ヤマレコの山行記録に「滑落」の言葉を見ることが多いので試しに全文検索をしてみた。
その方法は、山行記録→全エリア山行記録一覧→「滑落」のキーワードで全文検索。
検索結果は驚きの31400件。
その一つずつを調べることは到底できないが、目立ったタイトルを読むと他人の事故ではなく実際に本人が滑落しているケースも多い。
中には怪我をしてヘリに救助された記録も見られる。
これはある意味、異常な状況と言ってもいいように感じた。
具体的な山名は避けたいが、西穂や伊吹山は異常だと感じる。
おそらく富士山も実際には異常な状態だと思われる。
かつて私は登山技術等の指導をしていた時代もあった。
初心者は雪山に向かうというだけで色々と知識的にも技術的にも習得すべき内容は多い。
しかしながら、そのように段階的にステップアップして冬山に向かうのを省略している人たちが目立つように感じられる。
また、昨今の滑落の原因にトレッキングポール(ストック)やチェーンスパイクの使用もあるようにも思われる。
チェーンスパイクは凍結した林道歩き等のアプローチにはとても便利な道具であるが、面倒がらずに斜面ではきちんと12本爪や10本爪を付けてもらいたい。
トレッキングポール(ストック)はバランスや推進力等のためにはこれも便利な道具ではあるが、滑落する可能性がある場所では使ってはならない。
滑落した山行記録を読むと自他とも偶然に止まったケースが多い。
滑落と言えば滑落停止訓練の話になるが、そもそもピッケルによる滑落停止技術で停められる斜面と言うのは緩い斜面である。
そのような緩い斜面でも滑落してしまい、しかも滑落停止が出来ないのだから山に向かう者としての資格がないと言われても仕方がない。
滑落してピッケルを手から離すなどという事は問題外であるが、滑落した記録にはそういうケースが多々ある。
ダブルアックス等でアイスクライミングをしている者やロープを使った岩登りやゲレンデでのアイゼントレをしている者は山での危険性を感覚的に理解しているのでピッケルを手から離すようなミスはしないだろうが、いわゆる指導も受けないで単独で始めた人は注意しないとそのようなことが起こってしまう。
単独で滑落した場合、致命的な遭難事故になる可能性も高い。
谷底まで滑落してしまい、命は落とさずにすんでも怪我をしてしまった場合、発見は容易ではない。
そういう記録もあったのは今のネット時代ならではのものだろう。
滑落を減らすためには歩行技術やアイゼン技術やピッケル技術なども直接的に重要であるけれども体力トレーニングも重要である。
簡単に言えば脚力がない者はバテ出すと滑落しやすくなる。
体力をつけ色々な山で山なれをして初めて冬山に向かう条件が揃ってくる。
自宅でベニヤ板の上でアイゼンを調整したり、ヤスリできちんと爪を研いだり、気温と雪質の状況のイメージングトレーニングをしたり、時間を作って適切な山行計画を立てていただきたい。
安易な滑落でヘリを呼び、結果的に全冬山登山者が世間から白い目で見られるという恥ずかしい事は避けたい。
単独で自己責任で登っているといっても、事故の影響はすべての登山者に対し及ぶものであるということを自覚していただきたい。
最後に具体的なことであるけれども、気温が高くなり腐った雪であれば滑落し出すと止まらない。
その場合時間がかかってでもピッケルのシャフトを雪にしっかり刺してクライムダウンする位の用心深さを持ってもらいたい。
mmmaaaさん、こんばんは。
滑落による事故、遭難数も一向に減りませんね。
西穂や伊吹そして富士山等々、全国的に有名な山は登山者の憧れでもあるのですね。
そして、登山と云うより観光で登って見たい・・その様な人も結構多いのでは。
今から30年ほど前なら、初心者は段階的に技術や知識を習得しそれに見合った山に登った人が多かったのですが、今日では素人でも装備品は専門店で調達できます。ガイドブックにしても、書店やレコで得る事が可能です。
ピッケルによる緩やかな斜面での滑落停止も、山岳会では訓練で教えてくれますが、独学で雪山にチャレンジする人もいます。
山泊で睡眠不足となり、思う様に足を運べずに雪庇に踏み入れて遭難されるケースもあります。
遭難して救助された中には、レコの山行記録をコピ−している人もいます。
自己責任と日頃口癖の様に言っている人ほど、遭難されるのでは、と思います。
貴方の言われる様に日頃から「体力トレ−ニング」をされるのが、安全な登山の近道ですね。
これからも、専門的な日記の投稿をお願い致します。
nonkibouさん
大げさな言い方かも知れませんが、日本では少子化対策が遅れたことによる超高齢化社会の問題が世界に先駆けて今後次々に出てくると同じように、健康志向による登山人口の増加によって未熟な登山者の事故や遭難が増え続けてしまう結果、これもある意味で世界に先駆けて深刻な社会問題化の兆候を見せているように思えます。
その問題の原因として、技術、知識、経験が乏しいことに加えて、単独行が多いことと体力不足もあるように思います。
登山の安全に関して本当に一人一人が真剣に考えてほしいと思いますね。
自分たちが遊ぶフィールドを守るためにも、ですね。
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