2024年、これまでの目標であった大峰奥駈道の縦走を達成できた。なので、これからどんな登山をしようかと考えていたのだが、ふと思ったのが、串本から敦賀まで一切河川や谷を横切らず稜線伝い、つまり分水嶺を歩くことはできないのかということだった。早速地図で辿ってみると、線を引くことはできた。
距離(km) 登り(m) 下り(m)
(1)串本〜蟻ノ越 103 7174 6359
(2)蟻ノ越〜大普賢岳 90 6425 5467
(3)大普賢岳〜柘植 143 9906 10966
(4)柘植〜柏原 85 7422 7954
(5)柏原〜敦賀 94 6157 6339
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合 計 515 37084 37085
今後、これをもとに、歩く計画を考えてみようと思う。
(1)鈴鹿山脈から大峰山脈へ
鈴鹿山脈と大峰山脈は何度も歩いているので、まずは、その間を繋いでみようと思う。入道ヶ岳から柘植までは、南部鈴鹿山脈で登山道がちゃんとあるので計画は立てやすい。また、高見山から大台ケ原までの台高山脈も、険しそうであるが縦走記録は多くあるので計画は立てやすい。三峰山から高見山までもなんとかなりそうである。問題は、柘植から三峰山だ。そこをどう攻略するかがポイントと思われる。また、入山前と下山後の交通をどうするかも悩ましい問題だ。歩けるところから歩いて、調査しながら難しいところの計画を検討しようと思う。まずは、以下のような分割を考えた。
1−1)椿大神社〜一ツ家
(2025.06.07:椿大神社〜安楽峠)
(2025.05.18:安楽峠〜鈴鹿峠)
(2025.06.22:鈴鹿峠〜一ツ家)
鈴鹿セブンマウンテンを歩いたりと鈴鹿の山は何度か歩いている。その結果、藤原岳から宮越山の南にあるイワクラ尾根分岐まではすでにつながっている。鈴鹿山脈の南端は、柘植駅の東3kmほどのところにある一ツ家である。椿大神社から入山し、入道ヶ岳を越え、イワクラ尾根から縦走路に入る。宮指路岳、仙ヶ岳、三子山、鈴鹿峠、三国岳と越えていき、小平山(烏山)から一ツ家に下山する。一ツ家からは国道25号等舗装路をJR柘植駅まで歩く。この間、35kmを1泊2日もしくは2泊3日で歩けそうである。しかし、テント泊が可能な日程を見つけるのが難しいので、分割して3回の日帰り山行でつなげることとした。
(1) 椿大神社〜イワクラ尾根分岐〜安楽峠(2025.06.07実行)
椿大神社の登山者駐車場をスタートして、入道ヶ岳経由でイワクラ尾根分岐まで進む。そこから稜線を南下する。宮指路岳、仙ヶ岳を超えて、安楽峠まで進み、そこからは舗装路を通って下山する。東海自然歩道のルートに沿って下り、ちょうど新名神の高架の下あたりから、鈴鹿山脈の裾野を北上しながら椿大神社まで戻る。距離30km、累積標高2,000mと日帰りにしてはちょっとハードだが、16km地点の安楽峠以降は舗装路で、20km以降は麓道なので仮に暗くなったとしても危険性は少ない。6時スタート、16時に安楽峠、19時ゴールで行きたい。
実際は、5時前にスタートし、18時過ぎの明るいうちに完了できた。安楽越から舗装路の下りの歩き方がよくなく、足裏にマメをたくさん作ってしまって、その後の歩行が辛かった。
(2) 鈴鹿峠〜安楽峠(2025.05.18実行)
鈴鹿峠の駐車スペースをスタートして、北上し、三子山、四方草山を通り、安楽峠に至る。そこから西に舗装路で下山もできるが、もう少し北上し、カモシカ高原まで進み、そこから東海自然歩道沿いに西の山女原地区に下山し、そのまま東海自然歩道を通って、鈴鹿峠に戻る。比較的短いルートで、楽しく歩けた。
(3) 鈴鹿峠〜一ツ家(〜JR柘植駅)(2025.06.22実行)
