というものは当てにならないものである。
尾根に出てしばらく下り見晴らしが出たところで大休止。根が生えた。しかし、ここまで来れば後は何とかなる。やれやれである。カッパ倉へ登り返して稲荷清水を目指す。薄い雲がかかってきて、木の葉を打つ雨の音がした。少し雨が降ってくれないかな〜と正直思った。歩いているときはまだいいが、立ち止まったとたん滂沱の汗。少し雨に当たった方が涼しくて快適だ、なんて考えてしまった。稲荷清水には届かず登山道脇で休む。
若い男性がやって来て、二言三言言葉を交わす。「後どのくらいかかるか」と聞かれて即答できず、地図を見ると稲荷清水から二合目登山口まで1時間であった。正直、後一時間もかかるのかあ〜と気力喪失。のんびり休んで出発。あとは登山口まで一気にと思ったが、またも届かず。ブナ林の木陰で休憩。登山口は目と鼻の先だというのに情けない。
ここから先、楽しみなことが一つある。昨年登った時に見たサルナシの実が今年もなっているかどうかである。サルナシはヤマクワとも言い、キュウイフルーツの原点と言われている。食べるとキュウイフルーツの味がするのだ。杉林の脇の道を下って行くと、間違いなくサルナシの実はあった。昨年よりも多い。昨年採った時は細長い実だったが、今見るサルナシは真ん丸で、ポツポツと斑点があり梨の実にソックリだった。
いや待てよ、違うのかなあ。まあ、いいや、最後にイイもの見たなあ。終わり良ければすべて良しである。
妙高さん、こんばんは。
暑い中でのロングコース、お疲れさまでした。
霊峰八海山、妙高さんの登られたコースはすごいところですね。
写真で見るだけでもドキドキします。
あまり人のいない厳しいコースに挑み続けているんですね。
ここも修験の道なのかな。
長時間の山行、本当にお疲れさまでした。
おはようございます。
八海山はルートがいっぱいあるんですが、その中でも、やっぱり屏風道が一番厳しいですね。稜線まで直登する感じですから。私が初めて登ったコースは、ロープウェイ利用のコースです。鎖場は有りますが、鎖は使わなくても登れます。八ツ峰も地蔵岳と入道岳は初心者コースで、そこだけでも登れば気分は爽快です。
深田久弥が”恐怖の度合いに置いては日本一”と書いていますが、その一端を感じることが出来ると思います。
越後の山もいいですね。
今回は、天気予報で気温が高くなるのは分かってましたので前夜発車中泊にしました。神さんには、「涼しいうちに登って早く帰りたい」と言ったのですが、たぶん時間は遅くなるだろうと踏んでの事でした。暑くて歩けないだろうと思ったので。その通りになってしまいました(-_-;) 私にとっては予定通りです。深謀遠慮。私は”策士”ですね。戦国時代だったら竹中半兵衛級かもね。って、バレバレです。多分。
お酒なら知っています
良い水と良いお米があるからですね。
とても厳しいお山と聞いています。
石碑が凄いですね!
怪力で石碑を上げるのは信仰の力でしょうか。
そしてこの猛暑、
私も先日、雨を浴びながら歩きたい
と思いました。
#4お花はツルニンジンです。
中国山地にも秋口に見られます。
昼間は38℃でも朝晩は秋を感じます。
ツクツクボーシが鳴き始めました(^^)
こんにちは〜 今日も暑いです(-_-;)
ツルニンジンですね。多分、初めて見ました。多分というのは、見たことあるか無いかも覚えていないんです。しかし、雰囲気がいいですね〜。いっぺんに好きになりました。上から垂れ下がっていて花の縁がピンクでいい花です。
日本酒の八海山は、飲んだことありますが、ずいぶん前のことで味は覚えていません。越乃寒梅も有名ですよ。飲んだことは有りますが、なかなか手に入らないようですね。酒の話になると、記憶が飛んでしまったような話ばかりが思い出されます(-_-;)
酷暑に厳しいロングルート、お疲れ様でした。
小休憩しつつとは言えやはり体力がありますね。八海山はルートが沢山あり良い山ですね。
サルナシは郷里の通学路に沢山菜っていて、固い実は米びつに入れて熟成させたものです。子供時代の思い出です。
tonkaraさん こんにちは
暑いです。あせ、アセ、汗です。八海山は、明るいうちに帰宅するつもりだったのですが、真夜中になってしまいました(-_-;)
温泉に入って汗を流して、食事したところまでは順調でした。車の事故だけは注意しなければ、と一休みしたら寝込んでしまって、家に着いたのは零時でした。
家には一時間くらいサバ読んで電話したのに、なんの役にも立ちませんでした。まあ、それでも何事も無く着いたので平穏無事な毎日です。やれやれです。
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