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いつもは冬場の山登りは低山にしてきたが、急に雪山を見たくなった。といってもごく易しそうな山しか選べない。あれこれ調べていて、日帰りで行けそうで山頂まで往復しても3時間くらいだというＮ山に決めた。丁度うまい具合に山の麓がスキー場になっていて、スキーツアーバスが格安で出ていたので、それを利用することにした。
横浜に6：30集合だった。当然スキーやスノーボードをやる人が多く、若い人たちや家族ずれがほとんどだった。後でわかったことだが、ゴンドラで山頂駅に着いてから、更にＮ山に登る人は私たち夫婦だけだった。
大型バスは満員で、私たちは丁度バスの真ん中あたりの左の席になった。右の方の席には若い女性2人が座っていたが、すぐ後ろの女性2人と同じ仲間のようで、時折その前後で話をすることもあった。
右隣りのその女性2人はバスが出発してから着くまで、あれこれと楽しそうにお喋りをよくしていた。特に周りを気にするでもなく、街中を歩きながら話をする如く、ふだんの調子だったから、その周辺にはまる聞え声だった。
「ねえ〜、この子、アユに似ていない！」
「どれ〜、本当〜！ヤバイよこれー」
「そうでしょ〜、可愛いし・・・」
「チョウ可愛いじゃん！ヤバイよ！」
「これは〜？、チョウヤバくない・・・」
「ヤバイ、ヤバイ！チョウヤバイ、キャハハハ・・・」
どうも女の子の持っている携帯に保存されている仲間たちの写真を見せ合っているらしい。
ここで、私は昨年の夏出かけた、大曲の花火大会のことを思い出してしまった。
花火大会はバスツアーで出かけた。桟敷席が出来ていて、そのバスの人達は２列で横に細長く座ることになった。花火が次々に打ち上げられていった。私たちのすぐ後ろの若い女性２人が、
「あ！ヤバイ〜！」
「ヤバイ、ヤバイ！すごい〜！」
「ヤバイ、ヤバイ、ねえ〜ヤバイよ〜！」
「うん、ヤバイヤバイ」
「これ、ヤバイよ〜」
「ヤバすぎ！」
と打ちあげる度に�爛筌丱き瓩鯱�発していく。
始め、「う！ヤバイ？」と私は一瞬戸惑った。この�爛筌丱き瓩箸いΩ斥佞蓮▲謄譽咾覆匹如⊇�子中学生や高校生が屈託なく言っているのは何んとなく知っていた。が、すぐ後ろで大きな声で叫ばれてみると、自分としてはその花火の美しさを表現する言葉として、どこかマッチしない違和感があった。今はあまり私も言わなくなった気がするが、子供から青年期に、何か悪さをした時とか、失敗をした時によく言っていただろう。でもこのような花火の美しさや素晴らしいことを�爛筌丱き瓩箸いι集修埜世ど修垢海箸覆瓢廚い發茲蕕覆だこΔ世辰拭�
2人のギャルは特に変わった人でもないし、今の若い女性風の服装や容姿をしていた。ただ花火の最初から最後まで、2人はハモルようにこの�爛筌丱き瓩鯱�呼し、時には興奮して立ち上がって叫び続けた。
周りの人がわりと静かだったから、この2人の叫びが目立ったが、次第に我々の感じることを代わりに言ってもらうような雰囲気にもなって行ったみたいだった。
「あ！きれい！」とか「すごい！すごい！」「いいわね〜」
なんかよりも、かえってこの�爛筌丱き瓩諒�が表現として的を得ている気が不思議にしてきたのだ。あの男の子が少し動揺した不安感を秘めた�爛筌丱き瓩琉嫐９腓い盍泙瓠⊃搬里涼罎縫咼咾辰抜況磴�響くような、的確な表現にも思えてきてしまった。
最後のフィナレーになる。私も「ヤバイ！ヤバイ！ヤバイ！」と言い出してみたくなりそうな欲求が恥ずかしながらあったくらいだ。でもこの2人の発した�爛筌丱き瓩�2時間ばかりの間に、どのくらいの数、発しただろうか。他の会話もあっただろうに、すべてがこの�爛筌丱き甍貎Г寮こΔ砲茲辰同討鬚劼修瓩討靴泙辰燭澆燭い如△修慮斥佞靴�残っていない。
そんな記憶もまだ新しかったから、スキーバスの中での右側の２人の会話は、以前よりもいくらか抵抗感もなく受け止められたし、自分には心地よいくらいの気持ちで、大きな声でおしゃべりをしているのを聞いて楽しむ余裕もあった。
２人はその後も勤め先の上司はそう悪い人ではないとか、同級生の男の子は、顔はまあまあなんだけど性格が歪んでいるなど、次から次へと話題が尽きない。大きなバックを膝の上に乗せているから動きにくそうにしていた。必要なものだけ座席に持ってきて、あとは上に乗せるとかバスの下に収めるとかすれば良いのにとは思った。でも大切なものが詰まっているらしい。そんな状態だから、ものを出し入れする時、携帯らしき物や何やらを数度落としてしまった。自由に身体を動かせないからあたふたしていた。私が「あすこですよ」とその場所を指摘してやったが・・・。そんな時、
「有難うございます、すみません」といたく素直である。
話がいつとはなく切れると、「太っちゃうわ〜」と言いつつおやつをぱくつき、揃ってお化粧を直す。そして一時揃って居眠りをする。また回復したのか、元気よく前の話とは関係ない話が始まる。という感じで、約３時間でバスは目的地に到着した。
別に私はこの２人について、特に悪い印象を持ったということではなく、今の若い女性たちが、どのような生活スタイルであるのかを知れて楽しんでいた感じだった。年配者だけのバスツアーだと、時として森閑とした寂しい世界になりがちだ。たまにはこうした若い人たちの奔放で生きのいい世界に触れるのも、元気が貰えるいい機会と考えたくなった。
この�爛筌丱き瓩箸いΩ斥佞蓮∪里離優�ティブの意味からポジティブな使い方の変わってきただけではなく、次第に男から女へ移行しつつあるのだろうか。それとも、そのうち男女の共通な言葉として使われるようになるのだろうか。しかも、その意味するところが、今のギャルが意味する�狄瓦砲垢瓦�響いてくる〜！�瓩箸いΔ茲Δ蔑匹ぐ嫐９腓い鮖�って・・・。
「あの子、マジでヤバイぜ！」
というように、男にまた逆輸入されていくのだろうか。
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