鈴鹿峠の駐車スペースをスタートして、南下し、稜線を小平山まで歩く。そこから一ツ家地区に向かって南側の尾根を下り、国道25号線に至る。小平山までは一般の登山道で問題ないと思われるが、そこから一ツ家地区に降りる尾根があまり歩かれていないようである。降りたところで国道25号線に合流するので、そこからJR柘植駅まで歩く。その後は、JRで貴生川駅まで行き、そこから甲賀市コミュニティーバス土山本線に乗って熊野神社で下車し、最後国道1号線を1.3km歩いて、車をピックアップする。柘植駅が17:48の電車が最終になる。鈴鹿峠から一ツ家までで、距離11kmなので、朝6:00までにスタートできれば問題ないと思われる。
実際は、蒸し暑くて大変だった。小平山からの下りは、予想に反して非常に歩きやすかった。
1−2)一ツ家〜青山峠
(2025.4.12:一ツ家〜伊賀越)
(2025.4.20:伊賀越〜青山峠)
布引山地北部の縦走である。一ツ家〜霊峰の関〜蝙蝠峠〜伊賀越〜長野峠〜笠取山〜青山峠の約40km。山としては険しくはないが、道がわかりにくい。縦走路が登山道として整備されているかどうかが怪しい。一ツ家から名阪国道の加太トンネル上部までは足跡があるが、そこから霊山の登山道に合流するところまでは足跡がない。そこから、蝙蝠峠、伊賀越、長野峠までの区間も足跡があったり、なかったりの不明瞭なルートが続く。長野峠から笠取山までは、林道区間もあり、足跡もしっかりしているので歩きやすそうである。しかし、その後は稜線が自衛隊の基地の中を通っており、通行できるかどうかは不明である。通行できない場合は、基地を避けて走っている県道512号を歩くことになりそうだ。その後は、青山高原内を県道512号が稜線に沿って続いているので安心して歩けそうだ。最後は、県道を外れ、青山高原サニーヴィラの東側を抜けて、再度県道512号に戻り、青山峠に至る。この間もルートは不明瞭だが、歩くには問題なさそうである。青山峠からは、国道165号を通って西青山駅まで歩く。1日目に伊賀越まで行くことができれば1泊2日で歩けそうである。
実際は1泊2日の日程をなかなか確保できないので、分割することにした。
(1) 一ツ家(JR柘植駅)〜伊賀越(2025.4.12実行)
一ツ家〜長野峠を計画し、2025.4.12に実行したが、予想以上に険しく伊賀越までしか到達できなかった。一ツ家に駐車し、伊賀越から下山、三重交通バスの汁付というバス停から17:13の最終バスに乗り、伊賀鉄道、関西本線と乗り継いで柘植までもどり車をピックアップした。
(2) 伊賀越〜青山峠(近鉄西青山駅)(2025.4.20実行)
国道163号線から県道42号線に入ってすぐのところに駐車スペースがあるので、ここに駐車する。遅くとも7時には出発したい。まずは、そこから伊賀越まで2.5kmを40分程度で歩く。伊賀越から、761mピークを超えて、長野峠に着く。そこからは、風車のある山を超えていく。風車のための道もあるが、できる限り稜線を歩く。一番情報がないのは、笠取山周辺である。自衛隊の基地があるので、通行できるのかどうかがよくわからない。だめな場合は、残念ながら迂回するしかない。その後は、稜線上を自動車道が走っているので快適に歩けそうである。最後は、青山高原サニーヴィラの東側をなんとか抜けて、青山峠に至る。そこから西青山駅までは、3.5km、45分程度である。西青山駅を17:01の電車に乗れば、伊賀上野、上野市、汁付と電車とバスで戻って、車をピックアップできる。自衛隊の基地付近で彷徨うことがなければ10時間でなんとかなるであろう。途中で無理と判断すれば、引き返すしかない。
実際には、予想以上にしんどかった。笠取山から先は、自衛隊道路の脇を藪漕ぎで抜けることができた。
1−3)青山峠〜道の駅御杖(30km)
(1) 青山峠〜塩見峠
(2) 塩見峠〜桜峠
(3) 桜峠〜道の駅御杖
