十二湖―――ブナの妖精に導かれて森林セラピーロードを巡る
- GPS
- 03:48
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 131m
- 下り
- 176m
コースタイム
- 山行
- 3:07
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 3:48
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
「ここのブナをご覧ください。枝打ちをしていないのにまっすぐ高く高く背伸びしたようです。大きなブナの木は、成長するための日光の奪い合いに勝ち、残ります。日光を採らなければ生存できない、という宿命を背負っています。」―――澄んだ声に思わず聞き入ってしまいました。青池を過ぎてブナ自然林に踏み入った時に,聡明な女性ガイドさんと白神山地を訪れた喜びで満面の微笑みの奥様とその奥様を嬉しそうに見守りながら後ろから付き添うご主人様。
多くのガイドツアーが行き交う中で,この3名の御一行様に魅了されて,まるでブナの妖精に導かれたように,惹き込まれました。次の瞬間私はご主人様に「このガイドツアーは有料ですか?」と尋ねてしまいました。「はい,そうです。よかったらご一緒にどうぞ。」え?え?え?でも,聞きたい。一緒に歩きたい。「お邪魔にならないようにしますから,ご一緒させてください。」とお願いしました。
ガイドさんが,「こんなことはめったにありませんね。自分たちが雇っているんだという態度の人が多いです。でも私は構いませんので,どうぞ。」と言ってくださいました。
ブナ自然林を進みながら,ブナの幹についた熊の爪痕,ブナの幹にあるハチの巣を熊がとった跡,ツリブネソウの群落,,,傍で説明を聞いているだけだったのですが,しばらくすると,栃の実を拾って私たちにも渡してくださり,カツラの落ち葉,ひばの葉の匂い,ブナの幹の水が伝って落ちた跡に手を触れ,ブナの幹の水の音を聴診器で聴き,という風に私たち夫婦もツアーに加えてくださいました。最後尾のご主人様は,「ぬかるんでいます。」「滑りやすいです。」とガイドさんの指示を伝言してくださり,ご親切が身に沁みました。
さらに,このツアーはお昼休憩をはさんで,午後にも続くコースだったようで,リフレッシュ村での休憩時には,お弁当を食べましょうということになりました。私たちはその心準備がなく散策していましたのですが,いつも登山の行動食を持ち合わせているので,同席してお昼休憩を取ろうとしましたら,恐れ多くも,奥様のお弁当を頂戴しました。それは,アオーネ白神十二湖のお昼弁当で,評判のおにぎりを美味しくいただきました。ご馳走さまでした。
後半の湖巡りもガイドさんの魅力的な説明に聞き入りました。私たちは今までいろんな山を登り,代表的な山野草はわかってきているものの,よく見かけるけれど名前がわからない野草の方が多く,その名前だけでなくて,山菜として食べられる,どの部分が,どのようにして,,,この木は何に使われる,などの説明がわかりやすく頭にすーっと入っていきました。もっともっと知りたい,そんな気持ちでご一緒させていただきました。
沸壺の池を下りたところでお抹茶をいただき,イトーの養殖所のあるビジターセンターが終点で,そこから私たちがその日宿泊するアオーネ白神十二湖の送迎バスがやって来るということで,急遽同乗させていただきました。
白神山地は7年前に西目屋村の方から訪れたことがあり,その時はJRのツアーでマタギの方や弘前大学の教授にご案内していただき,黄葉が美しいブナの中を歩きました。たくさん説明していただいたのですが,その時に覚えられたのは「クロモジ」「タムシバ」だけでした。でも,この時の感動がきっかけになり登山を始めました。
今回深浦町の方から白神山地を訪れて,その入り口の十二湖で,岩手から8時間かけて念願の白神を訪れられてガイドツアーをされていたご夫妻にお会いして,ご主人様奥様のご厚意に甘えて,白神山地の思い出が一層深いものとなりました。
翌日yoshiyanは予定通り白神岳に登りましたが,yoshiyan's妻は,ブナの妖精の思い出を辿るために,もう一度同じコースを歩きながら,ガイドさんに教わった植物の名前を思い出そうと歩きました。その記録は続いてもうひとつのヤマレコとして残します。
yoshiyan's妻は膝の故障のために一年近く登山を断念していましたが,筋トレの効果がやっと表れ,平坦な道を歩けるようになったばかりで,十二湖巡りに訪れていました。ブナの妖精に出会ったような3人様のご厚意に接し,勇気づけられました。そしてまた登山への思いが強くなりました。
セラピーロード、専門家による科学的効果の検証がなされて認定された散策路。yoshiyan's妻にとっても心と身体を癒す森でした。
最後になりましたが,
岩手のS様ご夫妻,ガイドのH様,大変お世話になりました。このたび格別の御親切に預かりましたことを一生の宝物とします。有難うございました。どうぞお身体に気を付けられてお元気でお過ごしくださいね。またいつかどこかでお会いできますことを楽しみに頑張ります。
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