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山行2日目、幕営地涸沢からザイテングラードを詰めて穂高岳山荘、奥穂高岳への登頂を経て前穂高岳に向かい吊尾根を進んでいた時でした。
頭上及び西側(西穂高岳・岳沢方面)のガスは晴れませんでしたが、歩いている尾根上と東側(涸沢カール・屏風岩・常念岳方面)の見通しは良く、時折前方の岩々しい吊尾根から前穂高岳、見下ろして今朝登ってきた涸沢カールやその先の常念岳近辺の山々を写真に収めながら順調に歩を進めていました。
初の吊尾根。
ようやく来ることの叶った憧れの穂高の絶景を歩いている自分に少しの違和感を覚えながら、この貴重な機会を楽しもうと、慎重に足元を見極め、背中にのしかかる大型ザックの重みとそれを受け止める自身の身体の状態を気にしつつ歩いていると…、
「あれ???』
今まで左下後方に過ぎようとしていた涸沢カールが右下にある!??
一体、何で!?
しかも涸沢ヒュッテを見下ろすこの角度と大きさ、さっき見たよ、この光景。
「戻ってる…、よな?」
頭上に「?」が浮かんだまま、おもむろにスマホを取り出しYamaRecoマップで自分のトレースを確認しました。案の定、矢印(自分)はトレースの最先端にはなく、150mほど2重になったトレースの戻った先に奥穂を指していたのです。
まさに「おーい、マジかよー!?」の瞬間でした。
この時は自分がルートファインディングをミスしたことよりも、登山道マーキングの不備を責める気持ちや、まだ先の長い行程を行かねばならない貴重な体力を削られたことへの他責の念が真っ先に頭にのぼってきてしまったのです。なんて自己中な人間なのでしょう。
結局、一体どこでどう間違ったのか分からずじまいでしたが、そこは北アの吊尾根。岩に覆われた似たような景色が続きますし、そこら里山の尾根道とは規模も違います。どこかで間違ったマーキングを捉えてしまったと考えられます。
今思えば、これくらいの道迷い(150m逆行)で済んで良かったと思わないといけません。ソロでもありましたし、もし自力で戻れない場所へ入り込んでしまったり迷った先で怪我や滑落など起こしてしまったとしたら、それこそ遭難です。
山岳遭難事故において「道迷い」は最も割合が多く、実に約4割を占めるそうです。
これまで、山での遭難(だけではないですが)について、何故か根拠もなく「自分だけは大丈夫」と思い込んでしまっていました。それどころか、やもすれば、こんなとこで道迷い?などと遭難者を蔑んだ思いを抱いたこともあります(良くないですね)。
生死を分けるような危険がそこら中に存在する登山。
明るい面だけ追い求めがちですが、その裏につきまとう危険も常に頭に置いて山に、自分に対峙しなければなりません。
これからももっと山を楽しみたいですものね。
夏の涸沢テント泊へ!からの奥穂高岳〜前穂高岳〜岳沢周回コース⛰️
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8582398.html
初めまして
この吊尾根は一度だけ使いました
しかも奥穂から前穂方面でken trailさんと同じ方向
お話を聞いてゾッとしました
リングワンデリングの一種なのかも
確かに吊尾根は一本道
道迷いはなだらかで平坦な場所で起こりやすいですけど
このルートの両側は切れ落ちてるから
リングワンデリングは起こりそうにないですけどね
先ほどその道迷いの部分の軌跡を拝見しましたが
いったい何だったんでしょうね
少し背筋に寒気を感じました
初めまして。コメントありがとうございます。
リングワンデリング!
無知な自分には聞き慣れない言葉でしたが、もしや有名な八甲田山の遭難事故で起こった道迷い行動でしょうか?
今回、本当に魔空空間に引きずり込まれた不思議な感覚でした。大事に至らなく良かったです。
junbaderさんはじめ経験豊富な皆さんからいろいろな情報や知識を共有させていただけるこのYamaRecoみたいなプラットホーム、貴重だなって思っています。
これからもよろしくお願いいたします!
恐らくなのですが、写真を撮る時に、ぐるっと身体を一周させる、あるいは、左を向いたり右を向いたりを何度か行う、ということはありませんでしたか?
そのときに、方向を間違えたまま気づかず直進されたのではないかと想像しました。
反対方向なので、道標の見間違いはさすがに気が付くのでは、と…。
いずれにせよ、誰しもが気を付けないといけないですね。貴重な注意喚起と思いました。
コメントありがとうございます。
そうか、写真を撮っていて、一人くるくるバット状態に陥っていた可能性もありますね。
せっかくのアドバイス、ふざけてしまってすみません。
しかし、真剣にこういうことも有り得ると、今後の自分への良い教訓になりました。
本当にどうもありがとうございます!
私も同じ道を戻ってしまった事が一度だけありました。
今のようにGPSがまだない時代で、北アルプスのような稜線ではなく、富士山のスバルライン五合目から精進口登山道を下っていた時です。
たしか三合目〜二合目だったと記憶していますが、腰を降ろして小休止した後、さて行くかと何を勘違いしたのか、歩いて来た道を逆戻りしてしまったのです。
精進口登山道は三合目以下に下ると道はほとんど平坦になり、しかも原生林の中でまったく目標物もなく、気が付きませんでした。
しかしほんのわずかな登り勾配に違和感があり、コンパスで方向を確認すると逆戻りしている事が分かりました。
ログを拝見すると奥穂〜前穂のほぼ中間の平坦地かなと思いますが、もしかして休憩されなかったでしょうか?
こんばんは。コメントありがとうございます。
富士裾野の平坦な原生林の中では余計起こりそうですね。
ほんのわずかな登り勾配に気付いたのはさすがです!どのくらい戻ってしまったのでしょうか?
僕の場合は平坦ではありましたが、休憩はとりませんでした。でも150mも気付かずに戻ってしまった💧。
足元に注意するのは大事ですが、目線を上げて特に大きな目標物や周囲の細かな情報もしっかりインプット、確認しながら進むのが肝要かと思いました。
そしてvt250zさんのおかげで、今後休憩上がりの方向間違えに気を付けることができそうです。どうもありがとうございます!
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