1−4)道の駅御杖〜高見山(28km)
この区間で悩ましいのは、最初の登り口をどうするかだ。大洞山から普通に下山すれば、美杉町杉平に出る。そこから学能堂山に至る林道と登山道を使うのが標準であろう。しかし、それは近畿を東西に分ける稜線ではない。近畿を東西に分けるのは、道の駅御杖付近の標高517mの里山から入って杉平山に向かうルートになる。ただ、道があるかどうかは不明である。そこさえなんとかなれば、後は一般登山道のみで高見山まで行くことができる。距離は28km、累積標高は2,300mと、一日では厳しそうである。公共交通機関で道の駅御杖に向かうと、自宅を始発で出ても到着が10時前になるので、1泊2日の計画が妥当と思われる。三峰山の八丁平あたりで1泊になろであろう。水場は、新道峠から北に少し降りたところにあるようだ。最後の問題は、高見登山口からの帰路である。コミュニティバスふるさと号が休日(要予約)17:55発なので、それに間に合わせる必要がある。いつものように早朝に出発すれば問題ないと思われる。
1−5)高見山〜大台ケ原(〜尾鷲)(72km)
(2025.5.02〜5.05:高見山〜大台辻)
(2025.06.29:大台辻〜三津河落山)
台高山脈縦走路である。登山としても一番面白いところだと思われる。
(1) 高見登山口〜大台ケ原〜尾鷲(2025.5.02〜5.05実行)
簡単に面白いと書いたが、実際には苦行でしかなかった。詳細は登山記録に書いている。稜線をつなぐという意味では、大台辻から筏場道を通るのではなく尾根伝いに三津河落山を目指す必要があったが、体力的にも時間的にも限界となって、それは実現できなかった。また、改めて挑戦したいと思う。
(2) 大台辻〜三津河落山(2025.06.29実行)
とても天気の良い日に歩いた。大台ケ原ドライブウェイ沿いの駐車場に車を停めて、一旦、コブシ峠から笹場道を通って大台辻に向かった。その途中で熊に遭遇したときは驚いた。30m程度の距離で熊が私に気づき、谷を駆け下りていったので、何事もなかったが、この日はずっと緊張していた。大台辻から三津河落に至る稜線はあまりあるかれておらず、藪漕ぎが必要で非常に辛かった。二度と行きたくないルートだった。また、最悪にもマダニに噛まれてしまった。今後の体調変化にも注意が必要である。なお、体調は良かったので、大台ケ原ドライブウェイ沿いの三津河落山から伯母ヶ峰に至る稜線も歩いた。伯母ヶ峰から駐車場までは舗装路を歩いた。
1−6)大台ケ原〜大普賢岳(〜洞川温泉)(38km)
(2025.06.29:三津河落山〜伯母ヶ峰)
大峰山脈の大普賢岳や山上ヶ岳周辺はすでに歩いているので、台高山脈から大峰山脈をつなぐ稜線が残されている。1−5でも書いたが、大台辻から三津河落山までもまだ残っている。
(1) 三津河落山〜伯母ヶ峰(2025.06.29実行)
1−5で大台辻から三津河落山まで歩いた日に、伯母ヶ峰まで歩いた。距離があり気温も高かったので伯母ヶ峰までたどり着けるか不安だったが、この稜線に並行して大台ケ原ドライブウェイが通っているため、いつでも中止して切り上げることができるので、とりあえず行ってみることにした。伯母ヶ峰までは基本下り基調なのだが、アップダウンがあり、最後の伯母ヶ峰までの登りは辛かった。なお、本当に辛かったのと時間も遅くなったので、伯母ヶ峰の山頂までは行っておらず、大台ケ原から大普賢岳に至る稜線上のピークで戻ることにした。ただ、そこから駐車場まで約8kmの距離と約300mの登りが残っており、2時間の舗装路歩きにうんざりした。
ただ、かなり距離を稼ぐことができたので、残りの伯母ヶ峰から大普賢岳までも日帰りの山行でいけそうである。
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