距離:176km
時間:37時間20分(走りはじめからその日の目的地まで、休憩含む)
持ち物:ヘッドライト、ハンドライト、ゴアテックス防寒具上下、着替え、タオル、携帯と時計の充電器、食糧(パワージェル8個、アミノバイタルプロテイン12個、カロリーメイト、アミノバイタルパーフ
ェクトエネルギー2個、炎熱サプリタブレット、炎熱飴、ブドウ糖、スポーツ羊羹、MUSASHIのRIPLENISHとNI)
コースはUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)の2016年のコースでレースとは逆に反時計回りです。
前日に足を打撲したりコースアウトしてコース外の薮の斜面を直登したりもめげずに走りきりました。
3日間の日記、長いので興味がある方は見てください。
【5月3日】河口湖〜富士宮90km
5時 河口湖スタート
9時 本栖湖着、ほうとう鍋
15時 朝霧高原麓で夕食
18時 熊森山着(天子山地、今日の最高地点1,574m)
22時30分 富士宮温泉花の湯着、すき家で夕食
25時30分 就寝
初日は距離が長いし最大の難関天子山地を夜間に通過するのは危険という永島くんのアドバイスを聞いて急遽前日夜のバスで河口湖へ。
GWで宿は満室、唯一空いてたカプセルホテルに人生初で宿泊。
周囲の音は気になるけど案外快適でした。
早朝、夜が明けたらスタートしようと準備して5時、いざ出発。
ゆっくり河口湖周辺を走ると乾いた空気と低い気温、綺麗な空気が気持ち良い。程無くして最初の山、足和田山へいきなり300m登る。
今日は長丁場、いつもよりペースを落として登ってるのに息は切れるし脈は異常に早いし顔も引きつっておかしい!
かなりテンションが上がってたのでそのせい?とさらにペースを落とすと落ち着いてきた…良かった。
下山すると東海歩道という名の富士の樹海へ。入り口には、自殺を?早まるなとかよく考えてとか書いてある看板が。方位磁石も狂うって言うけど本当かなぁ?
アップダウン無し、空気は綺麗でランナーにとっては気持ち良く走れるコースを15kmほど走って西湖、精進湖と通って本栖湖へ、あっという間でした。ここから20km以上は店がないので腹ごなしに本栖館で
水分補給とほうとう鍋を、みそ味の鍋は美味しかった。
富士山一周…舗装路を通ったら近いし楽なんだけどなぁ、何度思ったか(笑)それじゃあトレランじゃ無いもんね、忠実にレースコースを通ります。
本栖湖の東側から山道に入って鳥帽子山、パノラマ台をを通って難所の竜ヶ岳へ。ここの500m直登はキツかった。山頂で撮った写真の顔が引きつってました(笑)
またまた下山して根原の吊り橋、麓のつり橋を通って休憩地点の朝霧高原麓のコンビニへ。時間は15時、52km地点、かなり空腹だったので1,500円分も買って完食、この後の最大の難所天子山地に備えまし
た。
天子山地へは舗装路を10kmで600m登り熊森山手前では一気に200m登るヒドイコース。舗装路の入り口には一般車両通行禁止(歩行者は良いのか?)の看板があったけどコースがここしかないので通過。時間は
16時を過ぎ今から登山する人は居るわけもなく誰とも会わずにひたすら2時間登るとトンネルが。この辺りから山道に入るはず。地図を確認すれば良いのに明かりもない真っ暗なトンネルに入ってしまい途
中から戻るのもためらって反対側へ。トンネルを抜けるといきなり通行止め、地図を見るとトンネル手前に登山道入り口が・・・ショック!
引き返して左側を見ると小さな参道を示す看板が…しかも荒れたコースで多分殆ど通る人がいないんでしょう、マーキングの赤いテープが無ければ絶対ミスコースで迷います。
前日に永島くんから天子山地は暗くなる前に抜けた方が良いと聞いていたので明るいうちに通れたけどヘッドライトではマーキングを見つけられずに立ち往生でした、本当に感謝です。
時間は18時を超えてだんだん暗くなってきた、天子山地の最後の山、長者ヶ岳までもう少しのところでヘッドライトを点灯。でもこのあたりはしっかりとしたハイキングコースだったので迷うことなく快調
にラン、無事天子山地を走りきった!
