先週は立山の雪の斜面をスキーで滑ったり、一ノ倉沢の岩壁を攀じ登っていたのに、今は病院のベッド上に臥している。こんなことの繰り返しだ。
私はとある精神疾患を昨年から患っている。元気になったかと思って動いたら、揺り戻しとして猛烈な倦怠感と希死念慮が湧いてくる。本当に苦しい。
いっそのこと、懸垂下降を失敗して一瞬で死ぬことができたらどんなに楽だろうか、などと考えてしまうから恐ろしい。不思議なことに登攀中は死にたくないと考えるものだが、調子が悪い時は楽に死にたいなどと考えるのである。
この前、録画していたサカナクションのボーカル山口一郎さんのドキュメンタリーを観た。彼はうつ病を患っている。ベッドから起き上がれなかったり、ツアーのリハに行けなかったりなど強いうつ病の症状を抱えながらも、久々の全国ツアーを成功させる物語は、同じ精神疾患を抱える今を生きる私の姿と重なって見えた。
辛い日々が続いているが、病と共に生きる山口一郎さんのように、私も自分の病と生きていこうと思った。
「乗り越える」のではなく、「乗りこなす」。
コルやピークはまだ見えないが、それでも私はこの人生という山を登り続ける。
病棟からのクライマーとしての思いである。今日も岩木山が綺麗だ。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する