後はアップダウンはなく富士宮市街まで下るだけ、白糸の滝までは虫と獣のような鳴き声が聞こえる中、月の光しかない林道をひたすら10km走る。何が居るか、何があるかわからないこの暗闇をヘッドライ
トだけで進む、めちゃくちゃ怖い。普段だったら絶対通らないです。白糸の滝手前で舗装路に出て民家も見え始め一安心。自販機でコーラを一気飲みしてあとはロードを10km下るだけ。普段の走り込みの成
果かペースがゆっくりだからか足の筋肉は余裕があるものの股ズレと両足の指、足の裏が痛い。特にロードのひたすら下りは厳し〜。それでもあと10km、足の痛みは無視して温泉と食事のことを考えて1時
間30分、今夜の目的地の富士宮花の湯温泉に到着!、17時間20分、90kmを走りきった。温泉は深夜2時までは1,500円、さらに1,500円追加で翌朝9時まで利用できます。
夕食はすぐに補給ができるすき屋が隣にあったので、牛ビビンバ丼大盛りに豚皿、おろしポン酢、納豆を追加して栄養補給。温泉では水風呂と炭酸泉でゆっくり疲れを癒し、仮眠室で就寝。
【5月4日】富士宮〜須走45km
8時 富士宮温泉花の湯スタート
13時 水ヶ塚公園着(峠走最高地点1,500m)
16時 御殿場滝ヶ原駐屯地セブンイレブンで休憩
18時 須走温泉天恵着
22時 就寝
今日は山登りは無く一日ロードの中休み?、レースでは富士の樹海と自衛隊の演習場を通過するけど普段は通れないので舗装路の富士スカイラインを通って須走まで。富士宮市街標高200m地点から休憩地点
の水ヶ塚公園の1,500mまで登り、御殿場の600mまで下るルートです。自転車はトレーニング?の強者10台くらいと会ったけど徒歩の人とは一人も会わず・・・そんな物好きは居ませんね(笑
朝8時に出発、情報では水ヶ塚公園までは自販機もお店も一切ないので朝食と水分補給をセブンイレブンで済ませて修行の旅へ。信号も無く、歩道も無い富士スバルラインのクネクネ道を4時間くらいひたす
ら登る。筋肉痛は無かったけど足の指先が痛く、特に右足の足裏は滅茶苦茶痛くて歩くのも辛い。どうしよう、裸足で歩こうか?とも思ったけど、靴の中敷きを外してみると結構楽。5kgを超える荷物と長
距離の疲労ですかね、良い経験になりました。13時に水ヶ塚公園に到着、観光客で凄い賑わいです。食堂も大盛況ですでにご飯ものは完売だったので肉そばを注文してお腹を満たし、後半戦へ。
御殿場市内まで約900m標高を下げるので足が元気だったら良いペースで走れるんだけど、なんせ足のつま先が痛くてペースが上げられずジョグで下る。幸い時間にも余裕があったので富士山を眺めながらゆ
っくり降りていくと標高も下がり、夏のように暑くなってきた。自衛隊の滝が原駐屯地に来ると大砲の音が聞こえ、装甲車ともすれ違ってちょっとテンション↑
コンビニでお約束のコーラを一気飲みし、あと10km宿に向けてラストスパート。でもこのあたりから右足裏の痛みが酷くてピンチ、本気で須走でリタイヤかな?とか考えながら今日の目的地の須走温泉天恵
に到着。9時間30分、45kmを走り(歩き?)きりました。この温泉も深夜0時までは1,000円、翌朝9時までは2,000円の追加で利用できます。今日は時間に余裕があったので温泉でゆっくり足のケアをして、仮
眠室のマッサージ機で疲労を取りました。肩も凝っていたので非常にありがたい。明日続けるかは朝の足の状態で判断、と考えて22時前には就寝。
【5月5日】須走〜河口湖41km
5時 須走温泉天恵スタート
7時 山中湖着
11時 杓子山着
15時30分 河口湖ゴール
今日の行程も40kmくらいあるし、ゆっくり行くことを考えて5時前に出発。幸い右足の痛みも落ち着いて歩いても痛みが和らいでいたので行くことに。日の出が近づくと空気はきれいだし涼しくきれいな富
士山も見えてテンションが上がります。朝食を取る予定のコンビニを探したけど、閉店らしく空き地に(笑
しょうがないので山中湖で朝食をとることにして持っていたサプリを食べて最初の山、立山へ400mを登る。この日も筋肉痛は無く朝一で元気だったこともあり順調に登っていく。ここでこの旅初めての動物
、二匹のシカに遭遇。いやー、クマじゃなくて良かった。舗装路と違って山は足に優しいですね、下りもある程度走れて山中湖に到着。朝食を取ってこの日のメイン、石割山、杓子山へ。
石割山の登山道、いきなり400段を超える石の階段が現れる。登っていくと、どっかで見たことがある景色だなぁと思ったら前にランスマでハブ君が富士登山競走の練習で鏑木さんとトレーニングしていた
ところだ!と思い出した。UTMF大会のコースにするとはさすが鏑木さん。130km走ってきてここを登らせるとは変態ですね。途中、石割神社には岩と岩の間を通る観光スポットがあってチャレンジしたけど
荷物が邪魔で通れず・・・無事通過して、二十曲り峠へ。この後は本日の最高地点の鹿留山1,632mを取って杓子山までの登山。400m位登るけど、何より登山道が岩場で細いし、至る所にロープ区間があって
スリル満点。杓子山は多くの登山者で賑わっていました。天空の鐘を鳴らして旅の無事を祈願して最後の山、霜山に向けて下山を開始。ここの下りはヒドイ!、コースが破線(人があまり通らない道でコー
スが不鮮明、迷いやすい)でわかりずらい。超細いがれ場の道や直角に近い岩の斜面なんかがあって、ここを大会のコースにしたらダメなんじゃない?と鏑木さんに文句を言いながら下山。西桂町にある寿
駅のコンビニには腹ペコで到着し、栄養補給。この旅の食事はセブンイレブンとすき屋、ほうとうだけでした(笑
さて、この旅最後の山、霜山に向けて500mの登り。ここがこの旅一番のピンチでした。まず登山道入り口が見つからずウロウロ。人に会わず聞くこともできないし迷って迷って見つけたのが金網の鉄格子、
「獣が入らないための柵、有刺鉄線が危険なので触らないでください。入る方は必ず閉めてください」の看板。これか?と一か八か行ってみる、地図と照らし合わせるとこれっぽい。レースだと誘導員の人
が居るから迷わないんだろうなぁ。目印の鉄塔も見えて安心、したのも束の間。コースはどんどんけもの道に。ハイキングコース目印の赤いテープも無くなり、完全に迷子に。本気でピンチ、ウロウロした
ら帰り道もわからなくなった。最後の手段はコース外の藪漕ぎをして携帯のコンパスを見ながら目的地の霜山方向に登るのみ。薔薇のような植物で何か所も傷を負い、サポーターも穴が開き、サバイバルレ
ースのように進むこと1時間、どうにか登山道に出た〜。場所を確認すると180度反対方向に登ったらしくかなりの遠回りになったものの一般ハイカー用の登山道に出たので霜山へ向けて再出発。最大のピン
チを乗り越えて下山を通過してあとは河口湖へ下るだけ!
左側には街並みと河口湖が見えて、あー一周して帰ってきたんだと実感し、嬉しくも楽しかった時間が終わってしまう残念な気持ちが複雑・・・変かな?
下山してロードに出るとゴールの橋が見えてテンションが上がる。河口湖の東側を通って端に向かう時は走りきった達成感で一杯に、諦めなくて良かった。
移動時間10時間30分、距離は41kmを走り切り無事にスタート地点に帰ってきました。
移動距離176km、時間は37時間20分、天候にも恵まれて一度も雨が降ることなく、常に富士山を眺めながら走る最高のトレイルランでした。
マッサージや補給をして乳酸を貯めなければ筋肉痛が起きずに長く走れることが分かった反面、股ずれやシューズの再検討(足の指先や足底筋の痛み)など改善点も見つけられて良い経験でした。
いろんなチャレンジをしていきたいので夏休みはTJAR(富山湾から駿河湾まで)420kmのアルプスを縦走したいと思います。といっても全区間は無理なのでロードは省いて山だけ(笑
応援してくれた方、ありがとうございました!
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